古城 奏の日々   作:テンツク

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健屋花那/早瀬走

 

「なぁ早瀬さんや」

 

「ん?どないしたん?」

 

「いきなり着いてきてくれって家に突撃してきて、目的の場所はここなのか?」

 

「そうやで!サプライズしたくてな!」

 

「あきらかにマンションだが、誰か住んでるのか?」

 

「それは秘密や!まぁあんまり気にせんと行こうや!」

 

「はぁ、分かったよ」

 

彼女の名前は早瀬走、にじさんじ所属のライバーでみんなからはランねーちゃんと呼ばれている女子である。

 

「ここやここや!」

 

「誰の家なんだ?」

 

「それは今から分かるで!」

 

そう言うと早瀬は呼び鈴を鳴らした。

 

ピンポーン

 

「はーい!」

 

ガチャ

 

「来たでー」

 

「あ!ランねーちゃん!今回もよろしくね!」

 

「はいよ!今日は助っ人も呼んできたで!」

 

「助っ人?」

 

「おっす」

 

「bdっkdんs!!」

 

俺が挨拶をすると部屋の主は意味不明な言葉を発した。

 

「ちょっとランねーちゃん来て!!」

 

グイッ! 

バタン!

 

部屋の主は早瀬の腕を掴むと凄い勢いで中に入っていき、俺は締め出される形になってしまった。

 

待ってる間にここの部屋主の名前は健屋花那、彼女もにじさんじ所属のライバーで医療関係にも従事している女の子だ、え?何で分かったのかって?そりゃあ顔が見えたからな、しかしどうしたものか、そんな事を思っていると。

 

ガチャ

 

「いやーごめんなー!入って入って!」

 

はたしてそんな簡単に女性の家に入って良いものだろうかと思ったがめんどくさくなったので考える事をやめて入る事にした。

 

「お邪魔しまー・・」

 

俺は中に入って絶句した、何故なら家の中がほぼゴミ屋敷となっていたのだったからだ。

 

「ビックリしたやろ?これがこの子の本性やで」

 

「ちょっとランねーちゃん!奏さんが来るなんて聞いてないんだけど!」

 

「当たり前やないか!あんたのこの現状を見てもらわなアカンやろ!」

 

「奏さん連れてくるんだったら先に言っておいてよー!」

 

「はっは!そんなんライバルを減らすために決まってるやないか!」

 

「ぐぬぬ!」

 

「えーっと早瀬、一つ聞きたいことがあるんだが」

 

「ん?どうしたん?」

 

「もしかしてだけど、これを掃除するために俺を連れてきたのか?」

 

「まぁ半分はあってるよ」

 

「半分?」

 

「うん、元々は二人で片付ける想定でいたからね」

 

「じゃあ何で俺を連れてきたんだ?」

 

「奏さんにこの現状を知ってもらおうと思ってな!」

 

「まぁ、確かにこれは・・・な」

 

「そうやろ?」

 

「奏さん見ちゃだめー!」

 

「まぁ連れてきたのはこれだけのためやってんけど、どうする?ついでに一緒にやっていく?」

 

「え!?ヤッて行くの!?」

 

「違うはバカタレ!片付けに決まってるやろ!」

 

「まぁそうだな、この量二人は流石に厳しいだろうから手伝ってやるよ」

 

「ホンマ!?それは助かるわー」

 

「とっとと始めちまおうぜ」

 

「そうやな!」

 

そんな感じで健屋花那の家の大掃除を開始したのであった。

 

「あんたこれなんや?」

 

「ああそれは”ピー”だよ」

 

「何でこんなもんがあるねん!!」

 

「そりゃあいつでも奏さんに襲われて良いように」

 

「アホか!こんなもんは捨てや捨て!」

 

「これはなんだ?」

 

「それはマッサージ機だよ、ほら一人で」

 

「いらんこと言わんでええねん!」

 

「とりあえずゴミをゴミ袋に入れようぜ、ゴミ袋はどこだ?」

 

「ああ、それなら買ってきたで!」

 

「なんで早瀬が買ってるんだ?」

 

「この子家にないからやで」

 

「お前なー」

 

その後も何やかんやあったはしたが無事に掃除を終えることが出来たのであった。

 

「これからはこまめに掃除しろよ?」

 

「いやー、引っ越ししたてだったから散らかっちゃんだよね〜」

 

(何で引っ越ししたてでここまで汚くなるんだよ)

 

「嘘つくなや!前もそう言ってめちゃくちゃ散らかってやないか!」

 

「いや〜、そうだったかな〜」

 

「ちゃんと目を見て話さんかい」

 

「お前もいろいろ大変なんだな」

 

「分かってくれるか」

 

「てかあの量だったら業者呼んだ方が早くなかったか?」

 

「私も最初はそう思ってんけど、何か業者の人たちが可愛そうと思ってもうてな」

 

「なるほど」

 

「なぁ奏さん」

 

「ん?どうした?」

 

「この後時間あるかな?」

 

「ああ、あるぞ」

 

「それじゃあさ!この後一緒にご飯行かへん?」

 

「えー!ランねーちゃんだけズルい!」

 

「うるさいわ!掃除のお礼をするだけや」

 

「そんな事言って、そのままワンチャン狙ってるんじゃないの〜?」

 

「そ、そんな事あらへんで」

 

「目を逸らしながら言われても説得力ないよ」

 

「健屋は行かねーのか?」

 

「花那って呼んで♪」

 

「気が向いたらな」

 

「この子この後配信あるねん」

 

「・・・もしかしてさっきの状態でやろうとしてたのか?」

 

「そうだよ!」

 

「・・・はぁ」

 

「ならさ!三人で一緒に配信しない!それが良いと思うよ!」

 

「アホか!奏さんがあんたの配信に出たら色々と大変なことになるやろ!それこそ炎上しかねるで!」

 

「えー、良い案だと思ったんだけどなー」

 

「そんな事言ってないで早く配信の準備しいや!」

 

「はーい」

 

「それじゃああたし等は帰るからな」

 

「ランねーちゃんは帰っていいよー」

 

「何であたしだけやねん!」

 

「奏さんは家に居てもらおうと思って♪」

 

「思って♪やないっての!何言ってんのあんたは」

 

ギャー!ギャー!

 

言い争いをしている二人をよそに、近所迷惑になってんじゃねーのかだけが不安なのであった。

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