クワト・イネの夜明け(「日本国召喚」補完ストーリー) 作:団弾斗
異世界に突然転移してしまった日本国はクワ・トイネから派遣された使節団により日本に十分な量の食糧輸入の可能性を見いだせたことにより、速やかにスムーズな食糧輸入が果たせるよう、緊急に関係省庁の大臣に召集がかけられ、閣議が開かれた。
総理大臣「クワト・イネから派遣された使節の話によると、日本の希望するだけの食糧は生産できるがその作物を日本へ輸送する手段が無いと聞いている。この点については日本側で資金、技術、労働力を提供することによって速やかに輸送手段を構築する必要がある。
それぞれの省庁でどんなことができ、すべきなのか忌憚のない意見を述べて欲しい。
」
本日の閣議の内容は各大臣にあらかじめ伝えられていたので事前に各省庁内で予想される総理から要求されそうな内容は各省庁内で審議されていた。
国土交通大臣「まず、哨戒機の撮影した現地の写真や使節団に対する聞き取りによってクワ・トイネのインフラは地球の近代以前の状況と判明したので輸送のためには産地から港までの輸送路として舗装された自動車道または鉄道の敷設が必要です。もちろん、港にも大型輸送船が入って作物を積み込むための倉庫・クレーン等の施設が必要になり大型貨物船が入港できるよう浚渫及び桟橋の増強が必要となります。どれも大規模な土木工事となりますので、工期を鑑みると国内のゼネコンに呼びかけ早急に現場の測量、地質調査をした上で入札を行い極力早い時期に着工すべきでしょう」
農林水産大臣「聞くところによるとクワ・トイネでは人の手で直接収穫しているそうですが、輸入量の多さを考えると機械化し速やかに収穫しなければすべて収穫し終わるまでに作物の品質の低下が懸念されます。
いきなり機械化しろと言われても無理でしょうから、JAにクワ・トイネ農家の支援協力を依頼して、機械化の技術指導等の農業機械導入の手助けをしてもらうべきです。JAグループの力を借りれば作物の流通も任せられます。」後にJAはクワ・トイネ農民に農業機械をリースする代わりにJAに加入させ、作物をJA運営する流通に流す契約をさせるのだが、一旦日本の農業機械を使ったクワ・トイネ農民は機械を手放せなくなり継続して機械を使い続けることとなり、事実上JAから脱会することができなくなってしまった。そのため後にこの契約の強制性が問題となる。
経済産業大臣「技防法と言えば、クワ・トイネで交通網を整備するなら敷設した路線を走らせる車両もこちらで用意すると言うことですね。用途を考えると馬車や馬車鉄道では役不足でしょうから。となると、クワ・トイネに供与もしくは貸与するにしても技術的なヒントを与えかねませんので現代的な車両ではなく骨董レベルの車両が良いでしょうね。」
総理大臣「話題にしたということは腹案があるのかね?」
経済産業大臣「はい、省内で出された意見では、
日本国内で普及している電車では軌道だけではなく、電力の発電(発電所)、送電(送電線、鉄塔、電柱)といったインフラも敷設しなければならないため短期間ですべてを整えるのは困難と見込まれます。
であれば、蒸気機関車でどうかといった極論もありました。
将来この世界で生産されるようになっても日本国内の産業にダメージはありませんし、動態保存されている車体がいくつかありますのでそれらを有効活用すれば比較的早く対応可能と思われます。
それに、クワ・トイネの使節の聞き取りでは日本製の機械を使うようになってもなるべく自分たちで保守、管理ができるようにしてもらいたいと希望を出されました。
となると、構造がシンプルで電装が最小限で済む蒸気機関が最適とのことです。国内に現在運用されていない蒸気機関車は多数ありますし、修復すれば利用可能ではないかとも提案されました」
国土交通大臣「しかし、クワ・トイネに敷設する鉄道のレール幅は食料の大量輸送と言う目的を考えると狭軌ではなく標準軌もしくは広軌が良いと考えられます。
そうなると現在国内にある保存されている蒸気機関車は全て狭軌ですから即時に利用はできないはずです。」
産業経済大臣「もちろん、その懸念も議論されました。
幅を狭くするのは困難だが、広くする改造ができるか検討もしました。残念ながら蒸気機関車の動輪は外側にクランクシャフトが連結されて駆動しているので動輪を駆動するシリンダーの位置も変更しなければならないなど改造するより一から作り直した方が良いと言われまして・・・それには相応の時間がかかる見込みとなります。」
総理大臣「それでは軌道を広くすることはできないということかね」
産業経済大臣「いえ、車両を標準軌広軌に対応させるのではなく、敷設するレールを増やして狭軌もしくは標準軌両方の車両を走らせたらどうかと考えております。もちろん、レールの総延長が増えるのでコスト増にはなりますが敷設する工期はそれほど増えませんので機関車を作り直すよりも早い時期に輸送を始められるという試算です。」
総理大臣「ディーゼル機関車なら改軌が比較的容易なのではないかね?食糧問題が解決するまでの当面のつなぎとして運用するなら技防法の問題も少ないのではないかな?その後じっくり蒸気機関車の新造も考えてみようよ」
産業経済大臣「はいっ、製造メーカーによると今まで輸出用に製造していた」
現実世界では戦艦三笠が建造された時代にはすでに真空管が登場しておりムーの科学水準に照らしてみると技術流出防止法に抵触しないと考えられるため技防法に抵触するデジタル式電子計算機に代わり真空管を用いたアナログ式電子計算機もしくはENIACに準じたデジタル式電子計算機の開発をムーに対して促すという話も投稿出来たらなぁと思います。