GOD EATER BURST~旧型神機使いの日常と苦労~ 作:キョロ
どうやら今日のお仕事にはいつもと違うところがあるようで……?
では、スタートです。
今日の俺の朝からの流れ。メリーに叩き起こされる。依頼を受ける。今出先。これで合ってるはずだ。
今日の依頼先は嘆きの平原だ。討伐対象はシユウ堕天。シユウ類は剣が通らないから苦手なんだけどな……。
でも、今日は俺にとって初めての体験があるのです!
ババーンッ、初めての四人での依頼だよ! 人が多い依頼って楽しいよね!
……うん、そう。本来なら楽しい依頼になるはずなんだ。いや、なるはずだったんだ。
上層部に心から文句を言いたいよ。何を言いたいかって?
決まってるだろ。出撃メンバーだよ。
「なんであんたと共闘しなきゃいけないわけ?」
「それはこっちが聞きたいぜ。昨日の態度はどこへ行ったんだかな」
「あ、あの落ち着いて下さい。メリーさん、タツミさん」
「……もうちょっといい組み合わせなかったのかな」
今日の出撃メンバー。喋った順でいくとメリー、タツミさん、ゼルダ、俺。
お分かりだと思うがメリーとタツミさんは異様に仲が悪い。まあ出会いが最悪だからこうなるのはある意味仕方がないことなんだと思うんだけど……。
それにしたって仲悪すぎだよな。もうちょっと仲良くできないかなー。
「とっ、とりあえず依頼を終わらせよう。頑張ってこー!」
「おっ、おー!」
「「……」」
わあ、メリーとタツミさんが酷いや!
ちくしょう、場を盛り上げようとしただけなのになんで俺が痛い人みたいになってるんだよ……。ヘリの中もこんな空気でヤバかった。体育座りでじっとしているだけってのがまた辛かった。
それにしてもどうやったらこの二人の仲を直せるのかな。依頼に支障をきたしそうだから直したい。まあそれは建て前で、本当はこの場に居づらいから直したいんだけど。
「ったく、もういい加減にしてくれよな、二人とも」
「そうですよ、さすがにこのままじゃマズイです。討伐目標だって目の前にいるんですから!」
そう、実はこの場所、最初の場所ではない。既にその場から離れ探索をしている最中だ。
にも関わらず喧嘩を続けている二人には色んな意味で心からの拍手を送りたい。
なんというか……、すごい神経してますな。
「ゼルダは強いからいいけど俺の刃は通りにくいって忘れんなよな!」
「はぁぁぁ……、やああ!!」
全く刃が通らない下半身は諦め、既に頭を斬り裂く作業に入った俺。
ゼルダが溜めの姿勢に入ったのを確認し、スタングレネードを放ってからその場を離れる。
見事チャージクラッシュはシユウ堕天の右腕を斬り落とす。苦しそうな咆哮を上げるシユウ堕天。そして続くお二人の喧嘩……。なんてシュール。
「いいわ! それなら今日の討伐対象、どっちが止め刺すか勝負しましょうよ!」
「いいぜ、その勝負受けて立つ!」
「あれぇ? 俺たちお邪魔虫みたいだよ?」
「でも攻撃の手を止めるのは仕事放棄になってしまいますし……。どうしましょう」
ひとまず俺とゼルダは攻撃の手を止めて前線から離脱する。入れ替わるようにメリーとタツミさんが前線へと向かい、怒涛のラッシュを駆けはじめる。ちょっとアラガミが不憫だなって一瞬思ってしまった。
ともかく前線から離れた俺たちは今更ながら作戦会議を開始する。これからどうするべきか。これは俺たちにとって重要な問題となる。
命にかかわる問題だよ。真剣に考えないと首と胴がオサラバしちゃうからね。
「……どうする」
「どうするも何も、戦うしかないのでは……」
「だよなあ。じゃあ手抜きすればいいのかな」
「そこはほどほどと言ってください。でも、それしか道はなさそうですね」
「ああ。邪魔したら確実に殺られる」
これは決して冗談ではない。本気だ。だからこその真剣さだよ。……なんで味方から怯えないといけないんだろう。
二人でため息を吐きつつ、歩きながら前線へと向かう。
だがその途中で気付いた。
「……これって、俺たちが入れるところある?」
「……ありませんね。銃を使えば誤射してしまいそうです」
まあ、つまり勝負に本気になりすぎている二人がすごい勢いで攻撃しているわけだ。
相手はシユウ堕天。ウロヴォロスとは違って大きさは小さい。攻撃できる面積は限られてくる。
そこに既に二人が攻撃を仕掛けているのだ。どうやったらその二人の剣戟を潜り抜け、攻撃を当てられようか。
これはもう、駄目かもしれない。
「無理だな」
「無理ですね」
どうやらゼルダも同じ結論に辿り着いたようだ。
俺はまたため息をついてその場に座り込んだ。いつだって俺は除け者になる。
一般で、しかも旧型の俺には仕方ないことなんだけど。
……あれ、そしたらそんな俺にメリーがつくことになったってかなりおかしくないか?
未知の可能性を秘めている新型。そんな期待の星を旧型、しかもどこぞの馬の骨とも知らぬ一般と同行させることがあるのだろうか。……ちょっと言ってて落ち込んだ。
まだ数の少ない新型を一般に埋もれさせておくなんて馬鹿らしいし、何か考えでもあるのか……?
「っ、夏さん!」
「え? ……うおおおおおおおお!?」
俺に向かってシユウ堕天の雷球が飛んできた。慌てて横っ飛びをすることで紙一重で回避に成功した。あ、あぶなー……。今確実に心臓止まりかけたわ。というか老化したわ。
ダラダラと流れる冷や汗を強引に無視しつつ戦況を確かめるためにシユウ堕天に目を向ける。
「大分弱ってきてるな」
「ええ、猛攻が効果を出しているようです」
「なるほどね……」
本人たちに言ったら否定されるだろうけど、あれはあれでいいコンビネーションって言えるんじゃないかな。ちょっと見てて面白くなってきた。
シユウ堕天の攻撃を警戒しながらまた観察に移る。そろそろ観察だけってのも飽きてきた。
んー、なにか手助けができるようなものないかな。それでいて敵自体に攻撃を与えることのない手助け……。
「だとしたらこれかな」
俺のマストアイテムであるスタングレネードをアイテムポーチから取り出す。お決まりだよね。
そのままシユウ堕天に向かって放り投げる。一瞬遅れて辺りを閃光が埋め尽くし、その後にスタン状態となったシユウ堕天が視界に入った。
うん、いい感じにフォローできたみたいだ。
「死ねっ!」
「これで終わりだ!」
そして、二人の剣がシユウ堕天を貫いたのでした。
――――――――――
「んで、誰が投げたのかしら」
「あのスタングレネードは誰の仕業だ?」
現在、嘆きの平原の最初の場所にて。今ヘリを待っている状態です。
あと、俺とゼルダが正座してます。な・ぜ・か、正座させられています。
二人曰く「勝負の邪魔をされた」らしいです。……手助けとは取らないようです。
「い、いやー、でも手助けって大事だろ? 依頼はチームワークが大事なんだし」
「そ、そうですそうです! あれは結果的に見ればとてもいいこうどu」
「言い訳を聞いてるんじゃないの」
「誰がやったのか。ただそれだけだ」
ふ、二人が怖いです……。笑顔に影があってもうそれはそれは素敵デス。
にっこりと迫力の笑顔を向けてくる二人。思わず下を向いてしまう俺たち。これは人類の滅亡よりも重大な問題だよ! 明日が保証されないって何より怖い。
ゼルダが隣で震えているのが分かる。……泣いてないよね?
「な、夏さんです……」
「売られたああああ!!」
俺の方を見て「ごめんなさい」と小さく謝ってきたゼルダ。涙目で言われたら怒れないじゃないか。卑怯だ、卑怯だよ……。
あとでゼルダに何か奢ってもらおうと思っていると俺の首根っこを誰かが掴んだ。手が小さいからメリーかも。
「そう、あなただったのね?」
「俺は犯人が分かればそれでいい」
「た、タツミさん……!」
この人本当優しい人!
どうやらタツミさんは素直に勝負に邪魔したことを謝ってほしかっただけみたいだ。ごめんなさい。
だけど俺と同い年の女は許してくれなかったようです。
「ねえ、どうしてほしい? 丸焼き、粉々、サイコロステーキ……。色々とあるわよ?」
「全部嫌に決まってるだろおおおお!?」
「そう……、残念だわ」
メリーはそれはそれは悲しそうな顔をしやがりました。お前はどこの拷問官だよ。というかもう一回確認するけど、お前は俺の味方で合ってるんだよな?
するといきなりぱあっと顔を明るくしたメリー。なんか悪いことを思いついたようです。
「そうよ! ミンチがいいんじゃないかしら!」
「満面の笑顔で言われてもリアクションに困るわ!!」
メリーの発した言葉に恐怖を感じて俺はそのまま後退りする。
足なんてガクブルで役に立たないよ。しっかりしてくれよ、俺の足!
「それじゃあ、メインディッシュといきましょうか?」
「ひっ、ひいぃぃ……!!」
嘆きの平原には俺の叫び声が木霊しました。
エディットを実際にやってみると、夏の顔は耳あてがくっついてくるんですよね。私はずっとヘッドフォンだと思っていたんですけれど。
まあそんなものをつけていたら会話するのに困るので普段は装着しないで肩にかけています。鎮魂の廃寺とかに行ったら装着するんじゃないですかね(適当)
ソーマ? あの子は耳が良いから……。
逆にゼルダの服にはヘッドフォンがついていますが、ゼルダは使っていません。夏みたいに肩にかけてもいません。
クラウドブルゾンのヘッドフォンなしバージョンです。ヘッドフォン無くても普通にかっこいいですよね、あの服。