黒い仮面のレユニオン構成員=黒い沈黙説(学会追放)   作:イカ墨リゾット

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基本的には1週間に1回のペースで行きたいと思います。
ローラン君が○い沈黙だと確定したので初投稿です。……楽しんでね!(ヤケクソ)


底無しの恐怖に打ち震……え?言ってみたくならない?

ところで、みんなは音の無い世界ってどう思う?

都会の喧騒は消えて、自然は静寂に包まれる。ピアノの鍵盤に手を置いても下手くそな音は出ないし、小鳥だって歌えない事に首を傾げる。

人によっては魅力的だったり、そんなのは絶対に嫌だ、と言う人もいるんだろうな。

 

俺か?俺はまぁ、嫌かな。だって、俺は音の無い世界を知ってるからな。

俺はローラン。過去に自分のアーツを何度も誤爆させた事がある男だ。それも日常生活で。……よく捕まってないな?

 

こんなくだらない事を考えてるのは、今現在俺がアーツを使っているからだ。

アーツを扱うのには、基本的に集中力が必要になる。冷静さを欠いたら駄目だし、かと言って、何も考えずに機械みたいに振るうのも駄目だ。……本当によく生きてたな?俺。

 

イメージ。確固たるイメージが大事なんだ。こう放ったらこうなる、威力はこんな感じ、使うエネルギーはこれ位……って感じにな。

感情に任せて発動させるアーツは、確かに出力こそ大きいが、その分体力を消費する。自分の命をコストに発動させてるのと変わらないんだ。

 

じゃあ最適な精神状態って何なんだろうな?俺はいつもよりちょっとだけ集中、真面目モード!って感じで使ってるけど。ま、人それぞれだよ。

 

ああ、考えが脱線しかけてるな。集中集中……。

ある日外を歩いていたら、突然自分の足音が消えるんだ。みんなの喋り声も、車の行き交う音も聞こえない。

自分だけが世界から切り離された、そう感じるんだ。そして、視界の端から迫って来ている車に気付かず……。

 

……痛かったなぁ、アレは。アレ以来、必死にアーツの制御を始めたんだっけ。

結構貴重な体験だと思うんだ。だったら、それを誰かと共有しても良いんじゃないのかな?

そんな過去の失敗を思い浮かべれば、アーツの準備は完璧だ。後は解き放つだけ。簡単だろ?

 

敵の重装兵達が最初に違和感に気付き、そして前衛、射撃兵、術師と、混乱は伝播して行く。

音が聞こえない。耳をやられたか?何処からだ?みんなは?生きてるのか?当然、普通ならパニックになるよな。

そして、致命的な隙が出来上がる。後は簡単さ。

 

目の前の大きな、壁みたいな重装兵を飛び越えて、剣を逆手に。狙うは敵の術師の首筋だ。

スパッと、小気味良い音を立てれば飛び散る赤い体液。それは鉄臭くて温かい。生物であるならば、必ず体内に流れる生命の結晶。

 

気付いたらそれを撒き散らしていた。そうなればもっとパニックだ。で、滅茶苦茶にアーツを、武器を振り始める。そんな事してたらもっと溢れるぞ。

1人1人の間隔を空けてから処理したら、次は射撃兵だ。血が飛び散る音すら聞こえないもんな。気付けって言う方が酷だよな。

 

振り向いたら目の前に、味方じゃないヤツがいる。じゃ、それは敵だ。そう判断した射撃兵はクロスボウで狙いを着ける。意識はそこで途切れてしまった。

ショットガンでも無い限り、近距離で弾を発射する系統の武器はお勧めしないな。

 

首筋を掻っ切ったら、逆手から順手に持ち替える。主に順手は正面切っての戦闘に、逆手は奇襲やトリッキーな戦闘に。

腰を入れながら顔面を一突き。そしてそのまま上に切り上げれば、はい、終わり。

 

振り向けば、そこに立っているのは一部を赤く染めた、白装束の集団だけ。足下には、それなりに良さそうな装備を着けた肉塊が横たわっている。ヒュー、パーフェクトだな?

アーツを解除してから走り出す。さっきのはアイツらの周辺の音だけを【沈黙】させたんだ。勿論、効果範囲内に入れば俺自身も【沈黙】するけど、来ると分かってるのとそうじゃ無いのだと、天と地の差があるだろ?

 

武器を鞘に仕舞ってから、急いでヤツらの車の方に走る。味方の射撃兵や術師がフロントガラスを集中攻撃しているお陰で、ヤツらはビビって運転出来無いみたいだ。

……今思えば、最初から最後まで一緒に居てくれたのはお前だけだよな。初めての特注品だったから、興奮して『デュランダル』なんて名前を付けたっけ。アレはどうなったんだろうな?多分あの女が持って行ってると思うんだけど、まさか売り飛ばして無いだろうな?

 

……っと、集中が途切れてたみたいだ。前よりも雑念が増えたみたいだけど、これも鈍ってるって言えるのかな?

 

車のすぐ側に到着して、ヤツらが降りて来た後ろの扉を開ければ、中には怯え切っているウルサスの軍人が3人いた。……仮にも軍人だろ。少しは戦闘の意思ぐらい見せろよ。

斬りかかろうとする味方を宥める。抵抗の意思を見せないヤツは殺さない。そうしないと後々面倒な事になるんだよ。

お前もヤツらと同じに〜、とかコイツらにも家族が〜みたいなありきたりな方法で虐殺を阻止する。……これは立派な善行だな!

 

車内にあったロープでヤツらをふん縛ってから外に放り出す。これぐらいウルサスだから耐えられる筈さ。ちゃんとコートまで着せてやってるんだからな?

 

後から乗り込んで来た仲間を尻目に、車の運転方法を確認する。………俺が運転した事がある車と、運転方法は大した変わらないみたいだ。

パンパンに人を詰め込んだ車が発進する。発信機?そんなのは付いていないと思うし、どうせ乗り捨てるから無問題さ。にしても……暑苦しいな。何人か天井の上に出てくれないかな?

 

 

 

 

 

 

ハンドルを操り、ちょっとした道になっている場所を走る。フロントガラスは破れているから、吹き付ける風が寒いけど我慢だ。おい、後ろのお前らもだよ。助手席の部隊長を見習えよ。俺なんかモロに喰らってるんだぞ?

部隊長が言うには、この車はレユニオンの技術部隊にまで持って行くそうだ。……んまぁ、乗り捨てるよりも、そっちの方が戦力増強に良いだろうな。さっきは付いてないって言ったけど、何だか発信機が付いてないか不安になって来ちゃったじゃないか。勘弁してくれよ?

 

にしてもレユニオンの技術部隊か。聞いた感じだと、結構腕の良いヤツが所属しているらしい。多分だけど、鉱石病に感染したからって、クビになったエンジニアだったり、工房を追い出されたヤツだったりするんだろうな。……俺がよく使ってた工房の連中が、その程度の理由で解雇するとは思わないけど、また特注で作って貰えるかな?でも金無いしなぁ……。

暫くの間走っていると、ふと、誰かが先程の戦闘を話題に出した。俺はやってやったぞ!とか、あそこはこうした方が良かったな、とか。そして、話題は俺の事で持ちきりになった。……何で?

部隊長に聞いたら苦笑いされた。何でも、彼処まで戦闘能力が高いとは思っていなかったらしい。まぁ、そう見える様にしてたけどさ……。特にアーツが凄かった、との事だ。そう言われてみれば、確かにそうかもな。アーツと言えば火を起こしたり、電気を発生させたりが一般的だが、俺みたいにああして現象に干渉するヤツってのは稀だからな。それに鉱石病に罹って無かった時でも、アレ以上の事出来てたし。何ならもう一個使えるし。

 

……アレ?俺って実は、結構凄いヤツだったのかなぁ?……ま、当然だよな!

……少なくとも、普通では無いよな。

 





ローラン君がアレだって確定してしまったので、色々と設定を変更する事になりました。
特に公式サイトのコメント欄の考察が(設定に対して)痛いですね……これは痛い。
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