地震より数週間後
森園家 居間
「とうとう嗅ぎ付けられたか・・・・」
俺はげんなりしながらもかつての同僚と部下と向かい合っていた。
「まずは結婚、おめでとう」
木村に言われ
「あ、これ中隊のからでお祝いです。遅まきながら」
高本が言うが
「待ってくれ、今の俺は自衛官じゃない。このお祝いは受け取れない」
そして
「わざわざ制服、制帽で来た理由は?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
隣で真理奈に義父が無言でいる。キッチンからも義母が様子をうかがっている。
「そうだよな、お前に小細工なんて通じないなんて言うのは分かってる。だから言うよ」
木村は言いお茶を一口飲み言った。
「自衛隊に復帰してほしい」
言われ
「「!!」」
横に居た真理奈と義父が反応した。そんな中
「理由は?」
俺が聞くと
「確かにお前には例の事故のお陰で不名誉な事が付きまとったが、そんな事を言っている場合ではなくなってしまったからだ。」
木村は言う中
「日本が別の次元に飛ばされたかもしれない、と言う事か?」
言うと
「「「・・・・・・・・」」」
3人ともハトが豆鉄砲を喰らったような顔をする中
「俺が知らないとでも思ったか?確かに自衛隊を辞めたが「ツテ」は陸・海・空・の三軍に残してるからな。一応「危機管理部門」勤務だしな」
言い
「大陸に調査部隊を派遣すると言う事も情報を貰ってたよ」
言うと
「流石だな、お前には敵わない」
木村は言い
「お前の事は小さいころから知ってる。だからこそ言いたい「家族」を守る為にお前のその力を貸してほしい」
木村は頭を下げ
「・・・・・・・・具体的な状況を聞かせて欲しい」
俺は言い
「そうだな、状況も知らずになんて言えないものな」
言うと
「待って、待って優樹」
真理奈が横から口を挟み
「えっと木村さんですよね、夫の元同僚の」
真理奈は言い木村は頷き
「身勝手です、政府も、自衛隊も。夫の現役時代に何があったかは存じません、でも辞めた人を勝手な理由で再招集して復帰してくれなんて、身勝手にも程があります」
真理奈は激怒しているように言う中
「真理奈、まずは話を聞こう」
お義父さんが言い
「スミマセンね、話の出鼻をくじいて」
木村に言う中
「いえ、奥様の言う事も一理あります。」
木村は言いつつも
「優樹、聞いてくれ日本が別次元に転移?したとみて間違いはない。つまる所、国内の資源が尽きる前に何とかしないといけないわけだ。燃料はまだ国内備蓄で十二分に持つ。自衛隊の装備品等、弾薬もしかりだ」
木村が説明する中
「成る程な・・・国内の食料品やの他日用品までは把握しきれていないという訳か」
俺は頷き
「ああ、政府は相変わらずだが俺達はもっとマズイ状況に置かれていうるとも過言ではない」
木村は言い
「日本は貿易国だからなつまりは、その陸地に調査部隊を送り資源調査をする訳だな」
俺は言い
「それだけじゃない、この世界に日本にとって友好国になってくれる国が居れば国交を結び輸入等などで食糧危機を脱しなければいけない」
言い
「それに、こんな事を言うとお前はあまりいい顔をしないと思うが、自衛隊に復帰すれば家族・親戚に対して万が一食料品等が配給制になった場合に優先的に配給されるそうだ。」
木村は言い
「成る程ね・・・・・」
俺は言い
「先輩、先輩の能力を俺達は必要としています。」
俺達の後輩に当たる翼が言い
「我々は貴方のような頼りになる腕利きを必要としています。無茶な事を言っているのは重々承知しているつもりです」
翼や芳賀陸曹長も言う中
「・・・・・・俺に、俺に大事な家族を残して殺し、殺されるかもしれない戦場に向かえと言うのか・・・」
俺は木村に言い
「俺達が動かないと国民が死ぬんだぞ、お前の大事な守るべき家族も」
言う中
「なら貴方方が行って下さい、私達家族を巻き込まないで下さい。そのための納税もしています。誰が自分の大事な人が戦場に行くと言う事を止めない人が居ますか?」
真理奈は強い口調で木村に言う中
「・・・・・・・・・・・分かった」
俺は言い
「復帰するよ。ただこれだけは言わせてもらう。無能な政治屋の為じゃない。家族を守る為だ・・・・」
言い
「助かる」
木村は言い
「復帰するにあたって、階級も除隊前の階級で復帰してもらう。除隊して2ヵ月しかたってないのも幸いだ。幹部学校での再教育の必要もないだろう」
木村が言う中
「ま・・待ってよ、ホントに行く気なの?」
真理奈が言った時
「真理奈、」
隣で同席していた義父が
「どうしても行かねばならない時が漢にはある。例えそれが最愛の人を置いて行く事になったとしてもだ」
お義父さんが言ってくれたおかげか真理奈は頷き
「主人をよろしくお願い致します」
言い
「奥様、大切なご家族をお借り致します」
木村を始め、高本や芳賀も敬礼し、俺はそこでふと思い出した
「・・・あ!退職手続きしないと・・・」
自衛隊に復帰する以上今の職場にいる事は出来ない、が
「心配せずとも国が責任をもって行う。」
木村が言い
「さぁ、古巣がお前を待ってるぞ」
木村は言い
「とりあえずは完熟訓練を一応は受けないと。体が覚えてはいるとは思うが」
言う中、俺は会社員を辞め自衛隊に復帰する運びになったのだった。この判断が吉と出るか凶と出るかそれは誰もわからない。
「{なるようになるだろ・・・・多分}」
そう思う俺だった。
次回~不安定な真理奈~を予定しています。