GOD EATER BURST~旧型神機使いの日常と苦労~   作:キョロ

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そういえばいつの間にかにじふぁん時代のお気に入り登録数をとっくに越えているんですよね。
やはりあれは駄文だったということか……。
あの時お気に入りをしてくれた皆さん、ありがとうございます。

では、スタートです。


12、錯乱

 最近、よく思うことがある。

 

「あー、毎日仕事があるって怠いわねー」

 

 こいつは何故男の部屋に堂々と入ってくることが出来るのだろうか。

 ……いや、別に俺にやましいことがあるわけじゃない! 決して、ないの、だが……。

 一応、俺だって立派な男なのだ。そういうことに興味がないのか、と聞かれれば一応ある。

 別にメリーを襲ったりするわけじゃない! 絶対にないぞ! ないからな!

 ……それでも、俺以外の部屋だったらないとは言い切れないのだ。それを堂々と入ってくるから困る。

 一応異性って言う自覚を持ってほしい。

 

 でも、メリーだったら返り討ちに出来るのか。

 ならいいのかな。自分のみは自分で守れ。これ大事!

 

「さて、今日も任務に行くわけだけど」

 

「相変わらず強化できないよな」

 

「ええ。なかなか集めようと思うと集まらないものね」

 

 今はメリーに迷惑をかけることになっているが俺の神機パーツ強化のための依頼ばかり受けている。

 つまりサリエル討伐の依頼ばかり受けているのだ。選り好みしてごめんなさい。

 

「あたしは先に準備してヘリまで行ってるから」

 

「じゃあ依頼買っておいてくれ」

 

「……任務を受けないと向こうには行けないでしょう。馬鹿?」

 

「馬鹿でけっこー、こけこっこー」

 

「ばーか」

 

「捨て台詞が酷い!!」

 

 あいつ冗談通じねえぞ! 難敵だな。どう攻略してくれようか。

 ……攻略……。恋愛ゲームだとああいうのはツンデレっていうのか? デレという言葉が分からなくなるな。ツンしかない。

 

「俺も、行かないとな」

 

 今日は既に身支度をしてあったからそのまま部屋を出る。

 エレベーターの待ち時間で冷やしカレードリンクを購入。朝のエネルギー補給はこれが一番だ。美味い。

 

「あー、美味しいわー」

 

 エントランスに出たら先に出てると言っていたはずのメリーが堂々とソファでくつろいでいました。

 さっきの発言はどこへ消え失せたんでしょうねえ!?

 しかもめっちゃ飲んでる! ブラックコーヒー四本飲み終わってる!!

 ブラック飲むとか、ヤバイなお前。そして飲むスピード速すぎないか!? お腹たぷたぷになっても知らないぞ。

 

「遅い。早く行くわよ」

 

「え? あ、ハイ」

 

 あれ、これってもしかして流されちゃってる?

 今完全にツッコミのタイミングを奪われた? ……チックショー!

 

 俺は朝からテンションが低いまま出撃しました。

 最近テンション低いよな、俺……。

 

 

――――――――――

 

 

「どっせえいっ!」

 

「うりゃああああ!!」

 

 俺たちは最近では行きつけの場所となってしまった鉄塔の森にいた。

 うん、もうすっかり常連さんだよ! たまには他のところに行きたいものです……。

 まあメリーが「強くもないやつを連れて任務に出たくない」というから必死なわけですが。

 なんつー自己中なやつ……。いや、弱いのは事実なんだけどね。

 時々正論を使ってくるからなかなか言い返せないんだよなあ。

 

「これで……、終わりっ!!」

 

 メリーが力づくでサリエルを叩き落とした。

 地面に大きな音を立ててサリエルがぶつかる。まあそれくらいは大したことがないんだが、その前のメリーの攻撃が強かったようでその後はピクリとも動かなかった。

 かなり癪だが、メリーが俺の依頼に同行してくれるようになってからかなり仕事が楽になった。今だってそれはそうだ。

 

 バクバクと捕喰しながら考える。

 俺はこのまま神機使いでいていいのか。こんなに弱い俺なんかいても、ただの数合わせにしかならないんじゃないのか。

 時々ネガティブに考えてしまう自分がいて、それを振り払う。

 馬鹿なことを考えるんじゃない。そんなの、俺らしくないじゃないか。

 慌てて自分の中に浮かんだおかしな考えに蓋をする。こんなもの、俺には必要ない。

 二度と出てこないように、蓋をしてしまえ。偽の仮面で覆い隠してしまえ。

 

「なーに考えてんの?」

 

「えっ……。別に何でもなああああ!?」

 

「大当たり~」

 

「モルター放つとかお前は馬鹿か! 答えてるんだから最後まで聞けよ!!」

 

「なんでそんなに辛気臭い顔してんのか知らないけど、溜めてるものは吐きだしたほうが良いわよー」

 

 「まっ、あたしは人のこと言えないんだけどね」と悲しげな表情を見せて笑うメリー。……言えないなら、言うんじゃないよ。

 ううっ、それにしても体力削られないからって色々とダメージは受けてるんだからな……? ひどいよ、本当。

 

「さて、それじゃあ帰りましょ……」

 

 メリーがそういった瞬間、キィィィン……と何か金属を打ったような澄んだ音が聞こえてきた。

 どこから聞こえてきたんだろうと首を傾げて辺りを見回すが、アラガミが現れたような気配はない。

 ならあの耳鳴りはどこから……。そう思った時、視界に頭を押さえて苦悶の表情を浮かべているメリーが入った。

 

「くっ、ぅ……」

 

「え、ちょ、何があったんだ!? しっかりしろ!!」

 

 こういう時にほとんどアイテムを持っていない自分が悔やまれる。

 さっきのサリエルの攻撃は一つも食らっていなかったから体力の方は問題ないだろうけど、一応回復錠を投与しておく。

 なんでいきなりこんな状態になったかは分からないけど、とりあえず早く帰った方がよさそうだ。

 ズボンのポケットに入れておいた携帯を取り出して、手早く通信を繋ぐ。

 

「ヒバリちゃん、依頼終わったからすぐ帰る」

 

『な、何かありましたか? 随分焦っているように聞こえますが……』

 

「メリーの体調が悪くなった。すぐに帰投する」

 

『りょっ、了解しました!』

 

 ヒバリちゃんには悪いがそれだけ聞き終わると早々に通信を切る。

 こいつが来てから俺の問題は山積みだ。どうしてくれるんだよ、全く。

 

 メリーは相当具合が悪いのか、今は地面に座り込んでおりどう見てもひとりで歩けそうな状況ではない。

 ……こういう時って、女にはお姫様抱っこしてあげるべきなのかなあ。

 いや、そもそもこいつを女の分類に入れていいのだろうか。悩む。

 こうなりゃ無難におんぶだな。その方が俺もメリーもいいだろう。後から見た感じには。

 

「おい、立てるか? 大丈夫か?」

 

「っ、ぎ、ぁ……」

 

 苦しみを堪えるために唇を強く噛んでいるようで、俺の言葉に対する返事は帰ってこない。

 いや、耳を手で塞いでいるからそもそも俺の言葉など届いていないのかもしれない。

 あー、嫌だったけど実力行使で連れて帰るしかないかなー。後からなんか言われそうだけど、それはこの際放っておくか。

 

「よし、帰るぞ」

 

「………れ」

 

「ん、どうし、」

 

「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!」

 

「うっ、わ!?」

 

 メリーが持っていた神機を横に振る。

 そばにいた俺はその斬撃をもろに食らいそうになって紙一重で回避した。

 一番距離的には離れていた腹に、横にピッと線が入った。……頭とか狙われてたら吹っ飛んでたな。

 だけど、何故今この状況で襲ってくる? それにメリーとはある程度信頼関係は築けていたはず……。

 

 

『だが副作用があるらしい。それが何なのかは聞いていないが……。使いすぎると暴走するだろう』

 

 

 ツバキさんの言っていた言葉が急に俺の脳裏に過ぎる。

 副、作用……。まさか、これが?

 いやいや、でも待てよ。最近あいつが捕喰しているところを俺は見た試しがない。

 そんな時に副作用が出るとはさすがに考えにくい所がある。

 だとしたら、理由はもっと別のところにあるはず……。

 

「のわあっ!」

 

 今度は縦に真っ二つにされそうになって横に飛んで避ける。

 近くにあった水に落ちそうになって踏みとどまる。あ、危ない……。

 

「っ、く!」

 

 捕喰をしていないにも関わらずロングではありえない斬撃を繰り出してくる。バケモノか、こいつは。

 回避が出来なくなり、盾を展開してガードする。

 だがメリーのほうが力が強い。段々と押され始めている。男と女の差はどこへ消えたのか……。

 

「違う、黙れ、消えろ、死ね、私に、話しかけるなあああああああああ!!」

 

「おっ!?」

 

 そのまま弾き飛ばされ、後方に飛ばされる。おいおい、力で負けちゃってるじゃないかよ、俺……。

 あと、今あいつ自分のこと『私』って言ったか? いつも自分のこと『あたし』って言ってるのに、もうなんなんだよ。

 

「消えろ……、全部、消えてしまえばいい……。悲しむ必要なんて、何も、ない……。だから、だから、だから、だから……」

 

「何寝ぼけたこと言ってんだよ!!」

 

 ボソボソと聞き取れないほどの小さな声で呟き続けているメリーに向かって斬りこむ。

 無論、仲間であるわけだから殺すつもりなどない。だけど今のメリーには全力で斬りこんでいかないと確実に俺が殺られる。

 今最優先すべきことは帰投だ。その帰投はふたりでしなければならない。

 なら、こいつを正気に戻さなきゃ、どうしようもないじゃないか。

 

「そんな面見せるんじゃねえよ!」

 

 メリーは回避という行動は取らずに剣で俺の斬撃を受け止めた。避ける気なんてないって事か。余裕だな。

 メリーと目線を合わせるといつの間にかメリーの目が紅く染まっていることに気付いた。捕喰してないのに、なんで……?

 

「お前は馬鹿にしてるような笑いを見せてる方がよっぽど似合ってるっつーの!!」

 

 渾身の力を振り絞って剣を振り切った。

 メリーはそのまま後方へ飛ぶ。まあメリーのことだからただ飛ばされるわけにはいかないだろうな。

 

 ……だから、追撃っていう素晴らしい言葉があるじゃないか。

 

「っは……、ガラ空きなんだよ!」

 

 ステップを使わずにメリーの懐に走り込む。

 飛ばされたばかりのメリーは上手く体勢が立て直っておらず、驚いたように目を丸くするばかりだ。

 そんな表情、見たことないや。

 

「今までの鬱憤、返させてもらうぞ!」

 

 俺はメリーの鳩尾――多分、鳩尾の場所で合ってるはず――に鉄拳を叩き込んだ。

 鉄拳制裁! ふはは、日ごろの恨みを思い知れ!

 ……あれ、まだ会って数日くらいしか経ってないはずなのに、なんで鬱憤溜まってるんだろう。

 

 もろに攻撃を食らったメリーはまた数メートルほど飛び、後ろにあった壁に叩き付けられていた。水とかなくてよかった……。

 メリーの目から光がなくなり、ずるずると壁から落ちて行った。

 せ、成功ー……。

 

「じゅ、寿命三十年は縮んだな……」

 

 長生きできないのは確実ですね、はい。

 いいもん。十年間神機使いとしての仕事やって官職に就くんだもん……。

 ……就けるのかな、官職。俺みたいなやつに。

 

「とりあえず、帰投するか」

 

 幸いなことに気絶していてもメリーはしっかりと神機を右手で掴んでいる。

 執念深いというかなんというか……。仕事道具だから手放す気がないのかな。

 

「さて、今回のことは上に報告するべきかなー」

 

 原因不明の錯乱。全く笑えない冗談だぜ。

 いや、現実で起こっている以上、冗談で済まされる事ではないのだけど……。

 まあ上は何か知ってるんだろうな。引き抜いてきたんだから、こいつの事情は知っているはずだ。

 話すべきか、話さないべきか。……帰ってから考えるとするか。今は余裕がない。

 

「今日は疲れたなあ……」

 

 俺はそのままメリーを背負って帰還した。

 今日の原因不明の錯乱状態にモヤモヤしたものを覚えながら。




そういえばお気付きの方もいるかもしれませんが、私のオリキャラは『声』で性格を決めています。
え、なんの声? ってお思いの方もいるかもしれません。
最初、ゲームを始める前に必ず自分の操作するキャラクターの詳細を決めますよね?
あの声で決めたんです、性格を。
ちょっとオリキャラ達のエディットを下に載せておきますね。BURSTをプレイしたことがある前提ですが。
別にいいや、という方はここでお戻りになって構いません。


~日出 夏  エディット~ ※エディットは全てBURST仕様です。
ヘアスタイル:9
ヘアカラー:2
フェイス:9
スキン:7
ボイス:12
普段着:F制式 レッド

~ZELDA  エディット~
ヘアスタイル:13
ヘアカラー:7
フェイス:19
スキン:7
ボイス:2
普段着:クラウドブルゾン・クラウドパンツ

~メリー・バーテン  エディット~
ヘアスタイル:2
ヘアカラー:1
フェイス:1
スキン:1
ボイス:3
普段着:スイーパーノワール
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