はい今回推奨BGM、EX-Sガンダム戦闘BGM。
ビームの線条が、ゼダスとEX-SガンダムRⅡの間を奔り、2体は距離を取ることを余儀なくされる。
罠か、好機か。刹那の迷いの末、カモは賭に出た。
「【モードX】、起動っ!」
ガシャリと音を立て、背部ウイングユニットのパーツが分割し、その間から緑色の燐光を放つ刃のような半透明のパーツが露出する。
カモはあるダイバースキルをインストールしていた。【Xラウンダー】と呼ばれるそれは、ガンダムAGEに登場したニュータイプっぽい特殊能力者の総称だ。そして原作でゼダスを製造した勢力【ヴェイガン】のMSは、一部の機体にその能力を活用するシステムが搭載されている。
Xラウンダー専用の脳波操縦システム【Xトランスミッター】を全力稼働する形態モードX。カモはそれをウィングユニットという形でゼダスに追加していたのだ。それ発動することにより機動力と反応速度が劇的に上がる。これが彼の必殺技であった。
所謂ファンネルと呼ばれる思考制御の攻撃端末も併用することが可能だが、カモはその分を全て機体の能力向上に回している。その結果、トランザムシステムと互角以上のスペックを発揮させることが可能となっていた。
相手が例えトランザムシステムを持っていたとしても、ダイバーの反応速度はこっちが上だ。機先を制すれば勝ち目は十分。そう見て取ったカモは、尻尾のような形で備えられていた実体剣、【ゼダスソード】を右手に装着し、閃光のような軌跡を残して稲妻のごとく駆け、EX-SガンダムRⅡに迫る。
それに対するジンは、慌てず騒がず己の必殺技を発動させた。
「【EXトランザム】っ!」
バックパックとテイルスタビライザーが跳ね上がり、機体全体が紅く発光し始める。そしてEX-SガンダムRⅡは、カモのゼダスと同等の速度で駆け出した。
備えられた4基のGNドライブTを同時発動させる。リミッターをかけているためドライブ1基ごとの最大出力は通常のものより劣るが、同時併用によりそれを補うどころか通常の数倍の能力を発揮できるのだ。それがEXトランザムと名付けられたものの正体である。
ぶっちゃけ普通のトランザムよりちょとすごいトランザムというだけなのだが、こういうのは雰囲気とノリである。ともかく己と互角以上の速度と機動性を出している敵を見て、カモは舌を打った。
「ちっ、予想以上の速度! だが反応までは及ばないだろうが!」
空中をピンポールのような反射機動で駆け、EX-SガンダムRⅡに追いすがろうとするゼダス。それから同じような機動で逃げ続けるジン。
「こいつは派手な追いかけっこだ!」
言う言葉には、どこか余裕があるように思われた。事実――
「!? 俺と同等の反応!?」
牽制のハンドビームを回避するEX-SガンダムRⅡの反応は、Xラウンダーを持つ自分と同レベルに見えた。
「まさか、ニュータイプとでも!」
機動戦士ガンダムの代名詞とも言えるダイバースキル。それをプラグインとしてインストールしているのかとカモは推測した。しかしあのスキルは莫大なポイントかビルドコインを必要とし、それ以外に入手できるイベントも少なくかつ難易度が高いものだ。自分のXラウンダーだって入手するのに結構苦労したのだが、それより困難なニュータープを手にしていたというのか。
もちろんそんなわきゃない。ジンがやったのは
さすがに操縦全般を任せられるほどではないが、相手の『射撃』を予測して回避するだけなら、ALICEはジンよりも早く反応できる。本人は機体のメインコントロールに集中し、射撃を回避することだけにALICEの能力を振り分ける。二人三脚のような小細工が、超絶の反応を得たように見せかけているからくりであった。
そうとは知らないカモは、敵の反応に戦きつつも追撃を諦めない。
「機動に集中しているせいか、射撃が雑になったのは幸いだが……」
時折撃たれるスマートガンやビームカノンの射撃を回避し、あるいは打ち払う。以前のような顔面だけに集中してカメラやセンサーを阻害するような精密射撃は、さすがにこのような状況では行えないようだと安堵するカモ。今回撃っているのはジン本人なので当然なのだが、そこまでは気づかない。
ともかく凄絶な機動戦闘は膠着状態に陥った。しかしカモには勝算がある。
(トランザムシステムにはタイムリミットがある。そして粒子の再チャージが完了するまで能力が低下し、システムの再使用には時間がかかる。そのときこそが絶好の機会)
数分、それがトランザムの使用限界だ。これはGBNのシステム上でも基本設定であり、ダイバーの方で変更することは出来ない。制限があるのはモードXも同様だが、トランザムに比べれば使用時間は長く、そして状況にもよるが連続使用も可能だった。要するに、向こうのトランザムが切れたとき、たとえニュータイプ技能を持っていたとしても、自分はモードXを維持したまま戦えるので有利になるとふんだのだ。
機会は必ず訪れる。その事実はカモに余裕をもたらす。がむしゃらにEX-SガンダムRⅡを追うのではなく、他の仲間と合流できないよう機先を制するようにハンドビームをうち込む戦い方に変わっていった。
時折EX-SガンダムRⅡは反撃を試みてゼダスに突撃しようとするが、そのときには距離を取り逃げを打つ。同格の性能が出ている今、格闘戦で上回るであろうEX-SガンダムRⅡの接近を許すのは悪手だ。時間が来るまでまともにやり合う気はない。
「卑怯とは言うまいな!」
挑発じみた言葉まで投げかけて見せる。それに触発されたのか、EX-SガンダムRⅡは次から次に接近戦を挑もうとしてきた。
いや、これは。
(そろそろ時間切れで焦りだしたか! いいぞ!)
トランザムの使用制限。それが近づいたゆえの攻勢と見た。もうすこし、もう少し待ち応えれば天秤はこちらに傾く。回避に専念しながらカモはそれを待つ。
そして、時は来た。
ひぅうん、とタービンが停止するように音が沈み込み、EX-SガンダムRⅡの機体色が元に戻る。
「この時を待っていた!」
ソードを構え、真正面から挑みかかるカモ。ニュータイプ技能を持っていたとしても、機体の反応が劇的に低下する現状では咄嗟の回避が遅れる。この機会を逃すものかと、カモは全力で打ちかかった。
ジンの口元が、ぬたりと三日月に歪む。
「
「なにっ!?」
轟、と再び機体が赤く染まり、粒子をまき散らすEX-SガンダムRⅡ。 大容量の粒子タンクを備えるこのガンプラは、長時間GNドライブを運用できるだけでなく、連続してトランザムシステムを使うことも可能な粒子量を誇る。そしてリミッターをかけ負担を軽くしたGNドライブT自体も連続使用に耐えうる強度があった。
つまりカモの目論見は、見事に崩れ去った。
タイミリミットに焦ったように見せかけたとき……からではない。
なぜ
驚愕するカモ。一瞬の隙を突いて最大加速で挑むジン。カモが我を取り戻したときには、振りかぶったスマートガンの銃剣が襲いかかる寸前であった。
「くぅっ!」
回避行動。それは僅かに遅い。
がつっ! と言う音が響く。ゼダスの左腕を肩口から切り飛ばしたEX-SガンダムRⅡは、強引に姿勢を制御して振り返りざまスマートガンを振るうが、さすがにカモもその場を離脱していた。
「ちっ、浅かったか」
舌を打つジン。一方カモは顔を歪めている。
「いまのでバランスが……やってくれる」
片腕を失ったことで高速機動での制御が困難になった。しかしへたに速度を緩めるわけにはいかない。足が鈍ればあっという間に追いつかれ、なます斬りにされてしまうことは目に見えている。
先ほどまでとは攻守が逆転し、ジンがカモを追う形となる。形勢が不利になったカモだが、まだ諦めてはいない。幸いにしてと言うか、EX-SガンダムRⅡに対するダメージソースとなり得るゼダスソードはまだ残っていた。ビームコーティングを施してあるこの剣は、Iフィールドだけでなくビームシールドをも貫通させることが出来る。隙をつけさえすればまだ逆転は可能であった。
「問題はその隙をどうやって突くかだが!」
どうやったか知らないがトランザムの連続使用なんてやらかす相手だ。時間切れなどもはや狙えないだろうし、それ以前にこのままでは追い詰められる一方。形勢は不利どころではない。
ならやるべきは、一つ。
「一か八かの賭けなど、がらではないがっ!」
そう吐き捨てて、カモはスロットルを
急激に速度を落とすゼダス。突然のことにジンは対応しきれなかったのか、そのままゼダスを追い抜いてしまう。その一瞬、EX-SガンダムRⅡが背面を見せたそのときこそが僅かな勝機。
「
バックパックのGNドライブそのものを破壊する。それがカモの狙いだった。そのために今まで温存していた胸部のビーム砲を最大出力で使う。機体の背面にまでIフィールドやビームシールドは展開できない。とは言っても上手くいくかどうかは全くの保証のない、まさに賭けだ。この一撃に全てをベットするという気迫を乗せて、彼はトリガーを引いた。
だがやはり、敵も然る者で。
「
ゼダスが速度を落とし背面に回るつもりだと悟った瞬間、ジンは両膝アーマーパーツに埋め込まれたリフレクターインコムを
ゼダスが胸部ビーム砲を放ち、それは背面のGNドライブを護るように展開した2基のリフレクターインコムにて、あらぬ方向へとねじ曲げられていた。
「なっ……」
「こう言う使い方も出来るんだよ!」
呆気にとられたカモの隙を突いて、ALICEによるサポートを受けた腰のビームカノンとスマートガンの射撃が飛ぶ。
それは狙い違わず、ゼダスの胸部ビーム砲を撃ち貫いた。さすがにその部分は、装甲の防御力が及んでいない。
「こんな手で――」
賭けに破れたことを悟ったカモの声は、爆発に飲み込まれた。エフェクトを残して消えていく残滓を見送りながら、ジンはリフレクターインコムが回収されたことを横目で確かめ、ため息をはいた。
トランザムは解除されていない。任意で発動を停止できるオリジナルと違って、GNドライブTのトランザムは途中で解除することは出来なかった。このまま他の仲間を手助けに行っても、恐らく途中でタイムリミットが来る。その上。
「粒子消費量から見ると、2回で7割近くか。……EXのタンクでも全開使用は2回連続が限度だな。個別に使えばそうでもないけど、当然出力は落ちる」
色々と『限界』が見えてきた。それは今後の課題とすることにして、ジンは戦況を確認してみた。
「……こりゃもう、手助けするまでもないか」
己の戦いが決着を付けると同時に、他の戦いもそれぞれ終幕を迎えようとしている。程なく勝負は決まるだろう。
ジンは腕組みして、高みの見物としゃれ込んだ。
ゆらり、ゆらりと緩やかに舞うような動き。
決して速くない。むしろ遅いとすら言える速度だ。
だというのに。
「当たらないどころかドラグーンを的確に落としに来る!? こいつっ!」
回避しながら一つ一つ、ドラグーンを撃破していく白いフリーダム。ナベも先ほどの全方位射撃を見てただならぬ相手だと悟り、相手の死角をつく戦い方に切り替えていた。
しかしそれでも当たらない。後ろ、いや全方位に目がついているかのように絶妙なタイミングで攻撃を避ける。そういったスキルでもインストールしているのか。まさか素でこんな回避技能を持つ者など……。
「おやおや、この程度の芸で驚かれるとはね」
挑発するような物言いもまた腹が立つ。何から何まで人をバカにしたような小僧だ。そしてそれだけの口を叩けるだけの実力があるのも勘に障る。
もっとも相手――キラ☆のほうもナベに一目置いていたりする。
(なんだかんだ言って本体はこちらの攻撃をきっちり回避している。冷静にさえなれば、僕と互角ぐらいにはなるか)
(悪いけど、僕も負けたくないんでね)
心の中で舌を出し、ついでとばかりにドラグーンユニットを一つ打ち抜く。
キラ☆がドラグーンの攻撃を見切れるのは、このような思考誘導兵器の攻撃パターンを
一発も擦らせることすらせずに最小限の動きだけで四方からの攻撃を回避する時点でおかしいのだが、上位ランカーであればこれくらいはお遊びにもならないとキラ☆は思う。
以前から近隣では難攻不落の空中要塞などと呼ばれているようだが、この程度所詮は小細工だ。上位陣の理不尽さに比べればまだ可愛いものだろう。大体自分だって最初の慣れないうちは被弾してたりしたものだ。各種武器の射程、攻撃範囲、発射間隔、特性などを片っ端から覚え込み、機体の動きの無駄を徹底的になくすように努力して今の自分がある。
普通に聞けば完全にガチ勢の思考だが、キラ☆は自分をエンジョイ勢だと言ってはばからない。
それでも、容易く負けてはやらないという意地くらいはある。
「これで、ラスト」
回避と同時に出力を落としたバスターライフルを放つ。そして最後のドラグーンユニットが打ち抜かれた。
そうしてからキラ☆は機体をレジェンドへと向ける。
「さあて、これで本当の一騎打ちってところかな」
「一々むかつく小僧ね!」
さすがにキラ☆も理解してきた。この女隠れた策士などではない。自分たちよりもノリと勢いで生きている類いだ。
気性が激しく、挑発されるとすぐ乗ってくる。リーダーシップはあるし素質も悪くないのだが、その気性が長所を殺しているように見えた。今のうちならまだ勝てる。そう断言できる。
と、不意にナベがその表情を獣のような笑みに変えた。
「……けど、
「……ほう?」
ナベの言葉に興味深そうな反応を示すキラ☆。その眼前でがぎんとレジェンドのバックパックが跳ね上がり、大型ビームライフルがそこへ接続される。そうしてからナベは両足に備えられていたビームジャベリンを引き抜いた。
「その機体には
そう、キラ☆の機体は本来備えられているビームサーベルがオミットされていた。 そして両腕でライフルを扱う関係上シールドも持っていない。その事実を指摘されたキラ☆は、すまして答えた。
「まあそうですね。避けて撃てば良いだけの話ですので」
「その余裕、どこまで保つかしら!」
どう、とレジェンドが加速しビーム刃を発生させる。バックパックに接続したビームライフルを乱射しつつ迫る相手に対して、相変わらずのゆらゆらした最小限の動きで回避するフリーダム・ノイエ。
そしてレジェンドが間合いに入る。振るわれるビームジャベリンの太刀筋は意外に鋭い。さすがにゆらりとした動きではそれを回避できず、キラ☆は複雑な機動で後退した。それに追いすがるレジェンド。
「意外にやるなあ」
予想以上に接近戦が強い。正直ドラグーン使っているより今の方がよっぽど脅威に思えた。もしかしたら機体の選択を間違えているのではとすら感じる。
その辺りは人の趣味なのでどうこう言わない。それよりどう反撃するべきか。レジェンドは撃ちにくい間合いを保とうとし、積極的に懐へ飛び込んでこようとする。距離を詰められたのは失敗だったかと少し悔やんだが、今更言っても仕方がない。どう打開するか、そこが肝心だ。
「なら、やってみるさ!」
意を決して、猛攻を加えてくるレジェンドに対し
「やけになったところで!」
構わず斬りつけるナベ。振るわれたビームの刃は――
フリーダム・ノイエが両手に持つバスターライフルで受け止められる。
刃の根元に近いところで受けたせいか、半ば食い込んだところで刃は止まった。しかしすぐ焼き切れるのは目に見えている。その結果は武器の消失だ。何の真似だとカモが声を上げる前に、フリーダムは両手の得物を離して――
「は?」
そしてそこから目にも止まらぬ速度をもって
「はああああああ!?」
回転する世界。予想外に過ぎる状況に一瞬困惑するナベだが、瞬時に気づいた。
「しまっ……」
逆さになった世界で、フリーダムが背中のビーム砲と腰のレールガンを向けるのが見える。
「
「そんなんありかああああ!!」
ナベの絶叫は、雪崩のような連続射撃に飲み込まれた。
爆発。レジェンドが撃墜されたのを確認して、キラ☆は息を吐く。
「ふう、久しぶりだったけどなんとかなったな」
色々と反省したり考えさせられたりする戦いだった。己と互角かそれ以上の相手と戦うのは、学ぶべきところが多い。
「やはりこのアリーナ、面白いねえ」
今までの戦いと違うところが見えてきた。キラ☆はのめり込みそうな自分を感じ、苦笑とも微笑ともつかない曖昧な笑みを浮かべた。
撃ち放ったビームスマートガンがやっとの事でエアマスターを掠めた。
「ひいえやああああああ!」
尾を引くような悲鳴を上げて墜ちていく機体。手応えがなさ過ぎるとH・Aは眉を顰める。
「罠、か? 畳みかけるのは危険だな」
追うことをせず、WR形態のまま旋回して相手の様子を窺う。果たしてエアマスターは月面に不時着する寸前で変形し、蹈鞴を踏むような感じで着地。反撃か来るかと構えるH・Aだったが、エアマスターは装備しているライフルを――
「ギブですギブー! ギブアップー! もう無理ー!」
「……は?」
ぽかんと目を点にするH・A。なにいってんのこの人と、一瞬言っていることが理解できなかったが、システムは無情である。
ギブアップの申請が通ったようで、エアマスターの姿はかき消える。強制的にネストへと戻されたのだろう。そして。
『ウィナー、ホットショット!』
全員の決着がついたようで、システムが自分たちの勝利を告げる。その状況にあってなお、H・Aは戸惑っていた。
「あれ? え? ホントに終わり? マジで?」
納得がいかない。超納得がいかない。そんな彼の思いなどシステムが酌むはずもなく。 戦いは、終わった。
「勝っちゃったねえ」
「勝ってしまいましたなあ」
ネストに帰還し一息ついたホットショットの面々。初戦を勝利で飾れたことに、安堵のようなものを覚えていた。
一名を除いて。
ネストの部屋の端っこ。角に向かう形で背中を丸め座り込んでいるH・A。どよんと暗い空気を漂わせ、なにやらブツブツ呟いている。
「この俺が、この俺がオチ扱い……ふ、ふふふふ……」
「ど、どうしちゃったのこれ」
「意外とプライド高いからなあこいつ。すごい不本意だったみたい」
深読みしたあげく仕留めきれなかったことがよほどショックだったらしい。まあ逃げまくる専門のダイバーなんて予想外ではあっただろう。そういう意味では相性が悪かったのかも知れない。
それはさておいてとH・Aの惨状から目をそらしつつ、キラ☆は皆に語りかけた。
「色々と言いたいことはあるだろうけど、ひとまず勝利を喜ぼうじゃないか。幸先がいいと……ん?」
ぴろりんとモニターが開く。何やらメッセージが届いているようだ。どうもアリーナで対戦した相手とメッセージの交換が出来るらしい。
「何々……『絶対雪辱晴らしてやるから首洗って待ってなさいよこんちくしょー!』……だって」
「随分と恨まれましたなあ。これは因縁となってしまったようで」
「挑発しすぎたかなあ。……で、返事どうしよ」
「やられたらやり返す。倍返しだ。でどうでしょう」
にゅん、とH・Aが会話に割り込む。その目は黒く澱んでいた。
「いや僕ら勝ってるからね? むしろ倍返しされる方だからね?」
「俺はアレを勝ちとは認めませんむしろ精神的敗北。あの恨み晴らさねば三代先まで祟りましょうぞ」
「ショックのあまりキャラが崩壊してるでござるな」
「おーいおちつけ?」
「俺は冷静だとも冷静なあまりちょっと藁人形と五寸釘買いに行ってきたくなるだけで」
「全然冷静じゃないし」
いつものごとくというかぐだぐだになっていく。とにもかくにも、アリーナバトルでの初戦は滞りなく終わりを迎えた。
がやがやと騒ぐホットショットの面子。彼らはアリーナをプレイする前に感じていたそこはかとない不安を、すっかり忘れ去っていた。
おまけ
「うるぁあ! やけ酒じゃああああ!!」
「先輩明日は仕事です! 深酒とかはしご酒とかやめてください先輩!」
話の中ではコロナ過じゃないから大丈夫だ。(だいじょばない)
おまけ2
フォース鍋物改めウィンターテーブル
敏腕OLと見せかけた女ジャイアン、ナベをリーダーとしたフォース。フォース名はこたつからのようだ。
学生時代からの手下であるカモ、ネギに、学生時代の後輩であるカブと職場の後輩であるシラタキを加えた5人で編成されている。
バランスも腕も悪くないのだが、ナベの気性と運の悪さが勝率を低くしているようだ。しかし全員基本的に懲りないので、飽きずにGBNへと挑戦を続ける。
ナベ、カモ、ネギがランクB、就職してアカウント取り直したカブと元から勝率が良くなかったシラタキがD。総合ランクはCと判断されている。
なおそれぞれのダイバーネームは本名から取ったものらしい。
あんだけプラモ推していてSDガンダムの方あんま話題になんないな。
だから地上波で新しいの作れというのにぶつぶつ捻れ骨子です。
はいなんとか後編で終わりました。いやあホントバトルシーンはページ取るわ。そのくせなんか上手く表現できてないような気がするしなー。まだまだ修行が足りません。
それはさておいてアリーナバトルの初戦はこなしましたが、なんか因縁が増大してしまいました。果たしてこの後も鍋物の皆さんは話に絡んでくるのか。また10話くらい放置プレイされてしまうのか。それは筆者にも分かりません。
そして次回の展開も考えてません。(おいおい)伏線っぽいものは有るけれどどうするかは全くのノープランだぞ~。本当どうしましょう。
まあ不安はいっぱいありますが、今回はこの辺で。