鍛冶屋と錬金術師   作:サバ缶DX

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UA2000件突破ありがとうございます!
これからもマイペースで投稿するつもりですがどうぞよろしくお願いします。


003

馬車に乗って1時間程で上井はオルクス工房がある街-ヴェルカにあるオルクス工房に着いた。

ヴェルカの景観は上井達が呼び出された王国-ハイリヒ王国の街はほとんどがが石造で静かな街であったがヴェルカは木造建築の方が多く活気が溢れており王国とは正反対の印象だった。

 

オルクス工房の前で馬車を降り上井の警護に当たる事になった騎士の一人が扉をノックする。

 

 

「すみませーん、ハイリヒ王国の者です。 国から推薦された鍛治師を連れて参りました」

 

(え? 俺って推薦扱いだったの?)

 

「はいはい、今行きます」

 

 

数分後

 

 

扉から出てきたのはとても優しそうな印象を持つ金髪のメガネをかけた青年だった。

 

 

「お待たせしてしまってすまない、少し顧客の人の絡まれてしまってね」

 

「いえいえ、大丈夫です。 今回は国からの依頼を引き受けて下さり誠にありがとうございます。こちらがその推薦を受けた”上井 レイ”様です」

 

「君が上井くんだね! 初めまして僕はこの工房の棟梁をつとめている”ミレイ・オルクス”だ、よろしく」

 

ミレイと名乗った男は自己紹介を終えると上井と騎士の皆さんを連れて工房の中へ入っていった。

工房の中は外とは比べ物にならないほど暑く、工房内で作業している人たちはそんな暑さに負けず一生懸命、金属を打ったり、魔力を込め武具を生成している。

だが、上井達の近くでやっている職人達は武器とは程遠い日常で使う鍋やナイフを作っていた

上井は不思議に思いミレイに聞いてみる。

 

 

「あのー、ミレイさん、ここは武具を主に製造している工房だと聞いたんですが…」

 

 

「ああ、ここで鍋などを作っているのは練習のためだ」

 

「練習ですか?」

 

 

「そう、練習。 ここにいる人は皆んな一から鍛治師を目指そうとしている人たちでね。 一から技術を磨いている最中なんだ」

 

「そうなんですか」

 

 

そんな光景を見ながら上井はミレイの後に続くと、棟梁室という所に着く。

中に入りミレイに促されて席に座らさせられる。

ミレイは棟梁室にある豪華な椅子に座ると真剣な表情になり上井を見つめる。

 

 

「さてと、国からの依頼で君を特訓する事になったけど、君はどうしてここにきたの?」

 

「それは依頼する際に話したはずです。上井様は魔人族を討ち滅ぼすために別世界から来て力をつけるためn「いや、そうじゃなくて」」

 

ミレイの質問に上井ではなく護衛の騎士が答えようとするが遮られる。

ミレイは話を続ける。

 

「騎士様が言っているのは上井君達が呼ばれた理由だ、そして自分たちの都合だ、僕は彼個人の理由を知りたいんだ」

 

そう言ってミレイは上井の目をじっと見つめる。

 

「もう一度聞くよ、上井君。 君はどうして特訓したいんだい?」

 

「俺は…」

 

上井は答えようとするが中々答えが出ない。皆んなに流されてしまい訓練する事になったが、それならどうして自分はこうも一生懸命に取り組んでいるのだろうか。どうしてあの時八重樫との特訓を引き受けてしまったのだろうか。そんな疑問がいくつも浮かびそして上井は一つの答えにたどり着く。

 

「俺は元の世界に戻るために特訓しに来ました」

 

「そうか…うん、良い理由だ」

 

ミレイは満足そうな笑みを浮かべながらうなずく。

 

「歓迎しよう上井レイ、そして約束しよう。 たった1週間と言う短い時間だがこのオルクス工房は君を今の君よりも何段階も強くさせて見せる」

 

「はい、1週間よろしくお願いします」

 

「うむ、あと数分で午後の休憩時間になる、そしたら工房の皆にあいさつをするとしよう」

 

そう言ってミレイは部屋から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────―

 

 

 

 

 

 

数分後、戻ってきたミレイは上井を連れ出し工房の中庭に出ていった。

中庭にはたくさんの職人がいる。ミレイは壇の上に上り職人達が静まるのを待つ。

しかし一向に静まらず次第に私語は大きくなる。

 

「はあ、あんまりこの手は使いたくないんだよなあ…」

 

そう言うとミレイは手のひらを上に向け目をつぶる。すると物の数秒でミレイの手には導火線らしき紐が着いた玉典型的な爆弾がでてきた。

ミレイはそれに火を付けると空高く投げ上げる。

空高く投げ上げられた爆弾は空中で大きな音をたてて爆発しその爆発音で職人達の私語は一瞬で無くなった。

やっと静かになった空間でミレイは話をし始める。

 

「今回集まって貰ったのには理由がある。 実は今日から1週間国の推薦でこの工房で特訓する事になった。 隣にいる彼がそうだ。 名前は上井レイ。 1週間という短い期間だが皆んな彼を鍛えてやってくれ。 何か質問は?」

 

「棟梁、一つ質問が」

 

グレイと呼ばれたスキンヘッドの屈強な男は上井を見ながら質問する。

 

「前回、国に推薦された貴族の坊主は二日も経たずに逃げたのを忘れましたか? 今回も同じような事になったどうするんです? もし同じ事になったら時間の無駄ですよ」

 

グレイの意見に頷きながらミレイは答える。

 

「確かに、グレイの言う通りだ。 だが彼は絶対に逃げない、私が保証しよう。 なんならグレイ、君が今回直接教えても良い」

 

「棟梁! それは流石に1週間保ちませんよ」

 

「下手したら1日も保ちませんよ」

 

ミレイの答えに何人かの職人達が反対する。ミレイの答えにグレイはニヤつきながら話す。

 

「棟梁、俺はどうなっても知りませんからね」

 

「ああ、今やっている仕事を終わらせたら始めてくれ」

 

「了解しました」

 

そういうとグレイは颯爽と中庭からいなくなり、他の職人も散り散りになっていった。

そして数十分後、グレイが戻って来て、上井を連れて行くのであった。




改めてUA2,000件突破ありがとうございます。
感想、評価よろしくお願いします。
今回出てきたミレイとグレイはオリジナルキャラクターです。
ミレイはオスカーを金髪にした感じだと思ってください。
グレイはご想像にお任せします。
上井の護衛騎士達…空気扱いでごめんね…


ここから先は少しネタバレに繋がるかもしれません。
それでも良い方のみ読んでください。








感想でハジメはスターク工房で修行するのかというのをいくつか貰いました。
結論からいうとハジメはスターク工房では修行しません。原作どうり奈落に落ちてもらいます。
最初は上井と一緒にオルクス工房で修行させようかと思いましたが作者はなるべく原作にそって書きたいと思っているのでボツにしました。
もし、期待していた方がいたら大変申し訳ありません。
あと、全く関係ありませんがサーヴァントを2体出すか1体にするか悩んでます。

サーヴァントを出すなら誰が良い?

  • 沖田さん
  • ジャックちゃん
  • 山の翁
  • それ以外(感想に理由も付けて書いて)

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