おさかな海賊団の幸せな旗   作:つヴぁるnet

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30日目 〜 おさかな号

 

〜 おさかな号 〜

〜 昼 〜

 

 

「よーし、ボニー、準備は良いな?」

 

「う、うむ! 宜しく頼むぞ」

 

 

俺はマーメイド特有のちょっと冷たい手のひらを掴み、ボニーを海の中に誘った。 そのまま重力に身を任せて海面へボニーと共に飛び込む。 バチャーンと海飛沫立て、海面にぶつかった痛みと共に俺の体は勝ってに浮き始めていた。 やはり海水は浮いてしまうな。

 

 

 

「フ、フラッグ、離すではないぞ!」

 

「はいよ」

 

 

泳ぎの練習のために人間に助けられるマーメイド。 なかなかの構図だが苦手なのは仕方ない。 それは彼女の豊満なたわわ…もとい脂肪の塊がプカプカと力強く浮くため泳ぐ事に苦戦が強いられる。 そのため泳ぐごとを苦手としてい。

 

 

「フラッグ、持って来たぜ」

 

「ありがとう、そんじゃボニーこれを両手で掴むんだ」

 

「う、うむ!」

 

 

海面から顔を出したアシェルが重たい錨を持ってきたのでそれを受け取り、そしてボニーに受け渡すと重さで海の中に少しずつ沈んで行く。 よし、上手くいってるな。

 

 

「肺をマーメイドのに切り替え忘れるなよ」

 

「大丈夫じゃ、ボボボおぼぼ」

 

「すぅぅぅう!」

 

 

 

ボニーの手を掴んだままなのでそのまま俺も錨の重さに引かれ、海の中に沈んだ。

 

 

そして目を開ける。

 

 

開いた目は、海水によって侵入する……事はなく、ごく自然と海の世界で目を開ける事が出来た。 なにこれスゴイ。

 

すると…

 

 

「どや? お渡しになった商品の効果は絶大やで?」

 

 

話しかけてきたのはアシェルではない。

 

一人の『行商人マーメイド』だ。

 

俺は頷くとポケットに包んでいた金貨を渡す。

 

すると行商人マーメイドは満足げに頷いた。

 

 

「『深海のアクセサリー』は海の近くで戦うと海の力が持ち主にエネルギーを注ぐんや。 そんで海のエネルギーを貰ろうたちゅうことは海の中で目を開けることも可能やで。 あと実は呼吸もできる……やけどオススメはせーへん。 呼吸ができても海水の塩が大量に口の中に流れ込んだりと大変なことになるからなぁ。 アイテム自体の改良をしない限りは使わんほうがええで。 そこんところは気ぃつけや」

 

「」コクコク

 

 

とりあえず空気は肺に沢山詰めたからあとは自分の力で長く息を止めるだけだ。 それよりもボニーがある程度海の奥に潜り込むとアシェルは錨をボニーから回収してしまう。 俺はアシェルの手を掴んでボニーから離れ『b』とサインを送って励ます。 頑張れよ。

 

 

 

「…」

 

 

早速ボニーは浮き始めるがジタバタとして浮き上がる体を抵抗する。 深海へと泳ぎ、奥へ奥へ潜る。 すると無抵抗に浮いていたボニーの姿はもうすでにそこになく、正真正銘のマーメイドであることを俺たちに見せつけた。 ボニー自身もこんなに泳げる事に驚いていたらしく、嬉しそうに泳ぎまわっていた。 長く面倒を見てきたアシェルもこれには満足げに表情を作る。

 

そして俺は海の上で生きる海賊の生活で慣れたのか3分近くはその場で耐えていた。

 

まぁ激しい動きをしなければこの程度な。

 

でもたまに陸が恋しくなるね。

 

 

「!? む、むぐぐっ…」

 

 

そんなこと考えていたら呼吸が苦しくなってきた。 2分ほど止めた呼吸も苦しくなったので俺は海面に一旦撤退しようと思い、上に泳ごうとしたがアシェルが俺の腕を掴み、そして頬を撫でる様に顔を固定する。

 

 

「(ちょ!? 息がヤバイから!?)!!?」

 

「そんなに驚くなよ。 それにわざわざ海面まで浮く必要はないぜ?」

 

 

ニマニマと笑うアシェル。 何か海の中でも呼吸するための手段でもあるのか? だが息苦しさに余裕ないため早く海面まで顔を出したい。 再度上に泳ごうとしたらアシェルは俺の顔を固定すると…顔を近づけてくる。 そして互いの口が合わさり合った。 接吻だ。 俺は驚きにもがいてしまいそうになるがアシェルは解放する事はなく、空気が肺に入りやすいようにするため俺の顔を少し斜めに固定すると先ほどよりも強く押し付け、貪るように口付けを交わす。

 

アシェルから沢山の空気が注がれると肺は落ち着き、口からゴボボボと溢れると充分に空気が注がれた事を確認したアシェルは満足げにゆっくり離れる。

 

 

「なかなかお熱いなかやな、お二人さんは」

 

「っー!」

 

「やれやれ、何恥ずかしがってんだ?」

 

 

行商人マーメイドに茶化されると恥ずかしさが膨れ上がる。 アシェルからはケラケラと笑われる。 俺は行き所に行く感情をちょっとした怒りに任せてアシェルの頭に軽くチョップしようと思ったが。

 

 

「おっと?」

 

 

「!、!」

 

 

流石マーメイド、簡単に逃げやがる。

 

俺はビームサーベルを二つ取り出すと出力を圧縮して一気に放射する。 ジェット噴射のようにビームサーベルが俺を押し、アシェルに接近する。 アシェルはこの裏技に驚くが直ぐ様真下に泳いで俺の接近から逃れる。 だめだ、全然勝てない。

 

俺は諦めてビームサーベルを投げ捨てながらアシェルを睨む。

 

 

「……」じー

 

「そんな睨むなよ。 とても可愛かったぜフラッグ、ごちそうさまだ」

 

 

俺はわざと腕を組んでプイッと不機嫌なフリをする。

 

タツノオトシゴみたいにプカーと海面を浮いてると?

 

 

ガシッ

 

 

 

「?」

 

 

「……何イチャイチャしておるのだ、フラッグ。 私はこんなにも頑張っておるのに」

 

 

ジト目で不機嫌なボニーに足を掴まれていた。

 

 

 

「フラッグが見てくれないと我はうまく泳げないのじゃ。 なのにアシェルとイチャイチャしよって……妬ましいぞ」

 

 

そう言ってボニーはぎゅっと抱きしめる。 大きく柔らかな胸が体に押し付けられながらボニーの接近する顔に逃げれず、彼女の口に奪われる。

 

 

「んんん〜」

 

「!、!!」

 

 

本日二度目の接吻だ。

 

激しく啜るボニーに俺は目を白黒させる。

 

流石、もん娘だ。 性技に関しては男を骨抜きにする力を当然のように備えている。 むしゃぶりつくようにボニーから熱く啜われてしまってい、快楽に抵抗のない人間の俺は身体中に心地よい快楽の波が行き渡る。

 

や、やばい…これは……力が抜ける…

 

ま、待て……こ、これ以上は……

 

 

「乙女の嫉妬やな。 兄ちゃんは罪な男やで」

 

「やれやれ」

 

「……やれやれ、って副団長の姉御や、尻尾の先が揺れてまっせ」

 

「!? …ち、違うぞ!!」

 

 

ちなみにマーメイドのヒレの先がピクピクと小刻みに動くのは怒りの近い感情の表しである。 それはボニーと無抵抗に接吻をうける俺の行動に対して反応してるのはたしかだ。

 

つまり…

 

これは『嫉妬』してる事になる。

 

 

「いやー、ほんまに罪な男やな(あん)ちゃんは。 あたいもその中に入れてほしいわ。 そんでたんもりとあたいも兄ちゃんの事を可愛がってあげたいわな。 お金のやり取りなしで隅から隅までお釣りがくるくらいになぁ」

 

「……フラッグはうちの団員だぜ?」

 

「それでも兄ちゃんならウチの事も受け入れてくれると思うで? だってわざわざ海の中まで潜っておたくらの団長さんの練習に付き合ってあげてるんや。 人間なのにわざわざよ? それでも付き合ってあげる兄ちゃんは本当に優しい人や。 それだけ優しい人。 そんな人を独り占めしてるあんたらには妬いちまうなぁ」

 

「……」

 

「うちはアシェルの姐御と相当長い付き合いやからわかるけど、もしアシェルの姐御が異性に好意を寄せるとしたら、それは相当魅力的な男やないとあり得ない事やで? ここまで言ったら後は分かるやろ? うちも妬ましい限りや、アシェルの姐御」

 

「……"ミンク"」

 

「なんや?」

 

「私はサメの一族としての僅かな生き残り。 だから繁栄させるにも男が必要だ。 だが繁栄すると言っても私は…」

 

「分かってる。 アシェルの姐御も女や。 それくらい分かる。 だからちゃんと立派な男を選ぶんや。 大昔言ってたよなぁ? 強くて、カッコよくて、優しくて、素敵な殿方の、そんな人の遺伝子をお腹に貰って子を産みたいってなぁ。 数が少ないからこそ立派な一族を残したいって」

 

「……」

 

「応援してるで、アシェル。 もし兄ちゃんから愛を貰って、子を産んだら見せてや。 待ってるで」

 

 

アシェルに向けたその顔はまるで未来に進む友人に向ける表情だ。

 

行商人としての顔ではなく身内に対する応援だ。

 

 

「……ミンク」

 

 

するとアシェルは柔らかく笑う。

 

行商人マーメイドのミンクは首をかしげる。

 

 

「実はな」

 

「?」

 

「私はフラッグからもう貰ってるぜ?」

 

「」

 

 

お腹をさすり出したアシェル。

 

ミンクはパカっと口が開いたマヌケ面を晒す。

 

 

 

「ケケケッ、良い顔だなミンク」

 

 

アシェルはイタズラ成功とばかりに馬鹿にする。

 

ミンクは少しだけ考えるとアシェルに不機嫌な表情で訴える。

 

 

「なんや……繁栄がどうちゃらこうちゃらは演技やったんか、悪いやっちゃ」

 

「『私の男』を横から取ろうとしたからだ。 久々に良い顔が見れて気分がいいねぇ」

 

「まぁ…ええで、そのかわり良い事を聞いたわ。 とうとうアシェルが決めた男が出来たって事や。 だとしたらこんな顔見せてしもうても別に構わへんよ」

 

「……でもちゃんと子供は見に来いよ? 可愛い子を見せてやる」

 

「ええよ、その時はお祝いの品を持ってきてやるわ。 九割割り引いてな」

 

「タダじゃないのか」

 

「冗談や」

 

 

懐から先ほどフラッグから受け取った『深海のお守り』の料金である金貨をアシェルに返す。

 

 

「兄ちゃんに渡したアクセサリーはお祝いとしてあげたる。 ほな、うちは次のお客さんを見つけに行くわ」

 

 

最後にボソッと『本当に羨ましい』と言って行商人マーメイドは去っていた。

 

重たい荷物を持っているが、マーメイドはなんともなく海の奥へと消えてゆく。

 

 

 

「まぁ……別にフラッグが認めればミンクもその輪に入っても良いけどな。 現に…お嬢もフラッグから"受け取ってる"からね。 あとほかの団員も数名ほどだが隠れてフラッグを襲っているようだねぇ。 恐らくもう既にお腹にフラッグの子がいるだろうな…」

 

 

 

 

「ぁ…ぁぁ、ボニぃ……そ、それ以上ぉぉオボボボボボ、深い、この…池…!」

 

 

 

あ、ここ海だったわ。

 

 

 

「ふふふ、フラッグのバカモノ。 この程度で終わると思う事では無いぞ♡ ……むむ、お腹の奥が疼いてきたぞ。 ふふ、このまま襲うか」

 

 

「やれやれ全く、そのままだとフラッグは溺れますよお嬢。 もし海の中で襲うならまずはマーメイドとしての力を充分に発揮しなければ人間は海の中で満足に空気を得れないですよ。 そうなると襲われるとごろじゃない話だ」

 

「そうか、ならマーメイドとして恥ずかしくなく泳げるようにならなければな。 フラッグのためにな」

 

「やれやれ、相変わらずフラッグのことになるとやる気が違いますね、お嬢」

 

「うむ、私はフラッグの事がーーー」

 

「オボボボ!!!ガバは…ァァァ…… 」

 

「「っ!? や、やばい!!?」」

 

 

 

 

 

おさかな号の下で二匹の人魚と一人の青年は、お昼前に楽しいひと時を過ごす。

 

フラッグの口から溢れる無数の泡は、この先の未来の数を表してるようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名前【 フラッグ 】(真名:海ノ雪旗)

レベル【 26 】

熟練度【 36 】

この世界に来て【30】日が経過。

 

 

 

ここまでの記録と共に

おさかな号の個室で日記帳に記録を残した▽

 

 

つづく





《行商人マーメイドのミンク》

名前の通り行商人のマーメイド。
褐色の肌がエロティックで好き。
アシェルとは旧知の設定である。


ではまた
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