ほな呪術師と違うかぁ   作:破月

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本誌やコミックの展開なんて知ったこっちゃねぇ精神で書き上げブツ
pixivにはあげてましたけど、こっちには上げてなかったので引っ張ってきました
ざっくりとした時系列をあげると、渋谷事変以降のお話
原作世界とは別物であることをご承知おきください
カッコイイ五条先生はいません

合言葉は~?

\イッツァ・パラレルワールド!!!!/



蛇足

「――僕の知り合いにさ、」

 

「うん?」

 

「呪術の研究が好きなヤツがいるんだけど」

 

「なんやの、急に」

 

「そいつがさ、自分のこと、"呪術師じゃない"って言うんだよ」

 

「……せやったら、呪術師ちゃうやろ。本人がそう言ってるんやったら、そうなんや」

 

「だよね、僕もそう思う」

 

「なんやそれ。話しかけて来たんはそっちなのに、消化不良起こしそなくらい微妙な終わり方したやん?」

 

「だって、事実だから」

 

「……へぇ?最強を名乗る男にしてみたら、その知り合いとやらは呪術師を名乗る資格はあらへんと?」

 

「違うよ、そうじゃない。……そうじゃないんだ」

 

「せやったらどないなこっちゃ」

 

「そいつは、呪術師じゃない。呪術師の家系に産まれたけど正式には呪術師になってなくて、でも家系と本人の性格が影響してか呪術に造詣が深くて、呪骸や呪具だって作れて、それから―――()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()として努力を続けるようなヤツだ」

 

「…………で?」

 

「だからさ、そいつには、呪術師よりももっと相応しい肩書があるんじゃないかって、僕は思うんだ」

 

「………………」

 

「つまり、さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 頭上を覆い尽くしていた帳が消えていく。凄惨な戦いの後を残す都会と呼ばれる渋谷(この地)では、通常とは比べ物にならないくらいの数の星が見えるようになっていた。そんな空を見上げ、瓦礫の上に大の字に寝転びながら、そいつは言った。

 

 

 

 

 

2018年11月01日 00時00分

 

 

 

 

 

「お前は、最高の()()()だなってこと」

 

 

 同じ色彩を持つ双眸が潤んでいるのは、見なかったことにしてやろう。そうして、衛星から電波を受け取り一定のリズムを刻む腕時計の電子音を聞きながら、彼は笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 重い瞼をこじ開けて一番に視界に映ったものは、もう何年も連れ添った呪霊の姿だった。ただ、どういうことか透けていて、今にも消えてしまいそうに見える。ふよふよと宙に浮きながら、尻尾をくねらせ、縦に割れた眼孔を眠そうに瞬かせていた。

 

 

『呪霊相手にこんなん言うのも可笑しな話な、んや、け…ど………?』

 

 

 ちょっとした違和感。震えるものがない筈の場所で、確かに何かが震えている感覚があった。限界まで目を見開き、そうして、彼は自覚する。

 

 

『やってくれたなぁ、われ』

 

 

 彼のその言葉に、呪霊は笑った。眼孔の下の部分がぱっくりと割れ、端まで裂けていって、ニチャリと。その奥で、不揃いな牙がてらてらと光っていた。口裂け女とも張り合えるくらいの裂けっぷりに、「こいつの口許ってこないに裂けとったんや」と場違いにも感心してしまう。

 一段と薄くなった気配と、透けていく呪霊の体。ついには天井の模様まで見えるようになって漸く、彼は酷く怠くて重い腕を持ち上げた。引き攣れた痛みを感じたが、気にせず呪霊に手を伸ばす。

 

 

『なァ、■■■』

 

 

 呪霊の名前を呼ぶ。伸ばした手にすり寄ってきた呪霊の感触は――ない。猫のような柔らかな毛並みも、温もりも、感じない。それでも、確かにある存在感を刻み込むように、彼は呪霊を撫で続けた。

 

 

『俺なんかのせいで……折角の二度目の人生やのに。人間ちゃうくて化け物として生まれさせられて、俺の通訳ばっかりさせられて。最後は贄にされてこの世界から消えてまう。どない謝っても謝り足らへん。やけど、最後は謝罪ちゃうくて、感謝を伝えさせてな』

 

 

 足先から消えていく姿をしっかりと視界にとらえて。

 

 

『おおきに』

 

 

 少しの照れくささを抱きながら。

 

 

『――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 彼は、言祝いだ(呪った)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ねぇ、一つ聞いていい?」

『なんや』

「僕より重傷だったくせに、僕より回復が早いのは何で?硝子だって、"全快には時間がかかる"って言ってたのに」

『分かり切ったこと聞いてくるなぁ……俺が反転術式使えて、その反転術式が悟の反転術式より優秀やった、それだけの話やろ』

「解せない」

『解せ』

 

 

 吹き抜けからLDKを覗き込む客人。もとい親戚(本家)の坊ちゃん。改め、最近強制的に主従の契りを交わすに至った五条悟(あるじ)に吐き捨て、彼は手元の書類に目を落とす。

 不本意ながら特級呪術師になって以来、容赦なく舞い込む任務の報告書を確認する。誤字脱字など言語道断、上層部の人間(腐ったミカン)たちに付け入る隙を与えないほど完璧に仕上がったそれに、笑みがこぼれる。その傍ら、主に振られる任務の事前調査書にも目を通していく。

 

 

『こら3級案件、こら4級…いやギリ3級?まぁ、悟に振るには軽すぎるさかい避けといて、あとで1級か準1級あたりに回そう。こっちは……土地神信仰?…なんか、過去に似た案件なかったか?確か悟の後輩くんたちに振られとったような…?念のため悟が対処、と。あー……こら特級、確実に特級やわ。窓の人たちよう生きとったな?ふーん?たまたま甚爾くんが近くにいたと……はー、嘘くさ』

 

 

 慣れた手つきで書類を捌き、未確認の書類がなくなったところで、生白い手が伸びてくる。いつの間にか二階から降りて来ていた悟が、向かいのソファに座っていた。書類を渡してやり、残りは別にファイリングして床に投げ捨てていた鞄にしまう。コーヒーでも淹れようかと席を立ち、うん、と伸びを一つ。

 

 

「僕はココアね」

『……仕方があらへんなぁ』

 

 

 かつて、才能があるが故に自分に失望し逃げるように姿を消した乳兄弟。二十数年も音信不通だと、もう一生会うこともないのだろうと半ば諦めていたけれど。そんな悟の心情を覆すかのように、彼は、悟の下に帰ってきた。それが、どんなに嬉しかったか、きっと彼には分かるまい。

 小さかった背中は大きく逞しくなり、背も、悟に負けないほど高くなった。灰褐色の髪はばっさり短くなり、丁寧に切り揃えられた前髪からは、青い瞳が覗く。男にしては細い首周りは、けれど、以前よりは確かに太くなった。

 

 

「――――夢みたいだ」

 

 

 ――2018年10月31日、渋谷で起きた未曾有の戦いから1ヶ月余り。

 

 

『何言うてるんや』

 

 

 彼らは、置き去りにした過去を取り戻すかの様に、今を共に生きている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--------------

 

篠宮 伽藍

 天文学的な確率で存在する"もしも"を掴み取った奇跡の人。

 渋谷事変後、なぜか声帯が生成され地声を発することが出来るようになる。事情を知る父や伏黒甚爾にはたいそう驚かれたが、それ以上に驚いていたのは五条悟。なぜなら今まで聞いてきた声が作り物と(戦いの最中に)知った上、復帰した時の第一声を聞いてあまりにも悟自身の声と似ていたから。そう、この男、実はcv.中○悠一である。

 悟と同じく特級呪術師として登録されており、多忙を極めている。あと、正式に篠宮家も継いだのでそっちの方の仕事もある。それに加え、伊地知が余りに不憫だったので、悟の補助監督を買って出た猛者。周りには働き過ぎだと言われるが、当人は手の抜き方を知っているので割と元気。

 先日、本来迎える筈がなかった29回目の誕生日を迎え、五条悟を筆頭に多くの人に祝われた。いつもよりほんの少し体が軽い。何故だろうかと考え、ふと思い至る。――呪霊(あの子)がいなくなったせいかもしれない。

 

 

 

世界

 伽藍が生き残れたのは、この世界がほんの気紛れで、彼の生存を許容したから。本来の道筋から大きく外れた歩いてきた彼に、世界は憤怒していたが、最後に役目を果たしたのは事実。それならば、褒美をやろう。とはいえ、それも打算まみれの許容だったことは否定できない。

 悟一人でもできるが、彼がいれば夏油傑の姿をしたモノを楽に倒せるだろうというのが世界の考え。なにせ最強に至った悟と、最強に至る素質を持つ伽藍のコンビである。彼らが揃ってこの世に祓えない呪霊はない。そうなるように世界が()()()のだから。

 呪言を使わせる代償を払わせた呪霊はまだ力を残している。なら、その残った力で潰された心臓を治してやればいい。それから、一度死んだなら面倒な(呪い)も外せるだろう。大サービスで声帯も作ってやった。呪霊は消えるが、問題ないな?








――――ソレは、本当に、現実か…?
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