渡side
目が覚めると、何故かくらく凄く狭い場所にいた
「ふぁ………」
昨日はあの時の夢を見ず、ゆっくりと眠ることが出来た
自分が寝ているのは昨日はネットカフェで借りた部屋
そして部屋にあるソファで毛布をかけて寝たのだ
そう言えば学校、連絡してないんだよな
そう呟き、火曜日と表示されている自身のスマホを見る
こんな時間に出歩いてて良く昨日は補導されなかったな
取り敢えずこの街で残るアイツはあと一体、自身の獣の勘とも言える何かがそう告げている
そいつさえ倒せば…………倒して、どうなる?
ボクは戦い、倒してどうしろと言うのだ
もう、帰る家なんてない
帰る場所すらないボクに、どうしろというのだ
確かにアイツらを殺すことがボクがこの世界に現れてしまったことにより現れてしまったアイツらの被害者
そしてあの姉妹への贖罪だと、そう思ってこの数日間を過ごした
「どうすればいいんだろ、ファング」
その問いかけにファングはなにも答えなかった
取り敢えず荷物を纏めて携帯をとった時だ、着信履歴に沢山の電話が来ていた
一体、何のようだろうか
そう思うが今はそれより、アイツを探そう
そう思い頭を振り先ほどの考えを消す
携帯をポケットへ仕舞い、バックを背負いファングを胸ポケットに入れてネットカフェを出て近くのコンビニで朝食を買う
そして、近くの公園で食べる
外だからかたまに風が吹き付け、少しだけ寒い春の風が体に吹き付けられる
寒いなぁ、家に………帰れれば良いんだけど
士郎やセラさんが作ってくれる温かいご飯が懐かしい
食べ終え、ゴミをゴミ箱に入れて獣の勘に従って町を出来るだけ目立たないよう歩く
そうして探し続け、昼になった
取り敢えず軽い昼食を取ろうと考えて近くのたこ焼き屋が目に入る
近くに何個かテーブル席が置いてあり、そのテーブルで食べるようだ
食べたら直ぐに探すのを再開しないとな
そう思い、屋台に並ぶ目の前に二、三人が並んでいるのでその後ろに並ぶ
取り敢えずスマホで最近のニュースを見つつ、並んでいると自分の番が来た
取り敢えず普通のタコ焼きと飲み物だけ買ってテーブルに座りたこ焼きを頬張る
何人か並んでいたからか、凄く美味しかった
そうしていると、ふと何処からか視線を感じて近くを見回すすると少し先に
以前、助けた妹の方の子が此方を見ていた
心臓が跳ねる、思わず目を見開く
何故かその少女は少し離れるとあの子を引っ張って此方へと歩いてきていた
「悠里?一体な、にが………」
姉の子がボクの事を見つけ、目を見開く
「あ………悠里、あんたもしかして」
そう言っているうちにボクは残っていたたこ焼きを食べ終え残っていた二箱目を持ってその場を離れようと席を立つ
たぶん、あの子はボクの事を怖がってる
だったら、ボクは直ぐにでも彼女の前から消えないと
たこ焼きはここから離れて食べれば良い
「ちょ、ちょっと待って!」
そつ思い立ち上がったとき、ポニーテールの子がボクの目の前に来てきていた
「お話、いいかな?」
あの変な化物に襲われてから数日立ち
私はあの時の行動を冷静に考える事が出来た
今考えると、あの時に悠里が私をぶったのは少しだけ納得出来てしまった
私はアイツから助けてくれたあの人
恩人とも言える人に対して直接では無いが化物と呼び、助けてくれた事に感謝すらしていなかったからだ
あの人に出来るならちゃんとお礼を言いたい
買い物をしていると突如として悠里に腕を引かれ、たこ焼き屋まで来た
何だろうか、たこ焼きでも食べたいのだろうか?
その時だ、悠里がある方向を指差す
「悠里?一体な、にが………」
その方向を見ると私が前に逃げたしてしまった、あの化物を殺した男の子がたこ焼きを食べていた
「あ………悠里、あんたもしかして私に会わせようと?」
そう言うと悠里は頷いたので私はあの子へと近付く
何故か、その顔は少しだけ疲労が残っているように見える
そう言えば今日は祝日でも何でもない平日だ
私は学校が休みになったのでここいるが、彼はどうなのだろうか
確か冬木に住んでいると言っていたしここにいるのは可笑しい
「お話、いいかな?」
私を見た彼は直ぐにその場から去ろうとしたので急いで彼のもとに行き私はそう声をかけた
「大丈夫、です」
「ありがとう。悠里」
「ん!」
そう言って私は彼の向かいの席に座る、悠里は私の膝に座る
すると、彼は凄く気まずそうな顔をしながら持っていたたこ焼きの箱を開ける
「よ、良かったらどうぞ。妹の子も食べたそうにしてるし」
そう言って持っていたたこ焼きを差し出す彼
悠里はたこ焼きが食べたかったのか、何回も頷く
悠里、本当は彼に会わせるんじゃなくてたこ焼きが食べたかったら呼んだんじゃないわよね?
「悠里…………いいの?貴方のじゃ」
「ボクはもう一箱は食べたし、それにまた買いに行けば良いから。あ、どうせなら温かい方がいいよね、買ってくるよ」
「ジュース!!」
「ゆ、悠里!」
余りの遠慮の無さに、悠里を少し怒ろうとしたときだ
彼は少しだけきょとんとしていたが、直ぐに笑った
「分かったよ、君もジュースでいいよね」
「え?ほ、本当に良いの?」
「うん。怖い思いさせちゃったし、お金は貯めるより使った方が良いしね」
そう言って彼は屋台へと歩いていった
先ほど笑っときの笑顔はとてもだけど、アイツを殺したとは思えないほど優しそうで
そして申し訳なさそうだった
悠里はと言うと、彼から貰ったたこ焼きを遠慮無く食べている
少しすると、彼がたこ焼きと炭酸ジュースと思われるカップを持って来た
「はい、炭酸ジュース。苦手だったら無理しなくても良いから」
そう言ってジュースを渡されるのを受け取る
すると彼は席に座り直したこ焼きを開けて、悠里が少し食べている冷めたたこ焼きを自分の方へと寄せて私たちの前に湯気の立つ温かいたこ焼きを置く
悠里は直ぐに目を輝かせてジュースを飲みながらたこ焼きを食べ始める
「あのさ、あの時はごめんね」
「え?」
「私、あの変なのに追いかけられたりして混乱しちゃって助けてくれた貴方にお礼も言わず、逃げちゃったでしょ」
「そう、ですね…………」
「ごめんなさい」
そう言って頭を下げる
「頭を上げてください、ボクは気にしてませんから。それに、あの状況じゃ仕方ないと思います」
頭を上げると、彼は少しだけ悲しそうな顔をしながら言った
「あなたが怖がるのは仕方ないんです、あんな化物を殺したボクは、同じ化物みたいな物なんですから」
そういう彼の顔は何処か寂しそうに見えた
「あと、さ………ありがとう」
「……………え」
彼がまるで鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔になる
「私さ、悠里に言われるまで貴方の事怖かったの」
「ッ!」
「貴方から逃げて、家に帰ったときさ悠里に言われたんだ。『お姉ちゃんは駄目なことした』って」
彼は思わず悠里の方を見て驚いたような表情をみせる
「それでさ、少ししておもったんだ。私は守って貰ったのに『ありがとう』って言わなかったの。だから、今言わせて。悠里を、妹と私を助けてくれてありがとう」
「お兄さん、私とお姉ちゃんを助けてくれて、ありがとう!」
私がそう言うと悠里が頬にソースを付けながらも笑って言う
そう言われて彼は、その瞳から涙を流した
渡side
「それでさ、少ししておもったんだ。私は守って貰ったのに『ありがとう』って言わなかったの。だから、今言わせて。悠里を、妹と私を助けてくれてありがとう」
「お兄さん、私とお姉ちゃんを助けてくれて、ありがとう!」
『ありがとう』その言葉が胸の中にゆっくりと、ボクの心を温かくしていく
こんなボクでも、化物でもそんな事を言ってくれるんだ
気づくと頬を何かが伝っていた
「えっ!?ちょ、ちょっと?」
姉の方の子が心配そうにボクを見つめてくる
「ご、ごめん!」
そう言ってボクでは目からこぼれた涙を袖で拭う
「えーと、どういたしまして」
取り敢えずそう返す
頭の中の考えが変わっていく
ボクは贖罪の為に戦おうとした
この子達を怖がらせ、一人の犠牲者をだしたアイツらを殺すため
でも今は違う
この町を、新都を冬木を守りたい
化物のボクにありがとうっていってくれるこの人たちを守りたい
これからは、そのためにアイツらと戦う
「そう言えば、私たちって自己紹介してなかったわね。」
取り敢えずたこ焼きを1つ口に運んだ時に姉の方の子がはそう言った
そ、そう言えば自己紹介すらしてなかった
でも、妹の子は悠里って名前なのは話で何度か聞こえてきたので覚えてる
「私は
「ボクは
「どうして疑問系なの?」
「んー?」
「実は───────」
そう言ってボクは薫達に話すことにした
家族に怒られ、家を出ていけと言われて行き場がなくて新都に来て
ずっとアイツらと戦っていた事を話した
「そんなことが………でもきっとその家族の人たち渡の事を心配してると思うよ」
「え?」
士郎やリズ、イリヤやセラさんが?
「私さ、昔に良く約束やぶったりして親に叱られて出てけって言われたことあるんだ」
「薫さんが?」
何だろう、少し想像できないな
「私さ、その言葉を本気にして出ていって。寂しくて公園で泣いてたんだ、そしたらお母さんが泣きながら迎えに来てくれてさ」
「そう、なんだ………」
「だからさ、渡の家族もきっも今頃心配してると思うよ」
「…………そっか」
最後の奴を倒したら、直ぐに冬木に帰ろう
冬木の家に帰って謝ろう、沢山謝ろう
そうすれば許して、家に入れてくれるのかな?
あの後、薫さんとラインの番号を交換して直ぐに勘で奴の所に来ていた
何故かアイツが居た場所はボクが初めて変身した廃工場だった
ボクはこの力でファングで冬木と新都を守る仮面ライダーになる
左翔太郎さん、フィリップことライトさん
貴方方の誇り名乗っていた仮面ライダーの名前を使わせて貰います
「■■■■■■■………」
ボクは腰にロストドライバーを展開し片手にファングメモリを盛った状態でそいつの前に立つ
「いくよ、ファング!」
そう言って左手でメモリモードのファングのボタンを押す
【FANG!】
「変身!!」
左手から右手へとファングメモリを投げ渡し、ロストドライバーに装填する
ベルトから待機音が流れ、ボクは左手でロストドライバーを倒し、右手でファングメモリを展開する
【FANG!】
その音声と共に、ボクの体を中心として嵐が発生しボクを白く変えていく
ボクは変身を完了し、構える
「僕は新都と、冬木を守る仮面ライダー、ファングだ!!」
誓う気持ちでそう叫び、右手でファングメモリの角を一度倒す
【ARM FANG!】
ベルトから獣の雄叫びのような音声と共に右手に真っ白な刃、アームドセイバー通称アームファングが現れる
僕はそのまま敵へと近付き、アームファングを振るう
「やぁ!ハッ!」
「■■■ッ!?」
その攻撃は目の前のアイツをどんどんと相手を切り裂き
続いて何度か爪で引っ掻くように両手を振るい
回し蹴りでアイツを蹴り飛ばす
相手を疲弊させていくが何故かボクは疲れず、力が沸いていた
アイツが爪で引っ掻くようにしてくるのを横に転がって避けてそのままジャンプして蹴り付けて引っ掻いてくるのを止める
「決める!」
ファングメモリの角を三回倒す
【FANG MAXIMUMDRIVE!】
ベルトから獣の叫び声が響き渡り、右足にマキシマムセイバーが現れる
「うぁぁぁぁあ!」
アイツに走り、飛び上がる
「ファングストライザー!」
そしてボクはアイツへとマキシマムセイバーで蹴り付けるように回し蹴りをする
するとアイツにファングメモリと同じ様なデザインのFの文字が浮かび上がり、消えた
久しぶりに冬木の町を歩いている
きっと、凄く怒られるよね
でも仕方ない
謝ろう、必要ならば土下座もしよう
きっとセラさんも薫さんのお父さんやお母さんと同じ様に本気で出ていくと思っていなかったのかも知れないし心配してくれたかもしれない
沢山の電話を無視した
士郎やリズの個人の携帯も、家の電話も
謝ろう
セラさんに、リズに、士郎に、イリヤに
もしかしたら外国にいる母さん達にも迷惑をかけたかもしれない
謝ろう、そして家に入れて貰おう
その気持ちでボクは冬木の衛宮家に戻ってきていた
時間的にも士郎やイリヤは帰ってきている頃だろう
何だろうか、いざ家の扉の前に来て扉を開けずにいる
改めて考えると家に入れて貰えるかもしれないけど、セラさんからの説教は長い時間されそう
そう思うと少し怖くなるな
えぇい!いつまでもウジウジしてちゃ駄目だ!
よし、開ける!
そう思ってドアノブに手を掛けようとしたその時だ
ドアが空いて扉が此方へと押されボク顔にぶつかった
「痛ったい!?」
思わずドアの角が直撃したおでこを押さえつつ、後ろに下がる
取り敢えず空いた玄関には扉を開けた本人とも思われるリズがいた
「………ワタル?」
「いたた………リズ!そ、その………ただいま」
痛むおでこから手を離して、ボクは少し吃りつつもそう言った
すると、リズが動いたのが見えて思わず目を瞑る
恐らくは叫んで怒られるか、頬をぶたれるのだろう
だがいつまでたっても頬に痛みも何もなく、何かに包まれるように抱き締められる
思わず目を開くと、リズが泣きながら抱きついてきていた
いつもなら無表情で余り感情を表にしない
そんな彼女が泣いていた
「り、リズ?」
「心配、したんだよ………」
「ごめん」
そう言っていると、奥の方からセラさんが歩いてきた
心なしかボクを見て怒っているようなそんな気がする
「ワタルさん」
「は、はい………」
「心配、しましたよ。すいませんでしたあんな言葉を言ってしまい」
セラさんが、謝った?
「いや、その………ボクの方こそあの言葉を本気にして出ていって……迷惑かけてごめんなさい」
そう言ってボクは怒られず家に入れられた
士郎は「心配したんだぞ」と少しだけ怒り
イリヤには泣きつかれてしまった
その後、みんなで晩御飯を食べた
久しぶりに皆と食べたご飯は凄く温かくて
美味しかった
久しぶりに自室へと戻ってきたボクは、直ぐにとある曲を投稿した
その曲は、前に投稿した曲から価値観が変わり
この町を、冬木と新都を守れるような仮面ライダーになると言う決意を込めた曲
『ピースサイン』
を投稿した
明日から、またいつもの日常が始まる
学校、頑張らないとな
そう思い、ボクは部屋から外を眺める
今日の夜空は綺麗な星が輝いていた
ご愛読ありがとうございました
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お待ちしています
主人公がFANGであることを家族の誰かにバレた方が良いか?
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アイリ
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リズ
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バレないまま