GOD EATER BURST~旧型神機使いの日常と苦労~ 作:キョロ
ピピピッ ピピピッ ピピピッ
「う・
朝から絶不調だ。なんか俺の言葉が意味わかんないし。これが呂律が回らないってやつか!
ベッドの近くにある棚の上で鳴り続ける目覚まし時計。止めるには俺が一度ベッドから出る必要がある。
のろのろとした動きでベッドから這い出て乱暴に目覚まし時計を叩けばようやく部屋の中に静寂が戻ってきた。
二度寝しない主義の俺が、いつもより早く起きるとやることがないな……。
「って誰が目覚まし時計をセットしたんだ?」
俺の部屋には確かに目覚まし時計がある。確かに、あるにはあるのだが俺はそれを使わない。使わなくてもいつも大体同じ時間に起きることが出来るからだ。
つまり俺の部屋に置いてある目覚まし時計はただの置物なのだ。それを俺がセットするはずがない。
「……一人心当たりがいる俺って、どうなんだよ……」
ため息をついて暫く考え事をすることにする。考え事って結構時間使うんだよね。いい時間つぶしだ。
俺は厄介ごとを持っているメリーの補佐をしなければならない。そしてその厄介ごとと関係があるであろう力を乱用しないように忠告しなければいけない。
……うわー、これだけでも相当面倒だぞ。どうするよ、俺。
まあ、戦闘面ではあいつは強いから補佐することも何もないか。
「ん、あれ? 俺ってもしかして、」
「なーつー? 起きてるんでしょー? あーけーなーさーいーよー」
「……ナイスタイミングだな、おい」
扉を乱暴に叩く音が聞こえてくる。いや、“叩く”んじゃなくて“蹴ってる”のかもしれない。どっちにしろ乱暴だな!
あいつは、女なんだよな? 女装した、男じゃないんだよな?
急に不安になってきた。
「開けてよー、壊すわよー?」
「それが女の口から出る言葉かよ!」
「そうですが何か!」
「開き直ったら終わりだろ……」
「てか起きてんなら早く開けなさいって」
くっそー、あいつもう女の人生終わってるわー。
とりあえず今後あいつが女と考えるのは止めよう。女扱いしても怒られるだけだろうし。
俺は簡単に身支度を整えて仕方なく扉を開けた。
が、
「うおぅふ!」
俺が急に扉を開けて出てきたことに反応できなかったようで、俺の鳩尾にメリーの蹴りがかなりピンポイントで入った。
依頼の時の反射神経はどうしたんだよ。こういう時で使う方が有意義だと俺は思うね! なんで仕事以外で使わなきゃいけないとかも思うけど!
というかなんでお前下の方蹴らないの? なんで俺の鳩尾がある高さのところを蹴ってるの? おかしいよね、普通。
「おっはよー」
「なんで蹴ったこと無視するんだよ! しかもお前そういうキャラじゃないだろ」
「何? 笑ってほしかったの? やっぱMね、あんた」
「お前話逸らすの得意だな!」
うあー、なんかまたどうでもいいような方向に捻じ曲がってるー。
まだ三日目なのにこいつのことが大分わかってきてしまっている俺はどうなんだろう。
いや、慣れてきているというべきか……。それもどうなんだろう。
「ああ、そうだ。お前俺の部屋の目覚まし時計勝手にセットしたろ」
「そうだけど何か?」
「人の部屋に侵入するんじゃねえよ! ていうか俺の寝る前は時計普通だったぞ、寝た後侵入したのかよ!」
「あんた顔まあまあいい方だから黙ってりゃモテるのにねー」
「それはこっちの台詞だ猛獣が」
「ええ、猛獣ですが何か!」
「そこは否定するところだろ!」
くっそう、調子狂うわー。本当嫌だわー。朝からテンション低いわー。
……あれだ、早く依頼行こう。こうなったらアラガミでストレス発散してやるこの野郎。
ツバキさんはメリーが俺に対して心を開いてるって言ってるけど、こりゃあれだな、詐欺だな。嘘だな、あれは。
「あたし先行ってるから。その上着直してから来なさい」
「あっ、おい、待てよ!」
メリーはそのまま俺を無視してエレベーターに乗っていきました。ひでえ……。
って、上着? 上着って何、どういうこと。自分の上着を見てみると表裏が逆になってる。き、気付かなかった……。これだけは感謝しなきゃな。
俺は上着を着直してからエレベーターに乗り込んでエントランスへと向かった。
――――――――――
「ここは鉄塔の森だ」
「あたしが任務受けたんだから知ってるわよ。なるほど、本当に森みたいに乱立してるわね」
「だろ? で、今日の討伐対象何?」
「確認しないで来たの……? サリエルよ、あんたの大好きなサリエル。ここ最近討伐数多いみたいだけどあんた熟女好き?」
「ちげーよ! サリエルから出来る神機が好きなんだよ! 本体に興味はねーよ!」
「そんなに必死になって……、やっぱり」
「だから違うって言ってるだろ、面倒な誤解起こすんじゃないよ!」
依頼先でもこんなに頭を悩まされなきゃいけないってどういうことだよ。
しかも俺に変な誤解が生まれ始めてる。メリーの言ったこと全部嘘だからな! 真に受けるんじゃないぞ! 絶対だぞ!!
とか言ってる間にもうメリーは俺の隣に居ませーん。って、なんだとおおおお!?
「はええええ!」
「あんたが遅いのよ。ほら早く来なさい、手柄消えるわよ」
「そっ、それは嫌だ!」
慌ててメリーがいるらしき場所へと駆ける。
まあ最初の場所を左に行けばサリエルとメリーがいたんですがね。探す必要なんてなかったわ。
メリーがサリエルのスカートに一閃。見事にスカートが結合崩壊。はえー。
「俺の時だと四、五分かかるのに……」
「あんたって何もかも遅いのね。今度特訓つけてあげるわ」
「ありがと……」
おれ は こうはい から いらないきづかい を もらった !
いらねええええ!! ガチでいらねえ!
確かに弱いって分かってるけど、なんで後輩に訓練相手してもらわなきゃならないんだよ。普通先輩につけてもらうだろ、立場逆だろ。
あー、なんか今日はいつにもましてやる気が出ない……。相手がサリエルでよかったよ、本当。
ぶわっと毒鱗粉がかかった。
「そんな簡単な攻撃何で受けてんのよ」
「いいんだ。どうせシャワーだし」
「きったないシャワーね。帰ってから浴びなさいよ、臭いわ」
「おまっ、臭いは失礼だろ!」
「加齢臭」
「余計酷い! まだ俺十八だぞ!」
「え、同い年だったの……?」
「心底不思議そうな顔するんじゃないよチックショー!!」
ああっ、イライラを発散したいからサリエルを斬りつけるしかないのに同族の神機だから耳障りな音しかしない! 発散じゃなくて発生だよ!
うおおおお、最近いいことが一つもない気がするのは気のせいじゃないよね! 誰か俺を幸せへ連れて行って。
「ハイ、これにて終了ー!!」
「最後にモルターとか悪意しか感じないね!」
「ええ、悪意しかないもの!」
「お前女辞めちまえ!」
「産まれたときから辞めてますが何か?」
「そこは反論しろよ!」
本当にこいつはツッコみづらいなあ。
あれか、心の中でツッコめよと言う指図か。それは無理だな。俺は空気が悪くない限りは口に出すタイプだぞ。
これでも空気は読める方だとそこそこ思ってる。……あれ、自信なくなってきた。
どうやらさっきのモルターが本当に止めだったらしく、サリエルはすでに動いていなかった。
本当は生命活動が停止した、とか言いたいけどオラクル細胞がどうなのか俺には分かんない。
とりあえず霧散する前に捕喰して素材の回収をしておいた。美味いのかなー?
「あんたって後輩より弱いわよねー」
「言うな! 今朝その結論に達して落ち込んだんだ!」
「そのまま地獄へ堕ちろ!」
「堕ちてたまるか!」
「じゃあ肉片と化せ!」
「ひいいいいっ!! てめ、神機を味方に振るうんじゃねえよ!」
「ミカター? どこにいるのかなそんなものー?」
「こいつひでえぞ!」
くそう、昨日覚悟したけどもう根元に罅入ってきてるぞ……。
耐えろ……、耐えるんだ俺……。じゃないと精神崩壊起こすぞ、それは嫌だろ、俺……。
俺の目の前にスッとメリーが何かを乗せて手を伸ばしてきた。
「はい」
「ん? ……サリエルの素材じゃないか。くれるのか?」
「ええ、私にはいらないもの」
こいつ、優しいのか酷いのかよく分からないな。
まあツバキさんの話を聞いても根は優しいみたいだし……。どっちが本性なのかよく分からないな。
くれるならありがたく受け取ろうと俺が手を伸ばすとメリーは手を引いた。
え、なんで?
「ただし一個5000万fcで」
「こいつひでえぞ!」
畜生、それボッタじゃないかよ。
結局こいつは酷い奴。これで決まりだな。
俺は肩を落としながらスタート位置に戻っていった。
あれ、そういえばメリー、今日は捕喰してなかったな。
……捕喰しなくても強いとか、凹むわー……。
そういえばメリーさんの情報を登場回でやらなかったので↓
◇メリー・バーテン (18)
他支部から来た新型神機使い。スサノオの神機を装備している。
新型であるにも関わらず、銃を使うことはあまりない。夏いじめか受け渡しくらい。
長所はなんか強いところ、短所はドS(夏限定)
アラガミを捕喰をすると通常の神機使い以上の力を得ることが可能。
その訳は彼女が新型神機使いになったことと関係があるようだ。
メリー自信は支部長が直々に引き抜いてきたという噂がある。
第四部隊に所属。
スイーパーノワールを着用している。
固有スキル……特殊バースト
私の出すキャラの十八歳率(笑)
特殊バーストは私が勝手に作ったものなのでゲームには存在しません。
メリーさんの他とは異なるバーストのことを指します。