ガンダムビルドダイバーズ ホットショット!   作:捻れ骨子

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4戦目・よくある属性だがまさか実在するとはな!

「……というわけで、スズタニ模型研究会に仮入部してきました」

 

 HRが始まる前の教室。生徒がまばらに姿を現し始めたそこで、スズカは友人たちと話していた。

 

「思い切ったというか無謀というか……まあその同好会の人たちが排他的でなくて良かったですよ」

 

 スズカの話に呆れた様子を見せるのは、ポニーテールの真面目そうな女子、【クマガヤ マコト】。スズカの中学時代からの友人である。

 

「今流行ってるからそう悪いイメージでもないけどねえ」

 

 椅子を逆にして座ってにこやかに笑ってるのは【サイジョウ モカ】。ショートカットでボーイッシュ風味の彼女は、入学してすぐにスズカらと友人になった人なつっこい子だ。

 

「まあ面白い人たちだよ。なんかちょっとノリが良すぎるというか方向性がおかしいけど」

「それは本当に大丈夫なやつですか?」

「変な染まり方しないよね?」

「今のところ実害はないから。むしろあのノリに染まりきる自信はない」

 

 疑う2人の言葉に対しパタパタと手を振って否定するスズカだが、ヨウヘイの言葉にノリで泣き崩れたのは忘却の彼方らしい。気がついたら染められてしまうかも知れなかった。

 

「ともかく今日はGBNに初挑戦してくる。どんなんだか楽しみ~」

「……はしゃぎすぎないでくださいね。スズカは調子に乗るとアレですから」

「なに? スズカちゃんキレる系なの?」

「人をヤバい人間みたいに言うなし。ちょっとハメ外れる程度じゃんか」

 

 口尖らせて反論するスズカ。この子はこの子でなにやらあるようだ。

 

「大体ゲームの中で素人が何できるってのさ。精々足引っ張らないようにするのが精一杯ってところでしょ」

「だといいんですけれどね」

 

 なぜだろう、なんかぶっとい旗が立ったような気がする。けらけら笑うスズカの姿を見て、マコトとモカは漠然とした不安を抱いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、あっという間に放課後。

 

「まずはプレイで用いるガンプラを選ぼう。うちにあるのを貸し出すから、何か希望を言ってみて」

 

 ヨウヘイの言葉に、はいはいーと手を上げて応えるスズカ。

 

「刀! 刀っぽい武器が使えるのがいいです!」

「ああ、スズタニ君は【クロさん】のファンなのか」

 

 マーブルのメンバーが一人、【クロサワ ユウキ】。愛称クロさんは、動画の企画でガンダムアストレイレッドフレームを制作し、プレイに使おうとしていた。かのガンプラは標準装備で日本刀っぽい得物(ガーベラストレート)を携えている。故にヨウヘイはスズカが彼のファンだと判断したのだが。

 

「え? あ、そうそうそうなんですよ」

(ん? なんか妙な反応だな)

 

 そうだった今思い出したわと言うような顔で取り繕うスズカの態度に、違和感を覚えるヨウヘイ。

 なにか隠し事のようなものがあると推測。しかし害になるようなものではないとも感じる。後ろめたさのような雰囲気がないからだ。

 

(そういう演技が出来る人間でもないだろうしね)

 

 そうであったら最初からぼろなど出さない。大した問題にはならないだろうとヨウヘイは流すことにした。

 

「ならば同じ物を使ってみるでござるか?」

 

 こちらは気づいているのかいないのか、全く気にした様子のないクロウがスチールラックから、ケースを一つ取り出す。

 ぱかりと開封されたその中には、丁寧に梱包材で包まれた1体のガンプラ。それを取り出してテーブルの上に置き、クロウは言う。

 

「ガンダムアストレイレッドフレーム、フライトユニット装備。クロサワ氏が組んでいるものと同じキットでござるよ」

 

 ライフルとシールドを両手に、そして左腰に太刀を佩いたそれを見て、スズカはおお、と声を上げた。

 

「できあがったらこんなのになるんだ。なんか尖ったって言うか、勇ましいって言うか。鎧みたい」

「ガンダム自体が鎧をモチーフにしたものらしいからね。これは特にデザインに凝ってる部類さ」

「イメージ的には野武士という感じですかな。それで、これでよろしいでござるか?」

「うん! じゃなくてはい! これ使ってみたいです!」

 

 キラキラとした目でやる気満々ですと全身で訴えるスズカ。さっきのは何だったんだろうなと頭の隅で疑問に思いつつ、ヨウヘイは早速いこうかと皆を促した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 20分後。

 

「なんてか、世の中狭いねえ」

 

 ショッピングモールのガンダムベースで、イズミがぽりぽりと頭をかく。

 

「そりゃこの辺りでGBNの筐体数そろえてるのって、ここしかないから当然と言えば当然ですが」

 

 肩をすくめるヨウヘイは、イズミとそれなりに親しげだ。それもそのはずで、彼とクロウもまたここの常連であったのだ。

 

「もしかしたらニアミスとかしていたかも知れないっすね」

「左様にござるな。縁は異なもの味なものとはよく言ったものでござるよ」

 

 ジントの言葉にクロウが応える。あるいは知らずのうちに対戦していたりしたかも知れないが、そう考えるとちょっと感慨深い。

 

「まあ積もる話はさておいて、丁度筐体が空いてるけどやってくよね?」

「「「「「もちろん」」」」」

 

 初心者であるスズカは当然のこと、残りの面子もイズミの言葉に応えウキウキと筐体に向かう。

 軽く打ち合わせしてからダイバーギアとガンプラをセット。HMDを装着してシートに身を沈め、グリップを握り起動。

 

 システムオンライン。コンディションオールグリーン。アクセススタート。

 ――ダイブ。

 

 セントラルエリアのロビーに降り立つジンとH・Aは以前と同じ格好である。が、揃って観光バスのガイドが持っているような小さい旗をぴらぴら振っている。

 書かれているのは『模型研究会ご一行様』という文字であった。

 

「まあこれなら分かるだろ」

「人外アバターとかだったらこっちが探しづらいしな」

 

 いくら本人に似せてあるとは言っても、服装を変えただけで見分けづらくなると言うことはよくある。ましてやGBNでは多種多様のアバターが用意され、性別、種族など全く別の見た目になることが可能だ。そういうアバターをヨウヘイたちが使っていたら行き違いになるかも知れないと、ジンたちが用意した小細工がこれである。

 間違ってはいないかも知れないが、もうちょっとなんかこう、何とかならなかったのだろうか。

 

「……横断幕の方が良かったか?」

「問題はそこじゃないと思う」

 

 地の文にツッコむようなメタい言葉を交わす2人の前に、ざ、と現れる影がある。

 

「ふむ、二人は割と普通な感じだね」

「我々もそう派手ではないでござろう?」

 

 その口ぶりは間違いなくヨウヘイとクロウのもの。そしてその顔や背格好もほぼ生身をトレースしたものだ。

 で、その格好はと言うと。

 

「……あ~、会長はキラ・ヤマトのアレなんすね」

「ん、まあね。意外にデフォルトであったりするからこの服」

 

 原作で出てきた、キラのロッカーともなんとも言えない独特の服装。ヨウヘイが纏っているのはそれであった。しかしこう、何というか……。

 

(背丈といい顔の造形といい、八神 庵っぽくね?)

 

 某KOFのライバルキャラ。ジンが連想したのはそれだった。確かにヨウヘイは背丈がそれなりにあって、どちらかと言えば目つきが鋭く悪役顔に見ないこともないが。

 

「なんで使ってるのがヘビーアームズなのに鉄血のビスケットの格好なんですか?」

「これならデブが着てても文句言うヤツはおらぬでござろう? アバターをトロワに似せるという手もあるが、中身とそぐわぬ物を使うのは個人的に趣味ではござらん」

 

 H・Aの問いに応えるクロウ。格好は確かにそのようなものなのだが、体格がごついのでなんかこう、雰囲気が別物だ。

 

(真ゲッター地球最後の日の車 弁慶が眼鏡かけたようにしか見えない……)

 

 大雪山おろしとかやりかねない気配があった。双方ともに違和感があるのに似合っているという、なんとも評価のしにくい有様である。

 

「ああ、この姿の時は【キラ☆】と呼んでくれ」

「拙者は【オタクロ】と」

「その星マークなんすか星マーク」

「綺羅星! とか言わないでくださいね」

「ちっ、ネタをつぶしきたか」

「そういうとこでござるぞ会長」

 

 とまあこんな感じでだべっていた野郎ども。ややあって最後の一人がその場に現れる。

 

「模型研究会のみなさん、でいいんだよね? お待たせしました~」

 

 ぶんぶか手を振りながら歩み寄るのは、薄緑色のロングヘアに、羽織袴の女子。顔の造形はほぼそのままだから、スズカに間違いないだろう。

 彼女の姿を見て、真っ先に感想を述べたのはジン。

 

「お~、似合う似合う可愛い凜々しい。新撰組イメージってとこ?」

「そうなのさ~。こう見えてスズタニ和装にはちょっとうるさいのです」

「あ~、確かに浴衣とかすごい似合いそうだよな」

「へっへーん。そこまででもあるかな」

 

 上機嫌でくるりと一回りしてみせるスズカを褒めるジン。その様子を見てヨウヘイことキラ☆がこそこそとH・Aに語りかける。

 

「彼なんか手慣れてない?」

「あいつ上に姉ちゃんいて鍛えられてるんですよ。割と女の子に評判いいけど中身アレですから」

「フラグだけ立てて放置してる類いかあ」

 

 ギャルゲーで悪い評判なく友達エンド迎えそうなパターンである。ちなみにH・Aは一点集中で他には目もくれないタイプだ。どうでもいい情報だが。

 まあそんなことはさておいて。キラ☆はこほんと咳払いし、皆の注目を集めた。

 

「無事に全員揃ったようで何よりだ。まずはスズタニさんにGBNの空気になれてもらうところから始めようと思う。それで一番最初にダイバーネームを決めてもらおうか」

「ダイバーネーム?」

 

 こてんと首を傾げるスズカに、ジンがフォローを入れた。

 

「SNSで使うニックネームみたいなもんだよ。実名はまずいだろ?」

「あ、そゆこと。じゃあ【スズスズ】にします。普通にスズって呼んでもらえば」

「OK。じゃあウィンドウ開いて変更してみよう」

「えと、ウィンドウオープン、でいいんだっけ?」

 

 ぴこんと開いたフォログラムのウィンドウ。それをぱたぱたと操作してネームを設定するスズカ――スズ。

 

「こゆとこはスマホとかと同じだね。……よし、これでいいかな」

「慣れれば思っただけで開け閉めできるよ。……まあそれは慣れてからの話か」

 

 一番最初の儀式、己のアバターに名前という魂を吹き込むところは出来た。それを確認したキラ☆は、格好を付けて宣う。

 

「では、初心者に教育といこうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 チュートリアルミッション。本来初心者にGBNの基本操作を覚え込ませるために用意されたものなのだが、なぜだかほとんど無視される傾向にある。

 これをこなさなくともいきなり普通にプレイできるという仕様のためだ。多くがその存在に気づかず、ロビー受付の初心者向けミッションこそがチュートリアルだと勘違いしているものも多い。そのおかげで初心者狩りの食い物にされる人間も多いのだが、運営はその辺どう思っているのか。

 まあそれはそれとして、スズはジンをトレーナーとしてそのミッションに挑んでいた。

 

「最初に俺が手本を見せるから、続けてやってみて。操作説明どうりにすればいいから」

「はーい」

 

 無機質なステージ。そこで構えるNPDザク――無人のユニットに向かって、EX-SガンダムRがスマートガンを向ける。

 

「距離が離れている場合、銃を向けると照準が表示される。四角いのが敵で、十字の印が銃の向いてる方向。オートだと自動的に銃が敵を向いて……印が重なって、赤くなったところで撃つ」

 

 ぱう、とスマートガンの銃口からビームが迸り、ザクを貫いて塵へと変える。

 

「慣れれば手動の方が早いけど、まずは指示に従って撃ってみてよ」

「りょーかい。……こうだね、っと」

 

 GBNにおけるガンプラの操縦とは、コントローラーの操作とダイバーの思考を読み取る思考制御を組み合わせたものだ。慣れればアバターを動かすのと同様思うとおりに制御できるが、初心者のスズにはまだ難しい話だ。慎重に照準を合わせ、コントローラーのトリガーを引く。

 特に何かのトラブルもなくビームは放たれ、ザクを穿つ。『OK!』とシステムが合格を告げるが、なぜかスズは浮かない顔だ。

 

(う~ん、なんかこう、てっぽうって合わないなあ……) 

 

 照準が合うまでの間がもどかしいのか、どうにも性に合わないと感じる。その様子はオペレーターモードで外から見ている三人にも伝わっていた。

 

「ふむ、彼女は射撃が苦手なようだね」

「初心者ですぞ? まだそう判断するのは早いのでは」

「やる気がない……というよりは気が乗らない感じでしょうか。あれだと上手くはならない」

「分かるかい?」

 

 キラ☆の言葉に、H・Aは頷く。

 

「スポーツとかでも集中してないヤツはなんとなく分かるでしょう? それと同じ雰囲気があります」

「しかし彼女は自らGBNをやりたいと申し出てきた者。まさか最早飽きてきたとかいうのでござろうか」

 

 オタクロはそう言うが、キラ☆はかぶりを振る。

 

「いや、多分()()()性に合わないと感じてるんじゃないかな」

 

 キットを選ぶときの会話を思い出す。もしかすると彼女は――

 思考するキラ☆の視線の先、ミッションは黙々と消化されていく。

 

「……それじゃあ今度は格闘戦だね。オートでは基本敵に接近すると、自動的に格闘武器が選択される」

 

 がしゃんがしゃんと音を立てながらEX-SガンダムRが地道に走る。本来であればスラスターなどを用いた高速機動に加えて火力による弾幕を張りつつ敵の懐に潜り込むのがジンのやり方だが、初心者のスズに分かりやすいよう、あえてゆっくりとした動きを見せる。

 

「照準が丸く形を変えるから、射撃と同じように色が変わったところで……」

 

 じゃきん、と銃剣が展開した。

 

「ぶちかます」

 

 どがん、と一閃。遠慮なく振るわれたスマートガン(の銃剣)は、ザクを粉々に吹っ飛ばす。もちろんチュートリアルだからこその結果だ。実際はパチ組みを完全なド素人が操っているものでもない限り、こうもきれいに吹っ飛ばせない。

 

「慣れてくるとオートを使わなくても、自分で得物を振るう感覚で攻撃できる。そっちの方が早くなるしね。……じゃ、一つやってみようか」

 

 促され、前に出るスズのアストレイ。ホログラムに囲まれたコクピットの中で、彼女はすう、と一呼吸。

 

(……自分で得物を振るう感覚、か)

 

 1度目を伏せる。そして開かれた眦は鋭い。

 彼女はメニューウィンドウを開き、迷うことなく()()()()()()()

ず、とアストレイが僅かに腰を落とし――

 どん、と強く大地を蹴る音が響く。

 

「は?」

「え?」

 

 ジンとH・Aが間抜けな声を上げる中、アストレイは前屈で身を低くしたままじぐざぐに駆け、そして。

 ずどどん、と轟音が響いた。抜刀からの切り上げ、切り返し、突きの三連撃。NPDザクは冗談抜きで粉砕され、塵へと化した。

 

「おいH・A、今の……」

「左右に振る歩法。抜刀からの流れるような連撃。間違いないな」

 

 ジンとH・Aが言葉を交わす中、スズははっと我を取り戻して、慌てて取り繕う。

 

「あ、あははははは、偶然! 偶然なんかすごい技出ちゃったよ~」

 

 明らかに誤魔化すスズの様子に、ジンとH・Aは全力でツッコミを入れた。

 

「「偶然で【神結流】の技が使えるかあああああああ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 神結流。戦国時代が発祥とされる総合武術である。無手から太刀、槍、長刀、弓。近代では禁じられたが銃の扱いまでも取り入れ体系としたもので、現代の武道にはない実戦を意識した技術を伝える流派だ。

 警察や自衛隊の一部で採用されているという噂があるが、伝承する道場自体が少なく学んでいるのはごく少数に限られるという。

 

「……スズタニ、じゃなかったスズはその数少ない道場の門下生でして」

「そんなこったろうと思った」

「やたらと体幹がしっかりして姿勢がいいと思ったら、そういうことでござるか」

 

 チュートリアルミッションを終え、事情を聞かれたスズは、恐縮しながら答える。なんか刀系の得物を気にしてると思ったらそういうことだったのかと、キラ☆は納得しオタクロも頷く。

 

「でも何で隠してたんだい? 別に黙っておくことじゃないだろうに」

 

 キラ☆の問いに、スズは誤魔化しの笑いを浮かべる。

 

「いや~、ゲームだったらいくらぶった斬っても、怪我人も死人も出ないから好きに斬れる、なんて動機言ったら引かれるかな~って」

 

 それは確かに引く。そう思っても口に出さない情けが、模型研究会の野郎どもにはあった。

 

「こんな時どういう顔をすればいいか分からないの」

「笑えばいいんじゃねえっすかね」

 

 キラ☆のボケもジンのツッコミもキレがない。可愛い新入部員が入ってきたと思ったら、実は危険人物でしたなんて状況、確かにどんな顔をしたらいいか分からないだろう。

 話の流れを変えた方がいいと思ったのか、オタクロがジンとH・Aに尋ねる。

 

「そういえば、なんで二人はスズ氏の流派を知っているのでござるか? かなりマイナーな武術でござろうに」

 

 その問いに、H・Aがジンを指して言う。

 

「こいつの姉ちゃんが、神結流長刀術師範代の先輩なんですよ」

 

 そしてジンもまたH・Aを指す。

 

「で、その師範代がこいつの彼女です」

 

 ぽくぽくぽくとスズは思考し、ややあってちーんと答えを導き出す。

 

「ええええ!? アイザワ君の彼女って【タツノ】ちゃんだったの!?」

 

 おっとりしているように見えて実はスゴイヤバイ級である師範代の姿を思い浮かべつつ、スズは驚愕の声を上げた。

 

「すごい度胸しているというか怖いもの知らずというか、正気?」

「だよなー、うちの姉ちゃんよりマシとはいえ、あの人わりとゴリラだぞ?」

 

 恐る恐る尋ねるスズ。そして便乗して結構酷いことを言うジン。対するH・Aはきょとんとした顔で返す。

 

「そうか? 普通にかわいらしいと思うが」

「や、確かに美人さんだけどさあ」

「前ナンパしてきた男、変な方向にねじ曲げてたぞあの人」

 

 脳か何かに致命的な欠陥があるんじゃないかこの男。スズとジンは戦慄するよりほかなかった。

 一体どういう人間なんだろうと非常に気にはなるのだが、深く話を聞いたらなんか後悔しそうな気がする。キラ☆とオタクロは追求するのを断念し、話の方向を変えることにした。

 

「ともかく事情は理解したよ。まあGBNをプレイするのに何か支障があるわけではないから問題はないだろう。むしろダイバーとしては有望だ、本格的に入部する気はあるかな?」

「は、はい! こんなんでよろしければ是非とも!」

 

 引かれたあげく入部を拒否されるかもと思っていたスズは、ぱあっと表情を明るくして頭を下げる。確かにちょっとアレな人間であるが、変人っぷりでは自分たちも対して変わらないしなと、少し遠い目をするキラ☆であった。

 

「しかしまあ、これで今後の方向性が決まりましたな」

 

 うんうん頷きながら、オタクロが言う。

 

「フォースの結成、かい?」

「左様。まずはスズ氏のランクを上げ、フォースを立ち上げること。ひとまずそれを当研究会の目標としたいのでござるが、いかが?」

「もちろん僕に異論はない。みんなはどうかな?」

「こっちも異論なしっす」

「右に同じく」

 

 野郎どもが同意する中、またまたスズの頭上に疑問符が浮かぶ。

 

「ふぉーすって、ゲーム内のグループだっけ? 今組むんじゃダメなの?」

「ああ、フォースはランクD以上じゃないと組めないんだ。スズさんは始めたばかりでまだランクFだから、フォースには入れないって事」

「えと、つまり……」

「これからミッションクリアしまくって、ランクを上げなきゃね」

 

 ジンの言葉に、スズは――

 

「ええ!? じゃあ斬りまくっていいんだ!」

 

 キラッキラした目でそう宣う。さしもののジンも「お、おう」と答えに窮しているようだ。

 微妙に引きつった表情で、キラ☆が言う。

 

「や、やる気があるようで何よりだ。そういうわけで、フォースの結成を目指し、スズ君のランク上げを行うのを当面の活動とする。みんないいね?」

「はーい! 頑張って斬りまくるからよろしくお願いしまーす!」

 

 テンション上がるなーと上機嫌なスズ。その様子を見ている野郎どもは、揃って後頭部にでっかい汗を流していた。

 

((((微妙に、だいじょばないような気がする))))

 

 とにもかくにも、模型研究会の歩みは、ここから本格的なスタートを切ることとなる。

 それと同時にこの日、少年たちは学んだ。

 世間は結構狭い。そして(変人)(変人)を呼ぶ、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ。

 

 

 会長ちょっと気になって聞いてみた。

 

「え? うちの姉ですか? 多分スラングルOPよりもゴリラっすよ」

「若い人には分からないネタをなぜこの子は」

「ようつべとかで見たんでござろう」

 

 あんだけゴリラ連呼するアニメは他にない。あれよりゴリラとは一体。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人物紹介

 

 

 クマガヤ マコト

 

 ポニテがトレードマークなスズカの友人。真面目でおしとやか。家が結構しっかりしたところらしく、そのせいか敬語でしゃべる。

 モデルは艦これの熊野。

 

 

 

 

 

 サイジョウ モカ

 

 ショートカットでボーイッシュなスズカの友人。見た目通り活動的なボクっ娘。マコト共々常識人……のはず。

 モデルは艦これの最上。

 

 

 

 

 

 クロサワ ユウキ

 

 名前だけ出てきたマーブルのメンバー。愛称クロさん。寡黙なキャラが売りだが、実は天然ボケだと最近判明した。現在動画の企画でHGアストレイレッドフレームを組んでる最中。

 モデルは某水柱の人。言葉数が少ないだけでコミュ障ではないと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 マジでガンダム新作出ないなあ。もうライダーみたく記念作品でクロスオーバーしちゃえよ。……Gジェネかスパロボだそれェ!
 もうそんなんでいいから新作は作って欲しい、でも鉄血みたいなエンドは勘弁な! 捻れ骨子です。

 さて今回はスズタニさん初ダイブ、そして現れる本性。の巻でした。実はスズカと言う名前は鈴鹿御前から来てたり。あれ?FGOの鈴鹿御前ってこんなんだったけか。まあいいか刀使いJKだし誤差誤差。
 そして謎の武術神結流。もちろんかんむすと読みます。そして長刀術師範代のモデルは当然アレ。当たり前のように双子の姉妹がいるでしょう。大分艦これからモデル引っ張ってきてますが俺の好みだ謝らない。
 なお作中のチュートリアルミッション周りは独自設定です。アニメだとみんないきなりプレイしてるけど……本来はこういうのあるよね? あると言ってお願い。

 ともかく次回からはフォース結成に向けて動き出します。その過程で何が起こるのか。適当に刮目とかしながらお待ちください。
 では今回はこの辺で。  
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