海上自衛隊 多目的運用護衛艦DDV-196「ほだか」
艦内
「ほんとにありがとう。戻ってきてくれて、こんなな状況下だ腕利きの精鋭は1人でも欲しい」
艦内の通路を歩く中同僚の木村哲郎1等陸尉は言い
「他ならぬお前の頼みじゃ仕方がない。だが2ヶ月前に除隊したばっかで現役復帰する事になるとわね。それで「アイツ」は?」
陸自特殊部隊こと特殊作戦群に復帰した俺、森園優樹1等陸尉は聞くと
「大反対してたよ、でも群内の人間はお前が戻ってくるって聞いて喜んでたわ、そもそも「アイツ」は自己保身と自分のキャリアの事しか頭にないからな。そも先のトラブルも軍事を知らない一部アホ国会議員の奴らが騒いだからだ、そして責任を取るはお前ではなく「アイツ」だった、だが奴は逃げお前を人身御供にした挙句知らぬ存ぜぬを決め込み「一ノ瀬の独断だった」と言いやがった。別中隊で庇えなくて悪かったと今でも思ってる。」
木村はうつむきながら言い
「でもあの坂本3佐も只では済まなかった。後々、人質の中に日本人がいる事を知りながら対処しようとはしなかった、お前の副官の高本2尉の証言や芳賀陸曹長の証言そしてミッションログのCCDカメラの映像をあの二人は提出し査問委員会が開かれたんだ」
「結果は?」
聞くと
「坂本の野郎は降格こそ免れたが、上官にあるまじき行いや悪行が露呈し、飼殺し部屋事資料室送りになった。だが今回の事態で人員不足がたたりお前同様に呼び戻されている。でも先の事を知る奴らばかりだから坂下に2中隊が統率できるか否か、威厳なんてないようなものだしな、いわば「形だけの中隊長」だからな中隊補佐のベテラン幹部や先任陸曹長の厳しい目に晒されているだろうよ」
苦笑して言い
「でもお前が戻ってくると聞いて群内部でも歓迎の動きだったぞ皆」
「対テロのエキスパートが戻ってくる」
「陸自のセザール拳の使い手」
「異世界テロリスト涙目」
「He is Return」
「等々、異世界でも「テロリストキラー」の異名通りの働き期待してるわ」
木村が言った時何かを思い出し
「お前の配置先も第2戦闘中隊から第1戦闘中隊に変えてもらった。「アイツ」にお前疎まれてるからな。でもこれで心配はない。お前の直属の上官は深田雄二3佐だからな」
木村は俺の肩を叩きつつ言い
「それはそうと、この最新鋭艦「ほだか」にはどれくらいの戦力を積んでる?」
聞くと
「ああ、F-3JBステルス戦闘機を35機搭載。5機1飛行隊編成で6個飛行隊分の機体を積んでる。後は15機の哨戒ヘリを積んで合計50機だ。」
木村は言い
「まるで、戦時・・・だな艦隊を見れば分かるが・・・・」
呟いた。まぁ、類を見ない規模の大艦隊だ。多目的運用艦2隻に補給艦が1隻に輸送艦が1隻に艦隊防衛の為の随伴艦もイージス護衛艦が2隻に汎用護衛艦が2隻、潜水艦ももれなく海中に2隻潜む。
「ああ、それはそうとお前を探すの苦労したんだぞ」
言われ
「何が?」
聞き返し
「お前を呼び戻す為に調べても「一ノ瀬優樹」の戸籍がないから群本部でも焦ったんだぞ。細かく調べて初めて「森園優樹」として見つかって婿養子に行った事も発覚して。2ヵ月の間にちゃっかり結婚なんてしてやがって」
言う木村に対し
「新婚なのに戦場に呼び戻しやがって、真理奈と休暇中にあれこれ考えてたのに」
言い返し
「だが、会社務めよりは給与は遥かにマシになる悪い話だけじゃないだろ?」
木村は言い
「クソ上司の元じゃなければ言う事は何もない」
俺は答えたのだッた。それに
「もう一つ聞きたいんだが、なんでお前が「S」だってお前の義理のお父様は分かってなんだ?」
聞かれ
「俺が坂本の野郎を殴って救出に向かった先の武装グループに人質にされていた中にお義父さんも居たんだ。何でも声を覚えていたとかね。いくら否定してもお義父さんは「いや、君だよ、よく覚えておる。まさか娘が捕まえてきた相手が元特殊部隊員で命の恩人とはね、世間は狭い」なんていう物だからもう俺は身バレしてるのと大差ないけどな」
言い
「まさかとは思うがお前肯定してないよな?」
木村は言い
「ああ、最後まで「人違いです」って否定しておいたよ。」
答え、木村は安堵し
「機密漏洩は避けないといけないからな。「いかなる状況においても」な」
言っていると
「久しいな、お前も呼び戻されているとわな」
かつての上官の坂本3佐が嫌味ったらしく声をかけてくる
「とっくにくたばってるのかと思いましたよ、中隊長殿」
嫌味を込めて言い
「まさか、お情けで呼び戻されたお前とは違う、お前の子飼いの高本と芳賀のお陰で飼殺し部屋に送られたがこの通りだ。お前が私の中隊でなくて残念だよたっぷり礼をしてやりたかったが」
坂本は言い
「ふっ」
木村が鼻で笑い
「あんた自分が置かれている状況理解してないんだな、お前は形だけの中隊長で事実上のお飾りなんだよ。ほんとなら優樹が昇格してお前の後釜に座るはずだった。お前みたいなクズはお呼びじゃないんでね」
木村は言い
「貴様ら上官に対しての口の利き方を忘れたか?」
言われ、俺も木村も
「「ああ、忘れたね」」
答え
「せいぜい死なないように頑張るんだな」
俺は手をヒラヒラさせながら言い
「そう言えばうちの中隊長殿がお前に会いたいとさ。特戦群内で最も対テロや対中共に精通するエキスパート中のエキスパートの意見を聞きたいんだとさ。それにお前米陸軍の特殊部隊デルタフォース所属ケイジー・ライホック中佐の弟子だったしな」
木村は俺の肩をぽんと叩き、坂本3佐に振り返り
「あんたみたいな出来損ないの輩と優樹は違うんでね、じゃぁな」
俺の腕を引き木村は
「うちの中隊長がお前を待ってる。それにお前の「部下達」もな」
ニカッと笑う木村の顔を見て俺も悟った。
次回~退屈な日常~を予定しています。