GOD EATER BURST~旧型神機使いの日常と苦労~   作:キョロ

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02、新型

 風によって乱れた茶髪を手櫛で簡単に直す。フェンリルから支給され制服というよりもはや私服となっているF制式レッドは返り血のせいか所々黒ずんでしまっていた。そろそろ新しいのにするべきかなあ……。

 でも俺に合う服が無いせいで結局服を新しくしても、着てるものは変わらないんだけどね。

 

 さて、俺が神機使いになって、早一年が経った。

 ……え? いきなり一年も飛ばすんじゃないって? そこは見逃がしてほしい。

 

「いやー、働いた働いた!」

 

 今日も俺は贖罪の街へと出る。……オウガテイル五体狩りへと。

 なんでオウガテイルなんだろう。そろそろ大型アラガミに出させてもらってもいいと思うんだ。ああ、でもさすがに一人で大型アラガミに行くのは不安かもしれない。

 

 よし、唐突だが勉強嫌いな夏先生の神機使い何故何コーナーの時間だ。今回のテーマは神機使いの種類について。

 これまで神機使いは遠距離式(銃)か近接式(剣)しか使うことが出来なかった。本当はこれが一般的だったんだけど、近々ハイテクな神機使いが出てくるらしいので差別を付けるために、これを旧型、と呼ぶ。俺は旧型近接式な。

 そのハイテク神機使いだけど、新型って呼ばれるらしい。いかにもハイテクって感じするよね。その新型さんは遠距離と近距離、二つを兼ね備えた神機を使うことが出来るらしい。羨ましい。俺だって遠くの敵をバンバン……は無理そうだな。俺は黙って突っ込んでる方がよっぽど向いてる。

 

「たまには大型も行きたい……けどその前に誰かパートナーください」

 

 生涯のパートナーとか、そういう意味じゃないよ。依頼に一緒に来てくれる人が欲しいってこと。俺が属しているのが第四部隊、っていうところなんだけど、人がいないんだよね……! 悲しいくらいいないんだよね……! だから俺は大抵一人で依頼に来るしかないのだ。そしてそういう時は無理すると危ないから小型アラガミばっかりなのだ。

 たまーに、本当にたまーに大型アラガミも行くけど、それは他の部隊のお手伝いの時くらいだし、お手伝いするのは決まって俺じゃなくて他の人だったりするので、俺はこの一年ほとんど一人で過ごしてきた。ぼ、ぼっちじゃないぞ。一人だけどコミュニケーションはちゃんととってるんだからな!

 

「なあ、美味いか? 美味そうに見えないんだが」

 

 答えられないって分かってるけど、なんとなく神機にそう問いかけてみた。ぐっちゃぐっちゃと行儀悪くオウガテイルのコアを貪る俺の相棒は今日も元気そうだ。昨日は小型アラガミの群集と対決したから胃の調子が悪いかもしれないと思っていたんだけど、そんなことはなさそうで何よりだ。

 

「……帰るか」

 

 アナグラに帰還する旨の連絡をしている際、俺の神機がゲップしたような気がした。

 

 

――――――――――

 

 

 アナグラに帰ってみると、いつになくエントランスが活気であふれていた。何があったんだろう、と辺りを見回してみると第一部隊が集結していた。そして傍にはツバキさんと見慣れぬ少年少女が立っている。……ふむ、そういえば近々新人が来るって噂があったな。あの二人がそうなんだろう。

 ちょうどエントランスの中心を陣取るツバキさん。その横にいる銀髪を肩口で切り揃えた少女は白いブルゾンに薄黄土色の長ズボン、黒のブーツを履いている。更にその隣には癖のある茶髪を黄色いベースの帽子で隠した少年がいる。少年は袖なしヘソ出しの黄色いベストを羽織り、申し訳程度の茶色のマフラー、更に膝下程の長さのオレンジズボンを着ている。ぶっちゃけ軽装すぎてみてる俺が寒さを感じるレベルだ。

 

「本日から第一部隊に所属する二人だ。挨拶しろ」

 

「ほっ、本日よりお世話になります、藤木(ふじき) コウタです!」

 

「同じく本日よりお世話になります、白神(しらかみ) ゼルダと申します!」

 

「コウタは旧型遠距離式、ゼルダは待望の新型だ。皆、仲よくするように」

 

 藤木 コウタに白神 ゼルダ。よし、覚えた。

 それにしても二人とも第一部隊に所属するのか。いいなあ、俺も第一部隊に所属することはできなかったんだろうか。なんで第四部隊なんて過疎部隊に配属されたんだろう。

 そしてゼルダが件の新型さん、とね。これからバリバリ活躍していくんだろうな。これからの活躍に期待するとしよう。まあ俺関係ないけどね!!

 

 ……愚痴を言っても始まらないな。俺だって頑張ればなんとかなるかもしれないじゃない。旧型だからって二年目なんだし、数字だけ見たら新しいよ!

 よし、そうと決まればもう一回依頼に出るとしようか。俺にはまだまだ伸び代があるはずなんだ。もっと実戦経験を積めばきっと……!

 

「ヒバリちゃん、何か俺に出来る依頼あるかな?」

 

「ええと……。それではザイゴート五体の討伐をお願いできます」

 

 やっぱりそういうやつしかないか……。

 致し方ない。ザイゴート五体って言っても、ザイゴートは他のアラガミを呼び寄せる習性があるんだし、油断しないで行こう。油断、すなわちそれは死である! ってね。

 

 

 

 この時の俺はまだ知らなかった。

 

 関わらないと思っていた新型と、これから先関わっていくことになることを。

 

 そしてそれ以上の出来事に巻き込まれていくことも。




まだまだネタに走れないから文が短い。
いや、出てきても短いことがあるんですけど……。
態々作るのもアレかと思い、登場回に人物紹介を後書きで書くことにしました。
『真・ゼルガーの部屋』では作ってありますけど、ここには後書き機能がありますからね。

~人物紹介~

◇日出 夏 (18)
どこにでもいそうな旧型近接神機使い。
長所はフレンドリーなところ、短所は馬鹿。
彼曰く、「攻撃は俊敏にしたい」とのことでショートブレードを扱っている。
第四部隊に所属。
F制式レッドを着用している。
固有スキル……ヴェノム小

◇白神 ゼルダ (18)
極東支部初の期待の新型神機使い。
長所は真面目なところ、短所は自分の身より他人を優先すること。
先輩後輩に関わらず敬語を使う丁寧な子。
凄まじい腕力の持ち主でバスターブレードをショートブレードのように振り回す。
服を変えると何かが起こるとか。
クラウドブルゾンを着用している。
第一部隊に所属。
固有スキル……カリスマ
※ZE○DAの伝説とはなんの関連もありません。
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