ありふれていなければならない物理法則で世界最強 ※完結   作:十二の子

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○○年×月×日(トータス新暦1年6月23日) 一石光 Hikari Hitotsuisi

 ほんの気の迷いを書き留めてみる。


余白:彼女の愛する世界
40 「ヒカリ・ヒトツイシの、次にページをめくる諸君への覚書」


―*―

 

 この世界が創作であり2次創作であるというのなら、作者であるあなたは、物語が終わった後でも続く平穏な日常のことなど興味がないでしょう。

 

 それでも、私の世界が創造された理由が思考実験であろうという推測からすれば、この文章が目に留まるかも知れません。

 

 私は今、新たな真理を追っています。

 

 え、懲りないなって?

 

 あなたがた創作者の世界が、誰かの創作でない理由など、どこにもありません。

 

 なぜならば、創作の中の世界と外の世界に人間を放り込んだ場合、言われなければ気づかない場合がほとんどだからです。現に、トータスでも地球でも、誰一人自分が創作世界の人間とは気づいていませんでした。

 

 きっと、物語世界の中で、それが物語であることを気づいていない人間がほとんどです。

 

 では、この世界に無限に存在する物語の物語世界と、たった一つのそれら物語が創作された私の世界。

 

 無作為に抽出したある「自分の世界が物語世界かどうか知りすらしない」人間が存在するとして、その人間がいる可能性が高い世界はどちらでしょうか?

 

 ある人物にとって、彼の世界が創作であるか否かを気にする時には、その前に「充分に自立した物語世界はそれを創造する世界と区別がつかない」ということを念頭に入れなければなりません。

 

 同じことは、役回りについても言えます。

 

 創作の主要登場人物などごく少ない。

 

 大多数の人間が、「この世界には、70億の人間がいます」というたった1文、説明されない暗黙の了解の0文を事実とするための、作中人物に絡まない背景に過ぎないでしょう。

 

 無作為に抽出された一人ーあなたが、そうした人間である可能性は、極めて高いと思います。

 

 宇宙の存在が、内部の観測者によって一意的に定まるという見方についても、私はあの「神話大戦」を終えた今、非常に懐疑的です。

 

 常に宇宙は外部の観測者、つまり創作者によって維持されるのではというアイデアを提案したところ、南雲君と清水君は「創作の重層構造」、つまり、ある物語が創造される世界を物語として創造する世界を物語として創造する世界を…というアイデアを返しましたー香織と優花をそれぞれ膝に乗せて。

 

 ですが私は、創作世界がツリーのように無限に上へとつながっていくこの構造にも懐疑的です。なぜなら始まりの世界を定められないから。

 

 なので、私は今、世界の補完について探求しています。

 

 お互いの世界が、相手世界を物語として観測しあうことで存在を確定させているという仮説です。

 

 あなたの世界にいる誰かは、私の地球/トータスにある物語の主人公かも知れないのです。

 

 実際に、南雲君や香織たちが日本で起こる様々な犯罪組織の暗躍やら何やらをつぶしている裏では、「学園都市」やら「ザ・ファウンデーション」やらを名乗る組織の私への接触がありました。…リスキーなので「我、汝が新たな知を得ることを禁ず」をかけた上で適当な大迷宮に放り込んでおきましたが。

 

 ともかくも、私たちの幸せが茶番でないように、あなたがたの幸せもまた、茶番ではなくとも誰かに見られている、いや、見られてすらいないかもしれないのです。

 

 おごるな。

 

 うぬぼれるな。

 

 ものみなすべて相対的、絶対のものなど何一つない。

 

 笑うな。

 

 その限り、笑われまい。

 

 私たちは生きている。

 

 あなたたちも生きている。

 

 最後に、もし何かの事故で、私たちと同じように奈落に落ちてしまったのならメッセージを一つあげます。

 

 「望めばなんだってできる。私たちの世界は、私たちを中心に回っているのだから。」

 

 では、私はミュウの東京旅行に付き合ってる南雲君がどっかの誰かの陰謀に巻き込まれて立てこもり犯をしばいてる感じだから、行ってくるわ。

 

 …ああ、せっかくリリィとディナーの予定だったのに、間に合うかしら!

 

 …ってなんでこんなことまで日記に書いてるのよ、もう!

 

 …そうね、こんな余計なことまで書いたことに意味があるのなら。

 

 「今日も、地球もトータスも騒がしいです。

 

 私は、そんなところにいます。

 

 元気です。」




 あなたも、誰かの物語の背景に過ぎない。そんなことを否定する証拠は、ありますか?

 ーそんな一石光の問いに、私は「はい」と、応えられませんでした。

 ですがそれでも、我々は未来を自らの手で切り開き、そして人間、困ったときはなんだってするのです。





 …それはそうと告知です!

 ありふれ2次創作第2段として、「マギア・レコード」とのクロスオーバーを開始します。まどマギキャラやマギウスの皆さんがハジメくんに絡み大騒ぎします(魔法少女陣営からハジメハーレムは出しません。設定がややこしくなるのでトータスにキュゥべえは出ません。魔女もあんまりいません。そして私は香織推しです)。なろうの1次創作も書き溜めが減ってきたので書かなければならないし、4月から対面授業だしで投稿ペースは落ちるかもしれませんが、引き続きねこのここねこししのここじしをよろしくお願いします!

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