GOD EATER BURST~旧型神機使いの日常と苦労~ 作:キョロ
「おはよう、ゼルダ!」
「おはようございます、夏さん、メリーさん」
「おはよ」
相変わらずの朝のエントランスでの会話。
こら、メリー。女の子なんだからゼルダのように礼儀正しく居なさい。じゃないとお嫁の貰い手がなくなるぞ。
心の中で念じたはずだったのにメリーに平手打ちされた。あなたなんでわかるんですか?
「えーと、ヒバリさん、この任務をお願いできますか?」
「はい、分かりました。……今日もお二人ですか?」
「ええ、お願いできますか?」
「分かりました。手配しておきますね」
カウンターの中にいるヒバリちゃんから任務を受けるゼルダ。
今日も、かー。意外と根気強いんだな、ゼルダって。
確か昨日は……、シユウに行ったって言ってたかな。
「あんた、よくやる気になれるわねー」
「アリサさんは可愛い妹のようなものですから」
言いながら微笑するゼルダの姿は本当にお姉さんのように見える。
冗談で「お姉さま!」って言ったら何故かメリーに鳩尾に一発入れられた。え、なんで?
ゼルダは昨日からアリサと二人だけで任務に挑んでいる。
と、言うのもアリサが昨日「特訓してほしい」とゼルダに頭まで下げて懇願したんだよね。
もちろん心優しいゼルダが頭まで下げられたら断れるはずもなく、二つ返事で承諾してました。
それで昨日はシユウに挑んだらしい、ってのはさっき言ったか。
「あたしだったらほっとくけどね」
「お前って本当最低だよな」
「何よ、戦いなんて基本我流でしょ。他人の見て学べるとは思えないわ」
「いや、立ち回りとかさ」
「普通のやりかたなんてあたしは出来ないわー」
「うわあ侮辱されてる」
ちくしょう、確かにこいつが特殊だってのは聞いたけど、だからってこんなに侮辱されることは無いだろ……。
特殊なのは神機のほうだー、とも言われてたけどさ。
……あれって何が特殊なんだろうな? 神機パーツは普通のものと同じみたいだし、やっぱり本体?
「ゼルダ、出撃しなくていいの?」
「いえ、まだ時間が……ってああ!! もう時間だ!」
なんか前も見たことあるような気がするな、これ……。
ゼルダってなんでこういうところが抜けてるんだろう。これさえなければ完璧なお姉さんなのに……。
というか、時々ゼルダって男勝りになる気がするんだよね。危ないよ、あの人。
ゼルダはバタバタと音を立てながら階段を上って行った。危なっかしー。
「じゃ、あたしたちも任務受けましょ」
「あ、そうそう。……そのことなんだけどさ」
「何よ、変に声潜めちゃって」
「……ヴァジュラの肉球って、どんなのだと思う?」
これは俺が前から気になっていた話題だ。
ヴァジュラって、一見したら猫みたいな部分もあるよね。
だから猫みたいに肉球があるのかなー、って前から思ってたんだ。
無論、本物の猫を見たことがないから比べることはできないんだけど、動画で見たときコメンテーターが「フニフニですねえ!」って言ってたから問題ない。
つまりフニフニかどうかだけ調べればいい。
「……はあ?」
そう思ってたら思いっきり馬鹿にした顔を向けてきやがりました。
えぇー!? 気になるよね、気になることだよね!? なんで「何こいつ、頭湧いてんの」みたいな目線を向けられなきゃいけないんですか。
しかも額に手まで当てて熱でもあるのかと調べてくれましたよ。いらない気遣いご苦労様!!
「とーにーかーくっ、俺が受けとくから準備しとけ」
「はいはい」
メリーはとりあえず納得してくれたようで、カンカンと音を響かせながら階段を上って行った。
さて、俺も依頼を受けて上に行くとするかな。
「ヒバリちゃん、ヴァジュラの依頼あるかな?」
――――――――――
「……ねえ」
「……なんだよ」
「愚者の空母に、ヴァジュラがいるわけ?」
俺たちが今いるところはメリーが言った通り愚者の空母。
うーん、今日も海が輝いているぜ……!
明々後日の方向を向いていたら首根っこ掴まれてメリーの方に顔を向けさせられました。バキッ、って音が鳴った。
……なんか首からしちゃいけない音が響いた気がするんだけど。
「聞いてるの?」
「聞いてます聞いてます!! だから離してください!」
「駄目。言うのが先」
「痛い痛い痛い! 首掴む力増さないで!」
あまりの痛さに手をメリーの手のところに置き、足をバタバタと暴れさせる。
あれ? もしかして今、俺浮いてるわけ? ……首もげるううううう!! いやあああ、離してえええええ!
「じ、実は、ヴァジュラの依頼は、なかった」
「……なんですって?」
「ぎゃあああああ、首が死ぬ!!」
首をつかんでいるメリーサンの手の力がさらに増しました。
いや、これ以上力が増えたら本当に……死……ぬ。
すると唐突に首から手が離されて俺の身体は地面に落ちる。
「げほっ、おえぇぇ……」
「わっ、やだ、吐かないでよ?」
「誰のせいな、げほっ、んでしょうね?」
……なんで味方から殺されかけなきゃいけないんだろう。すごく悲しいよ。
確か仲間って助け合ったりするものだよね。今の状況はそれからとてもかけ離れているよ。残念なことに。
「で、今日の任務は?」
「クアドリガだよ。それしかなかった。……あとは雑魚討伐」
「あんたって雑魚討伐の任務はいりやすいわよね」
「まだそれほど実績ないからねー」
こいつといると大型のアラガミ討伐依頼を貰いやすいから忘れてたけど、俺ってまだそれほど大した実績を上げてないんだよね。
昨日くらいのその事実を思い出したよ。忘れててすみません。
「さて、近くに来てるからそのまま攻めるわよ」
「りょーかい」
俺たちは初めの場所から全く動いていないが、それでもクアドリガが見える位置に来ている。
獲物がいないかどうか移動しているんだろうな。御足労ありがとうございます。
……あれ、もしかして俺、さっき移動もしないままに死にそうになってたの? 嫌だわー。
横を見ればメリーはもういない。いつもこのとだからもう慣れてしまいました。
俺って、慣れちゃいけないことになれるのが多い気がするんだけど、これって大丈夫だと思う?
ため息をつきながら俺もとりあえずメリーを追いかけるためにその場から降りた。
「あいつ、血気盛んだよなあ。女のくせに」
既に足の速いメリーはクアドリガの元に辿り着き、交戦を開始している。
このまま歩いていったら多分クアドリガのところに着いた時には終わってるんだろうな。なんて考えながら歩く。
クアドリガはもうあいつに任せるよ。どうせ今行ってもあいつからモルター食らったり、八つ裂きにされそうになったりするだけだし。
ならここでゆっくり歩いていった方がマシ……。
「さて、ちょっと急ぎますかね」
何にもしなかったら確実にどやされるだろうしな。
俺は参戦するために少し歩を速めた。
メリーは私の第一操作キャラ、夏は私の第二操作キャラです。
最初のBURST編終えたときは泣きましたよ。……色んな意味で。
これを分かってくれる人はいるでしょうか?