ガンダムビルドダイバーズ ホットショット!   作:捻れ骨子

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連載、始めました。(冷やし中華か)


3戦目・オタクに優しいギャルだと!? そんなものは粘膜の生み出した幻想に過ぎん! (馬鹿兄感)

 さて、アホ4人が遊びすぎてこってり絞られた翌日。

 

「いやあ参った参った。ちょっと白熱しすぎたね」

 

 ぽりぽり頭をかきながらヨウヘイは言うが、多分態度だけだこいつ絶対反省していない。賭けてもいい。

 

「あの状況で熱血せぬ者はプレイヤーとしての名折れ。故に我らの行動は必然であり致し方なきものでござろう」

 

 フンスと腕を組むクロウは取り繕うことすらしない。

 そしてうんうん頷いているジントとホウジ。やはり反省の色はなさげである。こいつらそろいもそろって自分の欲望に忠実であった。

 まあそれはさておいて。

 

「とはいえさすがに2日連続でやらかすわけにも行かないだろうし、筐体のチェックと調整もしておきたい。しばらくはGPDはお休みだね」

「「え~」」

「正直拙者も不満ではござるが、こればかりは仕方のないことでござる。……と言うか貴殿らGBNをプレイする仲間募るためにこの研究会に入部したんでござろうが」

「あ、そでした」

「GPDの存在が衝撃的すぎてすっかり忘れてたわ」

 

 本来の目的をスポーンと忘却してた2人。まあ伝説のゲームを目の前にしたゲーマーが我を忘れることはよくある。

 

「というわけでお二人はGBNの方は経験おありで?」

「変わり身早いね。そりゃあもちろん……」

 

 ジントの言葉に対し、フッと格好を付けた笑みを浮かべるヨウヘイ。そして同じように不敵に笑んだクロウが懐に手を突っ込む。

 

「「たしなんでいるとも」」

 

 揃って取り出されたのはGBNダイバーであることを示すメンバーズカード。記されているランクは2人ともBである。

 それをみたジントは意外だと目を丸くした。

 

「結構やりこんでる方かと思ったんですけど」

「僕らはエンジョイ勢だからね。毎日ディメイションに籠もるほどじゃないさ」

「どちらかと言えばGPDのハードとシステムを解析したりキット組んだり遊んだりする方がメインでござった。週に2、3度プレイする程度でござるよ」

 

 他に熱中する物があったからだと二人は言う。ばらばらにダイブしてソロプレイすることも多く、ゲーム内でのグループ――【フォース】も組んでいない。

 そう主張してから、ヨウヘイはふむと顎に手を当てる。

 

「しかし折角新たに部員が入ってきたんだ。これを機会にフォースを組むのも……」 

 

 などと言いかけたところで、こんこん、とドアをノックする音が響いた。

 顔を見合わせる4人。3年前の事情を知っている者はこの部室には近づかないが、知らない者であればその限りではない。

 もしかして新たな入部希望者かと期待を込めた目線を向け、ヨウヘイが「はい、どうぞ」と声をかける。

 それに応えてからからとドアを開いて現れるのは――

 

「しつれいしま~す」

 

 恐る恐るといった感じで顔を出す、ちょっとスカートが短めな女子制服に背中まで届くロングの茶髪という、ギャルっぽい女の子だった。

 しん、と固まる野郎4人。あ、あの~とか愛想笑いを浮かべてる女の子。

 そしてヨウヘイが吠えた。

 

「敵襲ーーーーーっ!」

「なんで!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どぉん、となんか重苦しい空気が漂う。

 正面にはテーブルに肘をつき、口元で手を組んだいわゆるゲンドウポーズのヨウヘイ。その傍らには直立不動で後ろ手を組んだ、冬月ポーズのクロウ。そしてなぜか左右で跪き拳を床に着けて控えているジントとホウジ。

 

(何なんだろうこの状況……)

 

 訳の分からぬまま、パイプ椅子に座っているギャルっぽい子は後頭部にでっかい汗をかいていた。

 そんな状況の中、ヨウヘイが口を開く。

 

「それで、君は何の目的でこの部屋に訪れた?」

「え? 普通に同好会の見学に、って……」

「ほう? 模型とか興味なさげなギャルが、なぜと問うても?」

「いやスズタニギャルじゃないですし。ふつーだし」

 

 どうやらスズタニと言うらしい女の子が手をパタパタ振って言う。ヨウヘイはちょっと眉を顰めた。

 

「……まあそこら辺はちょっとした見解の違いだろう。とりあえず置いておく。それで、理由は?」

 

 再度問われてスズタニは、頬をかきながらちょっと視線をそらしつつ応える。

 

「や~、最近【マーブル】の動画チャンネルで、『GBNにチャレンジできるのか』って企画やってたから、興味がわいて……」

 

 マーブルとは最近売り出し中の男性アイドルグループである。個性的な面子が色々なことに挑戦する企画をネット配信で流しており、そこそこ人気が出ていた。そして確かに最近GBNをプレイしようという企画があったはずだ。

 ミーハーな人間がそれに影響を受けて、というのは確かにあるかも知れない。しかし本当にそれだけでこの魔窟を訪れるものなのだろうか。ヨウヘイはさらに眉を寄せ、それから手招きして野郎どもを集め、部屋の隅っこで車座になりぼそぼそ語り合う。

 

「どう思う?」

「おかしなところはないように思えるでござるが……何分いきなりですからなあ」

「違うクラスの子なんでどういう人間かも分かりませんしね」

「そも同じクラスでも名前と顔を覚えきってませんよ俺ら」

「情報がない状態で迎え入れるにはリスクのある話だが……」

「それいったら初対面の人間は大概そうでござるよ」

「悪い人間と決まってるわけじゃないですけど」

「良い人間であるかも分からない、か」

「ふむ……ここは一つ僕に任せてもらえるかな?」

「どうするのでござるか」

「なに簡単な質疑応答さ。悪いようにはならないと思う」

「よく分かんねえですけど、会長に任せます」

「右に同じく」

「OK、決まりだ」

 

 ひとまずの結論を出した4人は、元の位置と姿勢に戻った。だからなんなのそのフォーメーションと疑問符を頭の周りに浮かべるスズタニに、ヨウヘイが厳かな様子で伝える。

 

「君の動機は分かった。その上で一つ聞きたいことがある」

「な、なんでしょうか?」

 

 がんだむとかよく分からないんだけどなーと、戦々恐々とするスズタニ。そんな彼女にヨウヘイは問いを投げかける。

 

「劇場版鬼滅の刃の感想」

「「「煉獄さあああああん!!」」」

 

 途端に泣き崩れるスズタニ……とジントにホウジ。

 

「なんか流れ弾が被弾してるでござるな」

「ちなみにクロウ、君の感想は?」

「やはり日本の漫画の映像化はアニメに限るでござるな。実写化とか呪われれば良いと思うでござる」

「見たまえ。これが捻くれた人間の有様だよ」

「えー、めっちゃ素直な意見だと思うでござるなー」

 

 どういう流れなのかはよく分からないが、ともかくヨウヘイは何やら納得したようだ。うんうん頷きながら、彼はスズタニに語りかける。

 

「君が素直な人柄で、かつノリの良い人間というのはよく分かった。まずは仮入部という形で君を迎え入れよう。良いかな?」

「は、はあ。……ありがとうございます」

 

 訳の分からない質問に思わず友達と会話してるノリで答えてしまったのだが、こんなんでいいのか。本当にいいのか。疑問に思わないでもないが、何にせよ仮入部は認めてもらえそうだ。ひとまず目的は果たせたからよしとしようと無理矢理自分を納得させるスズタニであった。

 

「それじゃあ、まずは自己紹介かな。僕がこの研究会の会長、タガミ ヨウヘイだ」

「拙者が副会長のオダ クロウでござる」

「新入部員力の1号、ナカモノ ジント」

「同じく技の2号、アイザワ ホウジ」

 

 シャキーンと馬鹿2人がポーズを決めている。よく分からないノリしてるなあホントとか思いながら、スズタニも自己紹介することにした。

 

「えと、1Bの【スズタニ スズカ】です。よろしく」

 

 名乗ってぺこりと頭を下げる。そんな彼女に対し、ジントとホウジは戦慄の表情を浮かべた。

 

「1Bだと……っ!?」

「このギャル、俺達より頭がいいというのか……っ!」

 

 この学校では成績順にクラスが割り振られる。Aから始まる割り振りから考えると、トップクラスではないが上位の成績だと言うことだ。このスズタニ スズカという少女は。

 ちなみにジントとホウジのクラスはD。中の下か下の上と言ったところである。まあこの学校自体が結構偏差値高いので、それほど悪い成績ではないのだが。

 スズタニ――いやスズカは、フンスと胸を張って言う。

 

「こう見えてスズタニやれば結構出来る子なんで。あとギャルじゃねーし」

「畜生本当にそうだから文句も言えねえ」

「天に二物与えられやがってるぞくそう」

 

 なんだか妙に悔しい2人。ドヤ顔してみせるスズカは、(いや~、入試試験のヤマが当たりまくったんだよね~)などと思っていることをおくびにも出さない。

 とにもかくにも。

 

「成績の話はおいといて、スズタニ君はGBNがやりたい、と言うことでいいんだね?」

「あ、はいです。右も左も分からないんで、お手柔らかに教えていただけたらありがたいかな~と」

 

 てへりと笑うスズカ。その彼女を見ながらヨウヘイは一瞬考え、そして。

 

「それじゃあナカモノ君かアイザワ君に彼女の世話を頼もうか」

「は!? ちょいまち会長、そういうのは先輩の役目じゃ?」

 

 ジントが言う。それに対してヨウヘイは肩をすくめ、クロウはふっ、と笑んだ。

 

「あいにく僕は女の子の扱いが苦手でね」

「拙者3次元の女性の扱いなどとんと分かりませぬのでな」

「押しつける気ですなこのやろう」

 

 こいつら女の子に気が使えるような人間じゃないと分かってはいるが、丸投げはないだろう丸投げは。抗議の言葉を投げかけようとするジントだったが、その前にホウジがしゅた、手を軽く上げる。

 

「あ、自分下手なことすると『彼女』に怒られそうなので、パスということで」

「「なにい!?」」

 

 意外な言葉に驚く先輩2人。ジントがしかめっ面でホウジを指さす。

 

「そうなんすよ、こいつ女子大生と付き合ってやがるんですわ」 

「この学校に合格したら、そう約束してまして。この間正式に交際することになりました」

「わおオタクらしからぬリア充」

「むしろなぜオタクやってるのかと小一時間」

 

 人は見かけによらぬと言うか、見かけだけなら確かに騙されいやいやモテそうな雰囲気はあるが。その彼女とやらは中身がアホで大丈夫なのか。思わず余計な心配をしてしまう先輩2人であった。

 しかしそうなると。

 

「……消去法でナカモノ君が彼女の世話係に決定と言うことか」

「ちなみに拒否権は……ないっすよね」

 

 当然だろうと言いたげなドヤ顔を見せる3人。ジントはがっくりと肩を落としたが、スズカを見捨てるのも気が悪い。しょうがないと気を取り直した。

 

「あ~っと、気が利かない男だけど、できる限りのことはしようと思うんで、よろしく」

「あ、うん、こちらこそ」

 

 なんかこっちも気が悪いなあとか思いながら、スズカは握手のために手を差し出そうと――

 

「あ、こういうのもセクハラとかになる?」

「いくら何でもならないよスズタニそこまで狭量じゃないよ」

 

 妙なことを気にし、引っ込めようとしたジントの手をひっつかんで握手するスズカ。

 

(ん? この子意外と握力あるな?)

(む、細身に見えて結構しっかりした手じゃん)

 

 少年と少女の第一印象は、まあそのようなものだった。

 こうして模型研究会にズブのド素人、スズタニ スズカが参加することとなる。

 果たしてそれがどのような影響を物語に与えるのか、今は定かではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

「で、さっきのフォーメーションなんなの」

「「「「……特に意味のないその場のノリ?」」」」

(大丈夫なんだろうかこの人たち)

 

 スズタニさんの不安は増した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キャラ紹介

 

 

 スズタニ スズカ

 

 模型研究会の元に突如現れた女子。ちょっとギャルっぽい見た目だが、本人はふつーだと宣ってはばからない。

 模型に関してはズブの素人。ガンダムに関してもロボットが戦うアニメとしか認識してない。多分シャアとクワトロ見せたら別人だと判断する。そんな彼女が研究会の扉を叩いたのは、アイドルの活動に触発されてGBNをやってみたくなったからだと言うが……?

 外観のモデルは艦これの鈴谷。もちろん筆者の趣味である。

 

 

 

 

 

 マーブル

 

 名前だけ出てきた最近売り出し中の男性アイドルグループ。

 次世代のSM●Pという売り文句であったが、実質的にはT●KI●の後継者と言われる愉快な連中。最近GBNに挑戦する動画で脚光を浴び始めている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 どうも捻れ骨子です毎度。
 続きを思いついてしまったので連載にすることにしましたが、完全なる見切り発車なのでこの先どうなるか分かりません。とりあえずヒロインっぽい女の子を登場させて誤魔化しております。そもこの子ヒロインになれるのかどうか、全く未定だぞどうするんだ捻れ骨子。
 ともかく方向性が全く定まっていませんが、皆様なにとぞよろしくお願いいたします。

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