前回は、3階を制圧しましたね。何処の学校にもあるのに何故か1/1000の確率でしか使えない防火扉という素晴らしいアイテムが使用可能になったので、本当に助かります。今回、偶然にも入った二人っきりルートはその仕様上、
さて。「あめのひ」まではもう少し時間があります。具体的に言いますと、アウトブレイクから一週間後……即ち、7日後が「あめのひ」なので、6日の猶予がございます。それまでに、「かれら」を斃して斃してスキルポイントを取って、学校の守りをより強固にしつつ「あめのひ」に備えます。
とは言っても、やること他に色々あるんですけどね。ゲームを進めながら説明していきましょう。
まず一つ目。制圧した3階を拠点として整備することです。
たった二人ぼっちなので、斃した「かれら」の後処理やら、割れているガラスの掃除やら、大変です。物凄いタイムロスになりますね。まあ、RTAでは無いので考えなくてもいいんですけれど。
二つ目。新しい武器の入手です。これに関しては、「リバーシティ・トロン」に行けば回収できます。それに、道中「かれら」が大量にいるので、斃しながら進めばスキルポイントも手に入るのでうま味です。
因みに狙うのは「ナタ」です。一応、ギリギリ「ナイフ」スキルの対象内に入っていて、かつ一番攻撃力の高い武器です。ホームセンターに置いてありますので、これを回収しに行きます。出来れば無印の「ナタ」ではなく、耐久性がKRMネキ専用武器のスコップと同じくらいある「農林業用ナタ」が好ましいですが……まあ、湧き率1/100なので、あまり期待はしません。
三つ目に、KRMネキとのコミュニケーションです。KRMネキや、みーくん、覚醒済みめぐねえや覚醒済みりーさん等、一部の「かれら」と戦える戦闘能力を持っているヒトたちには「連携」と呼ばれる隠しパラメータがあります。これを上げることで、ステータスに「隠しステータス」と呼ばれるプラス値がついて、とてもうま味です。上げ方ですが、
ま、その点この「二人っきりルート」だと今現状KRMネキ以外おりませんので、まぁ、安心。
こんな具合かな?
*
一樹と、3階を制圧して暫く経った。
「かれら」と戦い続けて、少々……いや、かなり血の匂いが酷く感じる。
「うぇえええ」
……先輩を、突き刺した瞬間から覚悟はしていた。もう、この学校には、あたしと
しかし、この血なまぐささだけはどうにもなれない。お気に入りであった制服も血と汗でドロドロ。正直気持ちが悪い。
「胡桃、どうした?」
吐き気に耐えていたあたしに気が付いたアイツが、あたしの背中をさすりながら質問してきた。やめろ、吐くから。
「いや、血なまぐささだけでもどうにかなんねぇかな、って……」
直後、はっと思いなおして、はぐらかす。
学校にまさかシャワーなんてあるわけないし、この状況下、一樹だって耐えている。ワガママはダメだ______
「いや、あるぞ。シャワー」
だからこそ、一樹のこの一言に驚いた。
「え? あんの?」
「あーうん、さっき3階掃除するついでに部屋見て回ってたらあった。何なら洗濯機に布団にソーラークッカーもあったし、挙句の果てにソーラー発電とヒートポンプもあった。何なんだろうねぇこの学校。さっき職員室にあったパンフ読み直したら、『局地的災害の際に生活ができるように設計されている』とかなんとか書いてあったけどさぁー……」
「……なんか、都合がよすぎるよな……」
「だなぁ……」
本当に、この学校は妙だ。
こんな状況になってからだけど、そう思うようになった。
だが、今はありがたい。
「ま、これで風呂とかは気にする必要ないし、料理もできるから大丈夫って訳だ」
「お前料理できんのかよ」
「おう。家庭料理ならなんでもござれだ。豚の角煮だっていけるぜ?」
「負けた……」
「わはは。僕の勝ちぃ」
そのおかげで、こうして「普通の会話」が出来るのだから。
「よーし、それじゃあ、一日ぶりのシャワーといこうぜ。胡桃。着替えは僕の体操服を貸すんだぜ」
「あたしのは?」
「お前の初日着てたやつまた着るのか?」
「あー、うん、確かにそれは……お前は何着るの?」
「冬用にスウェット持ってきてたのがあるからそれを着る」
「オーケー了解……一樹。覗くなよ?」
「どちらかというと風呂上がりのホカホカ具合が好______ぶべらッ」
「こんのド変態ッ!」
……なんでだろうな。先輩と一緒にいた時よりも、アイツといる方がリラックスできるのは。やっぱり幼馴染で親友だからか?
「おい、一樹。次お前入れ……って、なんで拝んでいるんだ?」
「風呂上がりの少し赤いお御足が素晴らしい……!」
「どこ見てんださっさとシャワー浴びて来いッ!」
日常は、崩れ去ったと思っていた。だけど、違うのだ。
「なぁ、夜にさ、カップラーメンって……なんか謎の魅力があるよな。こう……やっちゃいけないことをやってる、みたいな」
「うん、それは確かに」
日常は、隣の誰かと……大切な、誰かと一緒なら、何時でもできてしまうものだったんだ。
「寝る前にさ、「見張り」決めとかないか」
「まぁ、バリケード作って防火扉閉め切ったとはいえ、なぁ。……よし、トランプで順番決めようぜ」
「どこで見つけたんだよそのトランプ……」
「職員室に没収されたモンからパクってきた」
「いいのかよそれ」
できれば、この瞬間が続けばいい。そう、思った。
思って、いた。
それは、シャワーを浴びた後に決めた、「かれら」の見張り。その途中。
深夜1時のこと。
*
いやぁ、可愛かったですねぇ。KRMネキ。
結構スチルとか見たことないのも幾つかゲットできましたし、これはうま味ですよ。
さて。見張りの順番も決めましたし、あとは寝るだけです。交代制なので、KRMネキが起きるまではスキップです。さぁ寝ちゃいましょう。
……あれー? っかしぃなぁ。中々スキップしませんねぇなんででしょう……っと。
「なぁ、起きろよ。なぁ……お願い起きて……!」
なんだか悲痛な声が聞こえます。体も揺らされてますね。見張りのKRMネキ、どうかしたんでしょうか。
レバガチャして、一樹君の体を起こしましょう。おうどうしたんだよ言うことあるならあくしろよ。
「おこしてごめん。謝るから怒らないで。怒らないで傍にいて……!」
????
KRMネキ、本当にどうかしたんでしょうか……ってハイライトさんがお亡くなりになっとるぅううううううううううううううううう!?!?!?!?
エッ!? ナンデ!? ハイライト=サン、ナンデ!?
ちょっとまって一回ポーズゥ!
KRMネキの状態を確認しましょう。
ステータスにデバフは……【恐慌】? 何か怖いことでもあったんですかね? 幽霊を見たとか? それ以外は特にないので判断は出来かねますなぁ……好感度は6/10。関係性は幼馴染。愛情度は5/10。あ、この愛情度ですが、これには「愛」の他に「友情」も含まれますのであしからず。
うーん、本当に解らん。結構普通の状態なんだけど……って、
アイェエエエエエエエエエエエエエエエエ!?!? ナンデ!?!? SAN値ナンデ!?!?
いや、本当に何があったしKRMネキ!?
……いったん冷静になりましょう。騒いでも何もないです。
そして、ポーズをそろそろ解除しましょう。でなければ、本当に何があったかが解らないです。
さぁ、続きだ続き。とりあえず、「なにがあったの?」とでも返しておきましょう。
一樹君に必死にしがみついてすすり泣くKRMネキ。本当に何があったんでしょうねぇ。
「ッ、グスッ……これぇ……」
あ、よく見たら左手に何かくしゃくしゃに握りこんで持ってますね。……紙媒体? えっと……
『職員用緊急避難マニュ________
そういや存在忘れてたァアアアアアアア!!
・オマケ
『二人っきりルート』で、例えばあんな娘と一緒になったら
*めぐねえ
要看護とか散々な扱いをされているけれども、SAN値チェックを欠かさなければ「かれら」を殺す以外なんでも出来るオールラウンダー。車で移動が出来ることも大きい。また、生徒である
「ちょっと子供っぽい大人。しかし、生徒を大切に思う気持ち、守りたいと思う気持ちは誰よりも強い。守り、守られる。支え合う関係が築きたいあなたに」
*KRMネキ
『二人っきりルート』に入ると、必ず覚醒する。慰め方を間違えると愛情度が上がりやすくなって、下手すると病む。というか九割そうなる。KRMネキ専用のルートを実装しようとしたデータの残骸が残っており、これで不安定要素を上げている(追加DLCで修正予定)。大抵のガバはカバ-(激ウマギャグ)してくれるが、病みやすい関係上色々行動に制限が発生して実は案外安定しなかったりする。でも、一番可愛いKRMネキが見られるのもこのルート(実質個人ルートなので)だったりするのでプラマイゼロ。
「かっこよくて、頼りになる相棒。だけど、誰よりも心が乙女。脆い部分を支えてあげたい。そんな、相棒を思う気持ちの強い、誰よりも温かい拠り所になってくれるあなたに」
*みーくん
学校ではなく、リバーシティ・トロンからのスタートになる。最初は良いが、後半から引きこもり始め、最終的にドロッドロで退廃的な主人公に対する依存生活をするようになる。しかし、何らかの外的要因で目が覚めると一気に覚醒。今までの依存が嘘だったかのように、サバサバ、はきはきするようになる。頼りになる後輩さん。
「彼女の恐怖を払うのはあなた。誰よりも近くにいて、だからこそ、彼女が頼りにするのはあなただ。傷心で冷えた心に、温かい勇気と希望を与える……そんな、エネルギッシュなあなたに」
*りーさん
別名リーサルウェポン。SAN値の耐性が一番低いため、一番安定しない。なんならゆきちゃん化するし……普段は、うま味は料理や家事がうまいくらい。しかし、めぐねえ以上に難しい覚醒イベントを見事クリアすれば、本当の意味でリーサルウェポンと化す。その力は、包丁を持たせれば国士無双。そんなレベル。一応ゆきちゃん化してからも救済処置はいくらかあるので、りーさんでクリアするには相当な根気が必要。
「少々面倒くさいのはご愛敬。変えるのはあなた。弱い幻想に付き合ってあげるのも、つらい現実に立ち向かう僅かな勇気をあげるのも。全てはあなた次第。誰かの心に真剣に向き合える、真摯なあなたに」
*チョーカーネキ
別名「相棒ルート」。チョーカーネキの人間性の良さが全面的に押し出された、『二人っきりルート』では数少ない安定するルート。攻撃力こそないものの、一般的な身体能力、アウトブレイク後、最初は慌てて腰を抜かすも、後になって並大抵の事では発狂しない精神力を発揮。時折、主人公を勇気づける言動もとり、めぐねえルートのような「支え合う」関係も構築可能、挙句の果てには可愛いと普通に良キャラ。なんでこのヒト、サブキャラなんですかねぇ……
「ちょっとしたことも笑い合える。ほんのちょっとの幸せを分かち合える。悲しいことがあった時は、寄り添える。誰かと、共に思い出を分かち合いたい。そんな、ちょっと寂しがりなあなたに」
*圭ちゃん
別名「流浪ルート」。じっとしていられないねっ、といった具合に、主人公をぶんぶん振り回す圭ちゃんがただただかわいいだけのルート。一応大筋は、ラジオで誰かに助けを求める……といった感じのシナリオ。風景画のスチルが一番多いのがこのルートだったりする。かなり攻略難易度は高いが、それでも攻略するだけの価値はあると思われる。
「外に出れば、いつ死ぬか解らない。しかし、彼女はあなたの手をグイグイと引っ張って、外の世界へとあえて旅立ち、現実と戦います。刹那的で、行き当たりばったりで……まるで、一条の流星のように儚い、二人っきりの青春を送りたいあなたに」
*ゆきちゃん
実は最安定ルート。ゆきちゃんルートの場合、プレイヤーと二人っきりなので、ゆきちゃんが嫌でも現実を見る。そのため、最初から覚醒状態。常に主人公に対して勇気を与え、底なしに明るく振る舞うムードメーカーなのは変わらず。直感が優れているので「かれら」発見が早いなど、とても有能。二人っきりにも関わらず、ゆきちゃんも、そして主人公も、SAN値が最も安定するのは、このルート。
「彼女は、あなたに無償の愛情を、そして勇気をくれます。あなたがふさぎ込んだら「こわくないよ」と慰めてくれます。だからこそ、彼女の気持ちに答えたい。そんな風に思ってくれる、心優しいあなたに」
……思いついたシナリオはこのくらい。フレーバーテキストっぽいのは思いついたものを適当に並べた。ラジオネキは思いつかんかった。ごめん。