〜 おさかな号 〜
「フラッグ甲板長、何か流れてきます」
「?」
仲間は海面に指を向け俺を呼ぶ。
何かの木箱でも流れてきたのかな?
「どうしたフラッグ?」
「アシェルか。 仲間が木箱拾い上げてな、いまから中身を探る。 海水に触れてるから火薬箱じゃないと思うが」
「とりあえず開けるにしても用心するんだね」
「そりゃそうだな。 総員、武器を構えて」
海賊とかはこのように襲ってくるケースがあるので、ゆらゆら流れてくるタルは箱は注意するに限る。
そして流れてきた木箱を甲板に近よる。 俺は死神が機体が使っている【ツインビームサイズ】を肩に担ぐ。 攻撃速度が早いため素早く接近戦の対応が可能だ。 念のためヴェスパを腰に備えながら鎌をの先端を木箱の隙間に引っ掛け、蓋を開けた。
すると…
「ぅぅ……ぅ」
「「……は?」」
中身から現れたのは人間ではない人外の女性だった。 背中から翼が生え、長い尻尾も付いており、白くて綺麗な肌、異性に飢えてる男を魅了する様な瘴気を漂わせる。
「おいおい、これは驚いたね」
「サキュバスだよ!甲板長!」
「だな」
そして何より俺は見たことあるキャラクターだった。
「しかし気絶してるな、どうしたんだ?」
「アシェルの姐御とフラッグ甲板長、どうしますか?」
「とりあえず拾ってしまったからな、部屋で介抱してあげよう。 本当に気を失ってる様だし、普通に運悪く流されてきたのかもな」
「まぁここで海に戻すのはねぇ」
「じゃあ連れて行くぞ」
「はーい」
木箱の中で力なく倒れているサキュバスを背負い、俺は救護室まで連れていこうとした。
「!?…ッッ、っっ、や、やば…」
「フラッグ、あまり無理するな。 人間の身でありながらサキュバスに触れすぎるのはやや危険だ」
アシェルの言う通り。 サキュバス特有の甘くて脳を痺れさせる様な香りは俺の気分を惑わせる。 強制的に性欲を高められる感覚に襲われて、脳内がまともに動かずふわふわと痺れている。 あまり長いことこのサキュバスと密着はしては危なすぎる。
自分はこの海賊団のもん娘に美味しく頂かれてるから不思議と耐性がついてるので、背負う程度では情けなくアヘアヘ狂う事はないが、首筋に柔らかく伝わる二つの山は大変心地が良い。
「あー、早く連れて行こう…」
本格的に気分がおかしくなる前にな。
ー それからしばらくして? ー
「そう言う訳で私をこの海賊団に置きなさい!」
「いや、なぜそうなるのじゃ」
「貴方達が拾ったのよ! なら拾った生命に責任持つべきね」
「でも【エヴァ】はあのまま木箱に流され続けてもしぶとく生きてる気がするよな?」
「そりゃ簡単に死ぬつもりは無いわ。 一応ハーピーの羽を持ってからいざとなったら安全な村に飛び込むけどね」
「でもサキュバス故に人が住む村の近くに動けないのが理由だよな? せめて飛ぶとしたらイリアス神殿くらいか?」
「まぁそうなるわね。 でもハーピー羽はもったいないから使いたく無いわね……」
「勿体ないって、ハーピーの羽は手に入りやすいぞ?」
「そうなると本当に生活追われてんだな」
「そうよ! サキュバスって事でここまで人生追われてるわ! 別に命を奪ってまで人を襲うつもり無いのに危険な敵だって追い払われる毎日。 時には優しい人にも出会い、住まえる場所も提供してくれたりと親切だったわ。 お礼に快楽もプレゼントしたりと上手く共存はしてた時もあったけど、もん娘であるわたしが原因で自身にも他者にも迷惑をかけてしまう。 わたしは一つの場所に住まえない……なんでなのよ。 何で…」
「……」
「……」
そんな身の上話を聞いたアシェルとボニーは悩ます。
そして俺は勝手ながらこんな提案をした。
「なぁエヴァ、それだけ色んなところに転々としてるなら色々と経験してるよな? 職業的な意味で」
「? まぁ、そうね、どれも半端だけど色んな事はしてるわ。 …それで?」
「なら逆に俺はエヴァをおさかな海賊団に引き込みたいと思うんだが……アシェル、どうよ?」
「そうだねぇ、悪くは無いと思うぜ。 話を聞く限り転々としてたエヴァさんは色々と出来そうだからね。 職業的な意味でさ」
「入れるにしてはいい人材だと思うぞ」
人では無いから人材って言葉は合わないかもな。
「こらこら待てい、私がココのお頭だぞ、勝手に話を進めるでは無い」
「おっと失礼。 じゃあボニー、ご決断を」
そう言って俺はエヴァの隣をボニーに譲る。 エヴァは「え? 貴方じゃなくてそちらのがお頭?」と少し驚いていた。 まぁボニーはこのような
「なんか失礼な事を考えられた気がするがまぁよい。 ではまずお魚海賊団へ入る前にエヴァには面接から始めるじゃ」
「え? …め、面接? …この状態で?」
「うむ」
「海賊団加入に面接を挟むって凄いなオイ」
「まぁまぁ、お頭に任せましょう」
それからエヴァをどうするかの話になった。
結論から言うとエヴァをおさかな海賊団に加入する事になった。 まぁ、航海は初めてか? 船酔いはするか? どのくらい職業に手をつけれるのか? って感じに重要な点を聞いてる限りボニーは賢くなったと思う。 組織を束ねる長として成長したことがよくわかる面接だった。
「それじゃこれからよろしくね。 ちゃんと働くから三食昼寝付きは約束してよ? あとたまに彼を夜ちょろっと貸してくれたら嬉しいわ」
「こ、こら! フラッグの我のだぞ!」
「あら? 私もこれから一員じゃない。 だから私も彼を共有してもおかしくないでしょ?」
「ぶっちゃけると夜のサキュバスは怖くて仕方ないんですがそれは。 し、絞られる…」
お布団の上で死ぬのは嫌ですよ俺。
「別に好きで吸い殺したりはしないわ。 それにこれからあなた達のお仲間としてこの船で生活するからそんな目には合わせない、約束する。 まぁ…でも、わたしはサキュバスだから精はたまに頂かないと」
_どうにかなりそうわね?
「!」
妖艶な笑みでこちらを見てくる。
背筋がスッーと舐められる感覚に襲われた。
これがサキュバスに狙われるって感じか。
そして俺の中ではもん娘から頂ける快楽を知った雄の性が反応する。 彼女に『食べられたい』『吸われたい』『貪りつきたい』と欲望が湧き上がって来た。 力が抜けそうだ。 なんとかポーカーフェイスを突き通してるけどエヴァには丸わかりだろう。 にんまりと笑みんでいるのがなによりも証拠。
「仮に襲うにしろ気を付けてけれよエヴァさん?」
「もちろんよ。 病みつきにしてあげるから」
「た、ただでさえ夜のアシェル意地悪なのに淫魔までもが参加とか、なにそれ怖い…」
「フラッグの快楽に揉まれる姿が可愛いのがいけないねぇ。 甘やかしながら虐めたくなるねぇ」
「あら、それは楽しみね、ふふ。 どんな顔をして淫魔の性技に狂われてくるのかな?」
「……ぅ、本当に怖い…」
こうして、職業的意味でも、夜のサキュバス的な意味でも、経験豊富で頼りになりそうな仲間がお魚海賊団に加わったとさ。
そんで早速だけど…
はい。
今夜、エヴァに美味しく食われました。
「ふふっ、ごちそうさま。 またお願いするわ」
さて、淫魔のエヴァは『精子と快楽』のギブアンドテイクとして夜の時間でたまに俺を悶えさせる話になったが……いや、サキュバスかなりヤバい。 そのために特化している種族と言う事が体を通してよく伝わり、それは堪えるなんて容易く放棄したくらいに…凄かった。
あと彼女は攻めるのが好きみたいだ。 けど貪欲で食い意地が強いからさっさと出させて食べようとする。 だから槍のように快楽を突きつける感じで悶えることになる。 それがエヴァとの営み。
ちなみに人魚のボニーとアシェルの場合だと、
ただ
ちなみにアシェルは「今日も悶えるんだな」や「少しは堪えろよな?」とボニーよりもニヤニヤしつつエヴァを除いて他の子よりも意地悪な触れ方で夜を愉しんでいる。 でも「明日も頑張ろうな…?」とか「お疲れだな。 このまま眠ると良いぜ…」って最終的にはしっかりと甘えさせてくれる姐御はマジ姐御だ。 おっぱいの付いたイケメンってこの事を言うのかな? これがアシェルだ。
さて長々と説明したが今の話をまとめると、淫魔は電気を体に流すごとく快楽の渦に誘うとしたら、人魚はスポンジのように柔らかく包んでゆっくり溺れさせる感じであろう。 ドMにはどっちらも効果抜群だろう。
ちなみに、他の子分にも襲われてる。
味付け多いね。
…
♦︎
さてエヴァをお魚海賊団に引き入れて数日後…
作戦室でこんな話から始まる。
「海軍からおさかな海賊団の旗を取り返したい?」
「うむ、フラッグと出会う前に海軍との乱闘で奪い取られてしまってな。 そろそろ取り返したいのだ」
「海賊王ロザのお宝を見つけた私達の噂が内海で広がり、一躍有名な海賊団となった。 しかし旗を奪われたままの情弱集団じゃ示しがつかない。 そんな訳で奪い返したいところだ」
「なるほどね。 じゃあ……殴り込みと行くのか?」
「まぁそうしたいけど海軍の本拠地に居座る【リヴァイアサン】が物凄く強くてな、私達では太刀打ち出来ない。 フラッグの強力な職業を持っても今の力じゃね……」
「じゃあどうすんだ? リヴァイアサンは避けるつもりで奪うのか?」
「まぁそうなるでしょうね。 作戦としてはまずリヴァイアサンが留守のタイミングを狙って一気に攻め込むか、または乱闘で気を引かせてる内に忍び入って空かさず盗み取るかのどちらかだねぇ」
「前者はまだしも後者はだれか失いそうで嫌だぞ…」
「俺は前者が賛成だな。 リスクなくやれそうだから」
「まぁ普通はそう考えるけど前者については希望論による作戦立案だ。 リヴァイアサンの留守は滅多にないだろうから、それまで時間かかる作戦だ」
「…手っ取り早く取るなら後者になるな」
「まぁな」
「あ、でも、俺とエヴァなら堂々と中に入って取りに行けるかもしれないな。 まさかおさかな海賊団に人間や淫魔がいるとは………あ、ダメか、俺は海軍に一度見られてるな。 絶対報告されてる」
「そうなんだよねぇ、フラッグがまだ身元バレてなければ良かったが無理な話となったからそれは無理だねぇ」
「じゃあ中央突破になるのか…」
「こればかりは仕方ないのじゃ。 だが我らは厳重注意地点を突破し、大海賊の洞窟を一夜も掛けずに攻略した海賊団! 周りからは一躍有名なった海賊ぞ。 コソコソとやるのは少しみっともない気がする」
「その通りですねお嬢、名を馳せる事も考えるなら中央突破で奪い取るまでだ」
中央突破か……
ボニーはそうであって良いがアシェルはもう少し冷静な立ち位置に居てほしかった。 けどおさかな海賊団に賭ける熱意は間違いないので、名を馳せるならの行動なんだろう。 後からやってきた程度の俺が彼女らの方針を曲げてはならない。 なら今は尊重するまで。
「ハイリスクだが今のおさかな海賊団はそうしないとならないよな。 ああ、俺も全力尽くしてやろう」
「うむ!フラッグが居るなら私も頑張れるのじゃ、頼りにしてるぞ!!」
ボニーに信頼寄せられながら俺も『b』っとサインを送ると廊下からひとりの淫魔がやって来た。 エプロン姿の彼女は…
「ご飯できたから上がって来なさい」
「おお、もうそんな時間か」
「ありがとうエヴァ、俺が料理当番途中抜け出してしまったから助かった」
「本当によ、まったく。 作戦会議なら大きく空いた時間にしなさいよね」
「悪かったねエヴァさん」
「まぁいいわ。 それより早く上がって来なさい、今日はシチューを作ってみたから」
「間違っても蝉の抜け殻とか入ってないよな?」
「失礼ね! 普通のシチューよ。 それともジャイアンシチューがお好み? ならフラッグのだけ蝉の抜け殻入れてあげるわよ」
「やめてください死んでしまいます」
軽く漫才しながら俺たちは食堂に向かった。
しかしこの数日間だがエヴァも適応力高いのか海賊団として働けるようになっていた。 エヴァは主に俺と同じで海賊団の生活環境を支える役だ。 料理や掃除、在庫確認や調達とか。 でも原作同様エヴァはいい加減な性格をしてるのでたまに仕事が雑である。
あとエヴァってサキュバスの村の元住人で村長の芋贔屓に真っ向から反発して、それで芋畑に対してテロレベルで放火したよな? 本人は「そんなにはやってない」と言ってたけど恐らく違うな。 この性格ときた確実と言えるほどだろう。 でもまぁ最近のエヴァも海賊王なら一攫千金狙える事を知ると今の海賊生活に力入れている。 というかエヴァに関してはサキュバスの中で特に貪欲なハングリー精神を持ち合わせていて、困難極まりなくとも夢見ることに抵抗が無い。 それに今はそこ都合が良い。 可能であればこのままやる気持続させてお魚海賊団の骨にさせよう、そうしよう。
そもそもエヴァがおさかな海賊団に居座れる理由がまず俺の存在だろう。 当然ながらサキュバスは男性の精子を糧としている。 そして俺はおさかな海賊団の一員として長らくこの場所で渡り続ける。 つまりサキュバスの好物である『精子』を提供する存在がこの海賊団にいるため、彼女にとっても都合良いのだろう。
しかしギブアンドテイクとは言え、あまり淫魔の性技によって狂わされ過ぎて何かの拍子で理性を壊さらちゃ話にならん。 けれどエヴァ曰く『そんなことはしない』と言うが『あなた"から"お願いするまでは壊す様なことはしない』らしい。 なにそれ怖い…
エヴァがとは言わないが、淫魔にはあまり信用を置いてると床上で命共々吸われて寝首狩られてる恐れはある。 アルマエルマも言ってたけどサキュバスってのは風の様に気まぐれな生き物。 そこは気をつけないとならない。
だから夜の営みに関してはアシェルやボニーの人魚達が一番安全なのだろう。 床の上で営むにしても2〜3日に1回程度だから夜はそんなに俺の体は酷使されずに住んでいる。 その代わり昼間とかたまに欲情したりされたりで襲われてる時はあるが、サキュバスに比べたら安全だ。
先ほども説明したように柔かな快楽で包み込むやり方だから命の危険に晒されることない。
まぁ……たまに理性が崩壊することもあるがそれは仕方ないとする。最近のボニーはなにかと悩殺気味だから。 もん娘が相手なんだから仕方ないのだろうしそう言う素質があるのだろう。 実際に可愛くてアホの子で健気で頑張り屋で志は高く、それで…ええと……ともかく上げるとキリが無い。 俺はそのくらい心も体も奪われている様だ。
「フラッグ、見てみろよ。 あれ敵の海賊団だぜ。 こっちを狙ってる」
「……え? ああ、そうか、旗が無いからおさかな海賊団ってわからないやつもいるのか。 しかし、ご飯の前に迷惑な客だな」
「うむ、シチューが冷める前に打ちはらうぞ!」
「「「「了解」」」」
ダダダっ
「……エヴァは無理に戦う必要ないぞ?」
「いや、それは無理な話ね」
「?」
「私は今シーフだから、敵から盗めるうちに盗むのよ」
「ああ、なるほどね。 前の乱闘でエヴァをチラッと見たがそう言うことか。 じゃあ適当に参加して、シーフとしての仕事終えたら隠れてろよ」
「言われなくても」
エヴァは口元を布で隠して探検を装備。
翼と尻尾を消して動きやすく形作った。
しかしシーフは軽装備。
戦いにあまり向かない状態だ。
「……あとさ、危なかったら言えよ? みっともなく叫んでも良い」
「え?」
「仲間である以上、助けてやれるから」
淫魔は信用しすぎないと言った。 でも共に海を渡る仲間なのだから助けるのは普通だよ。
「あら、格好付けてくれるの? ならその時は頼もうかしら」
「あいよ」
俺はエヴァと拳をコツンと合わせてそれぞれの役目を全うするため表へ乗り出した。
テーブルの上に並べられたシチューの湯気を残して敵の船に乗り込んだ。
つづく
《ツインビームサイズ》
ガンダムデスサイズヘルが使用する死神の鎌を連想したビーム兵器であり、これがEW版(25機)になると【ビームシザース】の名前になり大型の鎌になる。 鎌と言えども使い慣れないのでフラッグがマキブの中で苦戦してる兵器の一つらしい。 やはりビームサーベルが扱いやすいとか。
ではまた