おさかな海賊団の幸せな旗   作:つヴぁるnet

6 / 37
10日目 〜 揺れる船の上で

〜 どこかの船 〜

 

 

強烈な閃光と共に身を焼き尽くした感覚から一瞬にして意識を失う。 もし意識を保った状態で焼き尽くされたら人は慣れない痛みと熱にやられ、精神的に襲う大きなストレスに耐えれず、一瞬で死ぬだろう。

 

そんな俺は人の限界は超えただろう脚力で船板を蹴り、無我夢中で飛び出した。

 

襲ってきた人魚を助けるために。

 

ああ、襲ってきたとかどうでもいい。

 

その人魚は無事だろうか?

 

爆発から庇うように抱きしめたが人間一人程度の壁で防げるか不安だ。 無事ならいいが…

 

 

しかし俺はあそこで命を投げ捨てたか…

 

 

爆弾については自業自得なんだけど俺は居ても立っても居られなかった。 そりゃ好きなキャラが悲惨な目に合う。 それは心苦しいが、命投げ打ってでも助けたいのかと聞かれるとわからない。 自分が大事だからノーと答えるかもしれない。

 

 

だが、やはりかな。

 

男としてくだらない部分が出たのかな。

 

女の子を助けたくてヒーロー気取ったのかもしれない。

 

でも、まぁ、なかなか自分でカッコよかったなんて思う。

 

この世界に来て勿体ないことしたけど…

 

まぁいいかな。

 

人助けではなく、人魚助けになったが、原作に必要なキャラが助かったんだ。

 

結果オーライとしよう。

 

愚かな事には変わりないが俺は少なくともこの行動は恥じない…

 

 

さて、目覚めたら次はどうなるかな?

 

 

そこは天国か地獄か…

 

 

または輪廻転生してどこかに覚めるか?

 

 

 

達成感と共に意識は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お嬢が爆発に巻き込まれた。

 

だが対立していた1人の青年が飛び出してその爆発から守ろうと庇った。

 

おかげでお嬢は軽傷。 ちょっとした火傷傷だが私たちは人魚ならその程度ならすぐに治る。 しかし大火傷負ってしまったら後遺症として残る。 マーメイドは生命力があるから大怪我も平気だと甘い考えはできないのだ。 モン娘は丈夫だが無敵ではない。

 

しかしお嬢を庇うように抱きしめて、爆発を背にして守った。 そのため青年の背中には大火傷を負ってしまいそれは血が止まらない。 爆発で吹き飛びながら気を失い、放り出された船板の上でピクリとも動かなかった。 しかし呼吸はあり、まだ生きていた。

 

あの近距離で爆発を受けて不思議だ。 助かったお嬢は冷静を欠いながらも皆に撤退を指示した。 お嬢の慌てようを見た子分達は捕まえた人間から追い剥ぎも忘れて撤退する。

 

襲撃した報酬は少々の食料を得たくらいか?

 

その時、お嬢は倒れた青年を連れ出そうとした。

 

気が動転した私は止めたがお嬢は「助けなければ!!」と振り払う。

 

船を襲った側としておかしなことを言うがお頭は言葉を止めずに言い放つ。

 

いつもの私なら怒るところだが「いつもわがままを言うが今回の今回は何がなんでも譲れない!!」とお嬢の必死な目を持って言われた。

 

子分にも急かされ、私がココでモタモタするわけにもいかないので了承した。

 

そして今はおさかな号の医務室。

 

そこにひとりの青年が苦しそうに寝ている。

 

 

 

「…」

 

 

 

この青年のお陰でお嬢が助かったのは確かだ。

 

お嬢は……【ボニー】は先人に託された金の卵であり、その卵の殻を台無しにしないように青年は身をもって守ってくれた。 たしかに爆発から守ってくれたことで彼は恩人だろう。 でもなぜ助けてくれたのかは不明だ。 しかしそれは彼を救ってから問うべき。

 

そして【おさかな海賊団】として彼に恩を報いるべきだ。

 

 

 

「すまぬ、すまぬ!青年!」

 

「お嬢、落ち着いてください」

 

「っ、アシェル! 我らおさかな海賊団は船を襲うにしろ殺傷は論外なのはわかっておるだろ! 非常時にしても半殺しまで! それなのに私は!」

 

「分かってます、だからこの人を助けますよ。 まずは人に有効な薬で始めますからお嬢は離れていてください」

 

「わ、私に出来る事は…」

 

「後ろで見守っていてください」

 

「っ、ア、アシェル、本当に何もないのか?」

 

 

いつもならめんどくさがるお嬢も今はこの人のために必死だ。

 

だから少しお嬢に出来ることを考えてあげた。

 

 

 

「……なら、この薬で"アレ"をやってください。 前に座学で教えましたね? それを完成させて持ってきてください。 まぁ"アレ"に関しては最終手段で扱いますが有るか無しかで_」

 

「わ、分かった!」

 

 

お嬢は邪魔にならない隅の方に移動。

 

器を置き、そしてナイフを持って腕に斬りつけ始める。

 

どうやらお嬢も本気のようだ。

 

 

 

「わたしも治療を急ごう」

 

 

それから青年の服を剥ぎ、背中を上にする。

 

酷い火傷だ…

 

これをお嬢が受けたら無事ではなかった筈だ。

 

しかしなぜ助けてくれたのか…

 

 

 

「いや、直すのが先決だ。 よし…」

 

 

人の治療をしたことない訳ではない。

 

だがここまで酷い怪我の治療は初めてだ…

 

……正直不安だが先人から託されたお嬢の恩人だ。

 

救ってあげないと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

波で揺らされる感覚が心地よい。

 

そして口元は鉄分の味で満たされていた。

 

吐血でもしたのかな?

 

少し苦いが、それが苦いと分かるのなら味覚はまだ生きていて、俺はまだ正常だろう。

 

力の入らない体は地球の重力に任せ、静寂な闇の空間に無防備で横たわる。

 

しかしそれはとても心地よく、気分が落ち着いていた。

 

 

 

ザバーン、ザバーン…

 

波の音…

 

波の……音??

 

 

 

 

目を開けて暗闇の世界から引き上がる。

 

ここは? 一体…

 

そして出た言葉は…

 

 

 

 

「………知らない天井」

 

 

 

すんません。

 

一度言いたかったんです。

 

しかしここは?

 

天国とか地獄とか死後の世界じゃないのは確かだ。

 

だって背中がヒリヒリしているんだ。

 

痛みを伴うのは生きてる証拠だるぉ?ってところ。

 

…しかし思ったほど痛みは無く、本当にヒリヒリとしている程度だ。 いや、どういう事だ? 確か爆発に巻き込まれたのは覚えていて…

 

もしやどこかにリスポーンしたとか?

 

RPGゲーム特有の復活ポイント的なのが存在してるのか?

 

でもそれが"船の中"とはどう言うことだろうか?

 

もしかして時間が巻き戻った?

 

いや、それにしては綺麗に手入れされた部屋の中だ。 俺が乗り込んだ船よりもやや豪華というべきか。 だから違和感にすぐ気付く。

 

 

 

「……窓の外は海だな」

 

 

窓から見える大海。

 

海面は朝のお日様の光でキラキラと綺麗に反射する。

 

それよりもいま俺が寝転がっているのはベッドだ。 俺がいた船の寝室にはハンモックしかなかった筈。 なら本当にここはどこだ? 再度周りを見渡すが内装も高価そうな物も置いてある。 あの船にこんなのあるように思えない…

 

 

「…」

 

 

とりあえずこの部屋を出よう。

 

廊下に出れば誰かに出会うだろうし…

 

 

 

ガチャ

 

 

「んあ?」

 

「!」

 

 

運良く目の前に誰かがいた。

しかしそれは目を疑う。

 

金髪の長い髪、やや小さな体格に対して強烈に実っているたたわわが二つ、海賊の帽子と眼帯、そして何よりピンク色の綺麗な鱗を纏った魚の尻尾。

 

そう、マーメイドだ。

 

 

「ぇ………は?…はぁ!?」

 

 

俺は思わず声を上げて後方へ素早く撤退する……が、体の痛みが走り転倒して小さな机に頭をぶつける。 泣きっ面に机の角は酷いです。

 

 

「痛ッッ!!」

 

「だ、大丈夫かお主!?」

 

 

目の前のマーメイドは心配してるのかこちらに寄り添いワタワタとする。

 

とりあえずこのマーメイドに敵意は無いようだ。

 

 

「いや、まだ少しフラつく…」

 

「それはお主があの距離で爆発を受けたからだ! わ、私を庇って、あんな近くで……熱かっただろうに…」

 

「え? あ…そういやあんた、あの時のマーメイドだな? ええと……第一印象はアホの子だった」

 

「な! ぐむむ、お主もアシェルと同じようなことを言ってくれる。 そんなに私はアホの子に見えるのか!? これでも私はお魚海賊団の長であり、皆のお頭なんだぞ!」

 

「そうか。 ならあんたは生きていないとな。 だからあんな爆弾で死ぬとかマヌケ抜かすなよ」

 

「!!」

 

 

冗談のつもりでからかったがお魚海賊団のお頭は何か悩むと目に見えて元気をなくし、どこかコチラに負い目を作りながら話しかけてきた。

 

 

「その、爆弾についてなんだが…」

 

 

 

次の瞬間、帽子を脱ぎ捨て、地面に伏した。

 

 

 

「すまぬ!」

 

「……!」

 

「まさか人を大怪我させてしまうなんて!私は最低最悪な海賊だ! 船を襲う時は極力相手に大怪我させないようにしてるのにこの有様だ! あんな大火傷して、さぞかし痛かっただろうに!! 本当にすまぬ!!」

 

「お、おい」

 

 

まさか土下座して謝るとは思わなかった。

 

 

「私は何しても構わぬ! 殴ってもいい! 切り刻んでも良い! ぐちゃぐちゃに犯しても構わない! 私はどうなってもいい! だから仲間に報いらないでくれ!!」

 

「お、落ち着け! アレは俺が勝手に飛び込んでしまっただけだ! 覚悟であんな事をやったまでだ。 その、あ、アレだ! 変にヒーロー気取って助けただけだからあんたがそれほど負い目に負うことは無い!! 頭を上げろ、船長!!」

 

「…っ、許すのか? この私を許すのか?」

 

「許すも何も俺が勝手に大怪我したんだ。 だからあんたのせいじゃ無い。 何度でも言う。 俺の怪我に関してはお前は悪くない」

 

「っ!」

 

「それにさ、助けた事についてはアレだ……人だろうと人外の人魚だろうと"こいつは救いたい"と思って飛び込んだ。 悪く言えばただの自己満足だよ。 ほらヒーロー気取りたい男としての性でもある。 だから気にしなくていい。 そして今はこうしてお互いに助かって良かったと思ってる。 それで良いじゃないか?」

 

「だ、だが、たとえ自己満足でも私は助けられたんだ、お礼しか無いのだ。 ありがとう」

 

「…」

 

「私は先人に託されたのだ。 だから簡単に死ぬことは出来ない。 もしあの爆発で航海できる身体ではなくなったら私は死んだのも同然だ。 ホッとしたんだ大怪我負わなくて済んだと。 その代わり助けた青年が爆発に焼かれていた。 私は自分が憎い。 私は何事もなく助かったと思って……ぅぅ、その背中は痛かっただろうに…」

 

「まぁ…めちゃくちゃ痛かったのは確かだけど、脳みそが即座に意識を絶ったから死ぬような痛みは感じなかった。 それに何となくだが、このマキブ達が守ってくれた気がしたんだ。 だから大丈夫だよ。 気にしすぎないで」

 

「ぅぅ、お主はとても優しい人間なのじゃ…」

 

「ありがとう。 それよりも目覚めたらまさか襲われた奴らの船だし。 ここは……君たちの船って事だよな?」

 

「う、うむ! そうとも! ここは我らがお魚海賊団の船だ!」

 

「へー、そりゃ立派だな」

 

「おうとも!」

 

 

さっきまで自分を責めていたが船の話をすると自慢しだして元気になりだした。

 

これで良いだろう。

 

 

 

「内装も綺麗だし、良い船だな」

 

「おお!分かるか! と、言ってもこれは譲り受けられてきた船だ。 だから私の力で手に入れた訳でもない。 だが今は私の船だ! 次の世代のためにもっと良くしないとな!」

 

「志は高く、素晴らしい姿勢だ。 あ、ところで俺の名前知ってるか? 俺はフラッグと言う」

 

「自己紹介を忘れていたな。 私は【ボニー】だ。 これから長らくよろしく頼むぞ、フラッグ」

 

「ああ、よろしく………え? 長らく??」

 

「お主はまだ傷が完治しておらぬ。 だからしばらくはここに居てもらう。 これは絶対じゃ。 このまま返しては私はお主に報いきれぬ」

 

「あまり気にしすぎなくても良いが、そこまで言うならしばらくお世話になるよ。 航海に興味がない訳じゃないからな」

 

「おお! なかなか度胸があってよろしいぞ! ならよろしく頼むぞ!」

 

 

 

「ではお嬢、泳ぎの練習の時間です。 行きますよ」

 

 

 

「うお!? アシェル!?」

 

「あ、どうも」

 

 

 

この船の副団長、アシェルだ。

 

青い肌にサメのように少し怖い目つき。

 

そのギャップに対してボニーに負けぬたわわの持ち主。

 

 

 

「しっかりと目が覚めた様だな。 二日は眠り込んでいたから心配になったが良かった」

 

 

「心配していたのですか? アレは俺が勝手に飛び込んで大怪我しただけですよ。 それに襲う側と襲われる側で対立していたんですから、別にこうして助けなくてもね?」

 

 

「だがあんたは恩人さんなんだ。 放っておくのは無理な話だな。 それにそっちが勝手に飛び込んで助けたと言うなら、こっちも勝手に救わせてもらっただけさ。 だからもうこの話は終わりだ」

 

 

「わかった。 じゃあ、ええと、俺の名前はーーー」

 

 

「フラッグだろ。 私はアシェルだ、よろしくな」

 

 

そう言って互いに握手をする。

 

今は対立してる関係でも無いから互いに穏やかだ。

 

そして目の前で大きく揺れる胸、デカすぎ。

 

肩凝りそう…

 

 

 

「ではお嬢、行きますよ」

 

「ううー、嫌じゃ…」

 

「泳げないマーメイドの海賊団はダメですよ。 それじゃフラッグ、ここを家だと思って寛いでくれ。 ただし、お嬢の様につまみ食いは勘弁だぜ?」

 

 

そう言ってボニーを引きずり、小さなこの部屋から出て行った。

 

 

 

「……おれ、二日寝ていたのか」

 

 

道具袋を漁って中身を確認する。

ちゃんと必要ないモノは残ってるようだ。

 

そしてハンガーにかけてある上着の胸ポケットを漁ると……

 

 

 

「良かった、無くしてないようだ」

 

 

マキブは一つも無くさず、上着の中にあった。

 

これ、ちゃんと収納する袋的なのが必要になるな。

 

 

 

「これのおかげであの爆発から生きのびたんだよな」

 

 

不思議なアイテムだが、爆発に巻き込まれた瞬間、このマキブによって護られた感覚はたしかにあった。 具体的な説明できないが、不思議なアイテムって理由で今のところは片付けれるだろう。

 

 

 

「はぁ……ふかふか」

 

 

なかなか良いベッドだ。

 

多分どこからか奪ってきたと思うけど彼女らは海賊なんだ、不思議ではない。

 

 

「……しかしこんなに早くもお魚海賊団に会えるとはな」

 

 

冒険して入ればどこかで会えるだろう。

 

そんな軽い気持ちを持ちながら会える日を期待していたが、まさかのエンカウント。

 

襲われる側で彼女達と出会った時は彼女らの顔をしっかりと判別出来なかったし。 アシェルは分かったが、俺が爆弾から守った人魚がボニーなのは後に知ったりと慌ただしい出会いだ。

 

でもなんか満足したな。

 

2人を見れて。

 

 

「……しばらくお世話になるか」

 

 

逃げ出すために用意していたハーピーの羽を道具袋にしまい込んで、今一度眠りにつく。

 

まだ万全じゃない体を休めるため、しばらく揺られていた。

 

 

 

つづく




日記を書かずに終わる日もある。


《熟練度》
原作もんパラでの最大熟練度は10(☆)までだがエクバの職業は転職ができない代わりに99まである。 25刻みの数値で15>20>25>30と能力が上昇し、そのコスト帯に見合った武装が次々と解放させる。
1500、基本的な武装が使える。
ライフルやサーベル、斧やマシンガンなど。
2000、遠距離攻撃が豊富になり、次元強化に恵まれる。
ビーム砲やブーメラン、トランザムなど。
2500、圧倒的凶悪な武装に満ち溢れている。
ファンネルやプレッシャー、アグニやGセルフ系など。
3000、もうこれは言わずもがなッッ!!
ビームマグナムや高出力ビームライフル。
翼の光、粒子化、トランザム、ゼロシステム…etc

既にインフレしてるゲームだからこそインフレ上等ですね。


ではまた
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。