両儀式のコスプレイヤーは、汚れたクロックスなんて絶対履かない   作:夜中 雨

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 お待たせしてすみません。
 ちょっとマズい設定を見つけてしまって、思考の無限ループに入っていました。
 色々と考えているうちに、内容が二次創作とは別物になってしまったので戻ってきました。
 ———場面は前回の続き、衛宮がゾォルケンに「お前が犯人だ」と突きつけたところからです。





(けい)章、衛宮の捜査と両儀の推測
《前編》衛宮の捜査


 

 

 夜の遠坂邸、食堂。

 その真ん中に設置された、長テーブルを(かこ)む五人。

 

 

 シャンデリアで照らされたこの空間の中で、オレは、右を(うかが)った。

 オレの右隣の椅子に座って推理を語り聞かせていた衛宮は、さっきからずっと口を(つぐ)んでいる、もう一つ右隣の少女を見る。

 

「———桜がコスプレイヤーでもなく、両儀のように肉体が変化したのでもない。純粋に“冬木生まれの桜”で、“間桐家に養子に出された桜”なら、 間桐(まとう)臓硯(ぞうけん)はいる(はず)だろ、今も。桜の中に」

 

 衛宮の声を聞きながら立ち上がったオレは、ゆっくりと右に向き直る。

 

 視線の先には衛宮の後頭部、その向こうに間桐の横顔。

 間桐は白いワンピースを着て、オレから見て左を、テーブルを向きながら椅子に座って、膝の一点を見つめている。

 間桐の手前、つまりオレの目の前には衛宮の背中がある。衛宮は間桐に正対(せいたい)して、ただ真っ直ぐに見つめてる。

 

間桐(まとう)臓硯(ぞうけん)。桜の中に()るお前が、二人を殺した犯人だ」

 

 左側から椅子の()る音。

 長テーブルの向こう側でアーチャーが立ち上がり、その左手にいる凛の後ろに陣取(じんど)った。

 その行動を一瞥(いちべつ)した衛宮は、その視線を間桐に戻す。

 

 当の間桐(ゾォルケン)は、背中まである紫の髪を小刻(こきざ)みに()らして、口を(ひら)く。その声は(しわが)れていた。

 

「そうかそうか、其方(そちら)では“コロナウィルス”などというモノが流行(はや)っておるのか。それは誤算(ごさん)だった。

 いやはや……やはり難しいのう、ここぞという時に邪魔が入るわ」

 

 頭を上げた間桐(ゾォルケン)は、首から上だけを衛宮に向けて、右目を細め、左目を見開(みひら)いてみせる。

「だがな?」と右の(ほほ)を吊り上げて、間桐(まとう)臓硯(ぞうけん)はゆっくりと笑う。

 

「“衛宮”と言ったか? ———詰めが甘いなぁ小僧(こぞう)。この(わし)が犯人と知りながら長々と(ろん)を語るとは……(じつ)に未熟よ。

 だが感謝せねばなるまいて。お(ぬし)のお(かげ)で、こうして、蟲共(むしども)を集めることが出来(でき)たのだからな」

 

 食堂の(すみ)の家具の下、ドアの隙間から———蟲たちが(うね)り、()いずりながら集まってきた。

 それは立体的な三葉虫(さんようちゅう)か。あるいは、太く短く脚のない、百足(むかで)のような姿をしている。

 

 衛宮は間桐(ゾォルケン)を向いたまま、動く気配はない。

 オレは机を(はさ)んで向こう側、アーチャーと凛に目を向ける。椅子に座る凛の腰は引けているし、唇は青かった。

 

 水揚(みずあ)げされたかのようにピチャピチャと()いずる蟲を見てから、間桐(ゾォルケン)は首を(かし)げ、流し目を衛宮に向けて(わら)った。

 

「どういう(わけ)か、お(ぬし)らには“知識”があるようだ。だがお(ぬし)ら自身は魔術師にすら程遠(ほどとお)いな? 

 ———つまり今回の介入(かいにゅう)は事故か、偶然か……。いずれにせよ、催眠(さいみん)に落ちた娘ひとり始末(しまつ)できぬ甘さでは、何処(どこ)まで行っても勝ち目なぞ———」

「いや、これで終わりだよ。ゾォルケン」

 

 椅子に座ったままの衛宮の声は、相変(あいか)わらず()れている。

 右腕を自分の背もたれに置いた、そんな衛宮の息の吐く音を、オレは聞いた。

 

「アイツの甘ったれた行動は、全部俺に(もと)づくモノだ。俺が『動くな』と言ったから、アイツはずっと動かなかった。

 ———お前は、俺が推理している(あいだ)に決めるべきだったんだよ。

 大量の蟲を集めて必勝を()すのではなく、最初から攻撃に(てん)じるべきだった。

 お前が桜の意識を奪うために使った時間で、俺は『誰が犯人なのか』を説明できた。前提条件を、皆で共有することができた。

 なんの説明も無くただ『逃げろ』と言ったって、動ける(はず)がないんだからな」

 

 衛宮は左を向いて、叫んだ。

 

「アーチャ———ッ!!」

 

 間桐(ゾォルケン)が目を見開き、“グッ”と全身に力を込める。

 それを合図に、衛宮に跳びかかって来る蟲を、その前に移動したオレが切り裂く。

 ———攻防一体。

 次の瞬間には(すで)間桐(ゾォルケン)へ踏み込んでいたオレは、逆手に持ったナイフをひと突き、左から右に振り切って、間桐の胸を刺し貫いた。

 

「おい、衛宮」

 

 と言いながらオレは、そこに巣食(すく)う蟲が死んでいるのを()て、間桐の胸から逆手(さかて)にナイフを引き抜いた。

 

 間桐の上半身が()れる。首がぐらつき、向こう側に倒れそうになる間桐の体を、身を乗り出して左手で止める。

 そのまま、後ろの衛宮に言葉を投げた。

 

「間桐でも(かつ)げ。それから走れ。

 足元の蟲が魔力を求めて、遮二(しゃに)無二(むに)襲いかかってくるぞ」

 

 間桐を()()げる衛宮を()かして、二人で窓へ走り出した———途端(とたん)に、部屋の四隅(よすみ)から音が聞こえた。大量に、硬いモノを()()わせるような音。蟲の悲鳴が大量に、部屋の四隅(よすみ)の、家具の下から鳴り響く。

 

 暗がりから()()てきた蟲の一団、その先頭の何匹かがジャンプして、こっちに跳びかかってきた。

 衛宮を先に走らせながら、跳んで来る蟲を切り捨てながら、長テーブルを迂回(うかい)して、食堂の奥側の窓の、割れた一つに飛び込んだ。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 窓から飛び出したオレと衛宮。

 中庭の(はし)に跳び降りた二人は、後ろの蟲に注意しつつ、残りの三人と合流した。

 

「良かったのか? これで」

 

 中庭の手前に立つオレは、そっと後ろを、割れた窓を(うかが)った。

 ……蟲の声は聞こえない。

 暗闇の向こう、窓の中。明るい食堂は、ただただ静かだった。

 

 視線を右に振る。

 さっきまで食堂を見ていた衛宮は、お姫様抱っこした間桐の頭を右肩に乗せて、顔を(のぞ)()んでいる格好だった。

 

 オレたちは共に食堂の方を向いているから、衛宮の顔は見えなかった。

 

「間桐の、心臓の蟲はちゃんと殺した。この世界の情報は、さっきの“蟲”から聞き出さなくても良かったのか?」

 

 間桐の顔を眺めたまま、衛宮の返答が聞こえくる。

 

「ああ、“今の”だけでもかなり(しぼ)れた」

 

 やっと、オレの顔を見た衛宮の瞳は、少しばかり()れている。

 

間桐(まとう)臓硯(ぞうけん)が居たって事は……この桜には、聖杯の欠片(かけら)が埋め込まれてるって事だよな?」

「だと思う。ただ、こいつの聖杯は———」

 

 左手を、革ジャンのポケットから抜いて、衛宮に一歩近づいて。

 でも、間桐に伸ばした左手を———途中で止めた。

 

「……何でもない」

 

 その言葉を聞いた衛宮が、(おもむろ)に顔を上げる。オレたちの視線が交錯(こうさく)した。

 

 (まばた)きしながら()を閉じて、衛宮から顔を(そむ)けて、後ろを向いて……。残りの三人の様子を眺める。

 食堂から届く光と闇との境界線。明かりと暗がりの真ん中で、凛はまだ震えている。ライダーの方は、呆然(ぼうぜん)と突っ立っているだけだった。

 

「おまえに任せる。オレ……これ以上考えるの、やめる」

 

 そっぽを向いたまま、少しだけ声を張った。

 

「で? これからどうするんだ?」

「調べないとな」

 

 後ろから聞こえる衛宮の声は、どこまでも穏やかだった。

 

「今、俺たちがどんな状況にあるにしろ、何に巻き込まれているにしろ、まずは情報を集めてからだ。帰る方法はそれから探そう」

 

 

 

 (しばら)く、女二人が回復するのを待ってから、遠坂邸のテラスまで移動することにした。

 オレが魔眼で見渡して、蟲はいないと断言してから、(ほか)の全員をテラスに上げる。

 間桐を椅子に座らせて、オレが間桐と向かい合う。

 魔眼を使って探知して、子宮の淫蟲(いんちゅう)も殺してから、アーチャーに(かか)えてもらった。

 

 そして今、オレたちはテラスから、屋敷に続くドアを見ている。

 衛宮が、オレの左に並んだ。

 

 オレは衛宮をチラッと見てから、後ろの女たちへ振り返る。間桐を(のぞ)いた二人ともが、真剣な顔で、衛宮の背中を見つめていた。

 

 その(うち)の、左側に立つ一人。凛の目に視線を合わせて、オレは少し語気を強めた。

 

「いいのか? オヤジ二人を見捨てれば、オレたちは安全に逃げられるんだ。オレは臓硯(ぞうけん)を殺したけれど、アレが本体じゃないかもしれない。

 今の内に結界を殺して、どこぞに駆け込んだ方が安全だと思うんだけど」

「———私たちなら大丈夫よ。だって、アーチャーが付いてるんだもの。

 それに、衛宮君が言うように、遠坂邸が安全だと分かるなら、それに()したことはないものね」

 

「拠点にできる建物は、安全な方がいいじゃない?」と、凛はオレの目を真っ直ぐに見て、唇の両端(りょうはし)を思いっきり吊り上げた。

 

「衛宮君が助けたがってるんだもの、応援しないなら女じゃないわよ。だから行ってきなさい、両儀式。

 大丈夫。害虫が庭に()いた時は、アーチャーに駆除してもらうから」

 

 そう言った凛は、右手の親指だけを立てて、オレに見えるように(かか)げてみせる。それからみんなを連れ立って、中庭の闇に消えていった。

 

「行くぞ両儀」

 

 右から聞こえる衛宮の声に振り向くのと、衛宮が歩き出すのが同時だ。衛宮は両開(りょうびら)きの()に両手を当てて、ググッと押し開けて入って行った。

 

「大丈夫だって、俺を信じろ」

 

 遅れないようについて行く。

 目の前にいる衛宮は、逆光によって照らされてシルエットしか分からないけど。その声は、不思議と強くオレに届いた。

 

「———世界ってのは、お前が思うよりずっと優しい。それをちゃんと、俺が証明してやるからな」

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 遠坂邸の中は静かだった。

 食堂で衛宮の推理を聞こうとした時に廊下の電気は付けておいたから、ここは明るい。でも、何の音も聞こえなかった。

 

 向かって左右に伸びる一本の廊下。

 

 衛宮はすぐに、右に向いて歩き出して、腰のベルトから白い短剣を抜き出した。

 莫耶(ばくや)。アーチャーから借りたらしい予備の剣を、ちょうど、衛宮が(かま)えたところだった。

 

 その左隣にオレが並んで、一瞬だけ、衛宮の顔を(うかが)った。

 オレの視線に感づいたのか、衛宮は(あた)りを警戒しながら片手間(かたてま)に、小さめの声で言葉を発した。

 

「両儀……、さっきのは嘘なんだろ? あの、『蟲が襲ってくる』ってヤツ」

「嘘じゃない。おまえの言う通り、仮にあの蟲が端末(たんまつ)だったとしても、影響はいつか本体まで届く。本体を殺したなら端末(たんまつ)はすぐに死ぬ。

 でも、そのラグがどれくらいなのか分からないから、おまえにはちゃんと警告したんだ」

 

 そうして、目的地にたどり着いた。

 目の前には、地下に続く階段があって、その先に明かりはなく、ただ黒い闇が顔を(のぞ)かせている。

 

 おっさん二人でこんなとこに泊まり込んで何が面白(おもしろ)いのか知らないが———。

 

「よくもまぁ……」

 

 目を細めるオレに対して、衛宮は笑って手を上げた。

 

「そう言うなよ両儀。聞いた話ではあの二人、地下室の資料を(あさ)ってるらしいしさ。俺たちに代わって、此処(ここ)のことを調べてくれてるんだから。

 怒ることじゃないぞ」

「怒ってない」

()()えず行こう。お前の親父(おやじ)だろ? なら、助けないとだめだ」

 

 オレはナイフを抜いて、(かまえ)て。衛宮の前に立って階段を(くだ)りながら、唇に力を入れた。

 

 ……どうやらオレは、衛宮には(かな)わないらしい。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 (しばら)くして、衛宮がおっさん二人に状況を説明してから。

 

 念のため一旦(いったん)テラスに避難して、皆で固まって一夜を明かした。

 

 翌日、完全に日が(のぼ)りきったのを確認してから、一塊(ひとかたまり)で順々に、それぞれの荷物を取りに戻って、それからやっと、玄関口までやってきた。

 

 先頭に立つ時臣が、ひとつ振り返って言葉を放つ。

 

「皆、ご苦労だったね。蟲の死骸は私も見た。衛宮少年の推理も聞いた。

 全てが終わったことは認識した。(ゆえ)に———」

 

 時臣は右足を一歩引き、右手でノブを(にぎ)る。

 その右手に力がこもり、静かにドアが開いていく。その隙間から光がさして、オレたちは一瞬、目を閉じた。

 

「さあ、両儀式。目の前の結界を壊しなさい。

 鬱屈(うっくつ)した閉所(へいしょ)から脱出し、目一杯(めいっぱい)体を伸ばし、一先(ひとま)ずの生存を喜ぼうじゃないか。

 ———(ほか)の全てを、(あと)(まわ)して」

 

 

 オレが門の前に立ち、ナイフを一閃(いっせん)して結界を殺し、(かんぬき)を外して外に出る。

 

 ブーツ()しに、久しぶりのアスファルトの感触を確かめながら振り返り、後ろから来た衛宮を見た。

 

「何か、自首するのを遅らせてまで確認したいことがあったんだろ? 

 その(へん)はどうなんだ?」

 

 キャリーケースを引いて来た衛宮は、オレの目の前、道路の真ん中で立ち止まると、右手を腰に当て空を見上げる。

 

「『これで(うれ)いは無くなった』とは言わない。でもアイツなら、理亜(りあ)を守ってくれると思うから。

 だから俺は自首するよ、両儀」

「“アルトリア様”を欲しがってたあのオッさん、かなり執念(しゅうねん)(ぶか)いと思う。いけるのか? おまえが消えたら、すぐに———」

一年(いちねん)

 

 衛宮は微笑む。

 

「一年も()てば良い方らしいんだ。

 たったそれだけの(あいだ)、疑問を(いだ)かせなければいい。

 裁判で俺が異議申し立てを行わなければ、起訴(きそ)から一月もあれば判決が出るみたいだし…………それで、全部終わりだ」

「そう……」

 

 とだけ返してオレは少しだけ目を()せた。

 

 (あた)りを見渡す。

 正面には遠坂邸の鉄の(さく)が一面に立ち並んでいる。そして(ほか)同様(どうよう)に、(さく)ばかりだった。

 背後もそう。左右に伸びる道路の、突き当たりもそう。そして当然、それらの(さく)の向こうには洋館が建っている。

 ———そう。ここは大豪邸の立ち並ぶ、高級住宅街だった。

 

 オレは、そんな光景は知らない。神戸駅から出てからこっち、こんな豪邸は見なかった。

 

 だから多分、これはそういう事なのだろう。

「行くぞ」と衛宮を(うなが)した。

 

「間桐は待ってるみたいだけど、(ほか)がみんな歩き出してる。この(あた)りでの情報収集だろ? 『いったい此処(ここ)何処(どこ)でしょう?』ってヤツ。

 ———衛宮行くぞ。間桐が待ってる」

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 キャリーケースを転がしながら町を散策(さんさく)したオレたち一行は『殺人事件の起きた遠坂邸の建っている、この土地が神戸ではない』という状況を否定できなくなっていた。

 

 オレたちを先導する時臣の顔は、時間と共にどんどんと(けわ)しくなっていき———山の高台にある校舎にたどり着いた時には、目と目の(あいだ)(つま)みあげ、立ち尽くしたまま動かなくなった。

 

 そんな時臣を衛宮が追い抜き、間桐を(ともな)って、学校の看板の正面に立った。

 衛宮の声は、オレたち全員の耳に届いた。

 

「———“私立、穂村原(ほむらはら)学園(がくえん)”。

 ここに(かよ)っているのか、桜」

 

 後ろから見つめるオレの前、衛宮は自分の左にいる間桐に向かって首を(かし)げ、間桐はゆっくりと(うなず)いた。

 

「……そうか」と(うなず)き返した衛宮は、後ろにいるオレたちを眺めてから、視線を右に、坂道の下方に飛ばす。

 

「ひとまず戻ろう。情報の整理が必要だと思う。

 桜に色々と聴きたい事もあるし……時間とか大丈夫か? 案内してほしい場所があるんだけど……」

 

 間桐の返事を聞いて、衛宮は坂を(くだ)りだす。オレはいち早くその後ろに続いた。

 ……確かに、ここは学校だ。今日が何曜日なのかは知らないが、校舎前にいるところを教師に見つかるような事態は、なるべく回避するべきだろう。

 

 

 それからオレたちは、途中で見つけた喫茶店で軽食を取った。

 その(さい)に衛宮が『間桐邸で情報収集をしたい』と提案し、間桐はそれに(うなず)いた。

 時臣は、オレが条件を一つ()むことと引き換えにOKを出した。

 

 だから、玄関にキャリーを置いた衛宮とオレは、間桐に案内されて、彼女の家までやって来たのだった。

 

 

「———ここがわたしのお(うち)です、先輩」

 

 門を開けながら、間桐はオレたちを振り返る。

 

「わたしにできる事はこれくらいですから」と言って、(てのひら)を屋敷に向けた。

 

「お爺さまがいないなら、ここにはもう誰もいないんです。先輩が知りたいことも、この家にはあるかもしれないです。汚れたお(うち)で良かったら、ゆっくりしていって下さいね」

 

 それだけを言って、間桐邸に入っていった。

 オレたちも後ろから続いた。衛宮は真っ先に、資料室に行きたがった。

 

 

 資料室らしき部屋の(ひら)()を、間桐が引いた。ドアの動きに合わせて一歩引いた間桐に代わって前に出た衛宮の、その襟首(えりくび)を、オレは後ろからギュッと(つか)んだ。

 

退()がれ衛宮。呪いだ」

 

 ドアの向こうには、廊下のような細長い通路。その左右には本棚が、天井までをびっしりと覆っている。

 

 ———けれど、分かる。

 良くないモノが充満している。

 

「オレが先導する。片っ端から殺していくから、前に出るなよ」

 

 衛宮も間桐も右手で後ろに追いやって、そのままナイフを抜き放つ。

 ……確かに、形の無いモノは見えにくいみたいだ。

 

 

 30分ほど()っただろうか。

 (とびら)の傍に、腕を組んでもたれていると、衛宮が、(とびら)(くぐ)って廊下に出てきた。

 左手に薄い紙束(かみたば)を持っている。わざわざ、見えるように(かか)げているところを見るに、それなりの成果をみたのだろう。

 

「両儀、桜。ひとまず座れるところに行こう。

 手掛(てが)かりを見つけた。二人に聴きたいこともできた。頭の中を整理するために、少し手伝ってくれないか?」

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 間桐家の食卓。八人()けの長テーブルに、椅子を引いて二人が座った。

 オレは、空気の悪さを愚痴(ぐち)りながら部屋の奥まで突っきって、臓硯(ぞうけん)仕掛(しか)けたらしい諸々(もろもろ)の線をなぞり切り、カーテンと窓を全開にした。

 

 ナイフを納刀し、テーブルに戻って、でも腰掛けずに、衛宮の後ろの壁にもたれた。

 窓からの風が、左から右に吹き抜けていく。

 目の前には座った衛宮。その左隣には間桐がいる。二人は身を寄せ合って資料を見ていた。

 

「こっちは、臓硯(ぞうけん)()わした契約書。それとそっちは、契約に(したが)って手に入れた情報を書き(つづ)ったもの……」

 

 衛宮は持ってきた資料を分類し、テーブルに並べているようだった。

 間桐はふむふむと(うなず)きながら聞いている。

 

 対してオレは、そんな二人を後ろからボーッと眺めていたのだけど、ただ一つ、意識を貫通して脳みそまで届いた情報があった。

 

 それは、不意(ふい)に響いた間桐の声で———

 

「それじゃあお爺さまは、『アインツベルンが第三次聖杯戦争に勝つために呼ぼうとした英霊を二つにまで(しぼ)った』っていう情報を知ったから———」

「『だから桜を引き取った』と、この羊皮紙には(しる)されてる。

『小聖杯の欠片(かけら)を桜と同化させたはいいものの、覚醒に(いた)る気配がない』とも、『“(つぎ)”に間に合うようにする(ため)に、境界記録帯(ゴーストライナー)を利用しようと決めた事』も……」

 

 オレは目の前で、身を寄せ合う二人の肩を睨みながら、衛宮の言葉を頭に送った。

 

 オレたちが今、Fate時空にいる可能性は、最初から考慮してはいた。……というか、頭の(すみ)から離れなかった。

 当然のように“誰もが一度は夢想(むそう)した事”、そして真っ先に、有り得ないと切り捨てるもの。

 

 そも、一夜(いちや)のうちに自分の肉体が移動して、オレが気づかない方がオカシイのだ。

 そういった違和感も“一つだけ”ならまだ『偶然だ』という()(わけ)も立つが、そう何度も出てくるなら、話は全く変わってしまう。

 

 そして同時に、ここがFate時空の冬木なら、元の世界に帰る方法なんてほとんど無いことにも気づく。

 

「桜の認識でいいんだけどさ……今日は何月何日だっけ?」

 

 衛宮の顔を見上げた間桐の横顔が、後ろからでも見える。間桐はスッと、(わず)かに前屈(まえかが)みになった。

 

「10月6日です。たぶん、ですけど……」

「ああ……いや。桜がどうこうという(わけ)じゃないんだ。

 俺たち、コスプレイベントのメンバーは、おそらくこの世界の住人じゃない。だから、こっちの世界に来た時に『時間がどうズレたのか』を知りたかっただけなんだよ。

 それで、桜の認識を教えてほしかったんだ。桜の方が正しいからな」

 

 のけぞった衛宮は、(りょう)(てのひら)を振って微笑(ほほえ)む。

 そんな衛宮に影響されて力を抜いた間桐の背中を眺めながら、思う。

 ———コイツは、よく人を見ている。

 

 人だけじゃない。きっと、普通は見落としてしまうようなモノも見ているのだろう。多分(たぶん)、“思考の(くせ)”……のようなものが、他人とは少し違うのだ。

 

 ———例えばオレは『どんな可能性ならあり得るか』を考える。

 “遠坂邸の殺人事件”も“衛宮の首切り”も、だ。オレは可能性を列挙(れっきょ)して、その全てを視野に(おさ)めたまま、判断だけを保留する。

 コレは、オレの(くせ)

 

 衛宮のヤツは全然違う。アイツはずっと『どの可能性があり得ないか』を考えていた。

 あり得ない可能性を一つずつ除外することで、衛宮は推理を組み立てる。

 それが、アイツの(くせ)だ。

 

 ……まぁお(おかげ)で、随分(ずいぶん)と助けられた(わけ)だけど。

 

 

 肺の空気を口の中で湿(しめ)らせて、そっと目の前の空間においた。

 

 オレの心は、見違えるほどに穏やかだ。

 そういえば何時(いつ)からだろう? と記憶を辿(たど)って、『始発電車か』と思い(いた)る。

 ———あの日、衛宮に()った日。あの日からずっと穏やかだった。

 

 

 窓からの風が吹きつけて、間桐の髪がさざめき立った。

 窓から流れてくる風と音。間桐の髪と同じに聞こえる木々のさざめき。

 カサカサと鳴る髪の毛が、衛宮の服にくっついたのを気にも()めずに(しゃべ)る衛宮と(うなず)く間桐。

 

 聖杯戦争の説明をしている。

 マスターとサーヴァントの事、令呪の事、大聖杯と小聖杯———そして、聖杯大戦。

 

 冬木から大聖杯を奪取したダーニック・ユグドミレニアのその後の足取(あしど)りを読み上げる衛宮の声を聞きながら、オレはひとり、“帰る方法”を模索(もさく)していた。

 

 ……だって、衛宮を帰らせないようにするには、“帰る方法”に対してメタを張るのが一番だから———

 

 だから。

 衛宮の話がひと段落したタイミングを見計(みはか)らって、後ろから、(もっと)も大切な質問をした。

 

「———行くのか?」

 

 左側、間桐の身体(からだ)がギュッと縮んだ。

 衛宮の動きは、止まった。

 

「俺は行くよ両儀。多分それが、(もっと)も実現可能性が高い手段だから。

 俺たちが此処(ここ)に転移した理由に関して、仮説がない(わけ)じゃないんだけど……。どっちの仮説が正しかったとしても、帰る目処(めど)が立たないんだ。

 ———(ほか)の選択肢なんてない」

「帰らなければいいだろ」

「そういう(わけ)にはいかないよ。俺はまだあの二人に恩返しできてない。俺のせいであんな事になったんだから、せめて責任くらいは取らないとな」

 

 オレは背中に感じる壁に、より強く体重を預ける。それから、目を閉じた。

 

 ……やっぱり、“アルトリア”ってのが障害だ。

 コイツの事件に関わっているだろう二人。“理亜(りあ)”と呼ばれた女と、そいつを護るもう一人。

 

 衛宮の目的は『二人に一年間を与えること』で間違いない。

 だったらほぼ確実に、この二人の何方(どちら)かが扼殺犯(やくさつはん)なのだろう。

 衛宮はそれを誤魔化(ごまか)して、代わりに自分が犯人になるつもりでいる。

 

 そして、前回のコスプレイベントに出席していた、衛宮と似た“誰か”。オレが証拠を隠滅した、衛宮とそっくりな顔の持ち主。

 

 ———そして、(にお)いだ。

 衛宮の(にお)いは好きだけど、アイツと住んでいたアパートの(にお)いは好きじゃなかった。

 

 証拠は何も無いけれど———断言できる。オレは一度も、衛宮の本当の家には上がってない。あのアパートは別人のもので、オレと衛宮は、二人してそこで暮らしてたワケだ。

 

 誰のアパートか、なんて考えるまでもない。

 別人が住んでいるのに気づかれてない時点で、候補なんて、初めから一人だけしかいないのだ。

 

 ———被害者。

 

 首切り殺人の被害者だけが、唯一(ゆいいつ)そこにハマるピースで、『衛宮が被害者のふりをしていた』としか考えられない以上、あの首無し死体は、衛宮の肉体として処理されている(はず)

 

 つまり、新聞に載っていた“大学生”とは、衛宮自身に他ならない。

 

 早朝始発の電車の中で、衛宮は被害者の服を着ていた。そのまま、隠れる気もなく行動していた。

 行動……し続けていた。

 

 つまり衛宮はアレから一度も、変装を()いていないのだ。

 

 だってオレは、衛宮の風呂上がりだって知っている。

 なんならこの前、頭も洗った。

 

 ———衛宮はずっとすっぴんだった。髪の毛だって染めてなかった。

 つまり、素で、被害者と顔がそっくりだったことになる。

 そしてさらに、同居生活でもコスプレイベントでも、周囲の人間に違和感なく行動できている時点で、『衛宮は被害者のことをかなり詳しく知っていた』という情報だって、疑う余地はなくなってしまう。

 

 ———なら、『アイツの肉体が燕青(えんせい)になった』とかいう例外を除いて考えると、候補なんてもうほとんど無い。

 ほぼ間違いなく、衛宮と被害者は親戚だろう。

 

『双子だ』と言われるくらいの方が、むしろ納得できる程ですらある。

 

 ———と、なると……。

 

 

 目を開ける。

 目の前で座ってる男の、赤毛の頭を()めつける。

 

 コイツは(すで)に、“自分の人生を()けた後”だという事だ。

 (おのれ)の名を捨て、友好関係を全て断ち、別人として生きていく。罪人として生きていく。

 

 オレが衛宮と出会うより前に、(さい)は投げられていたらしい。 

 (すで)火蓋(ひぶた)は切られた後で、弾丸はもう放たれている。

 

 だからコイツは、オレの言葉では止まらない。

 “敵になる女”の言葉で止まるほど、コイツの覚悟は甘くない。

 ……だったら、オレには何ができるだろう。どんな可能性ならあり得るだろう。

 

 そして思いついた。(ゆる)される気はない、ないが……。もし、オレの思考する“可能性”が衛宮の“推理”を超えられたなら、きっと…………。

 

「おい、衛宮」

 

 (なか)ば強引に、二人の会話に割り込んだ。

 

「聖杯大戦に参加するなら、()いている席は“赤の陣営”だけだろ。今からルーマニアに行けば令呪が配布される可能性も高くなる。

 まあ、“赤”は協会が牛耳(ぎゅうじ)ってた(はず)だけど……。

 どうやって勝つつもりなんだ?」

 

「そうだな……」と言いつつ、衛宮がこっちを振り返る。

 衛宮は、椅子の正面を間桐に向けるまで(こす)りながら回転させ、間桐と正対(せいたい)した状態で上半身をこっちに向けた。

 

「もし、“赤の陣営”で参加するなら———だけど。どうにかして先に大聖杯を使わせてもらうしかないと思う」

出来(でき)ると思ってるのか? 同盟相手を問答無用で毒漬(とくづ)けにする男だぞ」

「……でも、俺は帰らないといけない。(もら)った恩を返せてないんだ」

 

「ん……」とオレは(うな)った。

 そうなると、結局のところ『状況を見て臨機応変に』なんていう目標しか立てられない。

 つまりは、戦況と戦力を推測しつつ全体の流れを考慮して先を読む、か。

 

勝率(しょうりつ)低過ぎないか? それは」

 

 反応を(うかが)う。

 見る(かぎ)りでは、衛宮の様子は変わらない。

 動揺した様子がないのは分かる。でもそれ以上に、『不利だけどやらなくちゃいけない』というような覚悟や悲壮(ひそう)(かん)も感じられない。

 

 ———何か考えがあるのか。

 

 この世界は恐らく、大雑把(おおざっぱ)にみてApocrypha(アポクリファ)時空だと思っていいだろう。

 臓硯(ぞうけん)の行動は聖杯戦争のための仕込みだそうだし、今回の聖杯大戦に間に合わないなんて事はないだろうが……。 

 

 “ガタッ”と、椅子が動く音。

 見ると間桐が衛宮に向かって身を乗り出して、顔をぐっと近づけていた。

 

「わたしも行きます。聖杯戦争、わたしも行きます」

「いや……でもだな、桜———俺にはどうしても行かなきゃいけない(ところ)がある。桜には———」

「わたしっ! 誰もいないんです。

 ———わたしにはお爺さまだけだった。でももういないんです。だから、わたしは先輩だけなんです」

 

 その剣幕(けんまく)に一瞬目を見開いた衛宮は、いつの間にか間桐と繋がれていた手に視線を落として(うなず)いて———オレに向かって微笑んだ。

 

「いや、やっぱり()めよう。両儀、それがいい」

「おい。エミ———」

「よく考えてみると、そんなに良い案でもなかったしな。———別のやり方で帰る方法を探そうか……な、両儀」

 

 目が合った。でもコイツは、オレのことなんか見ていない。

 コイツが見ているのはオレじゃない、それどころか“今”ですらない。もっと———

 

「そう言うことか……」

 

 オレの声を聞いた衛宮が、やっとオレに焦点を合わせた。

 間桐は、オレたちの事をじっと見ている。オレたちの仲を観察している。

 

 二人の、そう言った一切(いっさい)を無視して後ろに退()がった。

 革ジャンごしに壁を感じる背中、ダラリと下げた両腕、全身から力を抜いて立ち、ボーッと、衛宮を見ていた。

 

「どうしたんだよ両儀」と声をかける衛宮からそっぽを向いて———オレは出口に向かって歩き出す。

 

「帰る。時臣にも言われてるんだ、『遅くなりそうなら君だけでも帰って来なさい』なんて。

 ……あの男は投資家だからな、早めに情報が欲しいんだと」

 

 返事を待たずに(とびら)をくぐって、そこで一度振り返る。

 オレの背中を追っていた二人の目を、じっと見返した。

 

 

 

 間桐邸を後にしたオレは一直線に坂道を(くだ)り、時々道を(たず)ねながら、遠坂邸に帰り着いた。

 凛に出迎えられて中に入る。静まりかえった廊下を渡り、リビングの(とびら)をくぐった。

 大きな部屋の真ん中にあるローテーブル。それを囲むアンティークチェアと二人がけのソファ。

 

 一歩中に入って、左手にあるポールハンガーに革ジャンを()けていると、部屋の右奥から凛の声が飛んで来た。

 

「ねえ式。飲み物は何がいいの?」

「いらない」

「残念、もうお湯は沸いてるのよね」

 

 お盆を持ってリビングに来た凛にウィンクをかまされた。それから凛は、ローテーブルにカップを並べた。

 

「紅茶はお嫌い?」

「別に……」

「それじゃあ、ここに置いておくから」

 

 言うだけ言って、凛はソファに腰掛けた。

 ハンガーにかけた革ジャンを一瞥(いちべつ)してから、オレも対面(たいめん)に腰掛ける。ソファを回り込み、座った。

 ドスンと音を立てて(しり)をクッションに打ち付けながら、『瞬間湯沸かし器も電気ポットも無かった(はず)だ』と記憶を探る。

 ふと()き上がった疑問のために、オレから先に口を(ひら)いた。

 

「誰か……来てるのか?」

 

 凛はカップから唇を離して、眉毛を上げた。

 

「ええ……。でもどうして?」

「ただの勘だよ。お湯が沸いていたからな」

 

 眉根を寄せた凛を見て、さらに言葉を付け足した。

 

「革ジャンをハンガーにかけるあの一瞬で、水が沸くなんて事はない。だから、お湯は最初から沸いてたんだ」

 

 目線を、部屋の奥に飛ばす。

 壁の向こうが静かそうなのを見てから、凛の手元のカップから立つ湯気(ゆげ)を見た。

 

「紅茶は沸騰直前の温度で()れる(はず)だろ? だったら、沸いたのはついさっきだ。

 もし、(ほか)(やつ)らが食堂で何か(つま)んでいるというのなら、凛は多分、オレをそっちに通すだろうし。

 それに何より、時臣のヤツがここには居ない」

 

 あの男だって、未来を判断するには正確な情報が必要なんだ。だから『ある程度(そろ)ったら戻ってこい』とオレに命じた。

 そう言った時臣がここにはいないし、凛が呼びに行く気配もない。

 

 つまり、オレはただ『時臣が応対をしている“誰か”がいる』という可能性を考えただけだ。衛宮のように、他の可能性を全て排除したという(わけ)じゃない。

 

「———だから勘だと言ったんだ」

 

 もう一度目線を上げて、凛の顔を視界に入れた。

 

「でも“当たり”みたいだな。一体どんな(やつ)が来たんだ? 

 “本物の遠坂凛”が戻ってきて、時臣に文句(もんく)()れてるとか?」

「違うわ。———でも、来たのは魔術師よ。さっきね『間桐(まとう)臓硯(ぞうけん)を抹殺しに来た』って言ってたから…………今は時臣さんが説明してる」

「オレは応接間に行かなくていいのか?」

貴女(あなた)の事は隠しておきたいんですって、出来(でき)るだけ」

「……へぇ」

 

 何度か(うなず)きながらティーカップを持ち上げて、一口(ひとくち)(のど)に流し込む。

 それをソーサーに戻しながら、凛の雰囲気を(うかが)った。

 

「その魔術師、どんな(やつ)だった?」

 

 凛の身体(からだ)はリラックスしていた。

 少なくとも、時臣が応接している魔術師の存在が、緊張や不安に結びついている(わけ)ではないようだった。

 

「どこかの作品に出ていたヤツか?」

「ええ。彼女ね———ナタリア・カミンスキーって名乗ったの」

 

 

 




 後編はもうできてますので、明日、21時から投稿します。
 その後はまた、書き上げ次第投稿する予定です。


 
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