ね??(威圧
「あーーーー!?お前、昨日の!」
翌日、朝のホームルームにて転校生が紹介される。まあ言うまでもなく豪炎寺だ。一言も話せずに帰られてしまったからな、円堂は声を張り上げて豪炎寺に指を刺す。豪炎寺は豪炎寺でうわっみたいな顔してる。そらあんだけしつこく勧誘されたらそうなるわ。
「何だ、知り合いか円堂、豪炎寺」
「………いえ………」
俺と目が合うとそっぽを向かれてしまった。俺はあそこまでしつこく無いぞ、冤罪だ豪炎寺。
開いていた席に豪炎寺が座ると、いつも通り授業が始まる。……んだが、教科書忘れてきちまった。素直に先生に謝って、隣に見せてもらう。
俺の隣は大谷っていう女子だ。なんか2にいた気もするけどどうなのかな。流石に全員の顔と名前を覚えてるわけじゃ無いし。
「ね、知り合い?サッカー部入るのかな」
「どうかねえ……入ってくれるとありがたいけどな。風丸を無理にサッカーに付き合わせなくて済むし」
「部員……何人足りないんだっけ」
「あと三人。マネージャーも足りねえ始末だよ……」
大谷とこっそり話ながら内心で項垂れる。大変だねえ、なんて気軽に言ってくれるがマジで大変だよ。
昼休みになれば、円堂が円堂流の猛烈勧誘を豪炎寺に仕掛けていた。
が、豪炎寺の表情は無愛想なままだ。……嫌がってるわけじゃねーのを見るに、やっぱ未練はあんだろうなあ。
「よしてくれ、円堂。サッカーは………もう、やめたんだ」
「辞めたって、どうして……!」
「……お前には関係ないだろ」
「だったらなんでそんな顔してんだよ!あんなシュート、サッカー好きじゃないと出来ない!お前、まだホントはやりたいんじゃないのかよ!」
「……まあそんくらいにしとけ、円堂。理由があんだろ、無理に引き込むもんでもないぜ」
ま、ここが潮時かね。詰め寄る円堂を強引に止めに入る。
豪炎寺はそのまま立ち去っていってしまった。原作知識で事情を知ってる俺はまあ仕方ない理由だと思うけども、円堂からしたら納得いかないんだろうなあ。
「木野、円堂が暴走しそうだったら止めてやってくれよ。あの熱血は、円堂のいいとこで悪いとこだからな」
「……うん、任せて。円堂くんのことはよく分かってるから」
近くにいた木野にこっそり耳打ちする。席に戻った時、なぜか大谷に足を蹴られた。
マジでなんで?
ーーーーーーーーー
さらに場面は変わって放課後に。
教室に入ってきた半田が、円堂に声をかける。
「円堂!冬海先生がお前を呼んでる。校長室にこいってさ。普段顔も見せないのに、なんなんだろうな?」
あーーー……きちゃったかあ……
冬海先生というのはうちのサッカー部顧問だ。まあ形だけだけどな。
「まさか廃部じゃないよね……」
「廃部・・・どうして?」
「部員、足りてないって話はさっきしたよね。うちは練習試合もまともに出来ないし、なんなら他の部活から風丸くんみたいに助っ人借りてるからね。他の部の妨げになってるし、廃部の噂が……」
「そっか…………」
まあその通り。実際にはここから帝国学園との戦いが始まるんだが、それを知るのは俺だけだ。
木野と大谷が話している隣で、円堂だけは何故か燃えている。なんでそんなにポジティブなの?お前。
ーーーーーーーーーー
「で、結局その話受けて来たんですか……?」
円堂の話を聞いた宍戸や少林が泣きそうな顔で声をかける。案の定だが栗松と壁山は「終わったっすね」「廃部確定でヤンス」と言いたい放題だ。勿論円堂が黙っているわけもなく、声を張り上げる。こいつは、本気で勝ちに行くつもりなのだろう。
まあ、いきなり帝国学園とサッカー、それも負けたら廃部なんて聞かされたら弱気にもなるよなあ。というかそれが普通で、円堂のメンタルが飛び抜けてるだけだな。
「俺たちのサッカー部を廃部になんて絶対にさせない!」
「……威勢はいいけど、円堂、部員はどうするんだ。このままじゃ試合にも出られないぞ」
「そこはもう、影野や松野、風丸に声をかけてきた。風丸を巻き込むのはちょっと気が引けたけど……やってくれるなら、頼もしいだろ?」
「それはそうだけどよ……」
俺はあまり風丸をサッカー部に入れることに賛成ではない。あいつは陸上部でも一流だし、というかサッカーに拘らずに陸上ならそれこそ大会で優勝できる確率はぐんと上がるんだ。炎の風見鶏をいつか覚えるいい選手だけど……個人的な感情としては、巻き込みたくなかった。ふつうにいいやつなんだよな……
「それに新しいマネージャーも来てくれたんだぜ!」
「それがマジならだいぶ楽が出来るな……というか今のサッカー部にマネージャーなんてよく入る気になったな」
あれ、音無ってこんなに入部早かったっけ?などと首を傾げていれば、部室に入ってきたのは全く別の顔。
勿論俺だってよく知っている。
「今日から雷門サッカー部のマネージャーとして頑張ります、大谷つくしです!」
なんで????
つくしちゃん可愛い