「……ダンブルドア先生」
気の緩みとともに吐き出されたライラの言葉に、ダンブルドアは頷いた。
グリフィンドール生はまさかダンブルドアが現れるとは露にも思っておらず、みるみる顔を青くした。杖を取り落とし、なんとか逃げることができないかと怯えている。
「ライラ。大丈夫かね? 何があったか言ってみなさい」
「ダンブルドア先生! _______違うんです_____そいつが、卑怯な、そう卑怯な真似を___」
「私には、君たちが呪いを放ち、ライラに攻撃している場面しか見ていない。だから、正直に、どちらからも話を聞く必要がある」
話せるか、と促された時ライラは喋ることができないほどに涙を流した。怒りはとっくに失われ、ただただあの酷い言葉の数々が醒めた頭に反響している。ひどく耐え難かった。
「ライラ。一旦落ち着こう。泣くことはない。もう怖くない……」
涙を流せば、喋れない。喋れないから誤解されてしまうかもしれない……そんな考えがライラの頭の中で渦巻き、嗚咽に塗れながらライラは必死に言葉を発した。言葉にならない呻きが喉と胸を焼いた。
「わ、わた、私……ちがう、違うの。先生……私……」
「ああ。分かっている。だが君の口から聞きたい」
ライラは手で顔を覆い、落ち着こうと肩を上下させる。ダンブルドアはその背をさすり、ライラの証言を辛抱強く待った。
その間グリフィンドール生は、怯えていた少女、先程まで美しくも冷徹に怒っていた女、そして今、目が溶け落ちるのではないかと思うほど涙を流す少女……ライラが見せた全く異なる姿に目を白黒させていた。だんだん自分のやっていたことが、どれだけ最低であったかも分かってきていた。
ライラはようやく息を整え、つっかえながらダンブルドアに説明した。
「イザベルが……教科書を忘れて、私、寮の前で、待ってたんです……。そしたら、そしたら______私、ただ気になっただけです。盗み聞きなんてしなかった……! すぐ戻ろうとしたら、その人たちが______盗み聞きしたって______卑怯だって……」
「なるほど。君は攻撃されたのか?」
「……怒ってたんです。私、彼らが杖を抜いたから……だから、私も杖を抜いて、黙ってって言ったら、何かが飛んで……」
ダンブルドアは合点がいったように、ライラの魔力が当たったグリフィンドール生の方に駆け寄った。
「道理で。見事な舌縛り呪文だ。無意識の……しかし強い魔力による仕業だね。心配しなくていい。すぐに解ける……ほら」
パッとライラの無茶苦茶な呪いを解いてみせたダンブルドアは、おどけたように笑った。ライラはそれをみて安心する。何か後遺症が残ったら、と心配だったのだ。
「君たちの言い分は?」
ダンブルドアがグリフィンドール生にそう問うと、ほとんどの生徒は俯き、首を横に振った。
「よし……グリフィンドール、一人につき三十点減点。つまりは百五十点だ。新学期二日目から大幅な減点、グリフィンドール寮監として残念に思う。もちろん罰則もあるから、連絡を待ち給え。騎士道精神を重んじるグリフィンドール生であるにも関わらず、少女を、あろうことか大人数で責めたこと、恥と思いなさい」
静かな説教にライラは身を固めたが、その後すぐ、ダンブルドアはライラに笑みを見せる。
「ライラ。次の授業は変身術だったね?」
「はい……」
「何を隠そう、変身術の教師は私だ。次の授業は出なくていい。医務室で療養しなさい」
「でも、私授業には……」
「いいから。大丈夫だ」
ダンブルドアが歩き出したため、ライラも歩き出した。ライラがどれだけ抗議しようとも、ダンブルドアは医務室に行くつもりだろう。
ライラの足は力が入り過ぎて、ガクガクと怪我をしたように、くずおれそうになっていたが、ダンブルドアはその速度に合わせて歩いた。
「あの……ダンブルドア先生。どうしてあそこを通りがかったんですか? 地下だし、変身術の教室は遠いのに」
するとダンブルドアは得意げに笑ってみせた。
「イザベルだよ」
「イザベルが?」
「ああ。教室に遅刻寸前で飛び込むなり、ライラがいない、行方不明だ、迷ったのだと騒いだものでね。事情を聞けば、寮の近くにいるはずがいなかったということだったから、まずスリザリン寮の近くに来たのだよ。まさかこんなことになっていようとは……」
ライラは今すぐにでもイザベルに抱きつきお礼を言いたい気分だったが、大人しく医務室へ歩いた。きっとそわそわしながら自習でもしているのだろうと思うと、ライラは気が気じゃなかった。
「イザベルには君は医務室にいると伝えておこう。もちろん、トムにも、アルファードにもね」
「ありがとうございます」
しばらくして医務室につき、ダンブルドアはドアをノックした後、大きな声で人を呼んだ。
「マダム・ポンフリー! いるかね?」
「はい! ここにいますよ。どうされたのですか? 怪我ですか? 体調不良ですか?」
マダム・ポンフリーと呼ばれた女性が奥からシャキシャキとした歩き方で出てきた。若いが、せっかちな年寄りのような雰囲気を纏っている。ある意味馴染みやすい雰囲気の女性だ。
「トラブルに遭ってね。可哀想に、まだ体がパニックを起こしている。休ませてあげてくれないかね」
「あらまぁ、こんなに震えて!」
ライラはそう言われて震えがおさまっていないのに気が付いた。足があまりに遅かったのもそのせいだった。
「では、よろしく頼むよ」
ダンブルドアを見送った後、ライラは医務室のベッドに通された。
魔法薬学の教室とはまた違う、ツンと鼻につくような清潔感のある薬品臭が漂っている。ライラはこの匂いが少し気に入った。白いベッドも見るだけで安心できる。
「ベッドに入るか、腰掛けるかしなさい。紅茶か何か飲みますか? 落ち着きますよ」
「あ……じゃあ、いただきます」
「全く! 何があったんです? あなたが今学期初めてのお客様ですよ。まさか午前のうちにいらっしゃるとは」
「……ごめんなさい」
ベッドに腰掛け、ライラは俯いてマダム・ポンフリーを待った。マダム・ポンフリーは紅茶を空中で作ってみせた。ひとりでにカップが空中を滑り、スプーンがカップの中で回っている。
ライラはそれに見惚れながらそっとカップを受け取った。
「砂糖とミルクは要りますか?」
「……砂糖を一つだけ」
マダム・ポンフリーが指をカップに向けて振れば、角砂糖の入った壺が飛んでいく。
「お飲みなさい。……まだ手が震えているわ」
ライラの手は未だ震えていた。カップから紅茶がこぼれそうなほど。マダム・ポンフリーは火傷をしてはいけないと、ライラからカップを取り上げた。
ライラも、カップを通して温かみが全く伝わってこないことに気づいていた。この調子じゃカップを取り落として割ってしまうだろうということも。
「何があったの? もちろん、ダンブルドア先生には伝えているでしょうけれど……」
一体何を言うべきか_______何から話せばいいのかライラには分からなかった。あれは一体何だったのだろう。
考えがまとまらないまま、ライラは口を開いた。
「……初めてでした……理由が全く分からないまま、暴言を吐かれるのは。今までは、髪とか、目とか……そういうことを揶揄ってくる人が多かったから。でも、彼らは、きっと『スリザリン』であれば何でもよかった。私じゃなくったって。あそこにあったのが、スリザリンの紋章でも彼らはきっと泥を投げる。分からない……分からないです。彼らは何に怒っていたのか」
マダム・ポンフリーには、ライラが全てを語らなくとも何かあったのかおおよそ察したようだった。固く握りしめられたライラの拳を解くように、マダム・ポンフリーは手を添える。
「スリザリンとグリフィンドールの確執は、今に始まったことではありません。創設者自身が、確執を生み出したことから始まりました。だからといって仕方がないで済ませていけないのはこの学校の卒業生、そして校医として分かっているつもりです。貴方のように傷つき、医務室に運ばれてくる生徒が少なくないというのは由々しき問題でしょう……。しかし、先生方も手をこまねいているのが現状です。この学校の教師が、何代にもわたって頭を抱えている問題です。情けなくも、私が今できることはここで治療をするだけ……」
マダム・ポンフリーの言葉には校医としての無力感や、悲しみがこもっていた。ライラにもやるせなさが湧き上がってくる。魔法薬学のあの気分の悪いひそひそ声は、そのためだったのだ。
ライラは衝動にまかせ、問いかけた。
「先生。私は何に怒ったらいいんですか?」
ライラは、ようやく手に温もりが伝わってきたのを感じた。そして頰に涙が伝っていくのも。
「ライラ!」
「ここでは静かに!」
マダム・ポンフリーの警告を無視して、医務室に飛び込んできたのはイザベルだった。
ライラが手を上げて招く暇もなく、イザベルがライラに突進する。後ろ向きにベッドに倒れ込む直前、ライラの視界の端に息を切らしたトムとアルファードが入り込んだ。
「うっ……イザベル……」
「ダンブルドアから聞いたの! 何があったの? 痛いところは? 怪我は? 私のせいよ。私が教科書を忘れたせいで……ライラを1人にしてしまった!」
悲痛な叫び声の前では、マダム・ポンフリーも注意はできなかったようだ。
イザベルはライラに抱き着いたまま涙を拭った。
「イザベルのおかげで助かったの。大丈夫。大丈夫だから……」
イザベルの背中を撫でながらライラはあやすように言った。マダム・ポンフリーのおかげでライラは随分落ち着いていたのだ。
「ライラ。何があったの!? ダンブルドア先生からは医務室にいるとだけ……」
息を切らしてアルファードとトムがやってくる。イザベルと共に走ってきたようだ。しかしイザベルは息を切らすどころか叫ぶ余裕もあったため、ライラは密かに驚いている。
トムはすぐ言葉を発さず、何を言えばいいか決めあぐねているようだった。ただ一人、ライラよりも暗い顔でベッドの横で佇んでいる。
他の三人はトムが何を言うか予想がつかずただ黙って待った。
「ライラ」
「うん」
静かにトムは口を開いた。
「ライラ、怪我は?」
「ないよ」
「置いていかなければ良かった」
「あんなの、誰にも予想できないよ」
「_________何があったか、聞かせてくれ」
「もちろん」
イザベルと別れたところから、ダンブルドアに助けられたところまで、ライラは全てしゃべって聞かせた。
イザベルは憤怒の表情を浮かべ、アルファードは絶句していた。トムは真っ白な顔を真っ白な手で覆う。
「……僕のせいだ」
アルファードがそう言った。
「僕が、スリザリンとグリフィンドールは仲が悪いことを言わなかったからだ。僕は……ただ怖がってほしくないだけだった。信じてくれ、決してこんなことを望んだわけじゃなかったんだ」
「アルファード。アルファードは悪くない」
「言っていれば、ライラもトムも警戒したはずだ」
固く目を瞑ったアルファードは、ため息をついた。ライラはどうしていいか分からず、違うということをただ伝えたくて、口をパクパクさせた。
「……私がライラを一人にしたわ。そのせいよ」
「違う、違うよ。誰も悪くないってば。イザベルも、トムもアルファードも! ねえ、私は大丈夫だから。お昼休みでしょ? お昼ご飯にしよ!」
ついにライラは強行手段を取った。イザベルとアルファードの手を取り、大広間へと引っ張っていく。
もちろん医務室を出る時、マダム・ポンフリーにお礼を言うのを忘れなかった。
「ありがとうございました。お茶美味しかったです。おかげで落ち着きました」
「良かったです。しかし、そこの二人に医務室では静かにするよう言っておいてください」
「はい。失礼しました」
アルファードとイザベルは為されるがままになり、トムはその隣をとぼとぼと歩くため、ライラはどうしたものかと頭を抱えた。とにかくまずは大広間に行きたい。
結局、手を離しても着いてきてくれるため、ライラは三人が着いてきているか確認しながら大広間に向かうことになった。
大広間でやっと昼食にありつく頃には、ライラは疲れ果てていた。三人とも明らかに足りない量で済ませようとしているので、ライラは皿にポンポンと料理を盛っていく。
「大丈夫だって言ってるのに。もう!」
「アルファード! ちゃんとヴァルブルガ様に報告しなさいよね!」
「言われなくてもやるさ」
「ライラ、あいつは本当に女か? 僕やアルファードよりも足が速かったぞ。息切れもしてなかった」
お昼ご飯効果にライラは苦笑しながら、口々に喋る三人を見つめていた。元気になったようで何よりである。
「失礼ね! あんたの足が遅いのよ!」
イザベルの怒号が飛ぶ。少々元気になりすぎではないかとライラは思ったが、口に出すのはやめておいた。
実際、トムはロンドンの街を駆け回っているため人より遅いということはない。イザベルが類稀なる運動神経の持ち主なのだろう。
イザベルとトムの口喧嘩が始まろうとしていた時、ばしっ、と奇妙な音が響いた。アルファードの足下からだ。
アルファードとライラは真向かいに座っているため、ライラは机の下を覗き込んだ。
すると、何か奇妙な生き物がいるではないか。
長く尖った耳。大きな目玉。ボロボロの布巾のような服を纏った生き物。
驚いたライラと、アルファードの隣だったトムは立ち上がり、上から覗き込もうとした。
「ああ、机の上に立って。君の姿を見せてあげて」
「かしこまりましたでございます」
おかしな言葉遣いのその生き物は、机の上に立ってなお、ライラたちよりも身長が低い、小さな生き物だった。
「ハウスエルフだ」
「……ああ! イザベルが朝言ってくれた生き物ね! お屋敷に仕える妖精ね?」
「その通り」
「へぇ……」
トムはしげしげとハウスエルフを眺める。ライラも色んな方向から眺めた。ハウスエルフは恥ずかしそうに身を縮こめる。
「普通はホグワーツでは『姿くらまし』はできないんだけど、彼らは妖精の魔法を使うから緊急の言付けをするのに便利なんだ。君、これを僕の姉のヴァルブルガ・ブラックと、五年生のアブラクサス・マルフォイ先輩に一枚ずつ渡してくれ。できるね?」
「承知いたしましたでございます!」
メモを受け取ったハウスエルフは、また奇妙な音を響かせてどこかへと去ってしまった。この術とやらが『姿くらまし』なのだろうとトムとライラは理解する。
「瞬間移動ができるのね」
「僕たちも免許を取ればできるよ。でも成人してからだ」
「アルファード。メモにはなんと?」
「明日の放課後、談話室で話し合いがしたいと書いた」
「え?」
ライラはつい、声を上げてしまった。報告だのなんだのと話していたが、まさか集会のようになってしまうとは考えていなかったのだ。
アルファードは真剣な顔で言葉を続ける。
「ライラ、君は運良く助かったし、ちゃんとダンブルドア先生から相手は罰を受けたから君の中では整理がついているのだろう。でも、これはちゃんと話し合いをすべき問題なんだ。これから先、減点をよく思わなかったグリフィンドール生から傷つけられぬようにしないと。場合によっては報復だって考えなきゃならない。スリザリン寮のプライドに関わるんだよ」
アルファードの様子から、自分が思っているよりも大きな問題なのだろうとライラは理解したが、大事になるのが上手く飲み込めなかった。
それに自分達がプライドのために報復を考えるように、相手もプライドや体裁の為だったのかもしれない。
ライラの気持ちには揺らぎが生じていた。何に怒ればいいのか、何故大事にしなければならないのかと、心の中にしこりができているのだ。
「……でも、私そこまで怒ってないよ」
「ライラ、アルファードの言っていたことをちゃんと聞いたか? プライド______面子の問題なんだ」
「でも、当事者の意思も尊重されて然るべきでしょう!? 怒ったって仕方ないじゃない。彼らに怒るのは間違ってるかもしれないんだから。話し合いなんかじゃなくて、報告程度に_________」
その時、ライラの横から手が飛んできた_____ように見えた。イザベルだ。イザベルがライラの肩を掴み、揺さぶるようにしてイザベルは言った。大広間に響く大音量である。周りの視線が集まったが、原因がスリザリンのテーブルであるため多くは目を逸らした。
「間違ってるわけないでしょう! いい? ライラは怒っていいのよ。ライラは怒って然るべきなの! 仕方のないことじゃないわ。アイツらが加害者で、ライラが被害者! しかも、聞いてれば謝罪だってないんでしょう? 怒りなさい! 怒って、大事にしてしまえばいいわ! そしたら次の被害に対する抑止力にもなるでしょう」
イザベルの勢いにライラは目がチカチカする思いだった。目に染み込んでいくような、イザベルのブロンドがライラの胸を打つ。場違いにも、ライラはイザベルがすごく綺麗だと、そう思った。
「で、でも……溝を深めてしまうかも……」
「そんなこと考えてたわけ!? 信じられない! あなたが怒れば、訴えれば、溝が深まるんじゃなくて埋まるの! ちゃんといけないことだって周知されれば、罰せられると知られれば、その行為は収まっていくかもしれないでしょう。なあなあにするのが一番いけないのよ!」
イザベルの様子に、ライラはあの時、怒ったのは間違いではなかったと思えた。正当な行いであったと思えたのだ。許しを得られた気がした。
「……何に怒ればいいか、分からなかったの。確執を産んだ創設者に? ここまで放っておいた先生達に? それとも、卑怯って言われたスリザリン? 迂闊だった私? でも_______私、怒っていいのね。グリフィンドール生に怒っていいのね」
「当たり前よ! 寧ろここで怖気付くようじゃ引っ叩いてやるわよ」
あの激しい怒りの余韻を感じて、ライラは胸に手を当てた。間違っていない。大丈夫だと、そう言い聞かせる。
「アルファード。ごめんね。先輩達を集めてくれてありがとう」
「いいんだよ。納得してくれたようで嬉しい」
微笑んだアルファードの横で、トムは意地悪に口角を上げた。今から何が起こるのか、何が起こせるのか、件のグリフィンドール生に何をしてやろうかと考えると楽しくて仕方ないのだろう。ライラに見られていると気づいてなんとか口角を下げようとしたが、隠しきれていない。
「トム。私刑はダメだよ。君個人の」
「分かってるさ。今、先輩達をどう言いくるめようか考えてるから黙っててくれ」
「ほんっと、いい度胸してるわね」
「まぁ、姉上やアブラクサス先輩もライラの意見は取り入れるだろうし……トムの意見も聞いてくれると思うよ」
ライラは少しバツが悪い気持ちがあったが、今日の昼食は昨日のご馳走よりも、今日の朝食よりも、何よりも美味しいと思った。
結局、ライラは保守的で秘密を好むスリザリン生だ。仲間と秘密の話をするのは何よりも楽しい。甘美で芳しい、仄暗い毒がライラを満たしていく。
散々な初日だが、悪いことばかりではない。
明日が少し、嫌ではなくなった_________。
自然に微笑んでいた口元を、ライラは手で覆い隠した。