運命と牙の奏でる協奏曲   作:クレナイハルハ

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~Fの変身/息子だから~

ワタルside

 

 

公園で母さんやイリヤ達と合流した僕は、母さんに話があると言われイリヤ達から少し離れたベンチのある場所へと連れ出された。

 

取り敢えず、ベンチに座ると母さんが僕の隣に座り真剣な目で僕を見つめてくる。やっぱり僕がファングだとバレてしまったのだろうか?

 

「ワタル、どうして電話に出なかったの?」

 

カメバズーカと呼ばれる怪人と戦っていた、なんて本当の事は言える訳がない。気配を感じて調べるために、とっさに口から出た言葉が()()()()()だった。誤魔化すための言葉なんて用意していなかった。すぐに戻ってくるつもりだったから、でも奴らが現れた。

 

戦闘中に通話なんて出られる訳がない、それに僕がファングだとバレてしまう。

 

「ごめん母さん、その……本屋にいたから携帯をマナーモードにしたままで、電話に気づかなかったんだ。」

 

そう言うと母さんは安堵した様子で僕を優しく抱き締めてきた。

 

「かあ、さん?」

 

「良かった。巻き込まれなかったのね。心配、したのよ。ワタルと別れてあんな事があって、もしワタルも巻き込まれていたらって考えて心配で心配で。ありがとうワタル、帰ってきてくれて。」

 

抱き締められ、始めていた気付いた。母さんの体が小さく震えていた、それほどに僕を心配してくれていたなんて、思わなかった。

 

僕はまだ家族として、みんなとの暮らしていて良いんだ。

 

「こっちこそ、ありがとう。心配してくれて」

 

そう言うと母さんはそっと僕を離した。みた感じ元の調子に戻ったように見える。

 

「取り敢えず、そろそろ父さん達の所に戻ろう。イリヤ達も心配してるだろうし」

 

「えぇ、そうね。戻りましょう」

 

そう言ってベンチから立ち上がり、一歩を踏み出し次の瞬間。まるで背中を水滴が伝うかのような感覚と共に頭の中で危険、今すぐ避けろと言う警報が鳴り響く。

 

「母さん!」

 

「キャッ!?」

 

母さんを横へと突き飛ばして母さんを突き飛ばした逆の方へと飛び退くと、先程までボクと母さんがいた場所を何かが地面を削りながら通りすぎた。

 

「母さん!大丈夫!?」

 

「えぇ、ワタルが押してくれたお掛けで避けられたみたい」

 

取り敢えず母さんに怪我がなく安堵し、攻撃の飛んできた方向を見るとそこには両腕にまるでカマキリのような大きな刃を着けているロボットのような怪人がたっていた。

 

「まさか、ヒューマギアまで………」

 

目の前にいる敵はベローサマギア。仮面ライダーゼロワンに現れた敵で、第一話にて仮面ライダーゼロワンに倒されているはずの敵。まさか、ショッカーは怪人だけをこの世界に送り込んでるのか?だとしたらアイツらは大ショッカーじゃなくて財団Xか?

 

とりあえず、母さんを逃がさないと………変身も何も出来ない。でも、母さんを逃げないと言い張るかもしれない。

 

このままじゃ近くにいる士郎やイリヤ達にも危機が及んでしまう。どうすれば………思わず歯食い縛りをギリッと音がなる。

 

「母さん、僕がこいつを引き付ける。だからその間にみんなを連れて逃げて!」

 

「ダメよ!そんな事をしたら……ワタルが逃げなさい!子を守るのは、大人の役目よ。だから、逃げないワタル」

 

逃げるよう促すが、即座に断られてしまう。そしてそう言って僕の肩に手を置く母さんの顔は、まるで僕を安心させるかのように笑っていた。でも、この笑顔はダメだ。僕を逃がしてこの人は死ぬつもりだ。

 

そんな事になったら、更にこの世界が崩れていく。なら、せめて僕が守らないと。

 

僕は母さんの前に出て、ファングメモリをメモリモードで取り出す。

 

【FANG】

 

その音声と共に僕の腰にロストドライバーが現れる腰に巻かれる。

 

「母さん、貴方の息子に慣れて僕は幸せだった。」

 

「ワタル?」

 

もし、この力が原因でこんな事になったのなら僕が戦わないと、責任を取らないと。それに、母さんを守れるなら僕は家を追い出されるような事になったとしても構わない。

 

僕は守るべき家族の為に戦う、仮面ライダーとしての覚悟を決めろ、衛宮 渡。

 

「変身!」

 

ベルトへファングメモリを装填し、展開する。

 

【FANG!】

 

その音声と共に僕の体を嵐が包み、その姿を人から鋭的な見た目の白き獣へと姿を変えていく。

 

「母さんは逃げて………アイツは僕が倒すから」

 

そう言って走り出そうとして、母さんが僕の手を掴んだ。

 

「待って、渡……なのよね?さっき、あの場所で助けてくれたのも、貴方なのよね?」

 

その問いに僕は黙ってうつ向く。

 

「帰ってきて、それからで良いからその姿のこと。説明してね」

 

「………こんな、化け物の力をもつ姿を見ても貴方は僕を息子だと思ってくれるんですか…こんな血に汚れた僕でも」

 

気付けば、僕の声は震えていた。怖いのだ、今まで倒すではなく、殺し続けてきた。化け物の血で汚れている、この手を離される。罵倒される未来が。

 

「アイツを倒したら、後で全部教えて。ワタルが抱えてるもの、私に相談してくれない?」

 

「……はい、母さん」

 

そう言って僕はマギアへと向き直る。早く敵を倒す、敵が機械ならば。そう考えながらマキシマムスロットにアイスエイジのガイアメモリをセットしファングメモリの角を倒す。

 

【ARM FANG ICE AGE】

 

アームドファングの牙を上から氷が覆い、通常のアームファングより大きく、冷気を放つ牙が出来上がる。

 

敵のベローサマギアが放ってくる斬撃にショルダーファングぶつけ、ベローサマギアへと駆ける。獣のように姿勢を低く、駆け跳躍しベローサマギアへとアームファングを装備した腕を振り下ろす。だが両手を交差してその一撃を防ぐベローサマギア、俺は即座に腹部を蹴り込み離れ、さらに接近し腹部を切り裂こうと走る。

 

見れば、先ほどと同じように両腕を交差して攻撃を受け止めようとするベローサマギアが見える。俺は駆け勢いを付けて跳躍しベルトの角を三度倒した。

 

【FANG MAXIMUM DRIVE】

 

体を横へと倒し、回転しながら足に装着されたアームドファングで切り裂こうとベローサマギアへと降下する。通常の必殺技は横に回転する、上も横も受け止められるなら回転して、本体へと斬り付ければ良い。

 

見事、ベローサマギアを切り裂く。するとベローサマギアは爆散し、跡形もなく消えた。戦い終えた僕は、変身を解除し振り替えって母さんへと向かう。

 

「母さん、僕はさ………」

 

そうして僕は話した、今まで自分がしてきた事を。ファングメモリは拾ったと言う事にしてあるから、転生者と言う事はばれない。

 

「そう、そんな事があったのね」

 

「うん、だから父さんや母さん達には黙ってた。僕は、母さん達に怖がられたくない。でも、こんな風になった僕はみんなと一緒に暮らすなんて、きっと出来ないって思って」

 

「渡、あなたが例えどんなになっても、私たちの子供なのよ。だから、私は貴方を怖がったりしない、家から出ていけなんて言わないわ。ありがとう渡、教えてくれて」

 

そう言って抱き締めてくる母さんに、俺は黙った頷いた。

 

この後、ベローサマギアの事を誤魔化し父さん達と合流した。僕の秘密、ファングの姿を母さんに知られた。でも、これでよかった。

 

母さんは僕の事を息子だと、こんなになっても家にいて良いと言ってくれた。少し、気が楽になった。

 

 

 





そろそろ原作に突入しようと思います

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ワタルが00だと告白するのはいつ?

  • 原作前
  • クロエが現れた後

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