ありふれていなければならない物理法則で世界最強 ※完結   作:十二の子

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 大学の英語リスニング成績が公開されたのにサイトを開けなくて困り果てていた2次創作者です。なろうに投稿しているオリジナル創作が、こちらに2次創作を投稿し始めてから書きにくくなった気がします…1度に3つも4つも投稿しているハーメルンの皆さんが怖いです(まあ行間空けをはじめとする文体実験でもあるので仕方ないですが)。


12 「XーYを算出せよ。Xはフューレン、Yはブルックである。」

―*―

 

 「「「香織様、私めの女神になって下さい!」」」

 

 「「「ユエちゃん俺の彼女になってくれ!」」」

 

 「「「シアちゃんボクを奴隷にしてくれ!」」」

 

 「…え、何、これ…」

 

 「ミレディちゃんが寝てる間に世界は変わっちゃったよ…」

 

 ブルックの町に戻ってきたハジメ、香織、ユエ、シア、一石に加え、ノイントの身体のミレディ(なおよほど嫌な格好だったのか、フーデッドケープで全身を隠している)。6人は、町の入り口で待ち構えていた群衆のひさまづきを受けて、あっけにとられた。

 

 「…もしかして、私たちが出てから、ずっと待ってた?」

 

 「「「「「もちろん!!!」」」」」

 

 一石、心労が重なったのか、座り込む。

 

 「大事にならないうちに…えい♪」

 

 ハジメが銃を抜くより先に、ミレディが地中に重力球を作った。群衆が、落とし穴に一斉に落ちる。

 

 仕方がないので、ハジメは代わりにミレディの頭を握りしめて、怒りを発散してみる。

 

 「え、なんで、あたた、痛い痛いもう修復できないみたいだからこれ以上はホント…あ。」

 

 はらり。

 

 ケープが落ちる。

 

 銀髪碧眼、そしてなかなかに愛嬌ある表情でわめくスタイル抜群の女。

 

 「「「姐御、いじめてくだせえ!」」」

 

 「…え、いいの?えい♪ついでに記憶も飛んじゃえ♪」

 

 ゴンッ!

 

 「なんでタライなんて隠し持ってたのよ…」

 

―*―

 

 「いらっしゃい…増えたねえ…」

 

 ギルドのカウンター係であるキャサリンというおばちゃんは、不審者然としたミレディを見て、女だと即座に見抜き、簡潔に状況を評した。

 

 なにせ、はた目から見たら、ハジメは5人もの女を連れているように見える(実際3人であってもあまり状況が改善したようには思えないが)。

 

 「あ、冒険者の登録と、ちょうどいい…そうね、フューレン方面への依頼があるかどうか確かめるのは、頼めるかしら?」

 

 「こらこら嬢ちゃん、あんまり男を甘やかしちゃダメだよ。」

 

 「甘やかされているのは私のみなんだけれどね…」

 

 「ん?なんか言ったかい?とりあえず、一人1000ルタね。そっちの3人は…」

 

 ユエとシアとミレディが、首を横に振る。

 

 「あんたたち、厄介な事情を抱えていそうだねぇ。ちょっと、待ってなさいな。」

 

 キャサリンは、ハジメと香織と一石の隠蔽済みステータスプレートを持って奥へ引っ込み、そして、しばらくして、封筒を添えて戻ってきた。

 

 「これは?」

 

 「あんたたち、色々厄介なもの抱えてそうだからね。町の連中が迷惑かけた詫びのようなものだよ。他の町でギルドと揉めた時は、その手紙をお偉いさんに見せな。少しは役に立つかもしれないからね。」

 

 「手紙1つで役に…」

 

 「あんた何者だよ…」

 

 「ハジメくん、女性のことあんまり詮索したらメッ!だよ。」

 

 「香織の言うとおりだったな。失言だった、忘れてくれ。」

 

 「いい感じに尻に敷かれてるねえ。これならあの娘たちを泣かせることもなさそうだ。」

 

―*―

 

 翌朝。

 

 キャサリンから受けた商隊護衛任務の集合地点である町正門に行く前に、ミレディがフーデッドケープの中から手を挙げた。

 

 「あのー…ミレディちゃんちょこーっとおねがいがあるんだけどいいかな?」

 

 「ダメって言ったら?」

 

 「泣いてからあのおばちゃんに言いつけちゃおっかなー♪クスクス。」

 

 「…さっさと行って来い!」

 

 ミレディがノイント相手に真剣に戦いゴーレムであるにもかかわらずかなり互角だったこと、そして確認してみれば数千年もの時(本人すら数えようと思わなかったくらいの長さ)をエヒトからトータスを解放するためたった独りで過ごしてきたことは、ハジメたちも神代魔法(重力魔法)を授かったときに知ったから、敬意がないわけではない。ただ、事情はどうあれ、ミレディはミレディ、相応の扱いである。

 

 「もう、ついつい偉い人に歯向かいたくなる反抗期ってや」

 

 ジャキッ!

 

 「すみません、行ってきます。」

 

 言うなり、ミレディは垂直に飛び上がって、「神の使徒」としての翼を出すことすらなく、重力魔法だけでライセン大渓谷のほうへ飛んでいった。

 

 「…南雲君、今から考えれば、燃焼石はいらなかったわね…ごめんなさい。」

 

 「まあ後知恵ってもんだ。」

 

―*―

  

 まあ、仕事は南雲君がやってくれるし、いいわよね。

 

 ミレディから聞いた情報、そして、私が今まで得た情報。これらをまとめていきましょう。

 

 ・この世界トータスを動かす基本法則は、大統一理論ーおそらく超ひも理論によって駆動される私たちの世界と同じに見え、オッカムのカミソリ的論理から言えばこの世界もまた私たちの世界と同じ物理法則を根底としている。

 

 ・物理法則に反する存在として、魔法法則が「浮いて」いる。

 

 ・魔法法則の根幹をなすと思われる「魔力」。これは、発動の際に「魔法陣」というエントロピー則に反した形成をしなければ意味をなさず、人や動植物といった生物の意思を介在させなければ機能しないという、普遍的法則の定義に反する不自然な力であり、従って、人為性が強く疑われる。

 

 ・魔力は、空間を伝播する。この点では、電磁力、重力、弱い力、強い力の4力にも共通する性質である。従って魔力とは「トータスにしかない、自然界の5つ目の基本力」と思われる。また、この4力よりも格段に強い魔力の作用について説明する理論はない。

 

 ・私の技能は、おそらく、私が望む一定範囲に魔力を存在させないことで魔法を無効にしている。従って「現在進行形で作用する魔法の効果」は消せるが、「すでに発動し終わった魔法の結果の産物とそれによる物理現象」は消せない。

 

 ・魔力が伝播するスカラー量である以上、私が「全否定」している正体はその伝播子or場である。

 

 ・魔力が人為的である以上、これの伝播子or伝播場もまた、人為的に植え付けられたモノである可能性が高い。

 

 ・魔法法則にまつわる力、伝播場が植え付けられたモノであるとすれば、創世神とたたえられるエヒトも深く関与しているかもしれない。

 

 ・またエヒト自身が他世界を包括するような法則を知っていると思われることも、召喚に成功したことで明らか。

 

 ・ミレディ・ライセン曰く、世界を渡るような魔法もまた、7つの迷宮で神代魔法を集めれば、手に入るらしい。それは概念に干渉する…と私にだけ教えてくれたが、物理物質ではない「概念」に作用することなどができるはずはない。

 

 A:やはり概念魔法を一度見てみないことには、何もわからない。しかして、概念魔法の真偽こそ、魔法とはなんであるか、そして宇宙を支える法則の真理、「超統一理論」への道筋。

 

 「難しいわね…見落としばかりでしょうから精査を重ねないといけないし、計算を交えるのは反吐が出るわ…」

 

 「…やっぱりか。」

 

 「あら?南雲君?」

 

 いつの間にか声に出てた?

 

 「香織とユエとシアは?」

 

 「警戒にあたってる。」

 

 「要らないでしょ。」

 

 あわただしい局面でもないし、「ちきゅう」もある。別に問題は…

 

 「まあ、こんなのは訓練にしかならないがな。」

 

 「みたいね…私にも、気配くらいわかるわよ?どうする?」

 

 魔物が、2桁?3桁?

 

 「あれだけ熱心に、食う時も寝言呟きながらでも考え続けてて、わかるのか…お前もたいがい…

 

 そんじゃ、ちょっと行ってくる。」

 

 「行ってらっしゃい。」

 

 「…一石こそ、なんかテストしなくていいのか?」

 

 「ミレディが帰ってこないからね…」

 

 帰ってきたら、面白い攻撃を考えてあるんだけど。

 

 ーしばらくして、雷光の龍なんてモノを見た…水墨画、習っておけば良かったかも。

 

―*―

 

 かくて、商隊はフューレンに到着した。

 

 案内人を雇い、ギルドに向かう。

 

 「あ、ブルックで依頼を受けた者です。報酬をいただけますでしょうか?加えて、魔石の取引を行いたいのですが…」

 

 「あ、わかりました。」

 

 「量が多いので、奥に通していただいても?」

 

 「かまいません。」

 

 ハジメがいきなり樹海産魔石をすべて放出したために、ブルックのギルドが値崩れで価格を下げていたことを、一石は見抜いていた。キャサリンはただの優しいおばちゃんではなかったのであり、そして数字に強い人間が交渉すればそうはならない…というのはすべて一石の作り話であって、実際はハーレムの一員と見られるのはよしておきたかっただけのこと。

 

 一石は、ギルドの職員とともに、宝物庫1個を持って奥へ(もちろん、ギルド訪問者に宝物庫から魔石をゾロゾロ出すところをあまり見せたくなかったのもある)。

 

 宝物庫は魔晶石を触れさせることで出し入れだけは出来る(借り物であって自分の魔力ではないので、出すものの選択は不可)。そこから出した色とりどりの魔石の山を見て、職員は驚愕した。

 

 「放出させていただくものに関してですが…」

 

 しばらく、商談は続く。大商業都市フューレンと言えども引き受けきれない量の魔石であるし、引き受ければ破綻か、他の冒険者から買い取れなくなって波乱を産む。交渉は一筋縄ではいかず。

 

 「ふむ、まあまあこんなもの…

 

 …何の騒ぎですか!?」

 

 ドパンッ! ドパンッ! ドパンッ! 

 

 一石は、はあ…とため息をついた。

 

 「どうせただのナンパです。当事者双方の言い分、なんて言うと彼ら、敵に回りますよ。」

 

 「いやいや、ギルド内なのだからギルドのルールに従ってもらわなくては困ります。とにかく、事情聴取を…」

 

 職員が、騒ぎの音がしたカフェのほうへ出ていく。

 

 「…こういう時ってむしろ、『駐車場内での争い等については当方は一切責任を負いません』じゃないの…?」




 この後しばらく、オリ主の理論的検討はなされないでしょう。理論物理学は常に実験物理学による実証を必要とします。
 
 …ところで、「による」と書いたら「に夜」って変換されるの、どうにかならないかな…

 21,2,9注記:何を勘違いしたか大迷宮の数を8にしていたので修正。うっかり神山迷宮数え忘れて6にする可能性はともかく…他でもやらかしてたらすみません。随時修正はしていくつもりですがご指摘いただけると自尊心とかが喜びます。
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