海賊王におれは・・・・・ならないから!   作:ダーク・シリウス

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二人目の仲間

ネコマムシが開いた宴は盛り上がった。流石に国全体まで巻き込むのは申し訳なかったからおでんの身内限定ということにして貰った。積もる話もあるだろうからそうしたが、ネコマムシが率いる侠客団(ガーディアンズ)が参加してきてさらに賑やかになった時にヤマトから聞かれた。

 

「ねぇイッセー。聞かなくていいの?」

 

「何をだっけ」

 

「この国にあの赤い石があるって日誌で知ったでしょ?」

 

ああ、ロード歴史の本文(ポーネグリフ)か。

 

「でもあれはこの国とって神聖の物だ。そう易々は見せてくれないだろ」

 

「ええぜよ」

 

「「Σ(゚Д゚)あっさり!!いいの!?」」

 

「ああ、君達にはそれだけの恩がある。魚拓のように写し絵をするならしてもいい」

 

この国の王達からの許可が簡単に貰っちゃった・・・・・。

 

「ゆガラ達もあの赤い石を求めておるなら魚人島へ行ってみるがいい。あそこにもあったぞ」

 

「・・・・・一致してる」

 

「魚人島か。行ってみるよ、ありがとう」

 

「ゴロニャニャ!礼を言うのはこっちぜよ!!わしらにトキ様と日和様を引き合わせてくれたゆガラが困っちょる時には力を貸そう!」

 

「遺憾だがネコと同意見だイッセー殿」

 

ミンク族の助力を約束されちゃった。でも、これは友好的な関係を築いたってことだよな。フワフワ、モコモコが毎日・・・・・幸せ過ぎる。天国か。

 

―――翌日―――

 

「では、拙者達はそろそろ戻らねば怪しまれる故に」

 

「おう、次に会う時は決戦ぜよ」

 

「その時は錦えもん達と合流している頃でもあるな」

 

「それまで二人とも2度と喧嘩しては駄目ですからね」

 

「ダメだよ!したら怒るから!」

 

「「しょ、承知しております」」

 

ワノ国へ戻る一行を見送った後、イヌアラシとネコマムシの案内でクジラの形をした大樹に連れて行ってもらった。あの赤い石がある場所は隠し扉の奥にあってこれは絶対に見つからないだろうと思った。

 

「本当にあった・・・・・これで3つ目だ」

 

「もう3つも見つけていたのか?だが、この文章を解読できねば意味がないがな」

 

「出来る人はいるのか?」

 

「いる、いや・・・いたというべきか。西の海(ウェストブルー)に『オハラ』という島があった。そこには考古学者達がこの歴史の本文(ポーネグリフ)の解読をしたと聞いた」

 

そんな凄い人達がいるのか。だけど「いた」っていう単語が引っ掛かるな。

 

「だが、歴史の本文(ポーネグリフ)を解読するのは世界政府や海軍にとって禁忌(タブー)。それ故、海軍によってたった一人の少女を除いて『オハラ』は地図上から抹消された」

 

「住民達もか?」

 

「そうぜよ」

 

徹底しているな・・・・・世界政府にとって世間に明かされたくないことでも記されているのか。それともラフテルにあるのか?

 

「生き残った少女って誰だかわかる?」

 

「ニコ・ロビンという者じゃき。わずか8歳で懸賞金額7900万ベリーを懸けられちょる」

 

「8歳でそんなに!?」

 

「世界政府にとって歴史の本文(ポーネグリフ)を解読できる者は徹底的に存在すら許さないってことか」

 

まだ存命していると考えると・・・・・探し当ててみるのも悪くないか?

 

「生きているなら仲間にしてみたいな」

 

「世界政府に狙われるぞ?」

 

「世界政府に喧嘩売ってるから今更だわ」

 

おれの手配書を二人に見せた。それには45億の賞金とおれの写真が名前と共に載っている。

 

「おれ、四皇の一人だからさ」

 

「なっ!!?」

 

「ニャッ!!?」

 

目玉が飛び出すほど驚く(いや、本当に文字通りでおれも驚いた)二人の隣で目の前のロード歴史の本文(ポーネグリフ)の複製をした後はそれを魔法で手のひらサイズにまで小さくしてポケットにしまった。

 

「いま、何をしたのだ?」

 

「複製させてもらった。神聖な物を盗むわけにはいかないからな」

 

「ゆガラは一体何者ぜよ?」

 

「異世界から来た異邦人、といってもわからないよな」

 

長居をする理由もなくなったから別れの時が来た。船に戻る際は行き交うミンク族達とガルチュー!をしながら進んで二人の王に見送られる。

 

「それじゃまた来るよ!」

 

「元気で!」

 

「さらばだイッセー殿」

 

「ゴロニャニャニャ!!何時来ても歓迎するぜよ!!」

 

背中に翼を生やしてヤマトを横抱きに持ち上げた状態で〝ゾウ〟から飛びだって下へ落ちていく。

 

歴史の本文(ポーネグリフ)のことクソオヤジに教えるのか?」

 

「場所は教えないさ。モコモ公国はおれの理想郷だからな」

 

カイドウでも俺のお気に入りの場所を破壊するなら許さないからな!!

 

「次は魚人島だがヤマト」

 

「うん、魚人島は海底一万メートルにあるって書かれてる。だけど、そこまでの深海に行くためにはシャボンディ諸島で船を包むシャボンをコーティングしなきゃいけないみたいだよ」

 

「シャボンディ諸島・・・久々に行ってみるか」

 

船に到着して〝ゾウ〟から錨を外す。また来ることになる日は用意してもらった〝ゾウ〟のビブルカードで辿ろう。そう思いながら船ごとおれ達は一気にシャボンディ諸島へ転移した。

 

「はい、到着」

 

「え、もうっ!?」

 

「行ったことがある島だったら行き来できるんだよ」

 

「そうなんだ。異世界の魔法って凄いや。ところでここがそうなの?」

 

首肯してマングローブの根に跳び移る。後からヤマトも跳び移った。

 

「ここは数多の巨大なマングローブっていう木の根で島になり立っているんだとさ」

 

地面から出てくるシャボン玉に足を踏んでみると、意外と頑丈で両足で乗っかってみると、おれを載せる割れないシャボン玉にヤマトは目を輝かせ一緒に乗り始めた。

 

「凄い!!僕も乗る!!」

 

「よし、シャボン玉に飛び乗りながら13番マングローブに行こうか」

 

「おー!!」

 

でも途中で出来なくなって地道に歩くことになったのであった。そこのマングローブの根の上に建てられてるぼったくりをする店の扉を開け放って、カウンターに立ってる女性に声をかける。

 

「シャッキーさん。久しぶり」

 

「あら、イッセーちゃん。それにカイドウの娘の」

 

「ヤマトです」

 

「そう、ヤマトちゃん。いらっしゃい。今日はどうしたの?」

 

「魚人島に行きたいからコーティングの依頼をしてくれるところを教えてほしくて」

 

「それならレイさんに頼んだ方がいいわ。って言いたいところだけど彼はいま出掛けてしまってるから頼めないわね。急ぎなら他のコーティング屋に頼むといいわ。50番から59番GRが造船所やコーティング屋職人エリアだから」

 

タイミングが悪かったか。それじゃしょうがない。

 

「ところでイッセーちゃん。悪魔の実に興味があるなら1番GRに行ってみたら?」

 

「どうして?」

 

「目玉商品としてオークションに出品されるからよ。だけど主催者はドンキホーテ・ドフラミンゴっていう海賊だから気を付けてね」

 

海賊がオークション?真っ当で善良なオークションじゃないだろうなぁ。

 

「時間は?」

 

「もう始まっている頃かしらね。目玉商品だから最後に出すはずだから多分今から行っても間に合うわ」

 

「わかった。行ってみるよ」

 

店を後にしてオークション会場へ向かってみた。外見は立派な建物で中に入ると数百人もの人がステージに意識を向けて主催者であろう金髪にサングラス、フラミンゴのようなピンク色の羽毛のコートという派手な出で立ちをした男が立っていた。

 

「悪魔の実か・・・・・どんなものかな?」

 

「ま、相手が海賊だから罪悪感は感じないけどな」

 

男の傍に運び込まれる瓢箪のような形をした黄色い果実。あれが悪魔の実?と思ったら―――オークション会場が至る所から火災が発生し出した。仕舞には客に紛れていた者達が突如立ち上がって火炎瓶や爆弾、武器を持って会場を滅茶苦茶にしながら暴れ始め出した。おれ達が通ってきた通路も炎で塞がれた。これは・・・・・。

 

「人為的な放火。しかも計画的な犯行だなこれ」

 

「冷静だね!?ていうか、何時の間に悪魔の実を!!?」

 

「海賊相手だから奪う躊躇いはないんだよね」

 

主催者のドフラミンゴとやらは悪魔の実が忽然となくなったことに唖然としていたが、おれの手中にある悪魔の実には気付かないでいる。亜空間の中に仕舞って魔法で水を呼び出して会場中に広がる炎を消化したら発生する水蒸気の煙に紛れて踵を返す。

 

「50番GRに行こう」

 

 

後に死傷者が出たオークション会場の主犯は未だ捕まっていないのことだが、おれには関係のないことで職人にシャボン玉のコーティングを依頼した。コーティングは数日間も必要だと言われ、碌に探索していなかったシャボンディ諸島を観光することにした。ヤマトと一緒に地図を広げて確認する。

 

「えっと今いるのは20番GR。まだ〝無法地帯〟か」

 

「だから私達を襲ってくるんだ、ね!!」

 

振るう金棒で襲撃者を吹っ飛ばすヤマト。おれ達の周囲は倒れ伏せている数人の襲撃者がいて、おれは尋問用として一人無傷で捕らえて情報を聞き出していた。

 

「で?無法地帯だろうがどこだろうがお構いなしに襲ったり攫ったりする連中はこの島にいると」

 

「へ、へいそうです!」

 

「攫った人間はどうする気なんだよ」

 

「そりゃあ人間屋(ヒューマンショップ)に売り込むためです!!人身売買で攫った人間を金に換えるために!!」

 

ほほう・・・・・それはそれは、有意義に時間を潰せれそうな。話を聞いていたヤマトも実の父親に爆弾付きの手錠を付けられ自由がなかった経験からか、怒りを露にした。

 

「イッセー、奴隷にされてる人を助けに行こう!!奴隷だなんてそんな自由のない人生は酷過ぎるよ!!」

 

「考えと気持ちが一致してるな。おいお前。全ての人間屋(ヒューマンショップ)を案内しろ。ああ、拒絶はするなよ?お前を殺して他の連中に聞くだけだ。けどおれは人を殺したくないんだから―――おれに殺させてくれるなよお前?」

 

「わ、わかった!!わかったからこ、殺さないでくれ!」

 

ということでおれ達は世直しってわけじゃないが奴隷解放のため、人間屋(ヒューマンショップ)を全部巡り回った。

 

 

ドゴォオオオン・・・・・ッ!!!

 

案内された先々で悉く人間屋(ヒューマンショップ)を襲撃し、首輪を付けられ閉じ込められている人間という名の商品達を解放していった。

 

「これで全員だよ」

 

「わかった。はい、次の人」

 

握り潰した首輪を遠くへ投げた後に爆発する。外された人々は絶望から救われ涙目で解放された喜びで涙と笑顔になっていく。

 

「ありがとう!!あんたらは人生の恩人だ!!」

 

「助かったー!!」

 

「自由だわっ!!」

 

対して店の者はワノ国へ送還だ。奴隷にされた人達の気持ちを味わってもらうために囚人扱いだ。精々頑張れよ。

 

「さてと、これで全部人間屋(ヒューマンショップ)の店を潰し巡ったな」

 

「うん、これでしばらくは拐われることも売られることもないね」

 

捕まっていた人達は海軍に保護を求め、60番GRに向かって行く様子を見送った。二度と捕まらないでほしいと願うばかりなのだが。

 

「良いことしたつもりなんだけどなー」

 

「奴隷にされかけた人達を助けたのになんでだろうね」

 

現在おれ達は海軍に取り囲まれています。何だかって?罪名は強盗だってさ。

 

「抵抗は無駄だ!!大人しく投降しろ!!」

 

「おれ達は何も悪さしていないけどー?奴隷にされかけた人達を解放しただけでーす」

 

「それが許される行為でないから捕らえに来たのだ!」

 

ほうほう・・・・・つまりそれは。

 

「公な罪を知ってて黙認、もしくはグルなのか海軍は」

 

「何て奴らだ!!」

 

正義の味方が呆れるおれとそんな海軍に怒るヤマト。どちらにしろ捕まる気はさらさらないから―――。

 

「ならびに1番GRの人間屋(ヒューマン)オークション会場の放火の容疑者として連行する!!かかれー!!」

 

「「それは濡れ衣だ!!」」

 

抵抗するがな!!!

 

 

60番GR―――。

 

 

海軍および政府が出入りする駐屯所にて二人の連行の失敗が通達された。

 

「29番GRで〝職業安定所〟放火の容疑者達の拿捕失敗に終わった模様です!」

 

「容疑者達は海賊か」

 

「いえそれが、指名手配されていない無名の者達でして詳細は不明です」

 

「なんにせよ全力で二人を捕らえろ!」

 

「少将!!人間屋(ヒューマンショップ)に捕まっていた者達が保護を求めにやってきております!!」

 

「何だと。奴らめ我々の足止めをするために解放したのか。ええい、その者達の対応する者達を除いて主犯の二人をこの島から逃がすな!!」

 

シャボンディ諸島に配属された海兵の上司の疾呼により部下達は大慌てで動く最中。一人の海兵がとんでもない報せを口にした。

 

「大変です!!〝天竜人〟がこの島に来ます!!」

 

「な、なんだとっ~!!?」

 

 

 

「これでしばらくは問題ないだろ」

 

「わぁ・・・・・この僕は別人過ぎるよ」

 

40番台のGRのショッピングで海軍の包囲網でも行動できるための変装をし終えた。ヤマトはおれの魔法で黒髪に赤い瞳の少年となって浴衣姿に変え、おれは金髪で頭から狐耳を生やし腰に九つの尾を生やす姿になった。浴衣姿に穿いた下駄で歩く。

 

「イッセーの魔法って本当に便利だね。何でもできちゃうんだから」

 

「何でもはないさ。出来ないことは少なくともあるぞ。挙げたらキリがないけどな」

 

「それでもこの姿だったら海軍はバレないよ」

 

「全く、濡れ衣を着せられることになろうとは思いもしなかったわ」

 

誰だ、おれ達が放火したって言った奴は。いい迷惑だ。でもま、こうして服を買い揃える切っ掛けはできた。

 

「ねーねー。このシャボンディパークってのが気になるよ」

 

「遊園地の事だな。きっとヤマトも楽しめるよ」

 

「ほんと!?行ってみたい!!」

 

コーティングが終わるまで時間はたっぷりある。遊園地に赴いてシャボン玉で利用した遊具だらけの光景に顔を輝かせ、最初に乗ったのはジェットコースターだ。

 

「「いやっほ~~~い!!!」」

 

この世界でも遊園地があってジェットコースターが乗れるなんて楽しすぎる~~~!!!次はのんびりとメリーゴーランドに乗ってゆっくりと回り上下に動く乗り物を楽しんだ後は、名前は忘れてしまったがゆっくりと数十メートルも上ってから一気に凄い勢いで落ちる乗り物に乗った。その後は自分でコースターを回す乗り物だ。けど、ヤマトが面白がってはしゃぎすぎて・・・・・。こっちが吐き気が催すほど回して壊してしまった。

 

「コラー!!」

 

「ゴ、ゴメンなさい・・・・・オエッ」

 

「や、やり過ぎだヤマト・・・・・うぷっ」

 

き、気を取り直して次はゆったりと高いところまで上って眺められる観覧車。

 

「世界はこんな乗り物もあるんだね」

 

「他にもきっとあるさ。それもおれ達が見たことも聞いたこともない物がたくさんな」

 

「イッセーの世界にも遊園地はあるの?」

 

「あるよ。だけど、シャボンディ諸島はないしシャボン玉を使った遊園地はないよ。だからそれを考慮して不思議なんだ」

 

感嘆の息を漏らすヤマト。あんま分かっていないだろうけれど気にする事でもないな。今が楽しければそれでいいのさ。

 

「もしこの世界に神様がいたら感謝したいな」

 

「なんでだ?」

 

「君と出会わせてくれたからだよ。僕は君と出会って幸せだからさ」

 

「・・・・・」

 

「だからありがとうねイッセー」

 

感謝の言葉を口にして笑うヤマトに釣られて小さく笑うおれは「どういたしまして」と返す。観覧車から降りて次の遊具へと遊び回った。元の世界でも遊園地なんて片手で数えるぐらいしか行ったことが無いおれにとってもこの世界で楽しみたい。

 

「次はアレ、揺れてる大きな船!!」

 

「ゴンドラって名前だ」

 

「ゴンドラかぁ~!!」

 

 

 

 

 

24番GR―――。

 

 

「何だと、全ての人間屋(ヒューマンショップ)やオークション会場まで潰されたえ!?」

 

「はっ、犯人は二人で今海軍が全力で対応しております」

 

「わざわざここまで来たのにとんだ無駄足だえ!!おい、潰された店の商品はどうしたえ」

 

「全員保護しました」

 

「なら全部こちらに寄こすんだえ。無駄足を踏んだぶん金を使わずタダ手に入れるえ」

 

武装した数多の海兵と海兵の上官に命令を下すは天竜人。他に家族らしき男女二人もいた。一年前、イッセーに聖地マリージョアの襲撃の際に殆どの天竜人達が無残な姿で磔された事件はまだ新しい。天竜人の傍らには見目麗しい踊り子の衣装を着させた三人の女性や筋骨隆々の大男の奴隷に付けた首輪から伸びる鎖を握ってペット扱いにしている。それなのにそれを咎める者はこの世にいない。海兵と天竜人がいる町には彼等以外の人間すべてが地面に膝をついて天竜人と目を合わせないようにしているからだ。それはその場にいる海賊も例外ではなかった。

 

「・・・・・わかりました。直ちに手配します」

 

海軍も天竜人に意見も逆らいもせずYESマンとして従う。人身売買は世界中で「禁止(タブー)」にも拘らずだ。

 

「―――うん?何で膝をついているんだろうこの人達」

 

「―――何かの伝統行事かなにかって感じじゃないな。何かに怯えている表情だ」

 

膝ついていないおろか、この状況を把握も理解していない二人組の男がやってきた。周囲の人達を不思議な顔で見ながらも通り過ぎろうとする二人に天竜人が静止した。

 

「おいそこの下々民共。待つえ。何故動いている」

 

「ん?下々民?誰のこと?」

 

「お前達以外誰がいるえ。何故我々の目の前で勝手に動いているえ」

 

「人間だからとしか言えないな。しかも、誰かと思えば天竜人か」

 

「お父上様。あの人間を捕まえてほしいアマス。尻尾だけをはぎ取ってクッション代わりにしたいアマス」

 

「おお確かに。毛並みが綺麗だえ。捕まえよう。おい」

 

女性が九つの獣の尾を生やす幼子を一目見て気に入った天竜人の命に従う鎧を着込んだ従者達。周囲の海賊や一般人はあの幼い子はもうダメだと達観していたが。

 

「ふぅん・・・・・まだ性懲りもなく人を奴隷にしているのか」

 

冷めた目で尻尾の中に突っ込んだ手には白銀の能面の仮面。それを顔に付けると幼子の身体が大きくなって・・・・・。

 

「ヤマト、悪い。これから大騒ぎになる。楽しむ暇が無くなるぞ」

 

「いいよ。目の前で奴隷にされている人達を放っておけないからね」

 

背負ってた金棒を手に取り構える少年から少女に戻ったヤマト。海兵は傍らにいる男に目と口をあらん限り開いて愕然とした。長い金髪、背中から六対十二枚の金色の翼を生やした者は見紛うはずがない。

 

『よ、四皇・・・・・イッセー・D・スカーレット~~~!!?』

 

「色々と問い詰めたいがな!!勝手に四皇なんて称号を付けた海軍に!!」

 

次の瞬間。一誠の全ての翼が天竜人と海兵を滅多切りにして一方的な蹂躙をしている間。ヤマトは従者達を撃退した。金棒で鎧を粉砕して従者達を殴り飛ばす。

 

「イッセー、この人達も首輪がついてる。多分爆発するやつだよ」

 

「因果応報だな」

 

奴隷の女性と大男に近づき首に嵌められている首輪を触れては、一瞬で外して爆発する前に天竜人へ投げた。

 

「後は落ち着く場所でその蹄の痕を消すとしよう」

 

ドォオオオオン!!!と爆発音と共に一誠達は一瞬でこの場からいなくなった。町は一気に騒然と化して四皇の一人が天竜人に手を上げた話は瞬く間にシャボンディ諸島や海軍本部にも伝わった。

 

 

海軍本部―――

 

 

「なんだと!!四皇がシャボンディ諸島に!!?」

 

「ええ、出会い頭に天竜人を攻撃した後に天竜人の奴隷を解放して姿を暗まし模様です」

 

「また奴隷の開放か・・・・・となれば奴が動き出す時は聖地マリージョアが襲撃するだろう。直ぐに海兵を出動させろ!!前回の二の舞にさせてやるな!!大将も待機させろ!!」

 

「センゴク元帥一大事です!!聖地マリージョアが・・・・・四皇イッセー・D・スカーレットに襲撃されています!!!」

 

「くっ!シャボンディ諸島にいた報告から間もないというのに聖地マリージョアに・・・・・・!!一体どんな魔法を使っているのだ奴は・・・・・・!!」

 

「それと信じ難い情報ですが・・・・・四皇イッセーの仲間と思しき者は四皇百獣のカイドウの娘だと宣言しています」

 

「なっ!!?なんだとぉっ!!?」

 

 

聖地マリージョア―――

 

 

「前回の襲撃からよくとまぁ、こんなに世界から奴隷として集めたもんだな」

 

「小さな子供までいるなんて・・・・・世界貴族、天竜人・・・・・何て奴らだ!!」

 

「それを黙認しているのが世界政府と海軍なんだよ。正義の味方が聞いて呆れるわ」

 

おれが暴れ回って火の海にした聖地マリージョアから逃げ惑う奴隷達を収監する巨人が乗っても丈夫な箱にヤマトが導く。対しておれは殆どの天竜人達を再び逆さ十字架に磔にして奴隷達の痛みを数千分の一程度を与えているところだ。今なお聖地マリージョアを暴れてもらっているのは創造した魔獣達だ。蓄えていた財産や私物も収集してもらっている。前回より奴隷堕ちにされた人々の数も少ないようだから直ぐに―――。

 

「そこまでじゃ」

 

整列して銃を構える大勢の海兵達とバラを胸にさした赤いスーツと軍帽を着用、髪型は角刈りで、左半身にかけて桜吹雪の刺青を彫っている三メートルは超えてる大男が現れた。

 

「一度ならず二度までも・・・・・聖地マリージョアと天竜人を襲う物好きな輩がいるとはのぉ」

 

「んー?どちらさんだ?てっきり黄猿のボルサリーノさんが来るかと思ってたんだがな」

 

「勿論わっしもいるよ~・・・・・」

 

頭上から聞こえた間延びした口調が聞こえたと同時に光が襲ってきた。光を纏う拳で弾いたら間を置かずの光剣を打ち下ろしてきたボルサリーノさんから距離を置いてかわした。

 

「久しぶりボルサリーノさん。元気してた?」

 

「元気にしてたよォー。君を捕まえる為にねェー」

 

「因みにそこの人は誰?」

 

「わっしと同じ海軍大将の赤犬と呼ばれてるよォー」

 

大将が二人か。おれの襲撃を海軍の最高戦力を二人も今度は相手をしなくちゃならないのか。

 

「今度はわしがお前を相手にする。四皇だろうが何じゃろうが、正義の名の下に貴様を捕まえる。ボルサリーノ、貴様は天竜人の救出じゃ」

 

「おォ~そいつはサカズキでも譲れないからねェ~?」

 

・・・・・ヤマトにはキツイ相手か。

 

「ヤマト、ボルサリーノは光の速度で移動したり攻撃したりするぞ。ロギア系の能力者だ」

 

「一応、僕でもロギア系の能力者に攻撃は通ずるけどね。相手が速いんじゃ厳しいかな」

 

「だろうな。だったらおれが相手をする。その間はヤマト、他の奴隷達の収容を続けてくれ」

 

魔法でおれを分裂させて分身体を増やす。既に熾天使化(セラフ・プロモーション)になっているけど油断できない相手だ。

 

「自分を増やしちょるんことが出来るんか」

 

「気をつけなよォサカズキ。そのコは〝覇気〟を扱えるからねェ」

 

「そういうわけだ」

 

「ぬぅっ!?」

 

一瞬で大将赤犬の懐に移動して武装色の覇気を、〝流桜〟を纏い握った拳で殴った。殴った感触はしっかりとあり気合を込めた一撃でサカズキを殴り飛ばした。

 

「う~ん?変わった〝覇気〟を使うねェ・・・・・」

 

「ワノ国で習得した。ワノ国じゃあ覇気のことを〝流桜〟と呼ぶんだってさ」

 

「そうかい・・・・・君達はワノ国から来たんだねェ」

 

「物のついでに言うと、あそこにいる角が生えたおれの仲間は四皇カイドウの娘だから」

 

「って言うと、君とカイドウは手を組んでいるのかい?」

 

「その先の情報はおれを捕まえてからな」

 

複数の分身体達の翼が鋭利な刃物と化し、黒く染まり〝流桜〟を纏ってボルサリーノさんに向かって掲げる。

 

「今回も勝たせてもらうよ。懸賞金額も上げて欲しいからな」

 

「だったら同じ四皇を捕まえなよォ~・・・・・。こっちとしてもそれが一番楽だからねェ」

 

「そうだな。次は白ひげでも倒しに行こうかな。カイドウは一度倒したし・・・・・あ、今のは聞かなかったことにして?」

 

無理だよォーといって分身体達と交戦を始めるボルサリーノさんを他所に海兵達も天竜人の奴隷達の解放?にヤマトに襲い掛かった。おれは・・・・・。

 

「〝冥狗〟!!」

 

マグマと化した腕を突き出し、強力な掌底攻撃を行うサカズキに掌を突き出して掴み取った。

 

「溶岩の能力者か?」

 

「わしは〝マグマグの実〟のマグマ人間じゃけ。素手でマグマに触れて自殺願望かおどれは」

 

「―――生憎、おれの身体は修行の末マグマに浸かっても平気な体質を得たんでな。マグマに溶かされないぜ」

 

掴んだサカズキの拳を放さないまま〝流桜〟を纏った六対十二枚の翼の斬撃を放った。

 

「ぐうウッ!!!」

 

「動きが厄介なボルサリーノより遅いし、そして何より・・・・・」

 

他の分身体達がサカズキを囲んだ。その手には天竜人を磔にしたままの〝流桜〟を纏った十字架を持っていた。

 

「天竜人の解放をしなくちゃならない海軍にこれは効果覿面だろ」

 

「貴様ッ・・・・・!!」

 

「マグマによる攻撃は控えた方がいいよ。天竜人が溶けちゃうからな」

 

ボルサリーノさんのところでも天竜人を脅しと盾に使って十字架で攻撃している。

 

「た、助けるんだえ~~~っ!!?」

 

「まったく、厄介極まりないことをしてくれるねェ・・・・・!!海賊と変わらないよそれは~」

 

そうそう、ますます攻撃し辛くしてくれよ天竜人。てかそこ、海賊と一緒にするな!!!

 

「おれの目的は天竜人の奴隷の解放だけだ。奴隷達の慰謝料として全財産を奪うが邪魔してくれるなよ」

 

「くっ・・・・・!!!」

 

己の能力の力を熟知しているサカズキは苦虫を嚙み潰したような顔をして、おれの分身体の一人に純度100%の錠をサカズキの手首にガチャッと嵌められた。これで悪魔の実の能力は使えなくなった・・・・・なったんだよな?

 

「ワノ国生産の海楼石の錠だ。純度も100%だから結構キツいだろサカズキさん」

 

「おのれィ・・・・・・ッ!!!」

 

「てなわけで・・・・・ボルサリーノさん共々、倒させてもらうぜサカズキさん」

 

呆気ない大将との戦い・・・・・今度はゆっくりじっくりと勝負してみたいな。今はヤマトと冒険が最優先だからその暇はない。そういうことだからサカズキに天竜人付きの十字架で殴ったり翼で切り刻んだりして無力化にしていく。ボルサリーノさんが横やりしてくるが同じ海楼石の錠を嵌めてからヤマトでも太刀打ちできるようになった。海兵も大将と天竜人を脅しに使われれば手も足も出せず、おれ達が去るまで見ていることしかできなかった。

 

「奴隷の人達は全員入ったよ!!」

 

「よし、ならここにいる理由はない。ズラかるぞ。―――ああ、こいつらも連れて行くか」

 

 

―――海軍本部

 

「センゴク元帥ッ!!!聖地マリージョアは再び壊滅!!全ての世界貴族と大将赤犬さんと黄猿さんがシャボンディ諸島で磔にされている報せが入りました・・・・・・!!」

 

 

「黄猿だけでなく赤犬まで倒されたか・・・・・」

 

「天竜人を盾にされとったら強大な能力も安易に振るえんからの。そこを突かれてしまったんじゃろうな」

 

「やってくれる・・・・・イッセー・D・スカーレット・・・・・!!」

 

「今度もまた聖地マリージョアを襲撃してくるじゃろう。そん時こそが奴を捕らえる機会じゃセンゴク」

 

 

ヤマトには申し訳なく、奴隷達を世界各地に点々と送り続け人がいる町で、天竜人の紋章を消し新たな人生を歩んでもらう。莫大な金の一部を提供して心から感謝の念を向けてくる元奴隷の人達に見送られながら何度も繰り返す。新世界、偉大なる航路(グラウンドライン)、東西南北の海と世界を飛び回った。その際に、何かあったらと電伝虫を渡す。最後の人達は西の海(ウェストブルー)に送って船のコーティングが終わるまで見知らぬ大きな町で滞在を決めた時だった。おれはすれ違う艶のある黒髪に青い瞳、くっきりと筋の通った高い鼻が特徴のクールビューティーの少女を視界に入れた。

 

「・・・・・」

 

何となく彼女の事が気になり情報収集することにした。立ち止まって振り返り彼女の後ろ姿を見ながらナヴィの能力を使ったところ・・・・・。

 

「イッセー、どうしたの?」

 

「見つけた」

 

「え?」

 

「行くぞ」

 

「ちょ、何がって待ってよイッセー!」

 

ここで逃したら探すのはきっと困難だろう。だからこそ彼女と接触したいがために彼女の肩をポンポンと触れながら話しかけた。

 

「突然失礼。―――ニコ・ロビンだな?」

 

「・・・・・」

 

「おれはこういうものだ」

 

懐から取り出すおれの手配書を見せ、青い瞳を見開いて警戒心を抱かせてしまった彼女に告げる。

 

「おれの船に歴史の本文(ポーネグリフ)がある。それを解読してくれないか?」

 

「・・・・・歴史の本文(ポーネグリフ)が?」

 

「ああ、嘘じゃない。どうだ?」

 

「・・・・・私にそれを解読させて何を得たいのかしら」

 

「ラフテルの手掛かりと全ての歴史かな。知ってた?赤い歴史の本文(ポーネグリフ)が四つあってそれらを解読すればラフテルがある場所に記されているのが分かるんだって」

 

既にそれを三つ確保しているとも告げる。彼女はおれの言葉に偽りかどうか判断を考えている感じで疑心暗鬼な眼差しを向けている。

 

「どうだろう。一緒に残りの赤い歴史の本文(ポーネグリフ)ことロード歴史の本文(ポーネグリフ)や他の歴史の本文(ポーネグリフ)を探しながら冒険しないか?」

 

「・・・・・」

 

「お前に海軍や世界政府の追ってがやってこようと絶対に守ってみせる。なんせはた迷惑なことに人を四皇の一人の扱いにしてくれた海軍と世界政府に良い感情を抱いてない。だから世界貴族の天竜人と聖地マリージョアを二度も襲撃して奴隷を開放してきたからな」

 

耳を傾けていた彼女は特に何も言わず青い瞳を向けてくるだけだった。ダメかなと断れるのかと思っていた時にニコ・ロビンが口を開いた。

 

「私を仲間に入れて後悔しても知らないわよ」

 

「過去のトラウマで他人を案じる心ならお前は優しい女だよニコ・ロビン」

 

手を出す俺に応じて右手を差し出す彼女は握手を交わしてくれた。

 

「よろしくロビン」

 

「私もよろしく!名前はヤマトだ!」

 

「よろしく二人共。早速だけれど見せてもらえないかしら赤い歴史の本文(ポーネグリフ)というものを」

 

「ああ、わかったけど気を付けてくれよ。数時間前に聖地マリージョアを襲撃して大将二人と世界貴族をシャボンディ諸島で磔にしたからかなりの厳重警戒態勢を敷いていると思うから」

 

「シャボンディ諸島・・・・・?偉大なる航路(グラウンドライン)にあるところから来たの?」

 

首肯する。

 

「これから魚人島へ向かうつもりだったんだ。コーティングを依頼して作業が終わるまで船を動かせない」

 

「ここはシャボンディ諸島じゃないわよ」

 

「ロビンの疑問は尤もだ。だから戻るときはこうする」

 

シャボンディ諸島に繋げる空間の穴を広げたら潜るおれに続くヤマト、最後にロビン。周囲のヤルキマン・マングローブを見回して先ほどまでいた町と今いる場所を繋げる空間の穴が閉じる様子を見つめた。

 

「あなた、能力者だったの?」

 

「違うぞ。まぁ、似て異なる力を持っているけど」

 

「うん、イッセーは本当に凄いんだよ!!」

 

褒めても何も出ないぞヤマト。さてさて、船に戻るか。海兵がそこら中にいようと―――。

 

「こ、こちら16番GR!!発見しました四皇イッセー・D・スカーレットが!!!至急応援を!!」

 

複数の海兵が現れるや否やいきなり発砲してきながら電伝虫で応援を呼んだ。

 

「あ、見つかったな」

 

「どうする?」

 

「取り敢えずこうする」

 

魔方陣を展開して大量の煙幕を放出すると海兵の目から姿を暗まし、魔法で別人の姿に変えて宿泊施設があるGRへ転移する。

 

「コーティングは数日も掛かるからそれまでこの姿でいよう」

 

「いつの間に?二人の顔と体形が別人だわ」

 

「ロビンも顔が別の女性だよ」

 

「因みにおれも女性にしてみた。でもそんなことより船が心配だな。おれはともかくヤマトの顔がコーティング職人に知られてるから、海兵達がおれ達の船を探して50番GRで捜索している可能性が大きい」

 

あっ、と口から漏らすヤマトも気づいたようだ。

 

「どうする?」

 

「一旦船に戻るか。心配だし」

 

停泊している船へ向かうと駆け走りまわる海軍と擦れ違ったり視界に入ったり、やっぱり厳重な警戒がされているなと感じた。姿形を変えている今、おれ達の事なんて気付かれることはないが怪しまれるのはどうしようもない。

 

「ねぇ、もしかするとあなたなら魚人島に行く術があるんじゃないのかしら」

 

「え?あるの?」

 

ロビンの問いになくはないと首肯する。

 

「そうだな。コーティングせずとも行ける手段はある。だけどそれを頼らず海賊達がしている手段で行ってみたいんだ」

 

「そう、だったらもう一つの方は緊急事態にするのね」

 

「ん、その通りだ」

 

話ながら目的の場所へ赴き辿り着いた。おれ達の船にはコーティング作業をしている職人達がいて今でも頑張ってもらっていた。どうやら海軍に気付かれていないようだな。

 

「大丈夫みたいだね」

 

「あれがあなた達の船?」

 

「おれが造った」

 

作業している人達に声を掛けながら甲板に乗ってスノードームに触れた。光に包まれてスノードームの中に入るおれ達。

 

「不思議・・・・・ここってガラス玉の中なんでしょう?どういう原理でできてるの?」

 

「口で語るのは少々小難しいぞ?それは後で説明するとして・・・・・ロビンに見せたいもんはコレだ」

 

ポケットから赤いキューブを取り出し地面に置いて魔法を解除する。赤い石は元の大きさになって表面に刻まれた古代文字がロビンの視界に映しこんだ。

 

「・・・・・本当に歴史の本文(ポーネグリフ)だわ。それに赤い歴史の本文(ポーネグリフ)は初めて見た」

 

「残りの二つは四皇カイドウのところにある。それも見たいなら連れて行ってやるぞ。これを手土産に持って行くつもりだからその時に見れるだろうから」

 

「ええ、お願い。イッセー、読んでもいい?」

 

「好きなだけいいぞ。ああ、解読し終えたらメモに翻訳してくれ」

 

了承するロビンはジッと歴史の本文(ポーネグリフ)を見つめ始める。その間はヤマトに外へ出る方法をロビンに伝えるようにお願いしてからスノードームの外へ出た。そろそろ飯時の時間だから料理を作らないと。一階のキッチンに立って料理を作っていると二人がLDKに顔を出してきた。

 

「終わったか?」

 

「ええ、今まで読んできた歴史の本文(ポーネグリフ)とは異なることが記されていたわ」

 

ロビンからメモを受け取り、内容を読み取る。やっぱりおれが解読したのと同じだな。

 

「どこかの海域の海図が書けそうだなこれも」

 

「他の赤い二つのロード歴史の本文(ポーネグリフ)もそうなのね」

 

「これで残りは一つ。ラフテルに何があるのか楽しみだね。海賊王になっちゃうけれど」

 

「海賊王になんか興味ないわ。おれ達は冒険をするだけなんだぞ?」

 

「だけど他の海賊と戦うのでしょ?」

 

「「勿論」」

 

襲い掛かってくる相手に無抵抗でいる筈がないとの気持ちでヤマトと声を揃えて頷いた。

 

それからコーティング作業が終わるまで海軍の包囲網の中、息を殺す気分で待っていた。そのおかげで顔を変えてるおれ達を見ても海軍が探してる人物とは違うから疑われず、海賊船を探して見つけると破壊して海賊達を捕らえていった。勿論、おれ達の船の調査も行われた。

 

「この船の持ち主はお前達か」

 

「ええ、冒険家なんでね。このおでんを模した船首を見てわかるかと思いますがおでん屋も生業にしているんですよ」

 

「中を確認させてもらうがよいな」

 

「どうぞ」

 

おでん屋に相応しくない物は魔法で隠蔽してる。部屋の隅から隅まで調べあげる海兵達はしばらくして、この船は海賊の船ではないことを電伝虫で上官に報告した。

 

「ご協力感謝する。次行くぞ!」

 

去っていく海兵達。彼等を見えなくなるまで見送ったあとヤマトに話し掛ける。

 

「海賊船にしなくてよかったろ」

 

「うん。おでん屋で見逃してくれて安心したよ」

 

「世渡り上手なのね」

 

ロビンに不敵な笑みを浮かべた後、LDKに入り百獣海賊団からもらった電伝虫でワノ国に繋げた。

 

プルルル・・・・・プルルル・・・・・・プルルル・・・・・ガチャ

 

『誰だ?名を名乗れ』

 

「イッセー・D・スカーレットだ。カイドウと話をしたい」

 

『イ、イッセー様ですか!!?す、すみませんでした!!直ちにカイドウ様の所へ電伝虫を移動させますので!!』

 

おー凄い慌てぶりだ。顔が分からない相手だと対応が大変だな。後ろから見守ってくる二人の視線を受けながら待っていると電伝虫が吊り上がった鋭い目つきとナマズ髭を生やし出した。面白いなこの電伝虫の特性。

 

『何の用だ』

 

「勿論朗報だよカイドウ。ラフテルを導く3つ目のロード歴史の本文(ポーネグリフ)を見つけたぞ」

 

『何だと・・・?嘘ついてんじゃねぇだろうな』

 

「嘘吐くためにわざわざお前に連絡なんてすると思うか?事実だよ」

 

『だったら連絡せずに直接持って来い。それとも解読は済ませたのか』

 

「ああ、俺とさっき仲間にしたニコ・ロビンという考古学者が解読した文章は一致してる」

 

『ニコ・ロビン・・・・・ああ、オハラの生き残りの小娘か。よく見つけたな』

 

「まぁな。ラフテルの手掛かり、そしてお前が海賊王になる王手をかけたなカイドウ。飲む酒も美味しく感じるだろ」

 

『ウォロロロ・・・期待しているぞイッセー。その調子で古代兵器の情報を手に入れろ』

 

「それはどうでもよくね?興味ないぞそんなの。お前の方が古代兵器に劣らない力を持っているくせにさ」

 

『お前も人の事言えねェだろう』

 

そりゃあそうとも。だってドラゴンなんだし。

 

「因みにこの会話のやり取りだけどさ。海軍に盗聴されてたりとかしてないよな?」

 

『ああ?してるだろうよ』

 

「しているのかよ!!?それを早く言えよ!?」

 

 

―――海軍本部。

 

二人の会話の内容は黒い盗聴電伝虫によって海軍本部全体が戦慄した。四皇同士が手を組んでいたこととラフテルの手掛かりであるロード歴史の本文(ポーネグリフ)を三つ所有、さらにはオハラの生き残りとされるニコ・ロビンの存在が明らかとなった今、海軍本部と世界政府はイッセーの捜索に全力で追跡する姿勢に入った。

 

「カイドウとイッセーが既に手を組んでいたというのか。なんと厄介極まりのないことだ・・・・・!!」

 

「その上、ラフテルの手掛かりもあと一つで揃っとる状態とはな」

 

「シャボンディ諸島に十中八九いるのは間違いない。だが、奴らは巧妙な手段で我々の目を欺いている以上は魚人島へ逃れられる危険性は高い。赤犬と黄猿が治療している今、青雉を向かわせる他ないのだが」

 

「三大将全員が四皇一人相手に破られた事実は避けたいところじゃろセンゴク」

 

老兵の言葉にぐうの音も出ないセンゴク元帥は苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべる。

 

「七武海にでも行かせるか?」

 

「あの海域で最も近くにいる女帝でも一週間以上は掛かる。無駄だ」

 

「ほんじゃあワシが行ってみっか?」

 

「バカなこと言うんじゃないガープ!!海軍の『英雄』のお前まで倒されてでもしたらそれこそ海軍の信頼が世界に危ぶまれるだろう!!」

 

「じゃがな、二度も天竜人の襲撃を許してしまってる時点で世界に衝撃が走っとるぞセンゴク。おまけにシャボンディ諸島で磔された三大将二人付きでじゃ。もう周りを気にしておる場合ではないかもしれんぞ」

 

「ぐっ・・・・・!!」

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