誘拐され死にかけて死体扱いされ辿り着いた先はとある館の一室だった……なRTAはーじまーるよー!
前回、気絶から回復し何とかやばそうな場所から脱出した時からですね。
震えが止まらず早く体を温めないと不味いのですが……もう望歩君の体力的に自力で動くことは不可能でしょう。
しばらく待ってみるとドタバタと慌ただしい足音と共に勢いの強いドアの開閉音、そして視界がぐるんと反転しましたね。
どうやら誰かに抱きかかえられたようです。この誰かと言うのは……あっ、今ちらりと黒い尻尾が二つ見えましたね? では確定です。今望歩君を毛布でぐるんぐるん巻きにし慌ただしく運んでいるのは
それでですねぇ……火焔猫燐、もうこの際おりんと呼びますが、この【夢幻幻想郷】において彼女死体を集める趣味があるらしくてですね……気に入った死体はコレクターの様に保管するらしいです。
そうですね、さっきの石造りの場所ですね(白目)
望歩君をコレクトするつもりだったのかもしくは他の目的があったのかは定かではありませんがあそこに寝かされていたおかげで望歩君の命が首の皮一枚繋がったので何とも言えませんね……
おっと? 望歩君が降ろされましたね。薄ぼやけた視界から推察するにここは……リビング……? ですかね、近くに暖炉がありその熱で望歩君を温めてくれているのでしょう。事実震えらしき症状も治まりを見せてきました。
ちょっとだけ回復した望歩君が体を起こさせましょう。ほら! がんばれがんばれ(はぁと)
よし、ちゃんと座る体勢に移行出来ましたね。ほら見てこの肌、すっげえ白くなってる、はっきりわかんだね(体調不良)
でもかなり意識がぼぅっとしているみたいですね、暖炉を見るだけで動く気配がありません。
特に問題は無いのですが……周りの情報が今一取り込むことが出来ないですね。ちょっとだけ不便なので望歩君に鞭を打って周囲を見渡して貰いましょう。
ふむ……客室、かな? 最初リビングかなと思いましたが机も椅子もこじんまりとしたのしかありませんし、何ならベッドが備え付けられてます。そんなリビングある訳ねぇや。
ん? 視界に影が差しましたね……望歩君も気になったのか顔を見上げます。
さて何が……と、飛んでる……
羽の付いた小さな女の子ですね……コォレハ……
まぁ、ただのゾンビフェアリーですから安心して大丈夫です。望歩君があんぐりと口を開けて信じられないモノを見るような目で見つめていますが大丈夫です。例えそこにゾンビフェアリーが所せましと天井を覆い尽くしても大丈夫、大丈夫なんです!!
ゾンビフェアリーは妖精の一種。ノリの良い妖精がゾンビごっこしている姿だったり普通に地底生まれの妖精だったり所説ありますが……この【夢幻幻想郷】においても不明です。誰に聞いても明言はしてくれません。分かっていることはおりんに統率されている為か自分から人を襲うという事が少ない事と、何かたまに壁抜けしてくるガチモンの霊体っぽいゾンビフェアリーが混ざっていることくらいですね! えっ? なに? 壁抜け出来る時点で幽霊か何かだろうって? はい、そうですね。ですが認めると精神ゲージがゴォリゴリ削れるので(認め)ないです。
重要なのは危険かそうでないかなので、問題が無い場合は真実から目を背ける事も必要なのですね……ただ、ちょっと分からないのは何故望歩君がこんなにも見られている、という事なんですが……
「お兄さーん……良かった、まだ死んでないみたい……で……ってうわっ! なにこれ!?」
えっ、おりんの命令で……じゃ無い?
ちょっと望歩君に質問を……駄目だ、望歩君の口と脳みそが回ってない……これじゃ使い物にならないよ……
いや言ってる場合じゃないんですけど。
「ほら皆散った散った!!」
望歩君がまごまごしている間におりんがどうにかしてくれましたね。助かりました。危害を加えられる事はそうそうないと頭で分かっていても先ほどの光景は異様の一言に尽ききますからね。
これまでの衝撃体験の連続で望歩君の精神力が心配です……一応色は変わっていませんが、細かくどれくらい削られているのか確かめる術は現状持ち合わせていませんからね。
「お兄さん……これ飲めるかい? 大丈夫、変なモノじゃない。ただのホットココアだから」
やさしさが身に染みて……あっ望歩君が今初めておりんの顔と特徴を認識しましたね。今ようやくおりんの情報を思い出したはずです。付随して先ほどのゾンビフェアリーの情報も浮かんできていると思われます。更に更に記憶と記憶がチェインし、古明地さとりと
思わず「死体運び……」とか漏らしそうになった望歩君のお口を全力で封じ込めながらココアを戴きましょう。危険度低の友好度高と記されていると思い出した筈なのでそこまで抵抗を覚えずココアを飲んでますね。そしてこれだけの情報があれば……望歩君の‟記憶‟ならば8割くらいの確率でここが地底であり、地底で一番の大物と称されることもある古明地さとりが住まう地霊殿、と推測できる筈です。
この知識の引継ぎによる思い出し、とでも言うこの現象……便利でRTAは勿論普通に攻略する分にも必須というこの機能何ですが言ってはあれですが実際体感してみるとだいぶ不気味な気分になります。
その不快感は一瞬で過ぎ去るのですが知らないことを知っている、しかもそれに違和感を強く持てないというのは……リアルに寄せてあると豪語しているにしては何だか違和感を感じてしまいます。いや、普通にこれ前提で難易度が組まれているから……と言うのは分かるんですが、lunaticでも同じように……と言うのは……いや、考えすぎですかね。
脱線しましたね、現在ココアを飲んで毛布をかぶり暖炉で温まった望歩君の体調は死ぬ寸前から絶不調くらいに持ち直しました。
おりんは……地面に座ってちらりちらりとこちらを窺ってますね。かわいい(小並感)
ようやくゆっくりとですが話せる
いきなり名前呼びは警戒される恐れがあるので普通に…見た目で……何ていえばいいんだ? 猫の人? 猫耳姉貴……尻尾の方……っく、迷っている時間がもったいないのでお嬢さんで良いでしょ! こっちもお兄さんって呼ばれてますし。
ヘイ! お嬢さん……ここはどこで君は誰なんだい? どうやら暗がりで誰かに腕を掴まれてひどい目にあったくらいしか記憶にないので説明してくれるとタスカル…タスカル…
「えっ!? あ──それは……お兄さん? まずこれは聞いとかないと話が進まないから聞くんだけど……幻想郷って言葉に聞き覚えはある?」
んーやっぱ望歩君が外来人ってバレてますよね。特徴的な服装ですし、持ち物も……もち、ものも……アレぇ!?
「あはは、お兄さんの持ち物なら一回回収して物置に置いてるから安心してよ。死んでたと思ってたからね、邪魔なものは回収してたんだ。……それで、聞き覚えはあるかい?」
そ、そうか……いや、普通に考えてそうなりますよね。持ち物は回収してるんですね……今回は
言い訳をさせてもらうならですね、前に同じような状況になった時普通に持ち物事燃焼地獄に連れていかれかけたので今回も同じ感じかな? と思った次第でありまして……はい。
ま、まぁ問題はないでしょう。返してくれるような雰囲気ですし……まずどうやって返答するか考えましょう。
知ってると答えるか……知らないと答えるか……いや、どちらにしても厄介な事には変わりありませんが、ここで嘘を吐いた場合ここの主である古明地さとりに遭遇した際不味い事になりかねません。
何故嘘を吐いて知らないと答えたのかとつつかれた場合少しだけめんどくさくなります。
いや、ほんとさとり様は面倒くさいお方ですね……このビルドの天敵と言うだけはあります。ほとんどのビルドでさとり様は大きな課題になりますが……望歩君の場合有利な特徴全消しですからね。
どうにかしてさとり様に出会わない様にさっさとおさらばしたい所ですが……とりあえずクォクォア…真実、幻想郷の事は知っているとぶちまけましょう。知っている理由については知らないとも伝え、記憶喪失と望歩君自身にも思い込ませます。そうすることでさとり様の「心を読む程度の能力」からもギリギリ乗り切れる筈です。嘘は吐いて居ませんし、事実望歩君視点そうなってますからね。
と、言う事で……さっそくおりんに「幻想郷については知っている。だけど……何処で知ったかは記憶にないんだ」と伝え……ヒェ!
「古明地さとり……成程、私の事は知っているようですね。ですがこれは……ふむ、実際に見たわけでは無い」
「えっ? えっ?」
「お燐、あなたの事も知っているみたいよ。火車、死体運び、地底の安全枠……どうやら安心できる存在として思われているようですね」
「えぇ! そうだったの!? でもさっきあたいの事お嬢さんとか言ってなかったかい? まるで知らないみたいにさ」
「それはですね……」
おいヤメルルォ! (懇願)
余りにも……早い……早すぎる……っ!
想定以上に早いご登場のさとり様の手によって望歩君の心の中が暴かれまっくている……!
あぁ~望歩君の精神にダメージが入る音~
何か喋らせて…っ! 自己弁護させて……っ!! 私ね、そう言うの良くないと思うんですよ!? 言葉って言うのは伝え方でもかなり印象が変わると思うんです! 順番とか、誰が言ったかでも印象がガラリと変わる! それをですね! 何の装飾もしていない丸裸の思考を羅列するのは拷問ですよ!! こっちの事情も考えてよ(迫真)
「他には……これは、意図的な欠落? いや、これは……」
望歩君が死んだ目をしているのを楽しそうに弄っていたさとり様の動きが止まりましたね。意図的な欠落……? えっ、なに…それは……(困惑)
すぅっとジト目なさとり様の目が更に細められましたね……集中している?
どうあがいても見た目少女のお二人の片方にすら勝てない望歩君は諦め状態で全てを受け入れていますね……ですが
全部受け入れた後でおりんに土下座してでも地上に送ってもらえるように頼み込みましょう。現状地上へ出れる手段の中で一番目に安全な方法なので。二番目はツアーの客として一緒に帰る事、次点でそれに隠れてついていく事になります。それ以外は試す価値のない運ゲーです。イキスギィ! (ご臨終)
なのでおりんに嫌われた場合即自害が検討に入ります。最初の一周目が理外の4日目でトロフィー獲得に成功したんでまだやり直してもカバーが効く時間何ですね。
「お燐」
さとり様が望歩君に対して何かしていたのが終わりましたね。
何か納得がいったような表情のさとり様がおりんを呼び寄せて何事かを耳元で呟いています。何言っているかは……バッドコンディションでマイナス補正がかかりまくっている上に‟聞き耳‟自体高くない望歩君には無理ですね。読唇しようにも読まれているのか口元を隠されてますし。
と、終わったみたいですね……伝えたとしても少しの文章っぽいですね。ならば考えられるのは……ふむ。
おりんがちょっと困ったような表情で望歩君に近寄りますね。ですが私も望歩君も覚悟は決まりましたよ!
さておりんさん? 殺すのならスパッと一瞬で殺ってくれよな~頼むよ~! RTA的にも望歩君の心情的にもそっちが助かるんですよ~。
「いやいや、殺さないからね……?」
えっ
「えっ、ってあたいのセリフなんだけど……何でそう思ったのさ」
いや……あの感じですと普通に厄介ごとっぽいから燃料にしちゃえ(隠語)って言われたのかと。
「いやいやいや! さとり様はそんな事命令しませんよ!」
「ふふっ」
今のはさとり様の笑い声ですね……ってことは……からかわれただけ……?
「からかわれたも何もあたいには何でそう思考が行ったのかさっぱりなんだけど……まぁいいや、とりあえず望歩さん? 呼びにくいからお兄さんって呼ぶけどしばらく面倒を見るようにと任されました」
………???
えっ?? 待って???
「うん? 待つけど……」
誰が、誰を、どこで面倒見るって……?
「あたいが、お兄さんを、ここ地霊殿でしばらく……体が治るまで面倒を見てあげるように、ってね」
いや待って何があったらそんなことにな
今回はここまでです。ありがとうございました。
次回 少々お待ち……