遅くなりましたが、仮面ライダーゼロノスのベルトCSM記念と言う事で少し前から書いていたゼロノスのIfを仕上げて参りました
読む前に注意、作者がIfを書く場合はかなりの設定無視
脳内を真っ白にして書いてます
とある工事現場後の採石場にて二つの偉業な存在が戦っていた
赤銅色のアーマーを纏い大きな剣を構えた戦士と紫色のコウモリのような異形
赤銅色のアーマーを纏った戦士はベルトのバックルに挿入したカードを取り出し大きな剣に装填する
すると、その手に持った剣の刃が発光し始める
「ッ!」
その剣が振るわれると大きなA字の斬撃が飛び、異形を切り裂くと
異形は叫び声を上げながら爆散する
戦士は剣を腰にしまいながらその場を後にする
「カードの後の残りは…………『6枚』」
ワタルside
僕はいつも通り録音するために借りた防音のアパートの部屋にて音楽を歌って編集を続けていた
今回は二人でなければ歌えない曲にチャレンジしている
「~~~~♪」
「~~♪」
歌っている曲はDouble-Actionのガンフォームとウラタロスだ
今日はたまたまボクの趣味である00を知るもう一人
………性格には僕の事を覚えてくれている家族に頼んだ
レコーディングが終わり、そのまま録音したデータをパソコンにいれ保存してから
部屋にある唯一の家具である冷蔵庫から持って来た炭酸ジュースをもう一人の妹である少女に渡す
「よし一旦休憩にしよう、クロエちゃん」
「分かったわ。ジュースありがとう、お兄ちゃん」
そう言ってジュースを受けとるのは、褐色の肌に銀髪のイリヤと瓜二つの少女
クロエ・フォン・アインツベルン
そもそも僕が00だと知っているのは彼女がイリヤの兄である士郎を狙って現れたときに、間違えて俺の部屋から侵入した事が始まりだ
休日、僕は部屋にてパソコンに向かい編集をしていた
イリヤ達がクラスカードの回収が終わり
少し平和な時間が流れているが僕はと言うといつも通りリズに怒られたり曲を作ったりすることを繰り返している
僕は一度ヘッドフォンを外し、机の引き出しを引く
そこにはバックルにカードケースの着いた黒と銀を主とした色付けのベルトがあった
僕にはゲームのマスターカセットとは別に、もう1つある転生特典
仮面ライダーゼロノスの全てだった
それは仮面ライダー電王に出てくる2号ライダー、仮面ライダーゼロノスの力だった
ゼロライナーやデネブ、そしてゼロノスベルトとゼロノスカード
仮面ライダーゼロノスに変身するためには、あるカードを使用しなければならない
そのカード変身する度に消滅する
そしてそのカードが消滅すると多くの人達から変身者の記憶だけ欠落して、忘れられる
と言うものだった
僕はこの力を使わないでいた
使いたくなかった、怖かった
でも僕は覚悟を決めてこのカードを使うと決めた
「(デネブ、今のところイマジンはいた?)」
『渡?まだ見付かってないが、どうかしたのか?』
「(なら良かった、今日の所は平和に過ごせそうだね)」
『うん、そうだな。平和が一番だ』
この世界には元々存在しなかった存在、イマジンがいた
恐らくは僕がこの力をもって生まれてきた事によるイレギュラーな事が起こっただろう
だから初めてイマジンを目にしたとき思ったんだ
これは僕が神様からこの力を与えられたときから決まっていた運命なんだろうと
原作を少しでも歪めた僕がカードを使っていけば、皆から僕の記憶が消え、この世界は元の軌道に戻るだろう
そうするば、きっと大丈夫なはずだ
この町の、家の皆を守れるはずだ
「アハハ、何だろうな。胸が痛い」
そう呟き、パソコンの作業に入ろうとして部屋の窓が空いた
直ぐに引き出しを最後まで閉めてベルトを隠す
「よいしょっと」
すると、底から褐色の肌になったイリヤが入ってきた
あ、そう言えば原作だとそろそろクロエが来るんだっけ?
「あ」
「ん?」
少女がそう呟いて困惑する様子に思わず頭を傾げる、もしかしたらこの子
士郎の所もしくは部屋に行きたかったのだろうか?
「え、えーと………士郎なら一階の居間にいるよ。」
そう言って僕は再びパソコンに向かうことにした
そう言えば、クロエは僕に関わってくることはないだろうから
そうしてパソコンの作曲を終えていたファイルを開き先程に作った曲を試し聞きする
聞くのは、永遠のクレイドル
ヘッドフォンの中で大きな音と共に静かに燃え上がる炎のような歌が響き渡る
これを聞くたび、僕は少しだけ悲しく感じてしまう
まるで、この先でゼロノスカードを使い続けた最後のようで
そう考え、頭を振ってその考えを消す
ふと後ろを見ると、何故な僕のベットに座って此方を見たままのクロエがいた
士郎の所に行くんじゃ?
そう思いヘッドフォンを外し、口を開く
「あれ、士郎に用事じゃなかったの?」
「そ、そうだけど…………」
「?」
何だろう、原作だとイリヤの立場を狙ったクロエが士郎とイチャイチャしているはずなんだけど
もしかして、僕のパソコン………正確にさ作っている曲に興味がある、とか?
「えっと、もしかしてこれに興味があるの?」
そう言いながらパソコンを指差す
するとクロエが黙って頷く
もしかしたら、また僕は原作を変えてしまったのかな?
「良かったら聞いてみる?」
そう言ってヘッドフォンを差し出すと、クロエは少し戸惑いながらそれを受け取ると頭に被ったのでマウスを操作して音楽を流す
すると、クロエはめを閉じて静かに聞き始めた
もしかしたらクロエは、僕の曲を好きになってくれるかもしれない
そう考えると僕は少し嬉しくなった
そうだ、もう使ってないし
そう思い、パソコンを操作し今彼女に聞いてもらっている曲の他に彼女の好きそうな曲をピックアップしてパソコンに指しているもう使わないメモリー保存カードにコピーし、僕が中学まで使っていた音楽を聞くための器機、赤と黒の配色のMP4擬きに挿入する
このカラーを選んだのは、ゼロノスのゼロフォームのカラーリングからだ
そして、充電用にモバイルバッテリーとイヤホンを用意していたタイミングで下からイリヤが帰って来た声が聞こえた
恐らくはクロエの事を警戒したイリヤが何時もより早く帰ってきたのだろう
だが、士郎の元にクロエはいない
今、僕の隣で僕の作った曲を聞いてるから
そして次に探すとしたら僕の部屋
僕はそのMP4をクロエの肩を叩いてヘッドフォンを外させる
「何よ、せっかく良い所だったのに……ッ!?」
クロエはヘッドフォンを取ると直ぐに状況を把握したのか、顔を少しだけ歪める
僕は簡単にMP4の使い方の説明し、MP4を渡す
「こ、これ」
「あげるよ。さっきの曲も入ってるから」
そう言うと困惑した様子のクロエは入ってきた窓から外へと出ていく
僕はそのまま窓の縁に手を乗せて空を眺める
こうすればいつも窓が空いていないのに、空いている理由になる
すると階段を駆け上がる音と共にドアが開く
振り替えると、少し焦った様子のイリヤが入ってきていた
「ワタルお兄ちゃん!ここに私が……いない?」
「ん?どうかした?」
そう言って何もなかったように訪ねる
「ワタルお兄ちゃん、さっきここに私が居なかった?」
「イリヤどうしたの?さっき帰ってきたばかりなのに、ここにイリヤが居るわけないよ」
「そ、そっか………なら良いんだけど」
そう言ってイリヤが部屋を出ていくのを見届けて、僕は息を付く
「ふぅ、これで大丈夫そうかな」
『ワタル!イマジンだ!!』
「今すぐに行く!!」
そう言いながら机の引き出しからゼロノスベルトを取り出して腰に巻き、巻いたベルトを上着で隠し、靴を履いて家を出る
カードの残りなんて気にしちゃ駄目だ!
僕は通路を走りながら、ゼロノスベルトの脇に着いたチケットホルダーから赤いゼロノスカードを取り出してチェンジレバーを押してスライドする
すると、ベルトから笛のような待機音が流れ出す
「変身!」
そう言ってたカードスロットに赤いゼロノスカードをカードスロットに差し込むとベルトが自動的に反対側へと移動し、ベルトの中央部が変形しアプセットを完了する
音声と共に僕のフリーエネルギーが変換され、赤いゼロノスへ
仮面ライダーゼロノス ゼロフォームに変身した
side out
その日、クロエ・フォン・アインツベルンとなるはずの少女は目の前にはとても異形な光景が広がっていた
赤く、何処か錆ついた鉄のような色の鎧を来た何かが化け物のような姿の敵へと大きな剣を振るい戦っている
時には剣を逆手に持って切付け、殴り
蹴りつける
そんな荒々しく見える戦いを少女は息を殺して観察していた
あのような物を見たことが無いために、生まれた好奇心がそうさせた
あの赤錆色の何か、時折聞こえる声から男だと思える
すると、赤錆色の何かが腰に身に付けたベルトを操作する
赤錆色のベルトから音声がなり、何かは持つ剣にカードを差し込むと
刃が淡く光りだす
そして何かがその剣を振るうとAのように見える斬撃が飛び、怪物を貫き怪物は叫び声を上げながら爆発した
魔術とはまた違ったもう1つの世界を見た
少女にはそう感じられた
すると、赤錆色の男性と思われる何かがベルトからカードを抜き取ると赤錆色の鎧や仮面が崩れていき
現れたのは、今日知ったばかりの男
自信の兄の1人である、衛宮 渡だった
「!?」
少女は驚愕した
先程会った時は少し幸薄で優しそうな笑顔を浮かべていたはずの彼が
とてもだが先程までのような荒々しい戦闘をしていたとは思えなかった
そして彼が持っていたカードがまるで役目を終えたかの用に砕け散って消えた
彼はそれをとても悲しそうに、苦しそうに見ていた
『ワタル………』
すると先程の怪物と似た黒い化け物が現れ彼へと近付いていく
「デネブ、もう終わったし帰ろう」
そう言って歩き去ろうとする彼
まるで何かを我慢しているようにも見える
『ワタル…もう、これ以上カードは使わない方が良い』
まるで、怪物が優しく諭すように話しかけている
見た限りは仲間なのだろうか
それにしてもあのデネブと呼ばれる化け物が言っていた事からあのカードに何か特別な力があるのだろうかと少女は考察する
「駄目だよ、これが僕にとってのやらなきゃいけない事だから。もし皆から僕と言う存在が忘れ去られて、消滅するとしても。それに消滅した方がきっとこの世界には良いんだ、正しい原作の通りに物語が進んでいくんだから」
『ワタル………』
どう言うことだろうか?
少女の思考が追い付かない
なんで彼が消滅する?そもそも原作ってなに?
「ねぇデネブ、今日は誰から忘れられたんだろうね」
『………分からない』
彼らの会話から、あのカードを使うことで誰かの記憶から衛宮渡の記憶が消える
そして全ての人から忘れ去られたら消滅する
と言う考えが少女の中で組まれていく
「残りのカードは5枚。変身出来るのは後五回しかないのか……」
その後、彼らは空中から現れた黒い列車に乗り込み、その場から去っていくのを
少女はただ見つめていた
ワタルside
クロエが僕の部屋に侵入した日から数日
イマジンとの闘いも終わりに近付きつつある
あれから更にカードは消費差され、残りは三枚
もう、家族の皆しか僕の事を覚えている人はいない
孤児院の院長も学校のクラスのみんなも
先生達も町の人も、悠里ちゃんも薫ちゃんも
僕の事を覚えていない
でも、きっとそれで良いんだ
僕と言うイレギュラーな存在が消えれば世界は元通りでイマジンもいない元の世界へと変わっていく
そうなるまでに、出来るだけ僕がいたことを残したいと思い
最近は曲を作っては投稿する活動を
完成したら直ぐに投稿し一日に何個も投稿している
一日に何曲も投稿するため、ネットでは00に関する考察や様々な噂が立っているけど
そこは目を瞑れば良いか
そう思いながらパソコンを操作していた
その時だ、ドアをノックする音が聞こえパソコンの画面の端の時計を見る
いつの間にか晩御飯の時間に成っていた
「今いくよ!」
そう言いながらパソコンを閉じて下に降りて行くといつの間にか帰ってきていたのか母さんがいた
そして隣には見たことのある褐色の肌にイリヤとそっくりな少女が席に座っていた
「ワタル!紹介するわ、今日から一緒に住むことになった従姉妹のクロエちゃんよ、仲良くして上げてね!」
母さんの紹介に少し驚いたけど、確かに原作だとこうなってたな
「初めまして、かな?衛宮渡。よろしくね」
取り敢えず、あの時に会っていた事は恐らくは知られたくないだろうし
目線を会わせるようにしゃがみ、そう挨拶する
「よろしくね?ワタルお兄ちゃん?」
そう言いながらクロエちゃんが僕に抱き付いてくる
「「なっ!?」」
その様子にイリヤとセラが目を見開き、そしてセラの目が鋭くなる
この後に起こるであろう事が安易に想像できた
あぁ、これはきっと怒られるんだろうなぁ
これは二時間正座コース……母さんがいるからワンチャン何も無い事を祈りたい
そう思いながら取り敢えずクロエの頭を撫でておく
どうせ直ぐに引き離されるんだし、これぐらいは許されるよね
恐らくは皆が眠り、静まった頃
僕はパソコンを行う手を止めて、部屋にある望遠鏡で星を見ていた
星を見ることは、前世から好きだったわけではないけど、仮面ライダーゼロノスの変身者である桜井さんの事を思い浮かべてこれを買ってから
たまにこうして窓を開けて、そこから望遠鏡を覗いて星を眺めていくうちに、星を見ることが好きになった
静かな夜に夏は虫達の鳴き声を聴きながてらゆったりと星を眺めたり、作った曲を聞い黄昏れてみたり
そんな時間は僕にとってとても大切なものに成っていた
「今日は星が綺麗だな………」
「そうね、お兄ちゃん」
「っ!?」
近くから聞こえてきた僕以外の声に、僕は望遠鏡から目を離すと僕のベットの上にクロエが座っていた
「いつの間に………」
「お兄ちゃんが望遠鏡を除き始めた辺りかしら」
自信の気配察知能力の低さに思わず空を仰ぐ
「ワタルお兄ちゃん、もう少し鍵閉めたりした方が良いわよ?じゃないと私みたいに簡単に侵入されちゃうわ」
「そ、そっか。イリヤ達と寝たんじゃ無かったの?」
「お兄ちゃんと離したくて、こっそり抜け出してきたの」
「僕と?」
そう言うとクロエちゃんは黙って頷く
「お兄ちゃん、まずはこれなんだけど」
そう言ってクロエが取り出したのは僕のあげたMP4とイヤホン、そしてモバイルバッテリーだった
「ありがとう。あの時にくれたこれに入ってた曲、全部聞いたわ」
「どうだった?」
「とても良い曲だったわ、さすが
……………え?
「な、なんの事?あれは」
「00、でしょ?ママが教えてくれたわ。他の人には秘密だって」
母さん本当に秘密だって理解してるのかな?
せっかく今まで士郎やイリヤ、セラさんに父さんに隠してきたのに
「それに、前にお兄ちゃんがアニメ会社のビルに入ってくの見たし」
え?それって確か少し前に新作のアニメのオープニングを仕上げて打ち合わせに行ったときのこと?
いつの間に見られたんだろ?
たぶん、イリヤが学校にいる間は原作だとイタズラしまくってたし
だとしたらこのミュージックプレイヤーをあげた後?
「た、頼むから他の皆には言わないでよね?一応、秘密だから」
「えぇ、分かってるわ」
その返事を聞き、一息付く
これで僕が00だとばれることはない
「ねぇ、お兄ちゃん」
そう言ってクロエは僕の座る椅子に近付き、僕の目を見据え口を開いた
「
「……………」
目の前が、頭の中が真っ白になる
今、彼女はなんと言った?
原作、確かにそう言ったように聞こえた
何時だ?何時聞かれた?
「何の事かな?」
うるさい鼓動を無視し、どうにかいつと通りに答える
「嘘、前に変な化け物と闘ってるの見たわ。貴方は何者なの?」
そう言ってクロエがその手に真っ白な剣と真っ黒な剣
干将莫邪を投影し、僕へと向けた
思わず嫌な汗が流れる
彼女のようすから拒否権は無いのだと感じられる
「何者って、衛宮 渡。そうとしか言えないよ」
もし、彼女に原作について話したら全てが壊れる
それだけは阻止しないと
最悪の場合はゼロノスについて話す
それだけなら大丈夫だ
「あの鎧は?」
クロエちゃんは剣を構えたまま身動きせずに僕を見据えている
「あれは………ゼロノス。時を守護する為の鎧見たいな物」
「あの化け物は?」
「あいつらはイマジンって言う怪人だよ」
でも、彼らが未来からやって来た人間の精神対なんて言えない
「なるほど、で?ワタルお兄ちゃんはなんで、そのイマジン?って奴と闘ってたの?」
「あいつらは
「ふーん………契約に過去の改竄、ね。ずいぶんと夢のような話なのね」
そう言っても直此方へと剣を向けるクロエちゃん
「ねぇ、そのゼロノス?を今使ってみて」
「…………なんで?」
「一応、ちゃんとこの目で確かめたいし。信じるにはまず、見せて貰わないと」
無理だ、残されたカードは三枚
こんな事に使うわけにはいかない
もう家族以外で僕を覚えている人はいない
次カードを使ったら、家族の誰から忘れられるのかわからない
リズかもしれないし、士郎かもしれない
カードを使う覚悟も、闘う加護もある
でも、こんなことで使うわけには………いかない
「出来ない」
「何故?」
見た限り、クロエの剣を握る力が強くなった気がした
「使う、わけにはいかないんだ。もう、あと3回しか変身出来ないから」
「何で、あと3回なの?」
「使うための、残りのカードが三枚しかないから」
もう、これ以上聞かないでくれ
そう思いながらも説明を行う
「ふーん、そのカードで増やせないの?」
「……出来ない」
「ねぇ、そのゼロノスには何か代償があるんじゃないかしら」
その発言に思わず目を見開いてしまう
「ズボシ、ね?早く、その代償について話してくれるかしら?話さないなら、この事を士郎やイリヤに話すわ」
もう、隠すことは出来ない
せめて、クロエが秘密にさえしてくれれば士郎やイリヤ、リズ達にバレない
「あのカードを使って変身する度に、僕と関わりの深い人の誰かかから僕の記憶だけ消えるんだ」
「………………え」
その言葉が理解出来たのか、クロエちゃんはその手から干将莫邪を床に落とした
side out
クロエside
クロエにとって渡への質問はただの好奇心だった
少し脅せば、教えてくれるとそう思いながら
でも、彼から出てきた言葉はそんな行動を起こした私を後悔の海へと突き落とした
ゼロノス、彼の言うその力を行使する事に誰かから忘れ去られる
それはどれ程の悲しさを、苦しさを味わうのか想像する事すら恐ろしい
自分の好きな人が、友達が、家族が
自分の事を忘れ、自分しか家族であること
友だちである事を覚えていない
相手にとって自分は他人となる
だが、そこから先はどうなるのだろうか
「ね、ねぇ……もし、もしよ?カードを全て使ったらどうなるの?」
そんな考えからそう口を紡ぎ、帰ってきたのは
「カードを使いきると、僕の時間が消滅して………僕も消滅する」
そんな、少女の考えた消滅と言う
出来るなら間違っていて欲しいと言う考えは
直ぐにでも消えてしまいそうな声で肯定された
「いや…………」
クロエにとって、恋と言う物はイリヤと同じ衛宮士郎への物だった
「イヤ……」
だが、それは変わった
後から考えてわかったのだ、ほとんどの人は自分をイリヤと間違えるのに対し彼だけはクロエを1人の少女として認識していた
彼から聞かせて貰ったパソコンの曲の数々
そして、曲を気に入った私に対してミュージックプレイヤーを渡してくれた
それから、少女の思いは士郎から渡へと変わっていた
それからは驚きの連続だった
渡が家での怒られる数の多い事、渡が有名な曲の作者である00であること、渡が魔術の存在を家での唯一知らないこと
でも、渡は魔術とは違うもう1つの何かと闘っていた事
そんな彼が、誰よりも普通で
優しいくて、理不尽に怒られる彼が消滅する
「消えないで、お願い………お願い」
気付けば、少女の瞳からは涙が流れていた
side out
ワタルside
僕の目の前では、クロエちゃんがきれいな顔を歪め涙を流していた
分かってはいた
ゼロノスカードの説明をすれば、このような反応をするのだと分かっていた
だから僕はクロエちゃんを抱き締めて落ち着かせることも、涙を拭うことも許されない
泣かせたのは僕で、消えないでと言う願いも聞き届けることは出来ないのだから
これは、ゼロノスの力を得た本来ならあり得ない存在のせいで
原作を少しでも歪めた
罪人である僕の償い
「泣かないで。消えない………なんて言えない。でも僕は今ここにいて、クロエちゃんは僕を覚えている」
そう言って僕は彼女の頭を撫でる
「ごめんね」
クロエちゃんは涙を流したまま、僕に抱きついてきた
「ごめんね、ごめんね」
そう言って僕はひたすら彼女に謝罪した
これがクロエちゃんが僕が00であること、ゼロノスである事を知るきっかけだった
残りのカードは三枚のまま数日、こうして僕とクロエは一緒に曲をレコーディングしていた
「ワタルお兄ちゃんは」
「ん?」
「なんでこんなふうに曲を作るのが好きになったの?」
「僕ってさ、音楽が好きなんだ。夜中に星を見るのと同じくらい。こんな僕でも世の中に残すことが出来るものって何だろうって思ってさ、それで曲ならずっとその会社が続く限りはネットに残る。沢山の人に僕の音楽を知って、覚えていて欲しいから」
「そっか」
「そうだ、クロエちゃんに渡そうと思ってた物があるんだ」
そう言って僕は部屋に買って置いておいた箱を開けて二つのネックレスのようなデザインの小さな懐中時計を取り出し、クロエちゃんの首に掛ける
「何これ?」
「懐中時計、特注でつくって貰ったんだ」
そう言って僕は懐中時計の裏を見せる
そこには夜空を思わせる暗い青の背景に『
クロエの首に着けた懐中時計の裏には、同じく夜空を思わせる暗い青の配色の中に
ゼロノスと言えば未来の桜井さんの残した懐中時計
そしてゼロノスのフォームは星座の名前だからこの二つの星座を選んだ
本当なら僕がアルタイルなのだろうけど
僕はどちらかと言うと音楽関連が強いから琴座のベガ
原作でのクロエちゃんの闘い方やFGOの宝具、アーチャーエミヤのスキルである『鷹の目』から鷲座のアルタイルを選んだ
「何で鷲座と琴座?」
「ゼロノスの鎧は変形して別の鎧になるんだけど。その時の鎧の形態の名前をそれぞれアルタイル、ベガ、ゼロと言うんだ。ゼロ以外は星座がモチーフだから」
そう言って自分の懐中時計を首から下げる
「そう、なんだ。大切にするわ」
「ありがとう、イリヤや士郎達には秘密だよ?」
そう言って首から下げた状態の時計を服の中に入れ、回りから隠す
何故かクロエちゃんも同じようにする
なんだかんだ、結構クロエちゃんとは良く一緒にいるな
新都に買い物に行くときも着い来てたっけ?
その時だ
『ワタル!イマジンだ!!』
デネブの声が頭の中に響き渡り、僕は直ぐに気持ちを切り替える
「ワタルお兄ちゃん?」
「ごめん、少し行ってくる」
「何処にいくの?」
「大丈夫、直ぐに戻るから」
そう言って笑い掛け、借りてた部屋を出ると同時にベルトを腰に巻く
カードケースから一枚のカードを取り出す
『ワタル…………』
デネブ、これは仕方ないんだ
これが原作を歪めた僕に出来る唯一の贖罪だから
そう思いながらも、僕は赤いカードをベルとへと差し込んだ
カチ、カチ、カチ、カチ、カチ………カ
海外で、一人の男性がふと空を見上げた
「キリツグ?どうしたの?」
「いや、何でもないよ」
男性はそう言って男性を心配そうに見つめる銀髪の女性に笑い掛ける
「少し、家のみんなの事を考えていてたんだ」
「大丈夫よ、セラとリズもいるし。イリヤもクロエもシローやワタルがいるから大丈夫よ」
「そうだね………所でアイリ」
「何?キリツグ」
「さっき言ってた“ワタル”って、
何処にでもある普通の日常
「はぁ、リズ。少しは働いたらどうですか?」
「セラが全部やるからやることない」
「だからってだらだらテレビばかり見るのはどうなんですか!」
「ただいま~!あれ?まだクロは帰ってないんだ?」
「お帰りなさいませ、イリヤさん」
「お帰りー」
「セラ!今日の晩御飯って何?」
「今日はカレーライスですよ」
「カレーライス、ワタルお兄ちゃんが喜ぶね。リズ」
「ん、ワタルが好きな物にしたんだねセラ」
「はい?」
「え?」
「え?」
「リズ、イリヤさんつかぬことを聞きますが……………“ワタル”とは誰の事ですか?」
あの後、デネブから僕のいるこの世界に存在する残りのイマジンが2体だと言うことが分かった
他の世界、こんな言い方は編だけど正しい世界の方に大量に出現したイマジンは本物の電王達が片付けているため、僕は残りのイマジンを倒せば良いらしい
僕はゼロライナーから降りて借りている部屋のクロエちゃんを迎えに行き、そのまま二人で家に帰っていた
クロエちゃんの記憶から僕は消えていない
なら、一体誰の記憶が消えた?
士郎か?イリヤか?それともリズか?
そんなことを考えながら家の玄関へと入った
「ただいま~」
「ただいま」
「お帰りワタル、クロエも」
そう言って靴を脱いでいると、リズが迎えてくれた
「そう言えば、さっきセラが可笑しかった。まるでワタルの事を知らないみたいで、今もワタルの事を覚えてないって言うの」
その言葉を聞き、僕はセラから僕の記憶が欠落したのだと知った
「そっか、まぁ僕は気にしないし大丈夫だよ」
隣に立っていたクロエがハッとした様子で僕を見る
きっと、僕が以前に説明したカードの内容を思い出したのだろう
すると手に持っていた僕の携帯が震え、画面には母さんの名前があった
携帯を操作して耳に当てる
「もしもし、どうしたの母さん?」
『ワタル?聞いてよ、キリツグったらワタルの事をまるで知らないみたいな事を言うのよ!』
その言葉で、また理解した
あのカードで記憶が欠落したのは、セラさんと父さんだと言うことを
『全く、息子の事を忘れるなんて。ちょっと説教してくるわ!』
それと同時に、前まで家族であった人が他人になる
と言う怖さを、僕は改めて知った
「う、うん。じゃあね、母さん。いつも、本当にありがとね」
そう言って僕は通話を切った
「ワタルお兄ちゃん………もしかしてカードを」
「うん、セラと父さんの記憶が欠落したみたい」
そう言って僕は自分の部屋へと向かう
部屋に入って鍵を掛けて、机に座り頭を回す
確かゼロノスカードは僕と関わりの浅い人から深い人へと消えていく
今回は僕があまり話さない父さんと、セラさんの記憶が欠落した
だとしたら次は誰だ
次に僕と関わりの深い家族は?
もし士郎やアイリさん、リズから消えたら僕のことを知るのはクロエちゃんとイリヤだけ
その場合、他人だと感じるあの人たちは僕を家に入れることはないと考えられる
なら、今のうちに部屋の荷物は誰かにあげるか
ゼロライナーか借りてる部屋のどちらかに移す方が良いな
そんなことを考えながら、部屋の中を見回す
次のイマジンがいつ来るのかは分からない
いつカードを使って、皆から記憶が消えても大丈夫なように、荷物は用意しておこう
まず、机にセットされたパソコンは使っていたデータをコピーしてノートパソコンに移し
リュックの中に入れた後、デスクパソコンのデータを消去する
これからはノートパソコンを使うことがメインになりそうだ
CDは部屋に残しておこう
そう思いながらリュックの中に大事な物を移していく
望遠鏡は、大きすぎで運べないかな
学校の教科書も残しておこう
考えてみれば母さんやリズが忘れたら、学校にも行けなくなる
今の内に書類だけでも用意しておこう
他には必要な物は、そう考えて机の上に飾られた写真を見る
少し前に海に行ったときに撮った士郎、僕、イリヤ、クロエちゃん、美遊ちゃんが映った写真が写真立に飾られている
僕はその写真立を大事にリュックの中に入れる
ほとんどの荷物をリュックに纏め終え、僕は残しておいたノートパソコンを取り出して二つの曲を作曲する
片方はゼロノスを表す曲、もう1つはこの原作へ、そしてクロエちゃん達へと残した忘れ去られるであろう曲
その二曲を作りあげていく
この二曲は投稿するつもりはない、どちらもクロエちゃんに上げたミュージックプレイヤーにのみ残す
もし、僕が消えてもクロエちゃんのミュージックプレイヤーに残る
00ではなく、衛宮渡としての歌を
「ワタルお兄ちゃん、ご飯だってー!」
「わかったよ」
ノックと共にイリヤの声が聞こえ、僕は返事をしてパソコンを閉じて、部屋を出た
晩御飯を終えて、僕はクロエちゃんのミュージックプレイヤーを貸して貰いさっきの二曲を入れていた
さっきのご飯ではずっとセラさんが僕の事を警戒していた
当たり前か、まるで知らない人が急に元々いた家族だと言って信じられる方が可笑しいだろう
そう考えているとダウンロードが終わり、パソコンからプレイヤーを外す
その時だ
『ワタル、イマジンだ!!』
「ッ!?まさか1日で二体も現れるなんて!」
デネブの声を聞き、僕は机からゼロノスベルトを取り出して腰に巻き
先程準備していたリュックを持って急いで部屋を出て外に出る
すると家の外にゼロライナーが停車していた
「ワタル!こっちだ!」
ゼロライナーの入り口からデネブがそう言って手を振っている方へと走り、ゼロライナーに乗る
「デネブ、リュックは部屋にお願い。直ぐにイマジンの所に!」
「分かった!」
そう言った瞬間にゼロライナーは鼓笛を上げて発車した
side out
クロエside
クロエとイリヤは突如として大急ぎで荷物を抱えて部屋を出ていくワタルの事を見ていた
「ねぇ、クロ。さっきワタルお兄ちゃんが急いで出ていったけど、どうしたのかな」
「さあ?いつも通り、買い物かコンビニじゃないかしら?」
クロエはどうにか普通を装い、イリヤの問いにそう返した
クロエは彼が駆け出していった理由を知っている
そしてその後に彼の受ける代償も
先程帰ってきて、その代償は想像以上に恐ろしいものだと実感した
彼の事をつい昨日までは少し怒りながらも家族として接していたはずのセラが
まるで他人のように接しているようだった
彼の言っていたカードの残りは三枚だった
だが昼に出ていったときに1枚、そして今から出て戦い2枚使ったことになる
だとしたら、残りは
「一枚、だけ」
それは少女達の何れかから、彼を忘れる物がでてくると言う事
もし、自分が彼の事を忘れたら
そう考えると、少女の心には不安と焦りが生まれた
故に、イリヤと共に渡を追いかけ外へと出た
家の前には大きな黒と金の列車が停車しており、入り口と思われる場所に渡が乗り込んだのが見える
「なにこれぇえええええーーーー!?」
イリヤが驚きのあまり、大声を上げた瞬間に鼓笛がなり、ゆっくりと列車が動き出す
「追うよ!」
「え、えぇ」
転身して列車を飛んで追いかけるイリヤ、私もアーチャーのクラスカードをインクルードすると列車を追い、駆け出した
列車は少し走ると、新都の広場へと向かう
先回りした少女達が見たのは
そしてそこには銀色の鎧を纏ったライオンのような化け物が立っている姿
「何あれ……ここ鏡面世界じゃないよね?」
化け物の存在に思わず恐怖の声を漏らすイリヤ
「えぇ、そのはずよ」
一方クロエは頭の中で以前に渡が言っていたイマジンだと予測を立てていた
すると先程の黒と金の列車がライオンのような化け物の前を通りすぎると、そこには黒いベルトのような物を腰に巻いている渡の姿があった
「え、ワタルお兄ちゃん?」
あくまでも遠くから見ているため、ワタルは私たちに気付いていない
『………私の邪魔をするな』
「悪いけど、それは出来ない。お前はここで倒す、みんなの未来を壊させない」
そう言ってワタルは腰に着けたベルトを操作する
すると渡からまるでさっきの黒と金の電車のような音楽が聞こえ始め、腰のホルダーからあの赤いカードを取り出し、ベルトへと装填した
次の瞬間、ベルトから音声が流れ渡の体を赤い錆のような色のアーマーを纏う
そして頭の仮面に二匹の牛が電車のレールのような場所を伝って両目付近まで来ると、変形しあの時にみた同じ顔となった
「なに、あれ………」
隣のイリヤから驚愕の声が聞こえ、それと同時に渡は腰に着いた二つの何かを合わせ、1つの剣にする
ライオンのような化け物が口から炎を吐き出すが、渡はその炎を切り払いながら接近し
その鎧へと切付ける
だが、その鎧は頑丈でその剣を切付けられているライオンのような化け物はまるでその程度かと言うように身動きを取らない
「ッ!?」
『この程度か、フンッ!』
「ガッ!?」
そう言って化け物が渡お兄ちゃんを遠くへと突き飛ばす
渡お兄ちゃんはどうにか剣を持ったまま吹き飛ばされるが直ぐに起きあがると、ライオンのような化け物へと向かっていく
ワタルお兄ちゃんはずっとあのライオンの化け物に少しずつ押されていく
私は何度も吹き飛ばされ、殴られるお兄ちゃんを見てられなかった
何時もの弓を投影し、カラドボルグをつがえる
「クロ、何を」
「ワタルお兄ちゃん助ける………このままじゃ劣勢のままよ!」
そう言って弓の弦を引き絞る
そして倒れて苦しむワタルお兄ちゃんへとゆっくりと歩いていくライオンの化け物へとカラドボルグを放った
side out
ワタルside
正直、相手が強いことは分かっていた
アルビノレオイマジン、仮面ライダー電王にて現れた強敵
野上良太郎こと仮面ライダー電王
ユウトの変身する仮面ライダーゼロノス
謎の男、桜井さんこと仮面ライダーゼロノス
この三人によって倒されたが、桜井さんが来るまで二人で挑んでも勝てなかった相手に
僕は1人で挑んでいる
そんな勝敗、簡単に想像できる
先程殴られ、まるで骨が折れたかのような錯覚をする痛みに苦しんでいた
どうにかゼロガッシャーを手に持っているものの、余りの痛みで起き上がれないでいた
そんな中で、アルビノレオイマジンはゆっくりと僕へと向かってくる
その時だ、まるで空気を裂くような音が聞こえた
『グッ!?』
それと同時にアルビノレオイマジンの鎧に火花が散る
一体、何が起こった
そう思いながらも、どうにか立ち上がる
そしてアルビノレオイマジンの見つめる先を見る
電仮面、最大で5km先の人の顔を見分けることが出来るレッドブルズスキャンアイにより見えたのは転身したイリヤと弓を此方
性格にはアルビノレオイマジンへと向けたクロエちゃんの姿だった
なんで、なんでここにイリヤとクロエちゃんが!?
思わず驚愕し思考が停止する
『フン……随分と弱そうな助っ人だな』
そう言ってアルビノレオイマジンが彼女の方を向く
そこから先は簡単に想像出来る
奴はクロエちゃん達へと炎を吐くつもりだと
そんなことは絶対にさせない
足に力を入れて、立ち上がりレオアルビノイマジンへと剣を振り下ろす
そして鎧に当たった瞬間に剣を引きながらバックステップすると後ろからデネブが走ってくるのが見えた
「ワタル!」
「デネブ!来い!!」
そう言いながらゼロガッシャーを二つに分けて腰に付けなおす
デネブが此方まで駆けてくると途中で変形し、大きなガトリング銃のような武器
デネビックバスターとなる
デネビックバスターを受け取り、即座にデネビックバスターの銃口をレオアルビノイマジンへと向けて引き金を引く
「ハッ!」
光弾が連続で発射され、アルビノレオイマジンを怯ませる
「二人とも離れてて!」
そう言いながら再び光弾を連続で放ちながらアルビノレオイマジンへと近付き、そのままデネビックバスターで殴り付ける
『グゥ!』
「このまま一気に決める!」
そう言いながら、ベルトのフルチャージスイッチを押しベルトから抜き取りデネビックバスターのガッシャースロットに差し込む
そして銃口をレオアルビノイマジンへと向けて引き金を引いた
それと共にデネビックバスターの銃口からビーム、バスターノヴァが放たれアルビノレオイマジンは爆散した
やっと戦い終わったと、そう思っているとイリヤとクロエちゃんが此方へと向かってくるのが見えた
デネビックバスターからカードを引き抜く
するとデネビックバスターが浮かび上がり、空中で元の姿に戻る
僕はベルトを外すと纏っていたアーマーが消え、手に持っていたゼロノスカードは砕け散るようにして消えた
まだあの二人が此方へと飛んでくるのを見るに、二枚目のカードで記憶が消えたのはクロエとイリヤじゃないことが分かった
だとしたら、もう分かっている
きっと、他の家族の皆はもう、僕の事を忘れているのだろう
もう帰れない、帰る場所が無くなった
「デネブ、ゼロライナーをお願い」
『分かった』
そう言ってデネブがゼロライナーが停車している場所へと向かう
そんな中、僕は背中から聞こえてきた足音の主へと振り返る
そこには辛そうな表情をしたクロエちゃんと、驚いたのか興奮しているイリヤがいた
「お兄ちゃん!さっきの何!?まるで休みの日にやってる特撮みたいだったよ!」
「ワタルお兄ちゃん…………」
「クロエちゃんだよね?さっきの、助けてくれてありがとう。でも、どうしてここに?」
「い、いっつも何処かに出掛けていって何も教えてくれないから気になって……」
「そっか………」
なるほどな、イリヤが僕を付けて来ちゃったのをクロエが一緒に来た訳か
さて…………言わないとな、せめて覚えてくれている二人には
「二人とも、今まで本当にありがとう」
「え?」
「イリヤ、今まで君の兄として過ごせて幸せだった。士郎によろしく頼むね」
そう言って笑いながらイリヤの頭を撫でる
イリヤは不思議そうに首を傾げ、クロエちゃんは意味が分かったのか、その瞳から涙を流し始めた
「クロエちゃん、今まで君の兄として過ごせて楽しかった。僕の音楽を好きになってくれて、ありがとう」
「…………止めて、お願い」
「二人とも、僕の部屋の物は好きに使って良いよ。でも望遠鏡だけはクロエちゃんに貰って欲しい」
「ワタルお兄ちゃん?どうしてさっきからそんなことを言うの?帰るんだよね?一緒に、私たちの家に」
さすがにここまで言うと、イリヤも可笑しいのを感じたのか不安そうな顔を此方へと向ける
「ごめん、二人とも。僕はもうその家族の中にはいない」
「え?」
「元気でねクロエちゃん、そしてイリヤ」
そう言って僕は彼女らに背を向けて、少し先に停車しているゼロライナーへと向かい乗り込む
「まって、まってよ!!お兄ちゃん!!」
そんな声が扉を閉める音と共に遮られた
入り口の近くには心配そうに僕を見てくるデネブがいた
「これで、良いんだ。デネブ、ゼロライナーを出してくれ」
『あぁ』
鼓笛が鳴り響き、ゼロライナーがゆっくりと進んでいく
カチ、カチ、カチ、カチ、カチ………カ
海外のお土産売り場、1人の女性が様々なお土産商品を眺めていた
「あら?」
ふと女性は手に持ったメモを確認する
シロウ、イリヤ、クロエ、 、リズ、セラ
「シロウには木刀を買ったし、イリヤちゃんとクロエちゃんには髪飾りを買ったわね。リズ、セラは……お菓子で良いかしら?」
そんなこと呟き、女性は再びメモを確認する
「クロエちゃんとリズの間、なんでこんなに間を開けて書いたのかしら?」
カチ、カチ、カチ、カチ、カチ………カ
1人の女性がリビングのソファーに横になりイヤホンで音楽を聞いている
彼女の端末には00と書かれたアーティストの歌が流れていた
すると、何を思ったのか女性はイヤホンを耳から外して端末を操作し音楽を止めた
「…………飽きた。なんか良い曲ないかな?」
そう呟きながら、女性は端末を操作する
「なぁ、さっきから気になってたんだが何の曲を聞いてるのか見せてくれよ」
「ん」
「おぉ、サンキュー。どれどれ………プレーヤーに入ってる曲、全部同じ作者じゃないか」
「え?」
女性は端末をさらに操作して、曲のリストを出し
「……本当だ、これも、これも
みんな同じ人の」
「その人がお気に入りなのか?」
「ん、自分でも気付いてなかった。多分、お気に入りの人……新しい曲、あるかな」
カチ、カチ、カチ、カチ、カチ………カ
とある家、赤い髪に琥珀色の瞳を持つ少年が階段を上がって二階の自室へと向かっていた
「さて、課題を終わらせるか………ん?」
そんな事を呟きながら二階の廊下を歩いているなか、ふと立ち止まり自分と妹の間に挟まれている部屋を見る
「この部屋、何の部屋だっけ?まぁ、後で聞くか」
そう言って赤い髪の少年は自室へと歩いていく
カチ、カチ、カチ、カチ、カチ………
残っている秒針は、二つ
それぞれ、何時を示すのかもわからない時計はただ秒針を刻んでいる
イリヤside
ワタルお兄ちゃんの乗った電車が私たちを置いて行く
空を走り、そして不思議な空間を開いて消えた
隣には瞳から涙を流す自分と瓜二つの少女、クロ
私はワタルお兄ちゃんが何を言っているのか分からなかった
何より家族が好きだったワタルお兄ちゃんが、私たちの届かない所へと行ってしまったこと
あのあと、泣き止んだクロを連れて大急ぎで家に帰った
他の家族の皆は寝ており、起きているのは私とクロだけ
私たちは皆を起こさないようにワタルお兄ちゃんの部屋のドアを開く
ドアを開いた先では何時も通りパソコンをしているワタルお兄ちゃんの姿が、なかった
あるのは望遠鏡や机、そして机に置かれたデスクパソコンにベット
棚にはいくつも00のCDが置かれている
クロはワタルお兄ちゃんに頼んでいたプレーヤーを手に取り、また泣いてしまった
それだけ、ワタルお兄ちゃんが出ていった事が悲しかったんだね
その後、私達は明日も学校があるから寝ることにした
でも、最後にはワタルお兄ちゃんが言っていた
『
これだけが頭の中に引っ掛かったまま離れなかった
そして、次の日
私は嫌でも理解することになる
何故ワタルお兄ちゃんが出ていったのか、あのような言葉を言っていたのかを
「イリヤさん、イリヤさん。朝ですよ?起きてください」
「んぅ」
体を揺すられ、私は目を覚ました
目を擦りながら体を起こす
「おはよ、セラ」
「はい、おはようございます。クロエさんはもう起きてますよ」
起こしに来てくれたセラの言葉を聞きながらベットから降りて何時も通り階段を下りて何時ものテーブルの席に座る
「おはようイリヤ、良く眠れたか?」
「うん」
「クロもおはよ~」
「おはよ………」
クロの声は何処か沈んでおり、朝の爽やかな空気と真逆だ
「あれ?」
何時もより一席分、少なかった
「ねぇ、ワタルお兄ちゃんはまだ寝てるの?」
そう、ワタルお兄ちゃんの席が
「ワタルお兄ちゃん?誰の事を行ってるだ、イリヤ?」
「え?」
寝ぼけていた意識が、一瞬で目覚める
「ワタルお兄ちゃんだよ?私達はいつも八人で家族で」
「何を寝ぼけてるんですかイリヤさん、家は
あのあと、学校へ行くまでは何も考えられなかった
家族に元々ワタルお兄ちゃんが居なかったような、そんな風に変わっていた
学校で良く遊ぶ美遊や田中さん
リンさんやルヴィアさんも、学校の先生も誰もワタルお兄ちゃんの事を知らなかった
放課後、私はクロに連れられとあるアパートに来ていた
なんでも、ここの一部屋はワタルお兄ちゃんが借りていたらしい
でも、私達が来た頃にはもう何も残っていなかった
管理人さんの話だと今朝に契約解除をして出ていったらしい
「なんで、みんなワタルお兄ちゃんの事を知らないの………」
「一体、何処に言ったのよ」
アパートに寄った帰り道、橋を渡りながら私はそう呟いた
『もしかして、ワタルさんをお探しですか?イリヤさ~ん!』
やっぱり、ルビーも覚えてないんだ
………あれ
「ルビー!今ワタルお兄ちゃんって言ってたよね!?」
『それがどうかしましたか~?』
そう言いながら体を曲げて?にするルビーを掴んで引き寄せる
「ルビー!ルビーはなんで皆がワタルお兄ちゃんの事を知らない風に言うのか分かる?」
『
「……え?」
『そもそもですねイリヤさん?以前にもお教えしましたが、この世の中ただなんて物はないんです。等価交換によって成り立っているんですよ?』
「う、うん……」
『では、魔術を使えない一般人であるワタルさんのあの姿と戦闘力!一体、何を代償としているのか』
そこで私は今までワタルお兄ちゃんについでに聞いてきた色々な人の言葉が脳をよぎり、最後にワタルお兄ちゃんが言っていた言葉が思い浮かぶ
「もしかして、記憶?」
『正確には
じゃ、じゃあワタルお兄ちゃんはいつもあの姿になる度に………
それがどれだけ悲しいことなのか、想像も出来ない
「じゃ、じゃあなんでルビーは覚えてるの?」
『私、人じゃなくて杖ですし~。なんなら動画も残ってますし~代償は人間が限定なんじゃないですか?』
「な、なるほど……」
その時だ
橋からみた少し先の新都のビルが砂のように崩れていく
「な、何が!?」
頭に浮かぶのは、あのワタルお兄ちゃんと闘っていた化け物
もしかして、あいつがあんなことを!?
その時だ、私たちの真上の空気が歪み何かが出てくる
それは、あの時ワタルさんお兄ちゃんが乗って消えた黒い列車だった
黒い列車は空中を走り、新都の方へと向かっていく
「きっと、ワタルお兄ちゃんだ!」
「今すぐ追いかけるわよ!」
そう言いながら私達は駆け出しだ
ワタルside
ゼロノスベルトを腰に巻き付け、ゼロライナーから下りる
僕の視線の先には灰色で頭に角が付き、両端に鎌の着いた武器を持ったイマジン
仮面ライダー電王のラスボスであるデスイマジンがたっていた
カードケースから最後のゼロノスカードを取り出す
恐らくはこのカードを使えば、クロエとイリヤから記憶が消え、この世界で僕を知る人も消え
僕は消滅する
戦う事から、進むことを止めることは許されない
でも、それで良い
例え消滅しても原作と言う物語通りに戻るだけ
さようならみんな
最後まで、本当にありがとう
僕はベルトの上に着いたチェンジレバーを押す
すると、ベルトからまるで笛のような音楽が流れる
「変身!」
手に持った最後のゼロノスカードをベルトへとアップセットする
『CHARGE AND UP!』
その音声と共に僕のフリーオーラが変換され鎧となり体を覆う
そして赤錆び色の体となり、頭にあるに2ヵ所の線路のような場所を牛が左右に進み
停車すると変形し、電仮面となる
忘却の戦士
仮面ライダーゼロノス ゼロフォーム
ゼロガッシャーを組み合わせサーベルモードにして、構える
「みんなの未来は、僕が守る!」
そう言いながら僕はデスイマジンへとゼロガッシャーを振り下ろすが、デスイマジンは手に持った鎌でゼロガッシャーを受け止め、そのまま僕を蹴りとばす
ゼロガッシャーと共に軽く吹き飛ぶがすぐに立ち上がりゼロガッシャーをサーベルモードからボウガンモードに組み直し、デスイマジンへと駆け寄りながらボウガンを連射するが
デスイマジンには余り効いていないように見える
その後もサーベルで切り付けようとする度にデスイマジンから攻撃を喰らってしまう
ゼロガッシャーを地面に突き刺してどうにか立ち上がる
とっくの前に息は切れて、肩で呼吸を繰り返す
そんな僕の様子など関係なく、その鎌で僕を殺そうとデスイマジンは此方へと歩いてくる
こんな所で、負けられないのに
負けちゃいけないのに、なんで力が入らないんだ!
その時だ
「フォイア!!」
「カラドボルグII!!」
魔力の弾丸、そして螺旋のような剣がデスイマジンへと命中し、わずかにデスイマジンが僅かに怯む
僕の目の前に、空から落ちてきた二人の少女
妹であり、原作と同じインクルードした姿のクロエと魔法少女へと転身したイリヤの姿があった
「なんで……」
おもわず、そう呟いた
「なんで、って。そんなの決まってるよ」
「「家族を助けるのに、理由はいらない」」
そう言って再びデスイマジンへと攻撃を続ける
そういう少女達に思わず仮面の中では目から涙が流れた
そうだ、こういう子達だった
だからこそ、僕は彼女らの未来を守りたいと思った
例え、消滅するとしても
孤独になるとしても、それを強さにする
彼女達の本当の道である〔
「デネブ、来い!!」
そう言うと僕の隣をゼロライナーが通過し、通りに過ぎるとデネブが僕の横に立っていた
「うぇ!?こっちにも敵!?」
「いや、違うと思うわ」
そう言って驚くイリヤに突っ込むクロエちゃん
『待たせたな、ワタル』
「うん、力を貸してくれ。終わらせるよ、この戦いを」
そう言うとデネブは黙って頷き、その姿をガトリング銃『デネビックバスター』へと変える
「銃に、なった!?」
「どうなってるのよ、その鎧も。銃も」
ずっと驚きの声をあげるイリヤに対し、僕のゼロノスの鎧について改めて首を傾げるクロエちゃん
「基本的に二人は後ろから掩護射撃をお願いしても良いかな?」
その問いに黙って頷く彼女らを背後に
僕はデネビックバスターを握りしめ、引き金を引いて光弾を反射しながらデスイマジンへと突き進む
そして相手の振り下ろしてくる鎌をデネビックバスターで流し、そのまま回し蹴りを喰らわせ横に前転した瞬間にデスイマジンをイリヤのフォイアとクロエのカラドボルグが襲う
少し下がり、デネビックバスターのトリガーを引き光弾を発車しさらにデスイマジンにダメージを与えてつつデネビックバスターで、殴り飛ばす
「おらぁ!」
『っ!?』
そしてまたイリヤとクロエちゃんの掩護射撃が来るので横に飛ぶ
「シュナイデン!」
イリヤが魔力による斬撃を放ち、それを鎌で弾くデスイマジン
「喰らいなさい!」
でも、背後に転移したクロエちゃんの白と黒の双剣、干将莫邪の攻撃が通る
腰に付いているゼロガッシャーをサーベルモードで組み換え、左手に逆手で持ち、右手だけでデネビックバスターを持つ
少し重いけど、大丈夫
援護射撃が終わった瞬間にデスイマジンへと近付き左手のゼロガッシャーを振るう
だが、ゼロガッシャーはデスイマジンの鎌によって防がれる
だから、僕は右手のデネビックバスターの銃口
ゴルドフィンガーを押し付け、そのままゼロ距離で引き金を引く
すると、さすがに聞いたのか後ろへと吹き飛ぶデスイマジン
この闘いを
終わらせるんだ、僕の手で
クロエやイリヤ、父さんや母さん
リズ、セラさん達の未来を守るために
僕はベルトの上にあるボタン、フルチャージスイッチのボタンを押す
『FULL CHARGE』
ベルトからゼロノスカードを引き抜き、手に持っているデネビックバスターのスロットへとカードを装填する
『はぁァァァァァ、ベン!』
デネブのその声と同時にトリガーを引く
すると極光のビーム、バスターノヴァが放たれる
その反動で少し後ろへと下がる
しっかりとデネビックバスターを握りしめて反動を耐える
そしてバスターノヴァを掃射し続け、デスイマジンは爆散した
これで、もう戦いが終わった思わずだらりと構えていた両腕がだらりと下がるがデネビックバスターは手放さない
ひたすら、走り続けていた
自信に与えられたゼロノスと言う、力の代償
今を、未来を守るためにイマジンと戦うこと
でも、今は終わったんだ
最初こそ、恐怖しかなかった
でも、これは原作にイマジンと言う異物を紛れ込ませてしまった僕の責任
そう思い我慢して闘ってきた
「「お兄ちゃん!」」
でも、途中からは違った
イリヤやクロエちゃん
そして士郎や皆の未来を守りたい
心から僕はそう思い、カードを手に取っていた
だから、この結末に満足している
彼女らの未来を、そして
全てがそう、
駆け寄ってくる大切な妹達を抱き締める
「今まで、本当にありがとう。僕にとって最高で一番………大好きな家族達、絶対に僕は、貴方達の事を忘れない!」
頭に浮かぶのは、士郎や父さんや母さん
リズやセラ、薫や悠里
そしてお世話なった高校の先生
きっと、このカードを抜けば全てが崩れて壊れてしまう
そう思いながらデネビックバスターに装填されたままの赤いカードを見る
でも、ずっと変身したままでいることも出来ない
僕は彼女らを離して、最後のカードを引き抜こうとデネビックバスターへと手を伸ばそうと
「やめて」
して、その手をクロエちゃんが泣きながら止めた
見れば、イリヤも涙を流している
「お兄ちゃん消えちゃだめ!」
もしかしたら、クロエちゃんがイリヤにこの力の代償を話したのかもしれない
でも、関係ない
このカードを引き抜けば彼女らは全てが消え去れる
「なぁ、イリヤにクロエちゃん。分かっているけど僕はこの変身を解いたら消える、そして君達も僕のことを忘れる」
「いや!忘れない!私は絶対に忘れない!」
「そうよ!今からでも何かメモを残せば!」
ごめんね、例え二人が覚えようと何かを残しても
それは、無理なんだ
「ありがとう。でも、きっと無理だからさ…」
そう言って二人の頭を撫でる
「ワタルお兄ちゃん、私は………」
クロエちゃんかそう言って僕へ何かを伝えようと顔を近付ける
「駄目だよ」
僕はそれを右手で止めた
悪いけど僕は士郎やアニメの主人公ほど、鈍感じゃない
自惚れなのは分かってるけど、クロエちゃんの気持ちは分かっていた
それと同時に勘違いであってくれと、そう思っていた
でも、それが確信に変わったからこそ
関係を結ぶ前に、僕は消えよう
「クロエちゃんの気持ちは分かってる。僕はこれでも鈍感じゃないし、嬉しかった」
もしかしたら、クロエちゃんが僕の曲を気に入ってくれた日に
僕はクロエちゃんの事が好きになっていたのかもしれない
だからこそ、一緒に歌ったり
懐中時計をあげたのだろう
「だからさ、約束。もし、クロエちゃんが僕のことを覚えていて見つけたら、今度こそ思いを教えて」
そんなあり得ない、いまこの場で消えようとする僕へとクロエちゃんは静かに頷いてくれた
「イリヤ、クロエ………さよなら」
そう言って僕はデネビックバスターからカードを抜き取る、それと同時にカードに亀裂が入っていき
やがて、砕け散った
side out
カチ、カチ、カチ、カチ、カチ………カ
時計の残された秒針は止まった
その止まった時計は動く日が、来るのだろうか
私は新都からイリヤと共に帰ると、家の空いている部屋、私の部屋へと入る
なんでも、いつの間にかこの部屋に布団やら色々と揃っていたらしい
何故か望遠鏡が
いつも使っている赤錆び色のミュージックプレーヤーを起動し入っている曲のリストを眺める
ふと、最後の欄に知らない作者の曲があった
「なんの曲かしら?」
そう呟きながら曲名を確認する
そこには『Action Zero』と言う曲ともう1つ
作者の欄には『衛宮渡』と書かれている
「衛宮………すごい偶然ね。それにしても誰がこの曲を……」
どうせ消すのなら、その前に聞いてみようかな
せっかくだし
そう思いながらプレーヤーを操作し、瞳を閉じてベットへと横になり二曲を聞く
その曲は幻想的で、でも何処か悲しさを感じる
まるで、童話のような悲しい曲だった
そしてその曲は、ただ
ただひたすらに、切なかった
この曲はさっきとは違い熱く、そして激しい曲調だけど、それ以上に歌詞が切なかった
そして気が付けば私は目から涙を流していた
「なんで?」
こんな、音楽を聴いたぐらいで泣くなんて
拭っても拭っても涙が溢れる
なんで、なんでこんなに私は
悲しいの?
秒針は全て止まった
彼のおしまいの後を知るものは
誰ひとり、いない
高評価でしたら、ゼロノスの二話を書きます
ご愛読ありがとうございます
感想、お気に入り、高評価
よろしくお願いします
If...ゼロノスの続き
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