GOD EATER BURST~旧型神機使いの日常と苦労~   作:キョロ

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どうも。投稿ですよ!
今回は今まで触れていなかったリンクバーストの件。
まあこの話の後、またしばらく触れないんですけどね……。
戦闘描写がうまく書けないことに定評のあるキョロです。
なんで書こうと思ったんだろうね、私。

では、スタートです。


19、リンクバースト

「えー、今日もないの?」

 

「はい、すみませんが……」

 

「もう諦めなさいよ」

 

「いやっ、俺は絶対諦めないね!」

 

「あんたって時々面倒よね」

 

 メリーは俺の反応を見てかため息をついている。ひどいなあ、いいじゃんか。

 ヒバリちゃんも困ったように苦笑していた。あれー?

 

「もっと他の任務やる気が回ればいいのに……」

 

「だって気になるものは気になるだろー?」

 

「それならウロヴォロスの眼球を数えてた方がマシだわ」

 

「何それ地味!」

 

 俺たちの今日の議論は昨日と同じだ。

 ズバリ『ヴァジュラの肉球は柔らかいのかどうか』である。

 だが昨日は残念ながらヴァジュラの討伐依頼がなかったせいで確認できなかったんだ。

 なのに、なのにっ! 今日も討伐依頼がないそうです。えー。

 

「すみません、探してはいるんですが」

 

「見つからない方が治安的にはいいと思うんだけれどね」

 

「でも、どうしても見たいんだ……」

 

「今のあんたはそこらの五歳児と変わらないわよ」

 

「うるさいやい……」

 

 メリーがどう言おうと俺は確かめたいんだ。

 一度気になったら確かめるまでそれが頭から抜けない方です。迷惑でごめんね!

 

「とりあえず夏は強引に連れてくから、代わりの任務を頼めるかしら」

 

「分かりました。そうですね、そうすると……」

 

 ヒバリちゃんがしばらくカタカタと端末を操作して、一つの依頼を提示してくる。

 それを聞いたメリーは承諾していたけど……、正直に言えば何言ってんのかよく分かりません。

 だって頭の中は肉球のことでいっぱいですからね!

 

 

――――――――――

 

 

「あーあ、怠い」

 

 目の前にいるアラガミ、コンゴウをザクザクと斬っていく。正直怠いっす。

 あと、ちなみに言っておけば俺は今一人で戦っている形になっている。

 メリーがどこにいったか気になるよね。俺も気になる。現在位置が分からないよ。

 

 今回の依頼の名前は『物資救援計画』で、今いるのは煉獄の地下街だ。

 旧地下鉄の線路を使って物資の輸送経路にしたいんだけど、アラガミが邪魔で出来ないから片付けて来てって話らしい。

 ちなみにこの依頼、以前ゼルダたちもやっているそうだ。

 ……担当者、ちゃんと進めとけよ。なんで二度手間みたいになってんだ。

 

 っと、話が逸れちゃったな。

 討伐対象はコンゴウとシユウの二体討伐だ。

 そしたらメリーがいきなり「一人一つね」なんて言い出して、その結果が今の状況です。……一つって何?

 ちなみにもう分かると思うけど、メリーはシユウの方を倒しに行きました。シユウ、ご愁傷様です。

 

「うわっとお!」

 

 コンゴウが何か仕掛けてきそうだったので構えていたら、案の定倒れ込んでくるという攻撃行動を仕掛けてきました。

 

「……あぶねー」

 

 コンゴウがムクリと立ち上がると倒れ込んでいた場所は少し凹んでいました。プレス機じゃないんだからさ、もうちょっと穏便に行こうぜ。

 見かけ倒しじゃないんだな、と内心冷や汗をかきながらコンゴウに視線を送る。

 対するコンゴウはまだまだ余裕そうにこちらを見ている。その体力こえーわ。

 

「いっただきぃ!!」

 

 コンゴウの背後を取り、捕喰。もぐもぐがりがり、それ美味しいの? 永遠の疑問だよ。

 捕喰し終わった神機を無理やり引き寄せて、そのままステップを踏んでコンゴウから距離を取る。

 体勢を崩したりとかしてない時に捕喰したからね。結構危険だったよ、今の。

 危険って分かっといて捕喰しようとする俺も俺だけどね!

 

「きたきたぁ!」

 

 うーん、この力がみなぎってくる感じっていいよね! 最近やってなかった気がするけど。

 まあバーストしなくてもメリーがいつも片付けてくれるからなあ。

 ……これが普通のバーストで間違いないんだよな。メリーのはまた別のバーストなんだよな。

 思いながら数回神機を握り直して感覚を慣らす。久しぶりだから注意しないとうまく制御できないな。

 

「……よし、大体慣れたか」

 

 コンゴウの攻撃をギリギリで避けつつ、すれ違いざまに数回神機を振って傷をつける。うん、やっぱり神機のフル速さが少し早くなってる。

 手首を痛めないようにしないと、きついんだよな……。手首の返しには結構気を遣ってます。

 

 コンゴウの転がり攻撃を横に逸れて回避したところで、一気に連撃を仕掛ける。

 尻尾を集中的に狙い二十数回斬ると尻尾は結合崩壊を起こした。

 次に、顔。狙いを定めたところでコンゴウが事前の動作なしにがむしゃらに腕を振るった。

 

「ぅ、があっ!!」

 

 コンゴウの攻撃を食らわないように盾を展開するが衝撃を押さえきれずに後方に吹っ飛ぶ。狭い場所で戦っていたために俺の身体はすぐに壁にぶつかった。

 幸いなのは背後がマグマじゃなかったことだろう。

 

 事前の動作が無い分、いつも仕掛けてくる攻撃よりは一撃が軽い。

 軽いと言っても相手はコンゴウだ。確実に攻撃は衝撃となり身体にダメージを残す。

 正直、身体がさっきの数倍重い。動かすと身体の節々が痛いのは衝撃が身体全体に響いた証拠だろう。どんだけ軟弱なんだよ、俺。

 まあバーストしていたおかげでいくらか身体は楽だ。これが切れたら辛いだろう。

 

「っは! ……まだまだ、負けてやらないからな」

 

 勝負はこれからだ。終わってたまるかよ。

 持っていた神機に力を籠め、構え直す。

 力があるのはバーストのおかげだ。切れる前に、殺る。

 

 

「当たれっ!!」

 

「え、ちょ、うおおおおおお!?」

 

 と、覚悟を決めたところで背後から爆撃を食らった。

 コンゴウには何一つ当たっていないから恐らく俺に標準をつけて撃ったんだと思う。

 つくづく思う。俺って、仲間じゃないのかな、と。

 

「……よう、メリー」

 

「んー。まだ終わってなかったわけ? ださっ」

 

「煩い! こっちだって頑張ってたんだからなー!!」

 

「あー、見苦しい言い訳はどうでもいいから」

 

「言い訳!?」

 

 事実を述べただけなのに、何故か言い訳と解釈されてしまいました。

 結構、必死に戦ってたんだけどな……。

 

 それにしても、俺は少しメリーにばかり頼りすぎていたようだ。

 いい証拠として目の前にいるコンゴウが倒せていないわけだし。……本当、面目ないよ。

 改めて自分が弱いという事実に浸って落ち込んでいると、ぐいっと腕を引っ張られ地面を転がる。

 

「ボーっとすんじゃないわよ! 死にたいわけ!?」

 

「はあ!? どういう意味……」

 

 聞こうとしてすぐにさっきまで俺がいたところにコンゴウが転がっていった。

 ……もしかしてメリーはこの攻撃が来るのを見越して俺を引っ張ったのだろうか。

 うん、そうなんだろうな。事実としてコンゴウが転がったわけだし。

 

「あー、そのー、……ごめん」

 

「死ななけりゃ深手を負ってもあたしは構わないから」

 

「あっさり突き放された!!」

 

 フン、と鼻を鳴らしているメリーにもう一度心の中で謝っておく。

 なんだかんだ言ってこいつは優しいからな。一緒にいて分かったことだ。

 ……あくまで根が優しいだけだ。そしてその根にはドSという性質も潜んでいる。恐ろしい。

 

 はあ、とため息をつくと今まで感じたことがない大きな力が身体の底から湧きあがってくるのを感じた。

 バーストに似たような感覚だ。でもバーストよりも強大な力。これは一体……。

 困惑している俺に説明をくれたのは鬼畜な冷酷後輩でした。

 

「リンクバースト、またの名を神機連結解放モード……。あんたは使えないけどアラガミバレットを受け渡すことで強制的にバーストモードにすんのよ」

 

「へぇー……」

 

 感心している俺に「まあバーストよりも力は上だけどね」とメリーは付け加えた。

 要するにこのリンクバーストって言うのはバーストの強化バージョンみたいなものなのか。

 受け渡すことでってことは新型がいないとこれは出来ないみたいだな……。

 

「って、なんで今までやってくれなかったのさ!!」

 

「いや、地を這う虫の悪足掻きを見たくて……」

 

「何それ酷い!」

 

 相変わらず、こいつは俺に対して酷いよ。誰かいい精神科の先生を紹介してくださいよ。

 こんなにいいものがあるなら早く見させてくれればよかったのに。

 愚痴りつつも俺はコンゴウに向かって行き、

 

「わぶっ!」

 

 コンゴウの背後の壁に激突しました。

 やばい、これ力が強すぎて結構制御するのが大変だ。頑張って慣らさないと逆に自滅しかねないな……。

 これぞまさしく諸刃の剣、ってか。

 

「しばらく慣らしなさい! マグマに落ちかねないわよ!」

 

「お、おう!」

 

 よし、そうと決まれば素振りをしよう。

 コンゴウの攻撃をさっきと同じように避けながら、すれ違いざまに数回斬り裂く。

 この時、剣をきちんと握っていないとすっぽ抜けるから注意だ!

 

「止めよっ!」

 

「ええええ!? 終わらせちゃうの!?」

 

 これからこのリンクバーストとやらにもっと慣れようと思ってたのに、メリーがざっくりと止めを刺してしまいました。

 言葉通りコンゴウは地に伏しました。

 ……メリーがそれに慣れておけって言ったのに、これは酷いって。

 

「そろそろかしら?」

 

「何がそろそろなんだよっ!」

 

 少し遠くにいたメリーのところに行こうとしてまたスピードを出し過ぎ、ガツンとメリーの背後の壁に激突した。

 ふ、ふふっ、打たれ強くなったぜ! ……悲しい……。

 

「くっそー……、慣れない……」

 

「回数を積めば慣れるかしら。これからは積極的に渡すわね」

 

「ああ、そうしてくれ」

 

 これ以上壁にぶつかるのが嫌なので、壁に背を預けて座り込む。うわー、今日は結構疲れたよ。

 リンクバーストは予想以上に体力と精神力を使います。まあ精神力は壁にぶつかった時に減ったんだけど。

 ため息を吐くと、ガクンと急に体から力が抜けた。あ、あれっ?

 

「あ、切れたみたいね」

 

「……もしかして、そろそろっていうのは」

 

「そう、リンクバーストが切れるかなーって思って」

 

「やっぱり……」

 

 メリーが携帯を取り出して帰投のための連絡を入れているのが見えた。

 ああ、そっか。メリーがここにいるってことはシユウはもうとっくのとうに倒してあるって事か。じゃあもう帰れるって事か。

 

 俺は帰るために立ち上がろうとして……立ち上がれなかった。

 

「……え?」

 

「あら、立ち上がれないの? まあさっきコンゴウから重いの貰ってたからしょうがないか」

 

「えぇー……」

 

「肩貸してあげるから、さっさと帰るわよ」

 

「ありがとう……」

 

 ううっ、女子に肩を貸してもらうってなんか屈辱的だな。

 普通さ、こういうのってきっと逆だと思うんだよね。少なくとも俺の中では。

 

 俺は少しふらつきながら、メリーに体重を少し預けながら、帰投しました。

 早くリンクバーストになれないと足手まといになるだけだな。そんなことを思いながら。




ウロヴォロスのぬいぐるみが欲しいと思うのは私だけなんでしょうかね。
あー、でもディアウス・ピターのぬいぐるみもいいなあ。
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