おさかな海賊団の幸せな旗   作:つヴぁるnet

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44日目 〜 おさかな号

 

 

 

「なぁアシェル、俺一つ聞きたかった事があるんだがおさかな海賊団って義賊みたいなもんだろ? 同業の海賊、または違法な船しか襲わないってさ」

 

「まぁな、それがどうした?」

 

「俺とおさかな海賊団が初めて顔を合わした出来事を覚えてるか? アシェル達は海賊として襲ったが、その船に俺が乗っていた事」

 

「ああ、確かそれは一ヶ月以上の話だな」

 

「うんうん。 それで俺は普通の客船に乗っていたんだ。 あ、もちろん他の一般客も居たんだけどよ、その船は_」

 

「ああ、言いたいことはわかるぜ。 でもあれはどっからどう見ても"違法な船"なんだよな」

 

「なぜに?」

 

「フラッグと出会った丁度その頃、謎の現象により海が大荒れしていた。 だから物流も途絶えてしまい、海の荒波が静まるまでは船を出さないようにしてたんだ。 だけどたまに大馬鹿な連中も居てな、無理やり船を出して海を渡る奴らもいるんだ」

 

「マジか」

 

「しかしその船は輸送艦として公式に許可も取らず、国から認められてない船だったんだ。 ちなみに国から認められると船の外側には番号が書かれている。 しかしフラッグの乗っていた船は偽物の番号で刻まれている事を確認した。 それで私達は違法な船と見なして合法的に襲ったんだ」

 

「なるほどな、そういう事があるのか。 まぁ確かに麻薬とか危ない物をを搬送する船が出さないように取り締まる必要があるな。 ……あれ? そうなると一般客が乗っているのはどう言うことなんだ? てか、俺が乗ってた船って……」

 

「まぁそこも疑問の一つだな。 まず一般客だがあれは知らずに乗せられて居た可能性が高い。 まぁ知っていて乗った奴もいるが大体は金出せば船に乗せてやる荒くれ者が多いからな。 あとそう言う船に限って金が安いからねぇ? 疑う前に乗るんだ」

 

「まぁ、わからんこともない」

 

「それでフラッグが乗っていた船だがあれはただの素人が動かしてる船だな。 航海士はいると思うが戦闘兵はザコだらけ。 まぁ一応あんなのでも商人などの物資を安い金で運送してるようだが、侵入禁止区域の海域を知らずに堂々と渡ってる時点でそいつらは事業から認可のない非公式な船だ。 普通はそう言った商業は船の全体的な安全面のチェックを受け、合格ラインを得たら安全な航海が比較的保証されてる『ルート』を教えてもらう。 それで魔物を寄せないお守りなど支給される。 しかしそう言った支援や情報を得ないで航海に乗り込んだとしたら、そりゃ私たち海賊にとってエサだな」

 

「ああ、そういうこと…」

 

「ちなみにフラッグはどの口だい?」

 

「んん? ああ、俺はイリアスポートで船を眺めてたら後ろから押されるとそのまま乗船してしまい、降りるタイミングを逃した悲運なパターン」

 

「おいおい、ハーピーの羽で逃げれば良かったんじゃ無いのか?」

 

「長旅で疲れてたからな。 あと船旅も味わいたかったから船の揺れに任せてハンモックで眠っだ。 そんであんたらに襲われると乱闘になりハーピーの羽が機能しない。 そうして逃げ遅れた訳だれ

 

「ははは、それは災難だったな!」

 

「てか一般客に戦える奴がいなかったから俺が時間稼ぐ形で逃したんだよ。 ほら、ハーピーの羽って少しでも争い事の空気を感知すると羽ばたかないだろ? だから俺が足止めして一般客がハーピーの羽が扱える場所まで時間稼ぎしたんだ。 ちゃんと逃げれたかは知らんけどな」

 

「私たちは見てないから上手く逃げてくれたんじゃないのかい?」

 

 

 

じゃないと困る。

 

俺が戦った意味も無いからな。

 

だって中章のモン娘を相手に旅を始めたばかりの俺が戦ったんだ。 その時の相手はバカ(海賊マーメイド)だったから助かったけどステータスは俺の何倍もあるモン娘だ。 アレと対面すると言うのはある意味自殺行為なんだよ。

 

 

 

「違法な船とかはともかく、今はこうしてお魚海賊団に襲われたからこそ俺がここに居る訳よ。 結果オーライだ」

 

「その切り替えは良し」

 

「ちなみにアシェル達が襲ったその船どうなった?」

 

「お嬢が撤退を命じたから食料と物資だけ頂いてあとはノータッチだ」

 

「さいですか」

 

 

 

こうして今頃聞いた話だけどちゃんと理由があって襲いかかったらしい。 彼女らは紛れもなく義賊のようだ。 それが再確認できた。

 

 

 

「フラッグ、ここにいたか」

 

 

「?」

 

 

 

声に振り向くとそこにはボニーがいた。

 

 

 

「お嬢?」

 

「どうしたのか?」

 

「うむ、アシェルもいるなちょうど良い。 今後の方針について話しがあるんじゃ」

 

 

 

ボニーは俺の隣に座る。

 

するとアシェルと二人で挟むような形になる。

 

たわわとたわわだ。

 

おっぱいがいっぱいとはこの事だろう。

 

 

「我が海賊団は海賊王の宝も手に入れて、おさかな海賊団の旗も海軍から取り返した。 恐らく内海でやれることはやっただろう。 だから次の目的は【外海】の世界に挑むことじゃ!」

 

「! とうとう外海か。 生半可な力では通用しない世界だな」

 

「うむ。 我らは何度か外海へ出たことがあるが内海よりも凄まじい場所じゃ」

 

「え? 出たことあるのか? 其処って海軍本部が管理するデカイ水門を潜って進まないと出れない世界じゃないのか? 今は閉められてるけど」

 

「これは一年前の話じゃ。 海軍が水門を開けた瞬間、我らおさかな海賊団はその水門を一気に潜り抜けて外海へ出たことがあるんじゃよ。 追ってきた海軍とは夜戦に持ち込ませた。 視界が安定しない闇の中を利用して姿を眩ませた」

 

「そりゃ、すげーじゃん」

 

「あの時は特に大変だったねぇ。 指示を出すために甲板を走り回ったもんだ。 そして舵を握って逃げ回ったものだ」

 

「正直アシェルがいなかったら捕まっていたと思うのじゃ」

 

「それは想像できる。 そんで外海に出たあとどうしたんだ?」

 

「「………」」

 

 

 

そう言うと二人は黙り込む。

 

 

 

「………もしかしてボコボコにされたとか?」

 

「……う、うむ」

 

 

ボニーが白状した。

 

 

「外海の連中は特にヤバイからな。 私とお嬢はともかく当時の子分は戦闘面で頼りなかったからな。 そんで『いっかく娘』が出てきた時はそりゃお魚海賊団は半壊したもんだ」

 

「アレは強かった。 なんとか逃げれたが次は嵐の中に巻き込まれてな。 子分達の半分は戦闘でボロボロだった。 船も冗談抜きでひっくり返りそうになったりとした。 なによりもお嬢と私が先陣切っていっかく娘と戦ったが私は重症を負って指揮系統は機能不可、お嬢だけで嵐を凌ぐことにした」

 

「……めちゃくちゃ危なかったじゃねーかよ」

 

「ああ、本当にな。 それから嵐を凌ぎ終えるとハーピーの羽を使ってすぐさま内海に戻ることにした。 それからしばらくは内海でボロボロになったお魚海賊団を修復してたねぇ」

 

「うむ。 命が助かって良かった」

 

「しかしなんで外海に? 内海よりも危険なことで有名なんだろ?」

 

「大海賊ロザの話は外海にもあると情報を得てな、誰かに取られる前に我らが取りに行こうと考えたのだが……」

 

「偽の情報だったと?」

 

「うむ……」

 

「そりゃ災難だったな……」

 

「それからしばらくは内海でお魚海賊団を鍛え上げ、たまに出くわす海軍を撒きながら生きてきたんじゃ」

 

「なるほどな」

 

「それからフラッグと出会った感じゃな」

 

 

 

俺との出会いを嬉しそうに語るとボニーは横に寄っ掛かって抱きしめてきた。

 

 

 

「フラッグ、我は深海よりも深くお主を愛しておるぞ……」

 

 

 

愛を囁きながら甘えてくる彼女の愛らしさに頭を撫でてあげる。 彼女の綺麗な髪の毛が手に絡みつく。 そしてとなりのアシェルの尾びれは少しだけピクピクと動いていた。

 

 

「アシェルは甘えて来ないのか?」

 

「どちらかといえばフラッグが甘えてくるだろ?」

 

「だってアシェルのお胸にダイブすると何故か疲れが取れるからな。 流石、お魚海賊団の七不思議の一つ」

 

「やれやれ、そんなの不思議でもないよ」

 

 

 

ほんの少しだけ呆れられたがこれからもアシェルのたわわに実った二つの山にダイブする事をやめるつもりはないぞ。

 

 

 

「そんでさ、もう外海には行かないのか?」

 

「あれから強化された今の私たちなら何とか外海でもやっていけると思うが、水門は海軍が昔よりも厳重に管理している」

 

「だから別の手段を考えねば」

 

「ぐむむ」

 

 

 

二人は悩めるが俺は既に方法を考えていた。 でもそれは海賊船でなんとかしようとしてる彼女達だと思いつかない内容だ。

 

 

 

「俺に考えがあるぞ、二人とも」

 

「なぬ!本当か!?」

 

「どうするだ? 海軍をどう欺くんだ?」

 

「海軍は関係ない。 陸から行けばいい話だ」

 

 

 

そう、海から外海に行くのではない。

 

陸から外海に行けばいい話だ。

 

ゲームシステムを付いたやり方だが、プレイしていれば誰もが一度は不思議に思う出来事を利用する。

 

 

そして

 

その方法とは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 おさかな号の会議室 〜

〜 45日目 〜 昼 〜

 

 

 

 

 

「まさかポルノフってやらまで『我』がハーピーの羽を使って船を呼び寄せるとはな」

 

「この船の所有権はボニーにあるからな、簡単だろ?」

 

 

流れとしては…

 

 

俺がボニーをポルノフに連れて行く。

 

 

ボニーがハーピーの羽で来れるようになる。

 

 

ボニーがポルノフまでハーピーの羽を使う。

 

 

おさかな号はポルノフ付近の海まで飛ぶ。

 

 

ポルノフから外海に出る事ができる。

 

以上だ。

 

 

これはゲームシステムを上手く扱った裏技だ。

 

 

しかしボニー達はポルノフまで来た事ないので俺の存在がなければこのやり方はなかっただろう。 一応イリアスヴェルクまで行けば船は南に停留してたと思うが遠いので最寄りのポルノフにしたのだ。

 

しかし変態が集まる街。

 

美女(ボニー)の香りがしたとはしゃぎ出した数名の変態が編隊を組んで入り口まで追いかけてきたのは予想外だった。

 

そのため俺は直ぐにボニーを抱えて逃げたものだ。 あんな連中に汚されてたまるかってんだ。

 

 

『そのお姫様だっこ、好意を抱くよ』

 

 

ちなみにブラを頭に付けたままコイツもやって来た。

 

期待を裏切らない変態の極みに少しだけ感服した。

 

 

 

「しかしこうして安全に外海に出られたのじゃ! 新たな冒険の始まりだぞ!!」

 

 

 

ボニーはまた外海に乗り出せたことに大はしゃぎだ。

 

子分も一緒にはしゃいでいる。

 

 

 

「フラッグの案によって安全に外海まで踏み出せた、感謝するぜ」

 

「でもそれは一度外海に出たことあるアシェル達だったから可能なやり方だぞ? もし外海に乗り出してなかったのならハーピーの羽はポルノフにボニーが飛んでも船は飛ばなかっただろうし。 だからこれは過去に君たちが奮闘したおかげさ」

 

「……そうか、私たちは外海の世界から情けなく逃げただけでは終わらなかったんだな」

 

「そうだよ、だから良くやったよ」

 

 

 

一年前に外海まで乗り出した彼女達の苦労は無駄では終わらなかった。 こうして安全に外海へ進む事が出来たのだから。

 

 

 

「フラッグが居なかったら出来なかったかもな」

 

「そんな事ないさ。 陸に上がっていればこの方法は思いつくよ」

 

「でも私たちは海で生きてるから海からまた外海に向かおうと考えていた。 でもフラッグが居たから海以外での方法を思いついた。 だから改めてこう思う……フラッグ、お魚海賊団に居てくれてありがとう」

 

「あ、ああ、俺も……あの船を君たちが襲ってくれてありがとう?」

 

「はは、なんだいそれは」

 

「いやー、だってぇ? 俺は君たちに襲われなかったら出会えなかったじゃん? つまりそういう事だよ」

 

 

 

まさかのエンカウントだが、あれは運命のように感じる出会いだ。 爆弾で大怪我したりとハプニングがあったが俺はそれを苦い記憶にはしない。

 

 

 

「じゃあとりあえず、ハーピーの羽を使った時におさかな号が外海に停留するポイントを探そうか」

 

「そうだな、移動先は多ければ多いほど困らない」

 

「じゃあ北のほうに行ってみる? それとも東?」

 

「地図を見る限りだと東にある『マギステア』が良いだろうね。 北に行くと外 海軍がウロついてる可能性があるからな」

 

「その前に『ロストルム』まで行こう。 あそこは廃墟だけど昔は盛んに賑わっていた町だったからハーピーの羽で向えるポイントだ。 海に近いからな」

 

「なるほどな。 なんなら陸の隠れた拠点としてロストルムにお魚海賊団の基地を作るか?」

 

「おお! それも面白いな!」

 

 

 

でもロストルムは毒沼だらけだから拠点として扱うのは無理だろう。 環境も最悪だ。

 

 

 

「まぁ陸の拠点は余裕が出来たらで良いさ、今はポイントを作り上げた方がいいからねぇ」

 

「とりあえずアシェル、外海に面した有力な場所が今ここら辺にある『ポルノフ』と、北東に『ヤマタイ村』だ」

 

「他には更に北に行って『ゴルドポート』も良いと思うぜ」

 

「そんで南は……『サバサ』かな?」

 

「それなら『サン・イリア』もアリだな。 南と言うよりかは中央の海だが」

 

「じゃあ西は『マギステア』だな。 先ほど言った『ロストルム』からそのまま東に向かえば『マギステア』付近の海域に出れる」

 

「よし、航路とポイント作りは良い感じだ」

 

 

 

それからもアシェルと小1時間は外海の航海をどうするかの話し合いになった。 世界地図に印をつけながらもポイントを作り上げ、海軍と出会わないルートも考えたりと順調だ。

 

途中エヴァも暇つぶしにやってきたので彼女も交えて話になった。 すると外海から『サキュバスの村』にも行ける事を聞けた。 その近くには『貴婦人の村』もあるのでそこもポイントとして含めた。

 

 

 

「よし、じゃあ今日はお祝いと行こうぜ」

 

「それねらアシェル、料理はどうしようか?」

 

「肉にしよう。 保存期限も関係してくるからな」

 

「なら肉を使ったシチューはどうよ?」

 

「それは良いな。 なら早速仕込みと行くか」

 

「おけ、決まりだな」

 

 

 

「……相変わらず主婦力高いわね」

 

 

 

「「だろ?? ……それじゃあ!今日の晩飯は夫婦の共同作業と行こうではないか! あっはっはっは!」

 

 

 

アシェルと並んで会議室を後にする俺たちは上機嫌に昂ぶっていた。 それから夜ご飯はいつもよりも一段階美味しい料理となってボニーと子分達の喉を鳴らした。

 

 

 

 

 

名前【 フラッグ 】(真名:海ノ雪旗)

レベル【 33 】

熟練度【 50 】

この世界に来て【45】日が経過。

 

 

ここまでの冒険は

寝る前の個室で日記帳に記録を残した▽

 

 







《ハーピーの羽》
原作ゲームではキメラの翼的な役割を果たすアイテムであり、如何なる時でも使えるのだが、この小説では主に『戦闘など殺伐とした空気が漂う場合』『悪天候の場合』『地に足を付けていない場合』のような状況下で使う事が出来ない設定を持つ。 便利なのは変わらないが甘えた扱い方が出来ない。 ただしハーピーの羽の提供者が強ければ条件が緩くなるが、それは滅多に無いらしい。


ではまた
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