突然だが、皆さんは【流星一条】という必殺技をご存知だろうか?
Fate/Grand Orderに登場するキャラクターの一人、『アーラシュ』という褐色で晴れやかな笑みをするかっこいいお兄さんが使う必殺技ーー宝具と呼ばれているものだ。
能力は至って簡単、敵全員に弓矢を全力でぶち込んでぶっ倒す。レアリティは一番低いキャラなのに高火力を持つという、『大きなデメリット』はかかえているものの、とてつもなく優秀なキャラクターだ。勿論キャラクターそのものだって魅力的な一言につきる。俺だって大好きだよ。
さて、なんでこんな話をしたかって?
「おーい『荒射〈あらい〉』!!早くサッカーしようぜ!!!」
「……わかった、今行くから待ってろ円堂!」
俺 が ア ー ラ シ ュ に な っ て る か ら だ よ
何言ってるかわからないと思うけどマジでそうなんだわ。本名は『荒射 弓也(あらい きゅうや)』。アーラシュって呼ばれる日が来るんだろうか……
しかも世界線はFateですらない。これイナズマイレブンだわ。無印の。
気づいたのは二年前。俺が進学する中学が『雷門』とあったからだ。そら嫌でも気がつくわな。
現在俺と円堂は中学二年生。サッカー部を円堂が設立し、俺もその一員に誘われる…と言った流れだな。まあ原作通りのサッカーバカ、というかそれを超えてバカだった。風邪ひいたときにリフティング練習して治してたのは意味がわからなかった。
円堂に言われるがままに、部室までやってくる。
雷門にサッカー部が無かった入学当時はどうすんだこいつと思っていたが、円堂のサッカーにかける情熱は本物で教員達に頭を下げて回った結果、なんとかクッソぼろい部室を一つ譲ってもらえた。
新入生も来て部員がある程度集まった為に、漸くサッカー部としてマトモな活動が出来る様になったことで日本一を決めるサッカー大会ーーフットボールフロンティアに向けて、徹底した練習が毎日行われている。
予定、だった。まあこうなるのはわかってたけどなぁ。
「さあ!皆、早く練習しようぜ!」
………円堂の声に頷く部員は、誰一人としていない。ゲームをしている染岡、菓子を貪り食ってる壁山、拳法の練習をしている少林、寝てる宍戸。やりたい放題とはこのことだろう。とてもサッカー部の部室とは思えない光景だ。
「……なあ円堂、サッカーはいいけどグラウンドは借りられたのかよ」
「……うっ、それは」
「どーせオレたちがフットボールフロンティア優勝なんて無理っすよ。それどころか地区予選一回戦すら怪しいっス」
「そうそう。そもそもまだ11人いないでヤンス」
………ほんとにそれ。
誰がこの部室見てサッカー部に来ようと思うんだ、って感じだし当たり前だけどな。
現在の部員はキーパー、キャプテンの円堂にフォワードの俺と染岡、ミッドフィルダーの半田に少林、ディフェンダーの栗松と壁山、宍戸。合計しても8人しかいないから、練習試合すらままならない。
陸上部の風丸、俺の友人の影野、松野が助っ人として来てくれたら漸くってところだ。なんだかなぁ……俺も普通にサッカーすんのは好きだけどな。
「……………わかった、俺は一人でも練習するよ。荒射はどうする」
「仕方ねえなぁ、付き合ってやるよ。円堂一人にするとまた無茶苦茶するからな」
「お互い様だろ!なぁ荒射、やっぱり今日も必殺技は見せてくれないのか?すっげー気になる!」
「………お前が『ゴッドハンド』出せるようになったら考えてやるよ」
そう。
俺の固有技は、『ステラ』。
シュート技で、おそらく全盛期の爆熱ストームを超える威力なのだろう必殺技だ。少なくとも確実にゴッドノウズなんかは圧倒している威力だと確信できる。無印の、本編が始まっていない時期にこんな技あまりにもバランスブレイカーだ。
なんで使ってないかって?理由は簡単だよ。
…………ステラには、凄まじいデメリットがあるからだ。今までに使ったのは、技を成功させた一回きり。ちなみにそのあとは救急車で搬送された。足の骨が折れる寸前だったらしい。
そう、この技、ステラの『デメリット』とはーー『シュートした後、試合から抜けざるを得ないほどの大怪我をする』、というクソみたいな必殺技なのだ。
マジで言ってるのか?
作者が10年前の記憶を辿って書いてます。名前とか違ったらごめんなさい。土下座する