あ、あとがきに、この小説中に登場するオリジナルの文書系アイテムの内容を載せてあります。
本編を読んでみてから見て、どうぞ。
なんで。
そう、自分に対して思った。
なんであたしは、此奴の傍から、高校生活を送っている間、離れてしまったんだろう。
……思えば、昔はあんなに猫に構う事は無かった。只動画を見て、リアルでも遠くから眺めるだけで満足してしまうような、そんな感じだったはずだ。
だが、今はどうだ。
構い倒して、猫から拳をくらうほどにまでべったりだ。何なら頬ずりをして、髪の毛に猫の抜け毛が引っ付くほどにまで。
多分、あたしが離れていた影響だろう。ああ見えて、一樹は寂しがり屋だ。あたしがかまってやれなかった間、アイツの拠り所は、自分の好きなモノ……つまり、猫しかなかった。だから、あんなにも構っているのだ。あたしを無視して。ずっと。
ごめんなさい。ずっと放っていて。
ごめんなさい。あたしばかり求めていたくせに、貴方の拠り所になれなくて。
______ごめんなさい。
あたしの、何をどうしてもいいから……だから、戻って、来て。
*
猫と戯れながら進める、KRMネキとの二人っきりルート! はっじまっるよー!
前回は、KRMネキ用の服と、猫様大明神を入れるフードが付いたパーカーを調達することを目的に洋服屋さんに行き、一樹君にパーカーを着せたところまでやりましたね。
という訳で、次はKRMネキのお洋服を選びます。さーあ、何を着てもらおっかなぁー(悪い顔)???? 洋服屋さんには、普通の大人しい服、清楚っぽい服、学生など、若者向けのちょっと攻めた服など色々ありますが、たまに、3%くらいの確率でイロモノ服があります。主に「犬耳と尻尾」、「猫耳と尻尾」、「ビクトリア風メイド服」、「動きやすいチャイナ服」があったりします。あったらいいですねぇ? まぁ、
それに、洋服の指定は出来ないんですよね。完全にNPC任せ。好感度が高ければ、リクエストしたものを探してきて、着てくれますが。
「な、なぁ……」
見つけたの!?
……失礼。荒ぶりました。どうしたんでしょうか? もしかして何か見つけましたか!? 服ですか服ゥ!?
「や、その、さ……コレ……」
『おずおずと、胡桃が差し出してきたものは……紙? 殴り書きされた、紙媒体だ。読んでみると、かつて「リバーシティ・トロン」で生活していた人の書き残したものだとわかった』
『少し前に、大学に行ったということ、そして、危険な生存者の情報について書かれていた』
『誰にも見つからない場所で燃やしてほしい、とある。何時か、そうしよう』
あー、「生存者の記録」ですか。これはまた、レアなモノを見つけましたねKRMネキ。で、メイド服は(豹変)? あ、無い? ソウデスカ、ソウデスカ。
因みに、危険な生存者の情報、というモノに言及がなされていますが、これは要するに「シーフ」の活動時間帯、そして奴らが持っている武器の中で最強のモノが書かれています。文書内では、夜中に活動が少ないと書かれていますから、「リバーシティ・トロン」を脱出するなら夜中ですねぇー……。それで? 武器は何を持っているんですかねぇ~?
「なぁ、生存者に会えても、さ。その……」
『胡桃は、不安そうだ。僕も、これを読んで少しだけ、不安になる。「かれら」だけではなかったのだ。敵は、生きている人間にもいる。これだけで、生き残る確率がぐっと減ってしまう。結局、生きている人間のほうが、ただ向かってくるだけの「かれら」よりもずっと相手しづらいのだから』
『それに、文章内の事を信じるならば、相手することは絶望的だ。何せ……』
ファッ!? ミニミィ!? あんなバケモノどうやって持ち運んでいるんだ「シーフ」ども!?
失礼。荒ぶりました。誠に申し訳ございません。どうやら、「シーフ」が携行する武器の中で、上から二番目に強い武器が持ち出されてしまったようです。相手するのはもはや自殺ですね。因みに、一番強いのは「装甲車」です。まぁ、超強力・高火力な移動砲台を持ち出されていないだけマシと思いましょう。
「本格的に、仲間が二人しかいない感じになってきたなぁ」
『文書を書き残したグループは此処にはいない。他の生存者は信用できない。確かに、信用できるのは僕と、幼馴染の胡桃だけだ』
『……今は、未だ昼だ。出来れば、夜までゆっくりしていこう。幸い、ここは安全地帯なのだ。「かれら」も来ることは無いから……』
はい。ここで油断はしません。
もしかしたら、服を物色する静かな物音で「かれら」がシャッターをこじ開けようとしてくるかもしれませんし、そうなれば「シーフ」に狙ってくれと言っているようなものです。KRMネキ用の服を幾つか選ばせたら、奥まった場所にある「スタッフルーム」に身を潜めましょう。このとき、「生存者」の記録も忘れずに持っておきます。
「これと、これ。後……あ、このジャージ。それと……これだな。終わったぞ、一樹」
『夜まで、スタッフルームで待とう。そう、胡桃に提案する』
夜は、リバーシティ・トロンから「かれら」も帰っていき、「シーフ」も活動が少なくなるので、食料の調達をするなら夜です。夜まで待ちます。
「おう。さすがに、これを知って昼間動こうとは思えないからな……」
ハイハイそれじゃあ2人とも(「スタッフルーム」に)しまっちゃおうねー?
入る前に、扉の前に、服のハンガーラックを自然に配置したうえで、「スタッフルーム」に入ります。まぁ、視覚的に「シーフ」をだますためですね。「しーふ」の奴ら、異常に知能が低いので、そう「スタッフルーム」には入ってきませんが、一応、念のためです。
「ふー。これで本当の意味で一息つけるな______
『ドッバァアアアアアアアアッッッンッッッ!!』
______……ッ!?!?!?」
あっぶねぇええええええええええええ。咄嗟にKRMネキの口ふさいでなかったら叫び声上がってたァー!
そしてなんで!? シーフナンデェエエエエエエエ!?!?
*
一樹が咄嗟に、あたしの叫ぶ口を押える。
危なかった。あまりの驚きに、悲鳴を上げるところだった。
『奴らめ……オイ。いないぞ。本当に自衛官グループがここに来たのか?』
『へぇ、まちがいねぇですよニイサン。確かにここに来たのを自分は見ました』
『……なるほど、な? だがいないぞ? 逃げたか?』
……怖い。こわいこわいこわいこわい。
泣きそうになるのを必死に抑える。心臓が爆発しそうだ。
一樹も、普段はおちゃらけている表情を抑えて、全ての表情をそぎ落としたかのような、能面のような表情で扉の向こう側を睨んでいる。
『わざわざシャッターを閉めてですか?』
『いる。そう見せかけて、実はいない。その確認をさせる間に、ゾンビに襲わせる算段だろうな……』
『おー。ニイサン頭いい!』
『ばっかこのくらい普通だよ』
猫を、一樹から預けられる。
猫も、この状況だからか、大人しくしている。見つかると自分が酷い目に合うと分かっているのだろう。静かでいてくれるのは、助かる。
『あああああああニイサン。本当にゾンビが襲ってきたあ!』
『ほーら来た。逃げるぞトシ、ニシ、ヒロ』
『うーい!』
『へいへい』
『ほーいな!』
何人かが、走っていく音が聞こえる。続いて、沢山の「かれら」の声。
行ったのだろうか? 確認しようとドアノブを______
______掴む前に、一樹に止められる。
(出待ちされているかもしれない。今日は……夜が深まるまで、ここで休もう。ほら、ここに、物資もあるからさ)
一樹の言葉に、納得して、うなずく。それもそうだ。
(わかった。これだけの食料品を残してくれるなんて、前の住人に感謝だな)
スタッフルームにうず高く積まれた、缶詰、ジュース、お茶の段ボールを見ながら、前の住人に感謝を示しつつ……
(大丈夫、だよな……?)
(どうした? 胡桃?)
(あッ、ああいや、何でもない)
______これからの生活に、一抹の不安を抱えるのだった。
これを読んでいるお前。お前は何処のタフガイだ? 「ヤマト」か、それとも「カグツチ」か? それとも「聖歌隊」か何か別の国のグループか? ああ、どっちにせよアンタらは終わりさ。運が無かったな。
俺は■■。自衛隊第二遊撃隊「ナカツクニ」のメンバーのうちの一人。唯一の生き残りだ。どうにもここは地獄らしい。アッハッハ、嗤っちまうだろ? ホラ、嗤えよ。
俺は今、女子高生二名、成人男性(俺含めて)一名、大学生の成人女性一名の合計四人グループだ。このショッピングモールで生き残ろうと活動していた(ははは、ハーレムダゼウラヤマシイダロウ?)。大学生の情報から、大学は全滅。くそくらえだこの野郎。という訳で、ここに引きこもっていた。しかし、奴らが来て話が変わった。アイツらは、俺たち自衛隊がゾンビ共に襲われて全滅したのを良いことに、銃火器の類を奪いやがったんだ! 兎に角ヤバい兵器は全部動かせないようにロックを掛けた上で制御装置を破壊して、只のバカでかい文鎮に変えてやったがそれだけだ。奴らはハンドガン、下手すりゃM14やミニミで武装していやがる。どれもこれも、どっかの馬鹿が■■■を忘れたことが諸悪の根源だくそったれ
俺、俺たちは今から大学へ向かう。どうやら、夜中から早朝にかけては奴らも、ゾンビ共も数が少ないみたいだからな。夜中から朝にかけて動く。大学には資源がある。四人で分配すれば半年は生活できる水と食べ物がある。もし、ゾンビ共に占拠されているんだとしても、大学の方が生き残るには良い。奴らも、馬鹿だからその辺知らない筈だ。……だから、これを見つけたら、どうか奴らが見つからない場所で燃やしてくれ。俺は、あんたらが善良な奴だと信じて書き残している。だって、服屋に来る奴なんて、絶対に、真剣にこの世の中を生き残ろうとしている証拠だからな(何言ってんのかわかんねぇって? こんな状況になっても清潔な奴は良い奴だ。俺はそう信じている)。
お前らに幸運があることを信じて。
達者でな。