両儀式のコスプレイヤーは、汚れたクロックスなんて絶対履かない   作:夜中 雨

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始発電車に飛び乗って、コスプレしている男を見つけた。

 

 

 

 

「すごいな……」

 

 大きなスクリーンにエンドロールが流れ、劇場の電灯(でんとう)が付くやいなや、右隣から声が聞こえた。

 

「あいつ、『生きたい』って言いやがった」

 

 その声に引かれるように、オレはゆっくりと右を向く。

 右隣(みぎどなり)の席、ふかふかの椅子に深く腰掛けた青年が、首から上だけ、オレの方を向いていた。

 

 濃いめの眉毛と、色素の薄い黄土(おうど)虹彩(こうさい)

 青年の視線から(のが)れるように、正面に顔を固定した。

 右隣から、ため息と共に放たれる「お前は、どうだったんだよ」の言葉に、オレは、立ち上がりながら口を開いた。

 

「感想か? 

 言峰みたいな奴がもし、オレの母親だったなら、っていう……」

 

 目の前の青年が立ち上がるのを横目で見ながら「おまえの気にする事じゃない」と、目の前の奴に笑ってみせる。

 

「———厨二病(ちゅうにびょう)っていうヤツだ」

 

 映画が終わって、帰りの電車。

 わざわざ都市部まで出てきたせいで、帰るのにも電車に乗る羽目(はめ)になった。

 地下鉄の、1両目の後ろの(かど)

 車椅子用に座席シートの外された一角(いっかく)に、二人して()っ立っていた。

 1両目の後ろの壁にもたれて立つオレと向き合うように、つり革を持った青年は、映画の感想を、ずっと(しゃべ)り続けている。

 

「士郎がセイバーを刺した時、なんと言うか……納得したんだよ。『そうだよな』って。

『原作みたいに、顔を見て声を聞いてしまったらもう刺せないから。だったら遠くからジャンプして、顔を見ずに刺すしかないよな』って」

 

 こっちを向いて立つ、背の高い青年の、少し伏せた瞳を見ながら、オレは盛大にため息をついた。

 

「それで、なんであんな場所なんだ?」

 

 目の前の青年はやっと、オレの顔に焦点を合わせる。ソイツの目を()めつけながら、もう一つだけ、言葉を(つな)げた。

 

「どうして、“Fateの映画”だったんだ?」

「『どうして』って、お前も楽しんで()てたじゃないか」

「そうじゃない。そうじゃなくて———」

 

 電車が止まり、ドアが()く。アナウンスに(まぎ)れるように、小声で叫んだ。

 

「どうして『コスプレしながら出かける場所が映画館なのか』を()いてるんだっ」

 

 両腕を広げて服を見せる。

 藍染(あいぞめ)で、空色に染めた着物の上から羽織(はお)った、赤い革ジャン。

 オレの眼力(がんりき)に押されるように一歩引いた青年は、目を()らせながら(ほほ)()く。

 

「そのッ、予行演習のためにだな……。

 ほら今度の日曜日、神戸の外れでコスプレイベントがあるらしいじゃないか。でも、それに参加するのが恥ずかしいって言うものだから、つい……」

「つい? オレが『恥ずかしい』って言ったから? 

 だからオレにだけ女装させて、自分は堂々と私服で映画を()てたってワケか」

「“女装”っていうか、お前は女だろ?」

「そうだ———」

 

 オレは一度、ゆっくりと(まばた)きをする。

 

「——————()()()

 

 そして、縦横無尽に“死の線”が走った、青年の体を(とら)えきった。

 ビクッとして一歩退()がる青年に、オレは半眼で呼びかける。

 

「そろそろ慣れろ。目を合わせたくらいで、そんなの……」

「そう言われてもだな。直死の魔眼は“死を見えるようにする魔眼”だろ? その設定を知ってると……さ」

 

 まぁ、コイツに関してはいつもの事だ。と聞き流し、次の話題を振る。

 

「それに、もう一つ。()きたい事もできた」

 

 困ったように笑っている、目の前の“いけ()かないヤツ”から目を()らし———

 

「そろそろ教えてもらうぞ。

 おまえがあの日、持ち帰った“首”の話だ」

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 浴室の(とびら)を押し開ける。

 冷たいタイルに素足(すあし)を落とし、浴槽の(ふた)を巻き上げる。筒状にして(すみ)に置き、(おけ)で中のお湯を()った。

 

 ———風呂。

 壁を覆う水色のタイルをなんともなしに眺めながら、ゆっくりと、湯船に体を沈めていった。

 四角い浴槽と、正面にある銀色の蛇口。その銀色を反射するように、湯船から湯気が()(のぼ)る。

 

 お湯に浸かった温もりを一気に吸い込んでから、息を吐いた。

 吐き出した息が、天井にある水色のタイルに、ゆっくりとボヤけていった。

 

 ———今日は、色々なことがあった。

 両儀式になったことから始まって、若大将(わかだいしょう)を殺して、始発に乗って衛宮に出逢(であ)った。

 

 そんなアイツは、詰めが甘い。

 オレが“眼”を使って、持ち帰った首を処分してやると言った時、二つ返事で了承(りょうしょう)した。

 隠す気がないのか? オレになら、バレても良いと思ったのか……。

 “首無し死体の切られた首”なんてのは、隠したいモノが詰まっているものなのに。

 

 “ふぅ———っ”と、口を(すぼ)めて息を吐く。

 残念なことに、浴室はあったまってしまったのだろう。白い息は見えなかった。

 

 目を閉じる。

 電車(でんしゃ)一時(ひととき)を思い出す。

 まだ()もないからだろう。眠くなるような車輪の音まで、今でも鮮明に記憶している。

 今朝(けさ)、オレと会った瞬間。

 あの瞬間の青年は、間違いなく“着替えたて”だった。

 

 

 ———そんな“完璧な両儀式”が、クロックスを()いていた。下駄(げた)でもブーツでもなくクロックスを、だ。

 その違和感、お前にだって分かるだろ———

 

 

 今でも思い出せるアイツの言葉、オレの秘密を丸裸(まるはだか)にした最初の一撃。

 

 その言葉は、アイツ自身にも()()さる(はず)だ。

 

 だってそうだろう? 始発電車に乗ってすぐ、オレに指摘された後のことだ。服装を正す時、アイツは、ベルト穴の位置まで調節したんだ。

 

 オレを追い詰めた言葉の数々。

 あの問答は、今でも頭から離れなかった。

 

 

 ———『早朝(そうちょう)の始発電車にコスプレした(やつ)が乗っている』。この状況で真っ先に考えられるのは、『昨日は家に帰ってない』ってパターンだ———

 

 

 衛宮のヤツだっておかしい(はず)だ、オレだけ()められるなんて間違ってる。

 だって衛宮は、ボストンバックを持っていたんだ。

 その中に私服が入っているとして、『じゃあ何でおまえはコスプレしてるんだよ』って話になる。

 着替えて帰れよ。

 

 ———そもそも、だ。

 アイツがコスイベからの帰りだとして、“衛宮コス”が乱れているとかあり得ないだろ。私服が乱れているならまだ分かる。

衣装(いしょう)から私服に着替えた。その時に急いでいたから、自分の衣服(いふく)が乱れていたんだ』って言うならまだ、分かる。

 

 けど、アイツの場合は逆だった。

 コスプレ衣装(いしょう)が乱れていたんだ。それはつまり着替えてから、写真の一枚だって()ってない。

 

 じゃあ何で始発電車に乗ってるんだよ、おまえ。

 

 これから撮影会があるって言うなら、バッグに首なんて入ってない。

 “首を切り取った事件”より前、最初から着替えていたって言うなら、そもそも服は乱れない。

 

 その時気づいた。コイツはきっと、首を切り取ったその場所で、衛宮士郎のコスプレをしたんだ。

 

 そんなのはもう()()()()()()()()。オレと同じ、変装だ。

 そんなタイミングで変装するのは、“何か”を誤魔化(ごまか)したいからだ。

 

『殺人を誤魔化(ごまか)す』って言うのなら、それでも良かった。

 だって、あの瞬間(とき)オレは救われたんだ。

 

 

 ———もう会う事はないけれど……うん。楽しかったよ、両儀———

 

 

 だから、その言葉が気になった。

 オレの勘違(かんちが)いならいい。だけどもし、勘違(かんちが)いじゃなかったら……

 

 それが嫌で、脅しをかけた。

 

 ……勘違(かんちが)いじゃなかったら嫌だ。捕まってほしくなかったから。

 勘違(かんちが)いだったら()かった。アイツが、『何がなんでも逃げたい』と言うなら、(おとり)になってもいいと思った。オレが捕まっても、いいと思った。

 

「全く、お人好しにも程がある。

 こんな殺人鬼を()めるだなんて、天地が消えてもあり得ないのに」

 

 お湯を(すく)って、顔を()らす。

 水面に揺らめく女の顔に、少しばかりの苦笑がもれる。

 

 オレもまぁ、思い切った事をしたものだ。

 

 バッグの中の首。“死の線の輪郭(りんかく)”だけで、その顔の判別(はんべつ)なんかつくものか。

 あの時は勢いで押し切るつもりで()り出しただけ……。だからといって、無根拠(むこんきょ)という(わけ)でもなかった。

 

 衛宮がラグラン袖を着た場所と、首を切り取った場所とが同じだと見ていたオレは、この二つの出来事が“結果”になるような“原因”を探した。

 同一の“原因”に(たん)(はっ)する、二つの“結果”。

 

 ———そんなの探すに決まってる。

 もし見つけることが出来たなら、衛宮を()()められるかもしれないんだから。

 

 この(さい)、アイツが自首しない可能性には目を(つぶ)ってもよかったんだ。もしもそうだというなら、目的は(すで)に達成している。

 

 だから、アイツが自首しようとしているのだと仮定して、どうして、首を切ったのかに思いを()せた。

 

 首を切り取る最大のメリットは、死体が誰だかわからなくなること。

 血液検査やらDNA照合やら。科学技術が発達しても、それが科学である以上“照合する元データ”が必要になる。

 

 死体のDNAマップを作ったとして、それを照合する先がなければ、そんなDNAに意味はない。そもそも、その“元データ”として必要になる“自分のDNAマップ”を登録している人なんて、オレは知らない。

 

 指紋にしてもDNAにしても、死体のモノを採取しただけなら、そんなモノは使えない。

 

 実際の捜査では、犯行現場に残された犯人のモノだろう髪や血痕から抽出(ちゅうしゅつ)したDNAを解析して、犯人だと目星(めぼし)を付けた人間のそれと比較する———なんて使い方がほとんどだ。

 

 結局、首から上が無いだけで、免許証やマイナンバーカードの写真と、照合できないというだけで———たったそれだけで、その死体は身元不明になれる。

 

 ついでに指紋でも焼いてしまえば(なお)完璧だ。『この死体があるのはコイツの家だから、多分コイツの死体だろう』くらいの想像しか出来なくなる。

 

 身元不明死体を作ったアイツが、その場で着替えた士郎のコスプレ。これだけの情報が(そろ)っていれば、バッグの中の男の顔の一つや二つ、想像するのはワケもなかった。

 

 

 ———コイツの家に上がりこんだ日、少しばかり湯当たりし、「入り過ぎだ」と怒られて、(ひたい)に触れる手の感触に、オレはそっと目を閉じた。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

「———それで? 

 なんで首なんか持ち帰ったんだ。証拠は分かりにくい方がやり(やす)いだろうに」

 

 映画館から帰ってすぐ、“いけ()かない男”のアパート。

 劇場で———というより劇場までの行き帰りで、散々()ずかしめられた挙句(あげく)顔を真っ赤にしたオレは、帰って来るやいなや、熱いお茶を湯飲みに()れた。

 フローリング()りのリビングの真ん中に、頼りなく存在している木製のテーブル。キッチンから見て向こう側、衛宮が先に座ってる。

 かくいうオレは両手に湯飲みで振り返る。左回りに回転しテーブルに向き直る寸前(すんぜん)、リビングの向こうの窓の上、カーテンレールに()かっているハンガーたちの一番端の、赤い革ジャンが目についた。

 

 よく考えなくても、足が付くからATMなんぞ使えないオレが衛宮に(もら)った、目に見える最初のプレゼントだ。

 革ジャンから目を離しながら苦笑する。

 全く———阿呆(あほう)だ、オレは。

 

 湯飲みがセットされて(のち)、衛宮は何も言わず、湯飲みの中の、熱いお茶をズズッと(すす)って置き直す。両肘を、テーブルにおいた。

 

 オレは待った。自分のお茶には手をつけず、(そろ)えた(ひざ)の上に置いた両手で、着物の感触を確かめながら、ジッと、待った。

 

 ———コイツの扱い方は解ってきた。

 コイツは存外(ぞんがい)他人(ひと)に対して誠実であろうとするタチだ。ここまで場を整えてしまえば、コイツは(おそ)らく、話してくれる。

 

 そうしてついに、衛宮士郎が口を開いた。

 

「……両儀。その前にいくつか、聴きたいことがあるんだけど」

「なんだよ」

「その……。あの時何で、『俺が自首しようとしている事』が分かったんだ?」

 

 オレは息を吐く事で返事した。そんなの———

(かん)だ」

 

 衛宮の目を見る。その視線とカチ合った。

 こちらを見透(みす)かすような、奥行(おくゆ)きのある黄土色。最近気づいた。コイツは結構“良い目”をしている。

 

「ただの勘だ。

 ———でも間違いないと思った。あの瞬間のおまえは、もの(すご)く希薄だった。“存在が透き通る”っていうの? 

 そんな感じだ」

 

 アレはきっと“覚悟した人の存在感”だと、その瞬間に直感(ちょっかん)した。それが理解できたのは、もともと覚えがあったからだ。

 

 例えば、目の前に見知らぬ男がいたとして、そいつがナイフで刺してくるとして。そのナイフに当たらない最善の方法は、『ナイフを()()()無視する事』だ。

 “ナイフを無視する”、とは『刺されても構わないと思う事』。刺される恐怖を置いていくこと。

 “恐怖を克服(こくふく)する”のではなく、“死んでも良いと投げ出す”のでもない。ただ“()けたいと思う心”を、心の外に置いていくこと。

 

 師範だったその先生に、実際に刺しにいったこともある。小太刀(こだち)(かたち)木刀(ぼくとう)を使って、心臓の場所を突き刺した。

 それは、デモンストレーションだった。

 

 結論を言うと、その師範には当たらない。

『当たらなかった』のではなく、『当たらなくなった』。

『当たらない状態になった』というのが、きっと正しい表現だろう。

 ———“無敵状態”、というヤツだ。

 

 その瞬間の師範の姿と、あの時の、衛宮の姿とが重なって。その瞬間にオレは(さと)った。

 

「あの時のおまえは、自分の“死”を受け入れていた。

 かと言って、武術を(たしな)んでいる動きでもなかった」

 

 目の前の男は何も言わない。

 だからオレはもう少し、話し続けることにした。

 

「電車に()られながらずっと見ていたんだ。

 重心はブレブレだし節々(ふしぶし)連関(れんかん)はズタズタだし、間違いなく“気にしていない人間”だった。

 武術の世界に足を踏み入れたヤツが気にする事を、何一つ、気にしていない人間だった。

 ———なのに、おまえ」

 

 手を伸ばせば触れられる位置にある、青年の頭。赤みがかった太い髪の毛。コイツの家に乗り込んでいったあの日から、何度も髪を洗っているのに……。

 染料が頑固なのか、コイツが元々赤毛なのか。

 

「あの日、おまえは……自分の命を捨てたんだ」

 

 ぴくっと、肩が一瞬反応した。

 

「武術家じゃないのに覚悟を決めていた。そんな衛宮を見て気が付いたんだ。

『コイツは、犯行を隠そうだなんて思っていない』」

 

 コイツの雰囲気は、荒れてなかった。それは、犯行を隠そうとする人間のソレじゃあない。

 

「だから“勘”なんだ。

 確証(かくしょう)は何も無く、物的証拠(ぶってきしょうこ)は夢のまた夢。

 ただ、オレの経験と感覚だけを頼りにした———“当てずっぽう”だ」

 

 衛宮と、目が合った。

 今までのようにただオレの顔を見ているって感じじゃない。オレの体に焦点を合わせ、オレの存在を認識した。

 随分と久しぶりに、コイツの顔を見たような気がする。

 

「……凄いな」と感想をもらす衛宮。

「ぬかせ」と返してやった。

 

「大体、オレには最初から()えてたんだ。そりゃ……警戒して探りも入れるし、推測もする。

 ———結局、おまえはあまりにもチグハグだった。

 死体の頭をカバンに詰めて隠してるし。にもかかわらず、生き延びようとギラついてないし」

 

 だからあの時、“勘”と“当てずっぽう”で脅しをかけた。

 あの瞬間を(のが)してしまえば、もう二度と、会えないような気がしていたから。

 

「少しの(あいだ)だけど、おまえと過ごして確信した。

 やっぱりおまえ、その場で自首するタチだろ。

『理由や過程はどうあれ、自分は人を殺したんだから』なんて抜かして、その場で警察にでも連絡するよなぁ。おまえなら」

 

 ———でもしなかった。

 

「ずっと考えてたんだ。『どうしておまえは、その場に(とど)まろうとしなかったのか』

 おまえの言葉を借りるなら、それは“オカシイ”。とてつもない矛盾だ」

 

 頭の中でグルグル回っている思考を断ち切り、視線を感じて顔を上げると、衛宮がオレを観察していた。

 言葉に詰まったオレを、ただ見ているだけの衛宮にたまらず「何だよ」と言葉を放ち、少しのけぞる。

 そんなオレの反応を見て、コイツは、苦笑しながらため息をついた。

 

「何と言うか、アレだな両儀。

 秘密を暴かれるっていうのは…………怖いな」

「当たり前だ、バカ。

 そもそも、この話の発端(ほったん)だっておまえだぜ。おまえが“何とかのコスプレ”に参加するって言わなきゃ、こんな事にはならなかったんだ。

 挙句(あげく)()てに、オレにも参加させるんだから。

 理由くらいは知りたくなる」

 

 衛宮の目が(およ)ぐ。

 この数日間、ずっとはぐらかし続けてきた事だ。コイツは頭も良いし、今回も逃げられるかもしれない。

 

 けど、流石にもう時間切れだ。

 待ってやるのは此処(ここ)で終わり。

 もしもコイツが『話したいのに切り出せない』なら、崖っぷちに追い込んでやればいい。

 誰だってそうだ、喉元過ぎれば熱さを忘れる。一思(ひとおも)いに突き飛ばしてもらった方が、ラクになることもあるんだから。

 

「おまえが招待状を見せてきた時、何となく察しはついたさ。

 アレは、おまえへの招待状じゃない」

 

 恐らく、今もコイツが持っている招待状。

『両儀も参加してくれないか』の言葉と共に見せられたあの招待状は、決して、目の前のコイツに()てたものではなかった。

 

「オレが気づかないなんてあり得ないってこと、おまえにだって(わか)ってる(はず)だ。なのに見せた。

 ———答えてもらうぞ」

 

 

 

「衛宮は、オレにどうして欲しいんだ?」

「……は?」

 

 眉間(みけん)にシワが()る。そんな衛宮に、オレは一気にたたみかけた。

 

「まさかおまえ、オレが秘密を暴きに来たと思ったのか? 

 それこそ“真逆(まさか)”だ。

 何でわざわざ、そんな面倒な真似をする必要があるんだ」

 

 ここで逃してはいけない。

 重心が後ろに引いた衛宮を追って、こっちも少し前のめりになる。

 

「でも、どうせ“殺し”が絡んでるんだろ? 

 おまえは、誰かのために首を(かばん)に詰め込むヤツだ。どうせ今回もそうなんだろう。

 ———なら、いい。それで良い」

 

 だっておまえには、返しきれない恩があるんだ。

 

「オレが、教えてほしいのは秘密じゃない。

 衛宮はオレに、何をして欲しい。

 オレがどう行動すれば、おまえにとって一番いいんだ?」

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 拝啓(はいけい)、衛宮士郎殿

 仲秋(ちゅうしゅう)(こう)、貴殿におかれましては、ますますのご清栄(せいえい)のことと、心よりお(よろこ)び申し上げます。

 

 さて、おかげさまで当会、“遠坂邸でコスプレ会”は、本年10月を持ちまして無事三周年を迎えることとなりました。

 これもひとえに皆々様の変わらぬご支援(しえん)愛顧(あいこう)賜物(たももの)と心より感謝申し上げます。

 

 つきましては、10月4日(日)14時よりささやかなパーティーを開催させて(いただ)きます。

 ご多用(たよう)のところ恐縮(きょうしゅく)ではございますがお()()わせのうえお(はこ)びいただければ幸いです。

 また、今回も300万の賞金をご用意しております(ゆえ)

 お連れのアルトリア様共々(ともども)、スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。

 

 敬具(けいぐ)

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 目の前に衛宮がいる。

 木刀を、一本(はさ)んで立っている。

 

 (つか)んでいるのは二人とも、一本の木刀を、二人が同時に握ってる。

 

「分かるか? 衛宮」

「ああ、分かる」

 

 オレが木刀の(つか)の部分を両手で(つか)み、衛宮のヤツは刀身を握る。

 オレの(つか)んだ木刀の先、(きっさき)の部分を受け止めるように、右手の(てのひら)を、押し当てながら握っているのだ。

 

 リビングの真ん中、テーブルをどけたその場所に、オレと衛宮は立っている。

 着物を着て、青で統一されたオレの和服。

 対する衛宮は、ジーパンに上はTシャツだけだ。ラグラン袖じゃない普通のTシャツ、無地で真っ黒のTシャツだ。

 木刀の、(きっさき)を握る衛宮の視線が、まさにその握っている右手に集中しているのを見て、オレは告げる。

 

「いくぞ」

 

 そのひと声を契機(けいき)(さだ)めて、ゆっくりと、両手の力を抜いていく。肩の力と握力を、同時に抜いて(ゆる)めていった。

 そうすると、両掌(りょうてのひら)への刺激が減るんだ。

 当然、ぎゅっと力を入れて握っているのを(ゆる)めていくと、(てのひら)の感覚神経に入力される刺激の量は減っていく。

 

 だから、より(こま)やかな刺激を感じられるようになっていく。

 木刀が重力によって引かれる感覚、重心のある位置に向かって落ちようという回転ベクトル。そして、木の質感。

 そういった“木刀の感覚”に意識を向けて、木刀の動きに(ゆだ)ねる。

 この場合は、地面に落ちようとしているだろ。

 

「——————ッ!」

 

 目の前の衛宮が反応する。

 (きっさき)を握っている右手がガクッと下がり、腕力で持ち上げようとしたのだろうが失敗する。

 木刀は衛宮の(てのひら)を滑り、その親指を切り飛ばすような軌道を描いて振り下ろされる。同時に衛宮の(こし)がくだけ、(ひざ)をつく。

 オレの視界から衛宮の頭が下に(はず)れる。

 ゆっくりと目線を下に向けると———

 

 青年が、一人地面に(つくば)っていた。

 

「コレが“剣”だぜ、衛宮。

 木刀が“剣”になった瞬間を、おまえはまだ感じてないんだ。だからそうやって(つくば)ってるんだ。“重心を()られた”証拠だ。

 木刀だろうと“剣”であるなら、人を斬るなんて造作(ぞうさ)もない。(かたな)()るのは肉だけど、(わざ)()るのは重心だ」

 

 ちょうどいい位置にある衛宮の頭に左手を伸ばし、髪の感触を確かめる。指と指との(あいだ)に触る感覚を、(しば)し楽しむことにした。

 

「衛宮が、最初に身につけてないといけないモノだ。

 殺しに来る奴が握るエモノが、“剣”であるのかそうじゃないのか。

 それを、見分けて初めておまえは、闘うという土俵(どひょう)に立てる」

 

 無言で衛宮が立ち上がる。左手の行き場をなくしてしまって仕方なく、右手で(つか)んだ木刀を撫でる。

 

()ずはこの、“剣を感じる練習”をする。

 そうすれば、多少はマシになってるかもな」

 

 オレの言葉に無反応な衛宮は、自分の右手を握って開いて、その感触を確かめている。

 そしてふと、(おもむろ)に顔を上げて(のたま)った。

 

「今……両儀は何をしたんだ? 

 握っている木刀が軽くなったように感じた瞬間、腕ごと持っていかれたんだが」

「力を抜いただけ。

 それから、“八尺(はっしゃく)(けん)”のイメージを使った。(きっさき)からレーザーポインターが出てるイメージで刀身をのばして、この部屋を(たて)に両断する感覚で」

「たった……それだけか?」

「それだけ、それだけでかなり変わるんだ。剣の重さは腕力じゃない。だから怖い。

 ———いいか、衛宮。

 相手が女だろうと子供だろうと、それは油断していい理由にはならないんだ。

 おまえが何をするにしても、()ず、恐怖を覚える必要がある」

 

 構えなおした木刀の、先をもう一度(つか)む衛宮に———オレは自分の唇を()める。

 衛宮に、言われたことを反芻(はんすう)する。

 

 

 ———闘い方を教えてくれるか? 

 両儀は、武術か何かやってんだよな。それを、俺にも教えてほしい———

 

 

 目の前に立てた木刀の向こうに見える、輝く黄土(おうど)の瞳が見える。

 

「出発までに、せめてこれだけは覚えてみせろ」

 

 木刀を(つか)む両掌の、力を(ゆる)めた瞬間に、木刀は衛宮の重心を斬った。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 それから、一週間ほど()った夜。

 

 床に()いた布団の中から顔だけ出して、オレは、左隣のベッドを見上げた。

 暗い寝室。寝ているオレの頭上にある遮光カーテンの隙間(すきま)から、染み込んでくる街灯の(あか)り。

 街灯光(がいとうこう)を反射した天井だけが少し明るく、この部屋は、群青色の空間だった。

 

 左を見上げるオレの死角(しかく)、ベッドの上で鳴り止まない、布団と衣服の()れる音。

 一際(ひときわ)大きな擦過音(さっかおん)と、衛宮の(わず)かな息づかい。

 

 ベッドの()布団(ぶとん)(めく)れ上がるのを見たオレは、しばらく目を閉じてやり過ごす。

 

 ———耳をすました。

 

 ベッドの(きし)み。

 足下(あしもと)の方向に遠ざかっていく、衛宮の足音。

 そして(とびら)の閉まる音。

 

 トイレか……なら、ちょうどいい。

 

 音を立てないようにして、ゆっくりと立ち上がる。

 白い襦袢(じゅばん)(えり)を正して、緩んだ帯を締め直す。

 街灯の薄明(うすあ)かりで襦袢(じゅばん)を照らして、寝間着(ねまき)として乱れがないかをチェックして———

 

 寝室の(とびら)をそっと開いた。

 

 ドアを抜けるとリビングがある。右手にトイレと玄関につながる廊下の()、左手にベランダ、正面右奥にキッチンがある。

 そのシンクの下の戸棚の中から純米吟醸の小瓶を取り出し、ガラス製の小さなコップ二つに注いだ。

 

 リビングに戻ってきた衛宮にオレは、コップを片方差し出した。

 

「眠れないなら、ちょっと付き合え」

 

 

 

 (なか)ば強引にベランダに連れ出し、衛宮と並んで夜空(そら)を見る。生憎(あいにく)と、今夜は曇ってどんよりだった。

 

 チラチラと、左隣を盗み見ながら酒を飲む。生意気に、衛宮のヤツもカチコチだった。

 視線を切って夜空を見上げて、隣の衛宮にバレないように、深呼吸を二つした。

 

 ……ダメだ。こんなのはオレの(しょう)に合わない。

 まずは自分が楽しまなくちゃな。

 

 左手の酒を口に運んだ。

 ……ふぅーと長く、酒気を帯びた息を吐く。

 夜風(よかぜ)がオレの顔に触れ、耳の下から(うなじ)()でて抜けていく。

 

 衛宮を忘れて、一人夜風(よかぜ)(たわむ)れていると、(おもむろ)に衛宮がこっちを向いた。

 

「両儀は……両儀はどうなりたいんだ? 

 明らかにヤバそうな場所に、明日お前を連れていくんだ。本当に良いのか? もう一度、考えなお———」

「オレは、男に戻りたかった。

 三年間積み上げてきたものが、オレの夢には必要だったからだ」

「それは?」

(かね)だ。……()(ふた)もない話だけどな」

 

 曇った夜空に顔だけを向けて、目は衛宮の方を向く。

 ()れている瞳が見えて、だからオレは、思った。

 

「オレの身の上なんて、つまらないと思うけど?」

「……いい。聞かせてくれないか」

 

 ———もう少し、コイツの気を紛らわせよう、と。

 

 酒で唇を湿(しめ)らせて、衛宮の瞳から目を()らした。

 

「もちろん、オレにだって両親はいる。だから『戻りたい』と言った言葉の中に、そういう意味合いもあるにはある。

 だけどやっぱり、男に戻りたい一番の理由は、『預けてある(かね)を受け取るため』だ」

 

 雲が速い。今宵(こよい)上空(うえ)も、風が強い夜らしい。

 そんな雲から、(かす)かに月の光が見える。

 

「オレはさ、働いてた寿司屋の大将に、毎月(かね)を預けてたんだ。金額は、一月ごとにキッカリ10万。

 あと一月で……360万になる計算だった」

 

 左から聞こえる息づかいが小さくなる。

 コイツが、頭を回し始めた合図だ。

 

「“360万”という金額は、『働かずに5年間生きていくために必要になる最低限の金額だ』と、ハロワのオッサンが試算した額だ」

 

 気になって衛宮を盗み見ると、自分の世界に(もぐ)ってる。

 焦点の合ってないその横顔を何となしに見つめることにして、コイツに続きを語りきかせる。

 

「最初から“三年で()める契約”だった。

 360万を対価に(もら)うその瞬間まで、あと一月だったんだ……」

 

 ———運命の日、オレの肉体が変化して一番最初に懸念(けねん)したのは『自分が“時灘(ときなだ)咋矢(さくや)”だと(わか)って(もら)えなくなった事』だった。

 自分の見た目が一変(いっぺん)し、“時灘(ときなだ)咋矢(さくや)”だと証明できなくなったいま、仕事には行けない。預けた(かね)も受け取れない。

 

 宿直(しゅくちょく)だったオレが店舗の二階の、仮眠室でパニクってる時、若大将が出勤してきた。

 

 ……逃げる選択肢なんて始めから無かったんだ。

 

 逃げたって結局(けっきょく)何処(どこ)にも行けない。両親には頼れない。

 特に母親は“普通”と“常識”とが大好きな人だったから、こんな“異常な女”を見た時の反応は想像ができた。

 

 いずれ誰かに、説明しなければならない。なら早い方がいい。

 

 

 その日も(ワカ)は酔っていた。いつもと、変わりなかった。

 夜明け頃に(ワカ)は仮眠室にやって来て、そこで昼過ぎまで寝る。仕込みを始めるのはそれからだ。

 ウチはいつも午後5時からの開店だから、そんなルーティーンでも問題なかった。

 

 オレは()気味(ぎみ)(ワカ)に説明した。始めはイラついて声を荒げていた(ワカ)も、昨日の仕込みの最中(さいちゅう)に起きたちょっとしたハプニングを羅列(られつ)するうちに静かになった。

 

 そして(わら)った。

 

「へぇ〜。

 あの時灘(ときなだ)が女か、ケッサクだわ」

 

 それは、オレの(ワカ)との力関係が完全に固定された瞬間だった。

 オレが360万を持って向かう“次の就職先”に、ウチの大将が一筆(いっぴつ)書いてくれるとの約束があった。その大将も最近では弱りを見せて、晩婚の末にできた一人息子に()がせようとしている。

 

 (ワカ)は、その時確かに、オレの夢を握ってたんだ。

 

「ハッ……イイな、それ。

 ———やっぱ(そそ)るわ」

 

 仮眠室の奥にある物置(ものおき)にあった古い桐箪笥(きりだんす)から引っ張り出してきた藍染(あいぞめ)の着物を着たオレを見て、近づいて来る。

 

 オレの尻が机に当たった。気圧されたのか? オレが。

 

 (ワカ)の左手がオレの胸に触れている。(えり)の中に左手を突っ込まれて()まれるまま、左の肘で右肩を押されたオレは机の上に寝そべった。

 

「そうか、下着なんて持ってないよなァ」

 

 無言を貫くオレの表情を見て(わら)い、指先で胸の先端をいじり出す。

 (すそ)()わせの部分から侵入した右の指先が、オレの内腿(うちもも)をそっと撫でた。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

「……それで、殺したのか」

 

 衛宮の感想に突っかかる。

 

「殺す気なんてサラサラ無かった。

 オレはあの時、無言で全てを受け入れていた(はず)だったんだ。明らかにそれが最善手(さいぜんしゅ)だった」

 

 そう、どう足掻(あが)いても身元の証明が出来ないオレは、戸籍(こせき)が無いも同然だ。“夢”だの“就職”だのと()える以前に、まず日本人になる必要があった。

 

 ———それが出来ないなら、誰かに(やしな)ってもらうしかない。

 

 今、左隣(ひだりどなり)にいる青年を———ベランダから外を向いたままの衛宮を見る。

 何処(どこ)を見ているか分からない目で考えに(ふけ)る、赤髪の青年を盗み見る。

 その横顔は、とても精悍(せいかん)な顔立ちをしていた。

 

行為(こうい)がどこまで進んだか、オレはあまり覚えてない。

 ただ、気がついたとき———馬乗りになっていたオレが(ワカ)の頭を左手で(おさ)え、首筋に浮かんだ“死の線”を、右手で殺した(あと)だった……」

 

 その先は、衛宮が推理した通り。

 めぼしいモノを()(つか)み、着付(きつ)(なお)して店を出る。

 

 ———始発電車に飛び乗って、コスプレしている男を見つけた。

 

 オレの眺める視線の先で、衛宮の焦点があっていく。

 右肘(みぎひじ)手摺(てすり)に置いて、酒を飲みから少し笑った。

 

「両儀は……その、後悔してるのか?」

「答えは……まだ」

 

 ……と、オレは答えた。

 

意味付(いみづ)けるのは得意じゃないんだ。

 ———オレは人間をひとり殺して、死体をそのままに逃げ出した。

 それだけの事なんだから」

 

 衛宮が黙る。

 オレは意図的に、ゆっくりと(まばた)く。

 沈黙は、嫌いじゃなかった。

 風の音に混じって、甘い香りを(かす)かに感じた。

 オレと向かい合う衛宮のさらに向こう側、ベランダの柵の向こうに金木犀(きんもくせい)一株(ひとかぶ)見つけた。

 ここは二階だからか、ちょうど花がよく見える。オレンジの皮を煮詰めたような……金木犀(きんもくせい)は高く(かお)った。

 

(だま)されてた……なんて可能性はないか?」

 

 衛宮の声に意識を戻す。オレの目の前で手元のコップを揺らしながら、つらつらと言葉を(つな)いだ。

 

「ほら、『実は(かね)なんか無かった』とか」

「オレが自分で積み立てたんだぜ。どう(だま)されるって言うんだ」

 

「———でも、“時灘(ときなだ)の口座”に(かね)がある(わけ)じゃないんだろ。管理を任せていたヤツが使い込んだ可能性は?」

 

「なんだよ。そんなのある(わけ)———」

 ある(わけ)ないと、口に出そうしたけれど……直後に全部()み込んだ。

 

「おまえさ、ホント。そういう(ところ)が“衛宮”だよな」

 

 言葉の意味が理解できなかったのか、マヌケ(ずら)(さら)す衛宮から、オレはコップを取り上げた。

 

「何でもない! 

 寝るぞ、衛宮。明日は神戸までいくんだ……ホラ、はやくっ」

 

 衛宮を()かしてベランダを出る。コイツだけ寝室に押しこんで、シンクにコップを二つ並べて、洗おうとして振り返り、寝室のドアに視線をやった。

 

 ———事実がどうなってるのか(わか)らないなら、推測するしか方法はない。

 

「もしも大将が、あるいは(ワカ)が、預けた(かね)を使い込んでいたのなら。それを誤魔化(ごまか)すためにオレを犯そうとしたのなら。

 始めから……貰う(かね)が無いと思えば、オレの体を(ワカ)が支配する理由も無くなる」

 

 声に出して確認する。

 寝室の()は閉ざされていて、何の返答もないけれど……。

 

 ———確かめる(すべ)が無いのなら、推測するのは、優しい可能性であっても良い。

 

 もう一度だけシンクを見る。

 二つのコップは明日の朝に洗おうと決め、オレは、寝室の()のドアノブに、そっと自分の手をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

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