海賊王におれは・・・・・ならないから! 作:ダーク・シリウス
風の噂、旅の噂で聞いた話でこの海のどこかの島に莫大な財宝があると聞き、噂程度の情報は頼りないが探してみることにしたおれ達は、更なる聞き込みをしてとある島に上陸を果たした。島の名物をたらふく食べた後、実物をお目にかかりに足を運んだ。
「さ、さみぃ・・・っ!!」
「だから言ったのにメガロー。温かいもんを着ろって」
「ま、魔法なら寒さを防げると思ったんだよっ」
「防げるけど教えていないからできないだろ。バカだなぁー」
「ハハハッ!! イッセーの言うことを聞かねぇからだサメ野郎!! このまま水揚げされたサメの冷凍保存に自分からするなんて、人を笑わせる才能があるんじゃねーの?」
「んだとこの下等種族がっ!!」
そこは氷の大地で吐く息が白くなるほどの環境だった。たった一人防寒着を装備しなかったことに小ばかされたことに、怒りで拳を挙げるメガローから逃げるヴェージ。あっ、揃って滑って強く頭を打った。
「バカですな」
「どっちもバカだ」
「似た者同士とはこういうことでしょうな」
「・・・・・どっちもどっちだ」
「「聞こえてんぞテメェらー!!?」」
おれ以外の男が吐露する言葉に仲良く異口同音で張り叫ぶ二人は案外仲がいいとおれも思う。
「ですが、丁度着いたようですな」
「?」
「ヤマト、下だ下」
セルバンデスの意味深な言葉に首を傾げるヤマトに教える。他の皆も視線を足元に落として氷の大地を見ると・・・・・ぶ厚い氷の大地の下には想像を絶する量の黄金の煌めきがあった。
「「「おおお~!!」」」
子供三人組も興奮するほどの財宝の山が氷の大地という名の壁に守られている。億はくだらない量の財宝だ。巨人の両手でも溢れそうなほど蓄えて来た海賊は凄いと驚嘆する。
「どうやって氷の下に財宝を集めているんだろう」
「割る他ないでしょうな」
「簡単に割れてしまう氷じゃないだろこりゃあ」
「逆だ。そう言うことが出来る人間、もしくは力か技術があるからだろうよ」
「イッセー殿の言う通りですな。そしてそれを可能とするかもしれない者が向こうから来ましたよ」
ワオウの言葉におれ達は来た道へ振り返る。刀剣類、重火器を武装した集団が敵意をこっちに向けてくる。
「財宝泥棒め!! お前たちに八宝水軍の財宝を渡しはしないぞ!!」
「いや、いらないし。相手が海賊ではない限り人の財宝を奪わないぞ」
とは言っても、信用してくれない相手だ。こっちの言い分を無視して発砲、雄叫びを挙げながら大挙して襲い掛かって来た彼等をセルバンデスが言う。
「イッセー様、八宝水軍とはここ『花ノ国』のギャングで、20年以上前までは首領・チンジャオというものが引退するまで海賊でしたよ」
「ギャングで海賊? ・・・・・なら、遠慮なしってことか」
相手が王族か貴族、国の為に蓄えているのならともかく海賊でギャングなら話は別だ。
「メガロー、体が温まる運動ができるぞー」
「やってやらぁっ!!」
他の皆も戦う意思を窺わせ、四皇天龍が率いるメンバーと八宝水軍との戦いが勃発した。何やら白い髭を蓄えた巨漢の老人までもいて、頭突きをしてくるから思いっきり殴ったら錐状に尖った頭になってびっくりした。しかもそのまま真っ逆さまに落ちてぶ厚い氷の地面を割って膨大な量の財宝まで落ちてしまった老人を好機として見た。
「何か偶然にも氷が割れて財宝への道ができた! お前ら、全部手に入るまで足止め頼んだ!」
「さっさとしろよ!」
財宝の山に俺も落ちて展開した巨大な魔方陣にブラックホールのように吸い込ませる。あの老人が少しばかり気を失っていたようで邪魔してこなかったが、粗方回収を終える頃には目が覚めて自分の財宝が奪われる光景を目にして鬼の形相をするほど怒り狂った。
「貴様ァァァァ~~~~!!!」
「この世界に奪われてもいい奴がいてよかったよ。一切の罪悪感と躊躇せずに奪えるんだからな」
闇のオーラ、魔人の力を解放して巨漢の老人と正面から激突―――。
・・・・・数時間後
拘束した元海賊 首領チンジャオが海軍に引き渡し、懸賞金5億4200万ベリーを得れた。ふふ、また儲かったな。
・・・・・。・・・・・。・・・・・。
・・・・・。・・・・・。
・・・・・。
5000万人の民間人の徴集は困難を極めるが、復興作業はスムーズに進んでいたマリージョア。朝昼晩もローテーションで昼夜問わず作業を続けさせられ、完璧に復興した期間はかなりの時間を要したが、彼等彼女等を元の故郷の島に返還する気などない天竜人は奴隷として囲った。人間以下の証をその身に刻まれたまま海兵だけは解放され、数年振りのマリンフォードへ帰還する直後であった。
「ほぉ? 海兵は目の前にいる奴隷を見て見ぬ振りをして自分たちだけ解放されるのか?」
この機を待っていたかのように今や最凶最悪の四皇である天龍が姿を見せた。
「だが許さん。今すぐ奴隷も解放して来い」
「ふ、ふざけるなっ!! 貴様の言うことなど誰がするものか!!」
「そうかそうか。じゃあ一部の天竜人を除いてこれから天から地へと引きずり落とすが邪魔をしてくれるなよ? 仏の顏は三度までっていう言葉を越えた連中にもう容赦しないから」
マリージョアへ向かうための乗り物が目の前で破壊され、空飛ぶことが出来る天龍を止めることが出来ずその日・・・・・たった一人の天竜人を残して他すべての天竜人と全ての奴隷が聖地マリージョアから姿を消した。世界政府と海軍は物凄い慌てぶりで全兵力を以て捜索を開始するも、天竜人の所在と安否を知るのは―――。
『クワハハハハッッ!! 最高のスクープを提供してくれて感謝する!!』
「喜んでくれているならこっちも動いた甲斐があったもんだ」
『ああ、これからもよろしく頼むぜ天龍!! ところで天竜人はどこに連れ去ったんだ?』
「ボーイン列島っていう島に。だけどその島の正体は島サイズの超巨大食肉植物「ストマックバロン」だがな」
『・・・・・流石に死ぬよな?』
「生きようが死のうがお互い関係ないだろ? それにあの島に住んでいる人間が一人いたから素直に生きる術を身に着けられたら生き抜けれるだろうよ」
ガチャと受話器を電伝虫の甲羅の上に戻して世界経済新聞社との通信を切ったところ、ヤマトが寄って来た。
「誰と話していたの?」
「先日の天竜人を拉致した件で世界経済新聞社と話してた」
「確か、美味しい食べ物が自然と沢山ある島に置いてきたって言ってたよね」
「そう、しばらく滞在していたせいで美味すぎるあまりお前らを豚みたいに太らせた原因の島にな」
うぐっ!? とヤマトは嫌な出来事を思い出され顔を引き攣った。おれも当時のことを思い出して溜息を吐いた。
「・・・・・さすがにあの姿でお前を愛する事はできなかったよ」
「で、でもイッセーの為に頑張って痩せたよほらっ!?」
高い身長、くびれた腰にすらりとした長い美脚。体脂肪が少ない腹部に曲線を描く豊かな胸。数年も共にいながらも彼女の顏は今も綺麗だと思っている。今現在おれ達は常夏の島におり、ビーチを楽しんでいるのでヤマトは水着姿だ。大きめのパラソルの下で人の両手を掴んで自分の脇腹を掴ませては触らす彼女に・・・・・ふむ。
「夜間に摘まみ食いしたな? 若干増えてるぞ」
「何でぇー!?」
悲鳴を上げる自由と冒険好きな彼女に、非情な現実を教えてやったのだった。
巨大なビーチチェアに寝転ぶ俺の真横に居座るヤマトといずれ訪れる未来を楽しみだと笑い合う。まぁ、三人がいなくなった代わりにと言ってはなんだが・・・・・。海賊に認定されて腹が立ったから、海軍が悔しがるような計画を実行していた事が今年中に完成する報告がセルバンデスから届いた。故に天竜人は人質のようなものだ。仲間にもおれの計画を知っている。完成が楽しみだな。
「次はどんな島に行く?」
「まだ見ぬ島がたくさんあるからな。寄る島が全ておれ達の冒険を待っている」
「そうだね!!」
笑いを零すおれ達のところへセルバンデスがやってきた。
「イッセー様。軍艦が三隻こちらに近づいてきます」
「おーご苦労。人がバカンスをしている時に襲ってくる困った連中の因果応報を受けてもらおうか」
「たくさん奪えるね!!」
確かに奪った物資は豊かになりますなぁ~。
他の皆のところへ合流するべくビーチチェアーから起き上がって足を運ぶ。ただ、軍艦にあろうことか海軍の英雄まで乗っているとは思いもしなかったがな!!
「げぇー!!? ジ、ジイちゃん!!」
「なんでジジイがここにいるんだよ!!」
「ル、ルフィ・・・!? それにエース!? お前等、どうして・・・・・」
おれはガープを一目見るなり―――。ガープはおれを見るなり―――。
「船に乗り込め!! あの海兵の拳骨は死ぬほどイタいぞお前等っ!!」
「貴様が原因か若造っ!!!」
魔法による遠隔操作で無人の船を動かし、海へ進む船へルフィとエース、サボを除く俺たちは三人を抱え魔法で飛んで飛び乗り逃げに徹する。だが、そう簡単に逃がしてくれないのが英雄だ。標的をおれに絞り武装色を纏って怒りの拳を突き出してきたッ!! 紙一重躱し、受け流してみんながこの島から離れる時を稼ぐ。
「イッセー!!」
「先に行けッ!! この爺ちゃんと遊んでから追いかける!!」
「ほざけ小僧っ!!」
「海賊を逃がすなー!!」
「ここで捕らえるんだ!!」
「ガープ中将の援護をするのだ!!」
おい、今なんて言った?
「誰が海賊だそこのお前ぇええええええっ!!」
ガープから緊急離脱!! 不名誉な事を言ってくれた海兵の懐に飛び込んで飛び蹴りを食らわす。
面白いぐらい吹っ飛んでも他の海兵が止まることはなく、おれやヤマト達に襲い掛かって来る。
剣を大きく振り上げて、バズーカや拳銃、ライフル等で攻撃する海兵に向かって手を突き出して、全員を浮かせる。ガープもその中の一人で格闘術しかできないタイプの相手はこうするのが一番だ。
「飛んでけっ!!」
見えない攻撃、衝撃波を放ちガープ達を遠くの海へ吹っ飛ばす。と言っても島から25メートル離れたところまでだがな。それでもすぐに島へ舞い戻る時間は掛かるだろう。ということでおれも先に出向させた船へ遅れて追いかけてヤマト達と合流するか。
「ただいまー」
「お帰り!! 大丈夫だった?」
「ああ、大丈夫だ。海兵も軽く海まで吹っ飛ばしたからすぐには追いかけて来られない。今の内に潜水する。船の中に入れ」
おれの指示に従う一同。後部甲板の農園が船内に降下して固く蓋されて閉じる。潜水モードの際の舵はメガローに任せている間、おれだけ船内に入らず警戒していると追いかけて来る軍艦を捉えた。全身ずぶ濡れのガープもだ。
「天龍、孫達を返せぇええええええっ!!」
「数年後にフーシャ村に帰す!! その後の三人は海賊になっているだろうがな!! フハハハッ!!」
「ふざけるなぁああああああ!!」
船は完全に海中に沈み、ガープの砲弾も届かないところまで潜水したことで一息ついた。
「ふー、ジイちゃんと会うなんて思いもしなかったよ」
「全くだ。しかもかなり怒っていたな。こりゃあおれ達が捕まったら拳骨十回で済まないぜ」
「うへぇ~・・・嫌だよ。おれゴムなのにすげー痛いんだぞ」
「そんなに痛いのかよ」
「「スゴく痛いんだ」」
身内にしか分からない話題の花を咲かせたルフィとエースの存在がバレてしまったな。バレたところで現状変わらんがな。
「お前等、今からフーシャ村に戻るか?」
一応聞いてみたがNOと言い返された。まだまだこの船で冒険をしたいとのことだ。まぁ、わかっていたことだがな。
「念のために次の島まで潜航するぞ。窮屈な思いをさせるが、暇なら修行でもしてろ。もしくは付き合ってやる」
「おう!! よろしく頼むよ!!」
「あのジジイに勝てるぐらい強くならないとな」
「おれももっと強くなりたいぜ」
退屈なのは嫌だと早速三人が乗り気で修行を臨み、特別な修行部屋へと向かって行った。
「元気ですな」
「まだ子供だからな。セルバンデス悪いけど、修行が終わったらあいつらは腹減らしているだろうから料理を作ってくれ」
「かしこまりました」
頼みごとをお願いしたおれも三人を追いかけて修行部屋へと赴いた。次の島までと言ったが次の島は一体どんなところなのか楽しみだな。
☆★☆★☆
ガープから逃れた後、新世界の海のどこかの島に上陸くしたおれ達は酒場で食事をしていた。相変わらずメガロ-とヴェージが喧嘩腰になってこの場で暴れそうな様子を気にせず注文した料理を食べていた時だ。店内の空気をガラリと一変させるほど、纏う雰囲気を漂わせる人物が存在感を周囲に圧倒させながら入ってきた。その人物に続くもの達もただ者ではなく一人一人が強者だ。
「「・・・・・」」
喧嘩していた二人でさえ口を閉ざして入ってきた一団を注視するほどだ。無視できない存在だと認識したようだな。
「イッセー、もしかして」
「間違いないだろ。お前ら出るぞ」
誰も異論はないと席から立ち上がって店を後にしようと扉に向かった。
「・・・・・」
「・・・・・」
静かにおれと腰に穿いたおでんの刀を見る視線を感じ、この後起こるだろう未来を想像して準備を始めることにした。
「おいマルコ」
「わかってるよいオヤジ」
ヤマトside
酒場から出て直ぐイッセーは必要な物資を集めると急いで離れるかのよう島を後に船を出した。すると、僕達が進む向こう側から海軍の軍艦が二隻。
「戦う?」
「女ヶ島の一件でヤマトとロビン以外の皆も顔を知られたからなぁ。やるぞお前等」
「久々に暴れてやるぜ!!」
「下等種族共を海底へ叩き落してやらぁっ!」
巨大な海水の球を作り出し軍艦にぶつけた。火薬類の武器はこれで使い物にならなくなっただろうよ。
そんな軍艦の二隻の間に船を割るように通った瞬間。
「軍艦を落とせ!!」
「なっ!? て、天龍だぁああああああああああああ!!?」
天使の姿に仮面を被っているイッセーの姿を見て海兵達は絶望した顔になった。軍艦一隻に800人はいる計算だけどそんなもの数の内には入らない僕達だった。特に幻獣種の悪魔の実を食べたヒナタは自衛力が発揮すると・・・・・。
「ウォオオオオオオオオオオッ!!!」
全身の毛が金属のように堅固な鎧と化した。海兵のサーベルなど物ともせず弾き魔力を得て口から火炎と全身から雷を放って広範囲攻撃をするものだから、仲間の中で能力を使えばヒナタがイッセーを除いて僕と同等に強い。
「“ゴムゴムのピストル”!!」
「燃えろ“火拳”!!」
「おりゃあー!」
ルフィ達も将校クラスの海兵じゃなきゃタイマンで勝てるレベルまで強くなった。イッセーの修行の賜物だね。
「天龍、死ねぇ!!」
この軍艦の事実上のトップの将校の海兵の大雑把な攻撃をイッセーが翼で受け止める。するといつの間に持っていたのか、天竜人の蹄の焼印を用意して海兵の腹部に押し付けた。
「ぐあああああああっ!?」
「人間以下に成り下がってしまった気分はどうだ? なぁ、どんな気分だ?」
「き、貴様ぁあああああああああ・・・・・!!!」
「これで少しは奴隷にされた無辜の人間の痛みと気持ちを共感するんだな」
―――一時間後。二隻の軍艦を相手に大勝利した。船内は強制的に連行された人間はおらず、ワオウが軍艦の物資と金品をいつも通り拝借してくれてこっちの船が潤った。海兵たちを全員マリンフォードへ直接転移で送り、軍艦二隻を回収に掛かる時だった。
「イッセー、大きな船がこっちに来るよ!!」
「海軍じゃないんだな」
「うん、クジラみたいな船!」
僕達の船首はおでんじゃなくて三つ目のドラゴンの顔になってる。そこがイッセーの新しい船長室となっていて、口を開くことも出来るんだ。その中からイッセーが砲弾を投げたり、火を噴いたり、僕が金棒で砲弾を打ったり、のんびりと寛ぐ別室もある。
「セルバンデス」
「確実に白ひげ海賊団の船で間違いないでしょう。私達と交戦する可能性がありますが如何致します?」
わざわざ追いかけに来た、もしくは偶然か・・・・・うーん。
「ヤマト、ハンコックを呼んで来てくれ。相手は同じ四皇の海賊団。幹部もこっちの骨が折れそうな強者ばかりだろうから念のために戦力を整えたい」
「わかった!!」
イッセーの頼みを聞いて甲板にある扉の無い機械的な門に走り、起動して繋がった女ヶ島のハンコックがいる城へと急いで向かった。
そして―――。
白ひげ海賊団の船、モビー・ディック号と同じ高さで250メートルと長い天龍の船が無人の海軍の軍艦を介して、遅れて九蛇海賊団を率いたハンコックが駆け付けて来てくれ・・・・・明らかにカイドウよりは身長低くても、一般人からすれば巨大の部類に入る身長だ。三日月のような白い口ひげを蓄えた、常人の数倍はある体躯の筋骨隆々の大男で、頭に黒いバンダナを巻いており地肌に直接コートを羽織っている。そんな老人が鈍い足音を立たせながら近づき、巨大な薙刀を片手に鋭い眼差しで見下ろしてくる。
「白ひげ海賊団の船長エドワード・ニューゲートか」
「天龍のイッセー・D・スカーレットだな。最近海軍相手に暴れ回っている小僧がこんなところで出会うとはな」
「出会う? 酒場で俺を見てたじゃん。四皇になったばかりの若造を追いかけて来るほど何か用なのか?」
最近じゃあ赤髪海賊団って言う海賊が名を挙げている。おれが四皇になってなきゃ赤髪海賊団の船長が四皇の名を欲しいままに得ていただろうな。
「ああ、単刀直入に訊く。おめェの腰にある刀・・・よーく見覚えのある俺の弟だった奴のもんでな。一体どこで手に入れたのか教えてもらいてェんだ」
「おでんの刀のことか? こいつは複製したもので本物はおでんの『親類』が今でも管理しているぞ白吉っちゃん」
「・・・・・どこでそれを知った」
おおう、凄いプレッシャーだ。まるで「お前にお義父さんと呼ばれる覚えはない」みたいな感じかも。ヤマトに目を配らせ、和服の中から古びた一冊、おでんの航海日誌を取り出して見せつけてくれた。
「おでんの日誌を呼んだ」
「・・・・・」
白ひげが無言で手を伸ばして来た。見せろと言わんばかりにだ。ヤマトはそれに察して日誌を手渡したところ、おれ達なんか気にせずその場で読み始めた。今攻撃しても軽く防がられるだろうな。
「・・・・・確かにおでんの字だ。こいつはあの男の物で間違いないな」
「信用してくれてどうも」
他に聞きたいことはあるか? と訊くと白ひげは思ったことを口にする。
「そうだなァ・・・・・おでんの家臣共は?」
「何人か知らないけど、他は元気だ。故郷の“ゾウ”でイヌアラシとネコマムシもな」
「グラララ・・・・・そうか。あのイヌとネコも『20年後』の為に自分の故郷に戻っていたか」
懐かしそうだな。会わせてみるか?
「あーちょっと待っててくれるか?」
直接ミンク族の住まう地に空間を繋げて二人を呼ぶ。よー、久しぶりー。いま白ひげと居るんだけど会う? そっか、会うなら今行こうすぐ行こう。という流れで大きなイヌとネコを連れて来ました。
「おお・・・懐かしいではないか。随分と懐かしい顔ぶれが揃っている」
「ゴロニャニャ!! 久しぶりだぜよ皆!! それにイゾウも!!」
「イヌとネコ!! 本当に久しぶりだよいっ!!」
「元気だったか!!」
おそらく幹部の団員がイヌアラシとネコマムシに寄って和気藹々と会話の花を咲かせるのであった。その間、白ひげが話しかけて来た。
「おめェ、今どうやって連れて来たんだ?」
「おれの能力としか言えないな。マーキングした場所ならいつでもどこでも離れた空間と繋げて行き来できるんだ」
「そいつはァ便利な能力だな。だからあの二人を連れて来られたのか」
納得してくれて何よりだ。
「まだ何かあるなら一晩ここで過ごすか? ワノ国のおでんを振る舞ってやるぞ」
「グララッ。そいつはいいな、是非とも食べさせてもらおうじゃないか」
という事でその日の夜は軍艦の甲板で大宴会をすることになった。九蛇海賊団と白ひげ海賊団からも宴会の為に料理を作って酒も用意してもらったことで何の不備もなく食べて飲んで大いに笑った。特別ゲストとしてレイリーさんとシャクティさんも呼ぶと、すっかり白ひげと酒を飲み明かす。さらには―――。
「おでんの妻とその子供も連れて来たぞー!!」
「まぁっ!! 皆久し振り!!」
「こっちも久しぶりだよいっ!!」
「おトキ様!! 日和様!!」
「おお、これはまた懐かしい人を連れて来たなイッセー君!!」
共通ある人物達との再会に場は大盛り上がり。一夜限りの再会といえど皆はこの大宴会を楽しんだのは確かだな。ああ、そうだ。
「レイリー、こいつがロジャーの息子のエースだ」
「ロジャーの・・・ああ、本当にあの男の面影がある。ふふ、懐かしく感じて来たよ」
何時か会わすと話したことも忘れず履行したのであった。レイリーの目尻に雫が溜まって本当に懐かしいものを見ている様子だった。
翌日・・・・・。
甲板で雑魚寝したおれ達は起き上がり、ここに連れて来たおトキ達を別れの挨拶をさせてから元の場所へ送り出した。おれと白ひげも自分の船に戻ろうとしたがおれから頼みごとをした。
「白ひげ、一度だけ俺と勝負してくれないか。あんたの強さを骨の髄まで感じてみたいんだ」
「随分と好戦的だな若造。だがいいだろう。昨夜は大いに楽しませてくれた礼だ。お前の気が済むまで付き合ってやる」
「おお、ありがとう!! じゃあ、戦う前にっと」
レイリーさんと同じく白ひげを若返らせる。若々しい体つきになりバンダナを巻いた頭からは金髪が伸びた白ひげに彼の海賊団は、えええええええええええええええっ!? と絶叫した。白ひげ自身も自分の体の変化に驚きを隠せないでいるほどだ。
「親父が・・・若返っただと!?」
「全盛期の白ひげと戦いたくてな。数十年前ぐらい若返らせてもらった」
「・・・・・小僧、お前は一体何者だ? 悪魔の実の能力者では片づけられないぞこれは」
「知りたかったら俺を倒してからだ」
おでんの二振りの刀を抜いて構える俺に、薙刀を構える白ひげ。
「いざ、尋常に勝負!!」
「こい小僧!!」
武器に流桜と覇王色の覇気を纏って振るう俺と同じことをする白ひげの薙刀が、見えない力と力が衝突して互いの武器が触れず、鍔迫り合いをする。否、おれが押し負けそうになっている!!
「―――さすが、強いっ!!」
「グララララッ!! この程度でぶっ倒れんじゃねぇぞ。おでんやロジャーはもっと耐えていたぞ!!」
「発破かけてくれてありがとうな!! ますます倒してみたくなるじゃんかよ!!」
おれの気が済むまでと言ってくれたので全力で実行することにした。ロジャーのように覇気だけで戦ってみたら三日三晩も経過していて、俺自身も最強の男との戦いでさらに強くなった感じがした。やはりこの世界の強者は本当に強くて刺激的だな!!