???side
朝、体を揺すられ僕は目を覚ました
「あ、起きた」
僕を起こしたのは、銀髪で少しボーっとした感じの家の家政婦の一人、リズだった
大きなあくびをしながら体を起こす
「おはよう、リズ」
体が重い、昨日日を跨いで 趣味に没頭していたからか
大丈夫だろうと調子に乗って連続で続けたのが駄目だったか
「おはよワタル、早く降りないとまたセラに怒られるよ」
「はいよ…………」
そう言ってリズが部屋の外に出たので僕もそそくさと穂群原学園の制服を着て階段を降りる
「おはようございます、ワタルさん?」
すると凄い笑みを浮かべたセラが両手を組んで待っていた
「お、おはようございます?あ、あの……僕何かしちゃいましたか?」
セラの凄い笑顔に思わず声が上ずりながらも、どうにかそう答える
「その目のクマ、また夜遅くまで起きていましたね」
「は、はい」
「何度も言ってますが、夜更かしは止めてください!イリヤ様に悪影響がでます!」
「いや、でも騒がしくしてないし………」
「そもそも!電気も付けず真っ暗な部屋で一体何をしてるんですか?」
「う、それは……その………」
そう言って困っていると台所から一応戸籍上は兄となっている琥珀色の瞳に赤髪の少年が顔をだす
「何やってんだよ二人とも、飯が冷めるじゃないか」
「シロウさん……ですが!」
「それに、もう食べないと学校に遅れるぞワタル」
「今回は仕方ないですけど、許してはいませんからね」
「う、、、はい」
そう言ってご飯の並べなれたテーブルに向かう
「あ、ワタルお兄ちゃん!おはよ~!」
「おはよ」
朝の挨拶をしてきた妹、銀髪に琥珀色の瞳の少女イリヤちゃんにそう返しイリヤの向い側に座ると、士郎がイリヤの隣に座る
「「「いただきます」」」
二人に続いて食べ始める
お、今日は士郎の作った奴か
士郎のも美味しいんだけど、俺はセラさんの味付け方が好きなんだよね
そんな感じで、ささっと食べ終わり
僕はご馳走さまと言って鞄を取りに自分の部屋に戻る
机の上で元気に跳ねている小さな恐竜を模したガジェット、ファングメモリに手を差し出す
「今日もよろしくな」
するとファングメモリが手に乗って静かになるので少し形状を変えてUSBメモリーにして鞄に入れ、士郎やイリヤより先に家を出る
ポケットに入れておいたスマホにイヤホンを繋いで自身が製作したことになっている曲を聞きながら登校する
これが僕、
僕は皆が言うところの転生者って奴で、神様のミスで死んだ為に転生した
別に、前世に未練は無いしあんまり思うことはなかった
皆も気付いていると思うけど、僕の転生した世界はあの有名な月型世界の一つ
【Fate/Kaleid linerプリズマ☆イリヤ】の世界だ
そして、僕が何故衛宮家にいるのかと言うと数年前に僕の暮らしていた孤児院に士郎が入ってきたことが始まりだ
その頃、僕は孤児院で与えられていた部屋でずっと前世に聞いた曲の歌詞をノートにずっと書いていた
この世界にあの曲が無いなら作れば良いと思って孤児院の院長に貰った分厚いノートに思い出す限り書き続けていた
幼いのに漢字や英語などを使った文を良く書いていた為に周りからは変な奴だと思われていた
でも院長だけは、普通に受けとめてくれたけど。
そんな生活が暫く続いたある日、院長が僕と同じくらいの赤髪で琥珀色の目の少年、士郎を連れてきた
僕と同じ年だから仲良くするよう言われ、僕と士郎は一緒に過ごすようになった
何時ものように一人でノートに歌詞を書いていると、士郎に心配され強引にも外に連れ出されたりしていく内に仲良くなった
そしてある日、僕と士郎が部屋で過ごしていると院長と銀髪の優しそうな女性とずっと無表情の男の人が入ってきた
なんと士郎が引き取られる事になったのだ
そしてその時だ、僕がこの世界がFateのプリヤの世界だと知ったのは
だって引き取りに来た夫婦がどう見てもアイリスフィールさんと切嗣さん
そして士郎を改めてみると、衛宮士郎の面影のある顔だった
取り敢えず、切嗣と士郎の会話が終わったらしいので僕は士郎に祝いの言葉をかけた
「おめでとう」
そう言うと士郎は少し考え込むと、アイリスフィールさんと切嗣さんに言った
「なら、こいつも……ワタルも引き取ってくれよ」
その言葉に僕と切嗣さん、アイリスフィールさんは驚いたように目を開いた
「気にしなくて良いよ、士郎は幸せになるべきだ。直ぐに僕もきっと里親が見つかるよ」
そう言ったら、アイリスフィールさんが近付いて頭を撫でながら聞いてきた
「貴方、名前は?」
「さっき、士郎が言ってたと思いますけど………」
「貴方から聞きたいの」
「僕はワタル、ただのワタルです」
そう言うとアイリスフィールさんは優しそうに微笑むと、切嗣さんの方を見て言った
「キリツグ、この子も引き取りましょう!それに、家族は賑やかな方が良いわ!」
と言った感じで、僕の里親も決まってしまい衛宮家に拾われることとなった
その時の士郎はと言うと凄く嬉しそうな顔をしてたっけ?
そんなんで僕は引き取られて暮らしてたのだけど、あの家政婦のセラさんは少し苦手だ
夜遅くまで起きていたり、趣味でパソコンを使っていたりしていると、良く怒られる
電気代がかかるやらイリヤに悪影響が……とか
前に僕の転生特典の一つであるゲームのマスターカセットのNEWガンダムブレイカーのマリカルートの告白シーンを見ている所を見られ、まるでゴミを見るかのような目で見られたのは記憶に新しいな………
もっと思い出すなら、今も首に付けている千年パズル擬きのネックレス
海外で仕事をしている切嗣さんとアイリスフィールさん
まぁ父さんと母さんの仕事のお土産として貰ったのだけど、どう見ても遊戯王の千年パズルにそっくりで
それを貰った僕は『我がデッキの切り札にして!』とか『いくよ、もう一人のボク!』『滅びのバーストストリーム』と言っていたのを見られたりした
うん、結構引かれたっけ?
暫くはゴミを見るような目で見られ続けたよ
そんな事を考えながら歩いていると、いつの間にか俺の隣にランドセルを背負ったイリヤと自転車を押す士郎がいた
「追い付くの早くね?」
僕は思わずイヤホンを耳から外してそう言った
「いやワタルが歩くの少し遅いんじゃないか」
「ワタルお兄ちゃん凄くゆっくり歩いてたもんね~」
「そ、そんなに!?」
「あぁ、そう言えば今日は数学の小テストだったよな?ワタルは大丈夫なのか?」
あほ、高校で習う問題なんぞ前世でとっくに習い終わったわ
「そういえばあったなぁ………寝よ」
「いや起きてようよ!?」
「イリヤもこう言ってるし、頑張れよワタル」
「へーい」
そう返事をして、俺はまた耳にイヤホンを付ける
まだ学校に遠坂凛とルヴィア・エーデフェルトが来てないので、まだ平和だな
そんな事を考えながら、俺は穂群原学園へと向かった
夕方6時に僕は家へと歩いていた
僕は別に部活動には入っていない
ちょっと趣味の延長みたいな物で新都に行っていたので遅くなってしまったのだ
「た、ただいま」
そう言って戸を開けて中に入ると、そこには手を組んで笑顔を浮かべたセラさんが立っていた
「ワタルさん?こんな時間まで何処に行ってたんですか?」
「え、えぇーと少し寄り道を……」
「寄り道?こんな時間までですか?」
「は、はい」
「そんなわけ無いでしょう!そもそも帰宅部の貴方が!どんな寄り道をすれば、部活動で帰ってきた士郎さんより遅くに帰ってくるんですか!」
「ご、ごめんなさい」
「謝れば良いと言う問題ではありません!」
「う、ごめんなさい」
その後、暫くはお説教が続いた
解放され、皆とご飯を食べた僕は自室に戻りファングを解放してから机のノートパソコンを開いた
僕の趣味、それはPCのアプリを使い前世の特撮曲やアニソンを再現しネットに投稿すること
ほとんどはアプリのボイスロイドに歌わせているが、たまに自分で歌ったのをレコーディングして作るときもある
そんな事を続けていたら、いつの間にか有名になり
ネット上の僕、『
投稿する時間は特に決めてはいないけど、毎回沢山の人が直ぐに聞いてくれてコメントしてくれる
家でこの事を知っているのは母さんとリズだけだ。00の曲をCDにして販売したり
歌ったり、アイドルグループの曲を作曲したりする案件をこなしたりしている内に結構稼げるようになった
全部貯めていて、たまに自分のパソコンを買うか新しい機材を買ったりしている
家にいれてないの?
その事は母さん、アイリさんに相談したら
『さすがに子供から受けとるのは流石に…え!?こんなに?一月で?………年収の4割は貰う形でも大丈夫かしら?』
と、こんな感じで年末に渡している
別に4割じゃなくて6割や7割でもいいのに。
そして僕は昨日の夜に仕上げた『千本桜』『コネクト』の二曲を投稿し、パソコンの音楽ファイルを開き新たな曲の歌詞をパソコンへと入力していく
次の曲は僕一人で分けて歌うか、もう一人に頼んで作るか考えながら、僕は窓から星空を眺める
本来『Fate/Kaleid linerプリズマ☆イリヤ』と言うアニメの世界は普通の家に住む少女、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンがマジカルステッキ、カレイドルビーに契約させられ、魔術師の世界へと巻き込まながらも同じ魔法少女として頑張って行く物語
そう、本来ならこの世界に衛宮 渡と言う人間は存在しない
本来なら僕がこの家で生活していることは可笑しい
でも、家出や一人暮らしをすると相談するのもここまで育ててくれたアイリさんや切嗣さんに申し訳ない
それに、なんだかんだ僕はこの生活が好きになってきてしまっている
だから、僕はこの生活を続けてしまっている
恐らくだが、僕がここにいることでストーリーに変化が出ることは無いだろう
でも考えてしまう
僕がいるせいでストーリーに大きな変化を与えてしまうのではないか?
本来なら救われるキャラが死に、生存するはずの存在が死んでしまうのではないか
「ッ!?」
ふと腕がつつかれ、見るとファングが僕の手を優しく噛んでいた
「ファング、励ましてくれてるの?」
そう言うとまるで同意するかのように頷いて此方を見つめるファングメモリ
「…………ありがとう」
そう言っファングの頭を撫でて作曲に没頭した
明日の朝にまたセラに怒られることを頭に浮かべながら
ご愛読ありがとうございます
感想、お気に入り登録
お待ちしております
主人公がFANGであることを家族の誰かにバレた方が良いか?
-
アイリ
-
リズ
-
バレないまま