鍛冶屋と錬金術師   作:サバ缶DX

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UA5000件突破ありがとうございます。(もうそろ6000いきそうだけど…)

3話で非ログインユーザーからの感想は受け付けない設定にしたって書いたんですけど元に戻しました!


006

訓練が終了し自分が帰ってきたこともクラス全員に言い伝えお土産も渡し終えた(檜山ら4人は除く)上井はクラスメイト達の波に飲まれながら部屋に戻ろうとするがメルド団長から全員に言いたいことがあると引き止められる。

 

何事かと注目するクラスメイト達にメルド団長は野太い声で告げる。

 

 

「明日から実施訓練の一環で”オルクス大迷宮”へ遠征に行く!! 必要な物はこちらが用意するが、個人で必要な物があったら後で言ってくれ。今までの実施訓練とは全く異なると思ってくれ。まぁ、要するに気合い入れろってことだ。今日はしっかり休んどけよ!解散!!」

 

(俺、今日帰ってきたばかりなんですけど… オルクス工房と何か関係でもあるのかな?)

 

そんなことを思いながら最後尾上井はで天を仰ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 【オルクス大迷宮】、それは全百階層からなると言われている大迷宮である。

 トータスに存在する七大迷宮の一つであり、階層が深くなるにつれ強力な魔物が出現するが、この迷宮は冒険者や傭兵、新兵の訓練に非常に人気があるそうだ。

 それは階層により魔物の強さを測りやすいからということと、出現する魔物が地上の魔物に比べ遥かに良質の魔石を体内に抱えているからだ。

 

 魔石とは、魔物を魔物たらしめる力の核をいう。強力な魔物ほど良質で大きな核を備えており、この魔石は魔法陣を作成する際の原料となる。

 トータスの魔法陣はただ描くだけでも効力を発揮するが、魔石を粉末にし、刻み込むなり染料として使うなりした場合と比較すると、その効果は三分の一程度まで減退する。

 

要するに魔石を使う方が魔力の通りがよく効率的だと言うことだ。

ちなみに、良質な魔石を持つ魔獣ほど強力な固有魔法を使う。

 

上井達は、メルド団長率いる騎士団員複数名と一緒に『オルクス大迷宮』へ挑戦するため迷宮の近くにある町ホルアドにある王国直営の宿屋に泊まる。

 

王国や工房で寝泊まりしていた部屋は装飾が多く久しぶりに普通の部屋をみた気がする上井は同室の南雲と雑談をし気を緩めていた。

 

 

「へぇーこのまえ持ってたあの大きな盾ってほとんどが魔力で出来てるの? 凄いね」

 

「あぁ、工房で魔力の固め方みたいなものを教わったんだ。今では特性付与を応用して必殺技を打てるようにしているんだ」

 

「そっか…ところで明日の大迷宮って何階層まで行くんだっけ?」

 

「確か20階層までだってメルド団長が言ってたはず」

 

メルド団長いわく最低でも20階層まで行くらしくそのために上井は武器の製造をメルド団長に事前に頼んでおいた鉱石でし始め、同室の南雲はウトウトと睡魔に飲まれそうになっている時、扉をノックする音が聞こえる。

今の時間帯はトータスでも深夜に入る時間帯だったので上井と南雲は檜山達がきたのかと顔を緊張を表情に浮かべる。

しかし、その緊張は続く声によって打ち消される。

 

 

「南雲君、起きてる? 白崎です。 ちょっと、いいかな?」

 

 

は? とお互いに顔を合わせ一瞬硬直するも上井は自分が散らかした床を片付け、南雲は慌てて扉に向かう。そして、鍵を外して扉を開けると、そこにはパジャマ姿の白崎がいた。

思春期のせいか少し戸惑っていた南雲だが気を落ち着かせる。

 

「どうしたのかな?  何か連絡事項でも?」

 

「ううん、少し南雲君と話したくて…やっぱり迷惑だったかな?」

 

「…少し待って」

 

南雲は白崎を部屋に招き入れるために部屋の中にいる上井に許可を求める。

 

 

「レイ」

 

「ん? どうした?」

 

 

上井の質問に対し少し頬を赤て南雲は答える。

 

 

「白崎さんを…部屋に入れてもいい?」

 

「え? なんて?」

 

 

南雲の答えに対して上井は目をパチクリする。

 

 

「え? 別にいいけど、お前白崎さんと合体でもするの?」

 

「するわけないじゃないか!」

 

「だよな… きっと性関連以外で大事な用があるんだよな。 じゃあ俺は少し散歩でもしてくるわ」

 

 

勝手に納得した上井はそう言って部屋から出ていく。

扉の前では白崎がいたが上井は少し白崎に微笑んで廊下を歩くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋から出ていった上井は宿の外にあるベンチに座って時間を潰していた。

 

 

「ここに来なかったら今頃ラノベの新刊でも買っていたのかな…」

 

 

元の世界が恋しくなったのか上井はそうボッソと呟く。

 

 

「あら、上井じゃないこんな夜中にどうしたの?」

 

 

不意に宿の扉の方から聞き覚えのある声がした。

 

 

「うっす、八重樫。俺はただハジメと白崎さんを二人っきりにするために出ていっただけだ、八重樫は?」

 

「私はただ眠れなかったから少し散歩しようとしてたの」

 

「ふーん」

 

 

後ろを向くとそこには薄着にジャケットのような衣類を着た八重樫がいた。

 

 

「香織が迷惑かけたわね」

 

「気にしないで、八重樫が謝る必要は無いよ。 それよりハジメはいつになったら白崎さんの思いに気付くのかな?」

 

「あんなに香織がアタックしているのに気付いてくれないから香織が告白するまで気付かないんじゃ無い?」

 

「…ありえるかも」

 

「出来れば南雲君から告白してくれたらいいのにね」

 

「それな」

 

「「……………」」

 

 

話が長く続かずお互いに黙り込んでしまいただただ時間が過ぎる。

 

 

「ねぇ、レイ…レイは怖く無いの?」

 

 

少し思い空気を壊し八重樫が上井に質問する。

唐突に名前を呼ばれた上井はドキドキしながらも顔には出さず冷静を保ったような顔をする。

 

 

「怖いって何が?」

 

「明日の大迷宮」

 

「うーん、少し怖いかな。 八重樫は?」

 

 

上井の質問に対し八重樫は曇った顔で答える。

 

 

「私は…怖い。 香織が言ってたの南雲君が大迷宮で死ぬ夢を見たって。 今までは訓練で済んでた。 でも明日からは違う騎士の人たちがいるけど絶対死なない保証はない、自分だけが明日死ぬかもしれない自分以外の誰かが明日死ぬかもしれない。死にたく無い他の人が死ぬところを見たくない、そう考えると手が震えるの…」

 

「八重樫…」

 

 

しばらく重い空気が漂い続ける。少し涙目になっている八重樫を見つめる上井。

八重樫を少しでも安心するために上井は優しい声で話しかける。

 

「八重樫が一人で考え込まないで。 天之川やメルド団長がいるんだゼロとは言わないけどそれでも俺たちの能力を考えて比較的安全なルートで進むらしいじゃん、そこまで考え込む必要はないよ」

 

「でも…」

 

 

上井の声に耳を傾けながらも八重樫は不安そうな表情であった。

 

 

「だったら…」

 

「だったら?」

 

 

上井は恥ずかしそうに答える。

 

 

「俺があなたを…みんなを守ります」

 

「え?」

 

自分がどれほど恥ずかしい事を言っているのか理解しているのか上井の顔は真っ赤になっている。

月明かりが上井の顔を照らしているので八重樫からもその顔ははっきり分かっていた。

 

 

「俺は戦闘職じゃないけど戦闘技能はいくつか持っている。頼りないかもしれないけど俺は俺の能力全てを使ってみんなを守ってみせる。…少なくとも八重…雫一人には背負わせない」

 

「レイ…ありがとう」

 

 

八重樫は涙を拭き笑顔で答える。

それからしばらく雑談した後二人は各々の部屋に戻るのであった。

 

上井が部屋に戻った頃には白崎はもういなく、一人ベットの枕に顔を埋めてバタバタしている南雲の姿だけがあった




感想、評価よろしくお願いします。

ジャックよりも山の翁の方が票多いの笑ってしまったw

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