おさかな海賊団の幸せな旗   作:つヴぁるnet

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50日目 〜 外海

 

 

 

外海、それは内海とは違う激しさ持ち合わせ、過酷すぎる環境の恐ろしさを海賊達に教える。

 

生半可な船では直ぐに崩壊してしまうほどの嵐が当然のように襲いかかり、己の技量を図り損ねた者は完膚なきまでに打ち崩され、外海の恐ろしさを知らぬ愚か者は必ず荒波に飲まれて絶望することになる。

 

 

そのような世界を覚えながら苦しさに立ち向かい、いつしか外海の大波と共に世界を渡れる力を得るだろう。

 

 

そんな悪環境の中で今宵もまた、海の荒くれ者達が争いあっていた。

 

 

 

 

 

「お頭! 悲報です! 砲撃戦はこちらが押されています!劣勢です!」

 

「なぜだ!? あちらの船が搭載してる大砲の数が合わないだろ!?」

 

「分かりません!」

 

「お魚の骨を旗にした新参の癖に!! 悔しい!でも感じちゃう!!」

 

「感じてる場合か!! 早く相手の船の後ろを取れ! 位置的にはこちらが有利なんだぞ!!」

 

「次の砲撃きます!!」

 

「またかぁ!!」

 

 

チュドーーン!

チュドーーン!!

 

 

 

 

 

 

「フラッグ甲板長! ブーストドリンクです!」

 

「ありがとう。 あと両腕塞がってるから飲ませて」

 

「え!? あ、は、はい!」

 

 

 

現在外海にて海賊と砲撃戦となっている。 あちらは多量の大砲を備えており、こちらはその半分の砲しか積んでいないので砲撃戦は不向きだ。 そもそもお魚海賊団は敵の船に乗り込んで強襲するやり方が得意なため砲撃戦をメインに戦わない。 なので大砲の撃ち合いは常にこちらが一歩遅れている。 だがそんなお魚海賊団はそれを補う手段を持っている。

 

それは俺自身が砲撃戦を行う事だ。

 

 

 

「行け!『マイクロミサイル』!」

 

 

俺の上に二つ召喚させるとミサイルが発射される。 威力は高く無いが多量に放たれる弾幕は驚異となり、敵の船だけではなく賊達にも攻撃を与える。 さらに俺の両肩には『試作3号機』が使用する武器が担いでおり、長距離の攻撃が捗る『フォールディング・バズーカ』と『マイクロミサイル』を次々と撃ち放って敵船にダメージを与え続けていた。

 

遠距離攻撃だが実弾属性であり、実はコレSP扱いだ。 なのでSPが切れると味方がブーストドリンクで回復してくれる。 因みに両手塞がってるので子分が代わりに飲ませてくれるので助かる。

 

 

 

「甲板長、ドリンクです。 …あ、あーん!」

 

「あーん、ごくごく…」

 

 

 

良くあるエネルギードリンクの味だ。

 

なんだか懐かしいな。

 

 

 

「プハー、なかなか美味しい」

 

「え、そうなんですか!? わ、私たちは辛くて仕方ないのですが…」

 

「え? そうなの?」

 

 

 

ブーストドリンクの味はマーメイド達には不評みたいだ。 人間と人魚はどこか味覚が違うのか? またはコイツらの舌がお子ちゃまだからかな? ボニーもあまり辛いのは好みじゃ無いからそこら辺どうなのやら。

 

まぁそんなことよりも今は戦闘に集中だ。 もっと弾幕を撒いてボニー達を援護する必要がある。 いま彼女達は海の中を泳いで敵の船に強襲しようと機会を伺っている。 なので俺とアシェル達でしっかりと突破口を作らないとただの消耗戦で終わってしまう。 敵の()を制圧すればこの海賊戦は終わりだ。

 

 

「フラッグ! 一気に砲撃するぞ!」

 

「了解だ、アシェル…よし、装填完了。 いつでも放てるぞ!」

 

「打ち方よーい!!」

 

 

アシェルは指を上に掲げて一本ずつ折り曲げる。 指でカウントを終えた瞬間、アシェルは「放て!」と力強く叫ぶと子分達は大砲から砲弾を放つ。 他の子分達も次々大砲の中に入り込んで砲火、敵の船にダイナミックエントリーする。 見慣れた光景だがアレって実際は大丈夫なのだろうか? 度胸溢れる子分達の危機管理能力を疑いながら俺も攻撃を開始する。

 

 

 

「いけ!『大型収束ミサイル』!!」

 

 

 

一斉に放たれる砲撃は敵を怯ませる。 激しい一斉攻撃によって敵の指揮系統を麻痺させるとボニー達は待ってましたとばかりに強襲乗船を行い、一気に敵の船の制圧を開始する。

 

アシェルも援護に回ろうと海の中に飛び込み、俺はひたすらおさかな号で仲間と共に砲撃戦で叩き込む。 あまりやり過ぎるとフレンドリーファイヤーしてしまうのでタイミングを測りながらも攻撃の手は緩めない。

 

 

 

「お主がお頭か?」

 

 

「そうだが何か?」

 

 

「我は大海賊ロザの子孫、名はボニー。 其方の首を討ち取らせてもらうぞ」

 

 

「へっ! 子孫だがなんだか知らねーが上等じゃねーか! 来い!」

 

 

「よし!参るぞ!!」

 

 

 

お互いのお頭同士は剣を引き抜き、戦いが始まる。

 

剣撃による勝負はボニーが優勢になり敵大将に引けを取らない。

 

 

「うおりゃぁー!」

 

「う! ぐぐっ! こ、こいつ!!」

 

 

 

海賊の間では『お頭 対 お頭』の一騎討ちが主流であり大体はこうして戦い合う。 そしてこの時のボニーは誰よりも強く、アシェルすらボニーには勝てないほどだ。 マキブをフル活用すれば俺も負けることはないが、未だに剣同士で交えた勝負だとボニーには勝てない。

 

その腕前によって皆から尊敬を抱かれてる。

 

今のボニーは強くてかっこいい皆のお頭だ。

 

 

 

「はぁ!!」

 

 

「なっ!?!?」

 

 

 

お、上手いな。

 

浮き輪を敵大将にぶつけるとそのまま輪っかの穴に剣を通して敵のお頭に一撃斬り込んだ。

 

 

 

「コイツっ!!」

 

 

がむしゃらに反撃してきた敵大将の攻撃、だが冷静なボニーは鞘で受け流すと肘打ちでタックルして体制を崩し続ける。

 

 

 

「ならば!こいつでも喰らえや!!」

 

 

「あまいぞ!」

 

 

 

敵大将は足元に壊れたタルの破片を飛ばして反撃するがボニーは尾びれで地面を叩き、畳返しの要領で足元にある木板を浮かせて盾にした。 そのまま木版を敵大将に弾き飛ばすと敵大将は木板を両断。

 

 

「見えたぞ!」

 

 

ボニーは腰にあるもう一つの武器を掴んで薙ぎ払う。

 

 

 

「フラッグ直伝『スクリューウェッブ』じゃ!!」

 

 

パリーン!

 

 

 

「なっ!!?」

 

 

 

敵大将の剣をスクリューウェッブで粉々にした。 ボニーの武器破壊に敵大将は苦虫を噛み潰したような顔で腰からもう一つの武器を取り出すが、ボニーは愛剣の『闇のサーベル』を投げて阻止する。 敵大将の取り出した短刀は投擲された闇のサーベルにより弾かれてしまい丸腰になる。 ボニーは間合いを詰めて敵大将の胸倉を掴むと腰に力を入れて地面に叩きつけた。

 

 

 

「うおお!!」

 

 

「ぎょえぇぇっ!?!?」

 

 

 

叩きつけられるとマントが首元から剥がれる。 ボニーは甲板に刺さっていた闇のサーベルを回収すると剥がした敵大将のマントと海賊帽子をサーベルの剣先に引っ掛け、真上に掲げる……

 

 

 

「討ち取ったり! 我らお魚海賊団の勝利じゃ!」

 

 

 

仲間に勝利を叫んでいた。 一騎討ちのお頭を守っていた良い仲間も勝利の雄叫びを上げ、敵の子分達は戦意喪失する。 こうして久しぶりにエンカウントした海賊相手に対して俺たちは勝利したのだ。

 

 

 

「本当にうまく戦うよなボニーは」

 

 

ボニーのバトルセンスは今のロリ状態なアリスを超えてるだろうな。

 

ロリアリスは多芸だけどいま現在はボニーが強い。

 

これは間違いない。

 

 

 

「あと他に言うならば…」

 

 

「あははは!あははは!!」ジタバタ

 

 

「笑いすぎだろ」

 

 

 

先ほどの『うおお』は魚の『うお』で掛けて、『ぎょえぇぇ!』は魚の『ぎょ』の意味を理解したエヴァは笑い転げている。

 

 

 

 

 

 

さて、戦後処理だ。

 

まず敵の海賊の旗を燃やしてしまう。

 

命を奪うことはあまりないが男の場合は…

 

まぁ、察してくれ。

 

あとは財宝と食料に家具。

 

もう何でもかんでもだ。

 

「海賊らしく頂いて行く!」である。

 

 

 

 

そしておさかな海賊団はいつも通りお祝いだ。

 

 

 

「フラッグ! 今日も活躍したのだ!」

 

 

「おつかれボニー、カッコよかったぞ」

 

 

「うむ」

 

 

 

ボニーと飲み物を乾杯する。 乱闘後に生き残った祝杯は美味しい。 あまりお酒は飲まないけどこういう時は少しだけ頂いている。

 

 

 

「そういえば敵から宝の地図を手に入れたよな?」

 

 

「うむ。 その地図は『昇天の羽』と聞いておるのじゃ』

 

 

「昇天の羽? どういう事?」

 

 

「わからぬ。 だがアシェル曰く『天使の姿が拝めれる』との事じゃ。 地図自体はまだ数十年前で最近らしい」

 

 

 

天使……か。

 

 

 

「………因みに場所は?」

 

 

「北の雪山の方とか言っておったぞ」

 

 

「………北、か」

 

 

 

北、雪山、天使……

 

これは、つまりあの場所を示しているのか?

 

 

 

「で……行くの?」

 

 

「もちろんじゃ!!」

 

 

 

即死と昇天の対策無しに向かうのか?

 

そりゃまた大変だなぁ……

 

フェニックスの羽を買い溜めしとくか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 西の外海 〜

〜 54日目 〜 昼 〜

 

 

 

 

外海はいつも荒れてるが今日はとても落ち着いている。 しかし今日まで外海のもん娘や同業である海賊から日夜連日海上戦を繰り広げて皆は疲弊していた。 嵐も襲いかかる外海の恐ろしさを感じながら激戦区からなんとか西に逃げ延びた。

 

しかし外海に関してだが…

 

いや、もう、簡単に死ねる。

 

内海がとんでもなく優しい事がよくわかる。

 

終始冷静な判断を下せるアシェルが居なければ壊滅していたところだろう。 船長であるボニーも戦うだけなら頼りになるし、士気も上がったりと根性面でならこの海賊団は乗り切れるが、船を操る関係上アシェルが居ないとおさかな号が沈んでいただろう。 その上で俺の存在は欠かせなかった。 おさかな号のこの船は砲撃戦に向かない船であり、速度を考慮した強襲型である。 つまりおさかな海賊団は船に乗り込んで戦うのが得意と言う事。 故に俺がエクバの職業で多彩に遠距離攻撃が可能だから船同士での砲撃戦は引けを取らないでいた。 しかしビーム兵器は俺の魔力が弱すぎて船に傷付けることはあまりできなかったが、実弾属性の武器は被害を広めやすく試作3号機のマキブが猛威を振るった。 なので俺も働き詰めである。 キツいです。

 

てか皆きついです。

 

なので夜は襲われなかった。

 

いや、夜は夜でデザートは別腹感覚に襲ってくるときはあったけど、今日それが無かったのは最後の海賊戦の時が理由。 ボニーとアシェルは敵の毒ガスにやられてしまった。 しかも厄介なことに神経が麻痺する毒ガスであり、多少なり治療は出来たものの自然回復を頼りにしなければならない。 今日は二人ともあまり動けないだろう。

 

だが幸運な事に海は快晴で、波は穏やか、周りに敵影無しで、布団を干せるくらいに晴々としている。 無人島から果実を回収したりと食い繋ぐ事ができる。 子分達が平和だとほのぼのしていたが、それは盛大なフラグとなった。

 

 

 

「人間では無いか! お主を貰うぞ!」

 

 

「ふぁ!? ビ、ビーム十手!」

 

 

「アベベべべ!!」

 

 

 

なんとマンタ娘が襲いかかってきた。 俺が船に乗り込む最中に海中から飛び出して攻撃したが、単調な拳だったのでビーム十手で防いで咄嗟に蹴り飛ばした。 しかしまた飛びついてきたのでF91のビームシールドを投げて拒否する。 船になんとか乗り込んだのだが先回りしていたかのようにおさかな号に上陸していた。 そして…

 

 

 

「お主! 私の花嫁になれ!」

 

「それを言うなら花婿だろ!」

 

「む、そうか! なら婿だ! 私の婿になれ! さも無いと船ごとメイルシュトロームで海の底に沈めるぞ!」

 

「疲弊してるこの船になんてことしてくれるんだお前は!?」

 

 

 

マンタ娘の大津波とか洒落にならない。

 

なんとかマンタ娘を落ち着かせる事にした。

 

その結果…

 

 

「メイルシュトロームは勘弁して欲しい。 そのかわり一騎打ちで白黒付ける提案を出す」

 

「む?」

 

「俺が負ければお前の物になる。 ただし俺が勝てば諦めろ。 それで決めよう」

 

「ほぉ? それは面白い。 だが人間如きがこの大海を制する覇者に務まると思っておるのか?」

 

「俺は弱いけど、俺に力を貸してくれる武具達は強い。 それを使い熟すのは大変だけど、そこを超えれば大海の覇者なんて強さは関係ない。 負けないさ」

 

「ふん、たまにお主のような無謀な輩も現れてはなすすべなく打ち倒される愚者も珍しく無い…が、その物言いは期待したくなるでは無いか。 よかろう受けて立つ。 せめて余興程度には奮ってみせい」

 

「よし決まりだな」

 

 

 

なんとか話を取り付ける。

 

でも決まったのは良いが…

 

 

 

「無謀だ!」

 

「何を考えておるのじゃ!?」

 

 

「マンタ娘のメイルシュトロームは危険すぎる。 船なんか簡単に沈んでしまうだろう。 しかし狙いは俺一人でこの船では無い。 ならば取るべき選択はコレだよ」

 

 

「し、しかし! 一人で戦うなど!」

 

 

「マンタ娘は一人で来ることを望んでいる。 もし約束を違えてしまうなら身栄えなくメイルシュトロームを放ってくるだろう。 それに…腕の立つ戦闘員のほとんどは前日の毒ガスが響いている。 おさかな海賊団の中でまともに動ける奴はいない」

 

 

「くっ、せっかく昨日を乗り越えたのに…」

 

「む、無念なのじゃ…」

 

 

「……」

 

 

 

 

そして、約束の時…

 

 

 

「待たせた」

 

 

「簡単には倒れてくれるなよ?」

 

 

「大丈夫、ガンダムはそう簡単に落ちない」

 

 

「?」

 

 

 

俺は一人で近くの小さな小さな孤島に降り立つ。

 

目もの前には海面に足をつけて立つマンタ娘だ。

 

俺はマキブを召喚して臨戦態勢に入ると、マンタ娘は戦いを始めた。

 

 

 

「では行くぞ!」

 

 

 

マンタ娘は開幕お得意のメイルシュトロームを放つ。 なんの準備も無しに放ったという事は予め力を蓄えていたのか、やってくれる。 迫り来る大波はやはりおさかな号に被害を与えれるほどで避けることができない攻撃である。 そしてこれに耐える事が出来なければ即おしまいだ。 しかし俺は回避を考えず目を閉ざして『太陽炉』のマキブを胸元に添えた。 強く念じる。

 

 

「「フラッグ!」」

 

 

 

ボニーとアシェルが叫ぶ。

 

人間一人を容易く飲み込む大津波だ。

 

マーメイドじゃない生き物がこれに飲まれて無事では済ま無いだろう。

 

 

 

「展開!」

 

 

 

俺は予め展開してた『シールドビット』で受け流していた。

 

 

 

「む? 耐えただと? ただの人間ではないな」

 

 

「トランザムッッ!!」

 

 

 

俺の体は薄い紅色に染まり、視力や聴力が研ぎ澄まされている。 体の底から湧き上がるこの感覚は何事にも素早く行動が移れる気分だ。 少しだけチリチリする。

 

ちなみにゼロシステムの手段もあった。 この場合だと思考力や判断力を急激に底上げして、敵の攻撃などを凌ぎ切れる力を得るが、誘導など関係ない流しゲロビの如く襲いかかる全体攻撃のメイルシュトロームから逃れる力はない。 ならばここは何もさせない怒涛の攻めで押し切るのみ……

 

 

 

「今日は本気モードだ! 惜しまないよ!」

 

 

「!」

 

 

紅く染まった体は高速で動くことにより残像を作り上げながらマンタ娘に接近する。 見たことない現象にマンタ娘は戸惑うが水の刃を飛ばして迎撃する。 だが俺は『ダーミー隕石』を召喚するとそれを踏み台にして回避する。 踏み台にしたこの動作はとある強化アクションに繋がる。 その結果懐にある『赤い彗星』のマキブが密かに輝いた。

 

 

 

「知ってるか? 赤くて三倍って言葉を?」

 

 

「なにを!?」

 

 

「このトランザムは色々と能力を三倍にしてくれる。 そこへ更に三倍の速度を投入したらどうなるかと言う事だ!」

 

 

 

急降下の落下蹴り(ゼイドラ特格)でマンタ娘に突撃する。 あまり早さに驚いたマンタ娘は腕を交差させて攻撃を受け止めるが最終的に力負けして吹き飛ばされてしまった。 おさかな号からはマンタ娘を相手に力押しで勝てたことに驚きの声が広まる。 そりゃ速さ(トランザム)×速さ(赤くて三倍)×(特格)のトータルから放たられる威力なんだ。 同じ身長差ならマンタ娘相手でも押し込める。

 

 

「ぐぬぅ、やってくれるッッ!」

 

 

 

「耐えるのか…」

 

 

マンタ娘に関しては外洋の海に住まうそこら辺のもん娘よりも5倍の体力を持ってることは原作ゲームのプレイヤーとして知ってたがタフすぎる。 可能ならば先程の一撃で仕留めたかった。 まもなく時間制限で体からトランザムと赤くて3倍が消えてしまいレベル差が出てしまい、その上身体に反動が出てしまう。 ゼロシステム終了後の頭痛よりはマシだが…いや、ゼロシステムも使う時が来るだろう。 出し惜しみで敵う相手じゃない。

 

 

 

「外海の覇者は伊達じゃないな…!」

 

 

汎用性が効くお気に入りのヴェスバーとABCマント(魔法100ダメ打ち消し)を召喚してそれを羽織ることにした。 本当はシールドビット(貫通以外100ダメ打ち消し)が安定だけど次の使用にまだ時間がかかる。 いまはこれで凌ぐしかないだろう。

 

 

「強いなお主! 今までであった人間の中で強い! ふふふっ! 強い男は好きだぞ!」

 

 

「そりゃどうも」

 

 

 

軽口を叩きながら俺はドダイを蹴り飛ばすとガンダムXのハモニカ砲を射ち放つ。 ドダイによって視界が遮られたマンタ娘はハモニカ砲のビームに反応できずに直撃した。 ダメージを確認しつつバズーカを取り出してそのまま海面に落ちる。

 

しかし足をしっかり海面につけると…

 

 

俺は海の上に立って浮いた。

 

 

 

「甲板長!?」

「海の上に立っていますよ!」

「す、すごーい!」

「なんでー!?」

 

 

「アシェル、あれは…」

 

「お嬢の考えてる通りだと思います。 あれはエクバの力では無い。 ミンクから購入した"人魚のお守り"がフラッグの体に流れる"あれ"を引き金にして海に立っているのでしょう」

 

「っ、その件はフラッグに黙ったままだ良いのだろうか…?」

 

「そうですね、いずれ明かさなければなら無いでしょう。 "あれ"に関しては致した無いとは言え黙ったままでいるのは良くない。 いずれフラッグ自身も違和感に気づくでしょう。 なら、私たちの口から打ち明ける必要があるでしょう」

 

「フラッグ……お主は…」

 

 

「フラッグぅ〜!」

「頑張って甲板長!!」

「負けないで!」

「がんばれー」

 

 

 

 

 

「ふん、モテモテだな」

 

 

「ああ、かわいい部下達だろ? はぁ…はぁ…」

 

 

「だがその部下の前で貴様は負けてしまうぞ、この程度で息が上がってるようならな!」

 

 

「そんなあんたもヒレに元気が無いぞ。 どうした? 最初のメイルシュトロームで息切らしたか? もしそうなら外洋のモン娘にしちゃ大したことねーな」

 

 

「っ、あまり調子に乗るなよ!人間!」

 

 

 

俺はヴェスバーで攻撃するがマンタ娘は海の中に回避する。 さっきから俺は海水から出たり入ったりして攻撃してくるマンタ娘とひたすら攻防を続けていた。 同じことの繰り返しだが長期戦ゆえに動きが鈍り始めていた。 だんだんと重なる疲労に集中力が下がる一方。 これは危ないな…

 

 

 

「(でも挑発は受けてくれた、なら後はゼロの二秒間がハマれば……)」

 

 

 

俺は余計なマキブをパージしてビームサーベルだけを持つ。

 

脳みそを働かせてマキブの『宇宙の心』をリンクさせて準備した。

 

後は敵の攻撃を………感じろッッ!!

 

測るんだ! タイミングを!

 

 

 

「どこを見ておる!沈め!」

 

 

「っ…今!」

 

 

マンタ娘の殺気を感じた瞬間『ゼロシステム』を発動した。 やはり使い慣れないマキブなので頭が痛むが、それを耐えながら背後からの攻撃を回避する。 しかし拳にエネルギーを込めたマンタ娘の攻撃は俺の左肩を掠めた。 ゼロシステム時の被弾による倍加ダメージが入るが歯を食いしばって浮遊するマンタ娘の下に潜り込む。

 

 

 

「貰ったぞ!!」

 

 

「なんだとっ!!?」

 

 

 

クリーンヒットした思った攻撃は左肩を掠めるように拳が通る。 予測不可能な回避はマンタ娘の思考を止め、その懐はガラ空きとなってしまう。 俺は体を大きく捻りながらビームサーベルを真下から振るい、マンタ娘の腹に力一杯打ち込んだ。

 

 

 

「ぐぬぅぅッッ!!?」

 

 

 

渾身の一撃を入れられたマンタ娘は真上に斬り飛ばされる。 サーベルなのにまるで打撃を受けたような痛みが体を襲われ、今のマンタ娘は無抵抗に打ち上げられた魚の様だった。 夕日が見え始めるその空からマンタ娘は俺を見下ろし、俺もマンタ娘の目を見る。

 

 

 

「落ちろ!蚊トンボ!!」

 

 

 

大海の覇者から受ける洗礼に決着をつけるため、ビームライフルを真上に掲げ…

 

 

 

「!」

 

 

 

トリガーを引いた。

 

 

 

 

 

 

 

バキューーーン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大海に映る ラストシューティング。

 

綺麗な夕日の中央でソレへ光った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名前【 フラッグ 】(真名:海ノ雪旗)

レベル【 39 】

熟練度【 54 】

この世界に来て【54】日が経過。

 

 

ここまでの冒険は

マンタ娘との一騎打ち前に

この日記帳に記録を残した▽

 

 

 

 

つづく





人間がマンタ娘とか言うヤベーヤツにタイマンで勝ってしまうマキブの恐ろしさ。 シールドビットが無かったらメイルシュトロームで一撃でしたね。 マキブの初見殺しが良く効きました。


《シールドビット》

ケルディムガンダムが使用する防御武装で自動で防いでくれる。 味方に使うことも可能であり、しばらくFドラ覚醒の鱒がこれの支援を受けて猛威を振るう時期があった。 実際にフラッグもボニーにシールドビットで支援したりと自分で使うことはあまり無いが、メイルシュトローム対策として使用した。 25機の中でかなり強い武装である。


ではまた
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