目覚めたら某有名ゲームの悪役だったけど、正直言って困るんだが   作:プルスサウンド

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ゾンサバ公式TSボス、すっごく良かったです(ニチャァ)

じゃけん皆さんもバイオ二次かきましょうね~




ヘラクレス(ミーム汚染済み)

 

 カルロス氏の案内に従い変電所で電力を復旧し、鉄道会社のビルでシステムを操作して電車の行き先をセットする。といっても作業するのは知識のあるジルさんがメインで、自分は護衛みたいなものだ。

 

 役に立っているとは思う。

 変電所のキモさ半端ない触手?植物?がジルさんに変態プレイを仕掛ける前に叩き切ったし、ちょっとした障害物ならゴリゴリどかせたし。

 

 ネメシスが追っかけて来た時も、彼女を俵担ぎで支え、後方に向かって銃撃で牽制してもらいながら逃げまくった。あんなタフなやつ、まともに倒れるまで相手していたらいくら生命(タマ)弾薬(タマ)があっても足りないのだから。

 まあ、あまり揺すりすぎるとジルさんがけろけろけろっぴしてしまうので、そこまで乱暴な動きはできないが。

 

 他にも、思い付きで腰に提げていた斧をブーメランよろしく投げてみたら、本当にゾンビの身体をポンポン切り飛ばしながら返ってきたので、この身体のポテンシャルには驚かされたりしている。さすウェス。

 

 ジルさんにはドン引きされたけどな。

 

「貴方、実はあの化け物の親戚だったりしない?」

「……もしかしたら生き別れの兄かもしれない…まさかあんな惨い姿にされていたなんて」

「嘘、ごめんなさい私そんなつもりじゃ」

「大丈夫大丈夫。誘拐されたような親族は居ないよ冗談だから」

「からかわないでよ!」

 

 そもそもウェスカー氏ってご兄弟とか居なかったはずだし。

 ……まさか自分が知らない間に、カプコンが無から親族を生やしたりなんかしてないよな?

 

 あ、ちょっと不安になってきた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 ジルから見たアルフレッドという男は、知れば知るほどパラレルワールドの住人みたいな人物だった。

 アルバート・ウェスカーが全く別の人生を歩んだら、こうなるのかもしれないと思わせる存在だ。

 

 

 

 最初のうちは、実は生き延びていた裏切り者が変装し、自分を殺しに来たのかと思った。

 何せ怪物に追われて建物から落下し、頭を打って意識がはっきりとしない間に瓦礫の影に連れ込まれ、身動きできないように押さえ込まれていたのだから、色んな意味で身の危険を感じるのも当然である。

 後から「怪物から身を隠すため」と弁明されたが、アリエルという少女を見せられるまで引き金から指は外せなかったほど。

 

 次に彼女が考えたのは「裏切り者が病気の子どもを誘拐し、こちらを騙す小道具にしている可能性」だ。

 

 その冷酷な本性を剥き出しにするまで、ウェスカーは彼女らの良き上司であり、チームのリーダーだった。気安く話せるタイプではなかったが、状況判断能力は高く、合理的で有効な指示を出し、隊員の尊敬を集めるような人物だったのだ。

 もちろんそれは一種の演技であり、現在S.T.A.R.S.は壊滅させられている。

 

 してやられたジルからすれば、再び現れて演技している可能性がどうしても拭えなかった。お粗末な変装にも見える茶髪や服装は、まさかそんな杜撰な姿で出てくるわけがないと思わせるためではないか、と。

 しかし少女の態度を見れば、短絡的に誘拐したのではなく、彼らの間には確かな信頼関係があると理解できてしまったが。

 

 じゃあ疑いは晴れたのか、と言われてしまえば微妙だ。

 

 これまで様々な犯罪者を相手にしてきたジルとしては、どんなプロでも大きく演技するならば、無意識の仕草でどうしても隠しきれない部分が出る、というのが持論だ。

 ウェスカーの演技、というか冷酷さの隠蔽は本人の精神性を偽るほど大げさではなかったから、疑うきっかけになるほどの違和感が無かっただけである。

 

 そしてアルフレッドからは、まるで塗ったペンキがところどころ剥がれ落ちて、下のコンクリ壁が出てくるように「ウェスカーの仕草」が垣間見えた。

 

 例えば銃を構えるときの動きや、撃つときの腕の伸ばし方だとか。

 例えば警戒しているときに見せる、訓練された者の足運びだとか。

 例えば漢字と英訳を書かせた時に確認した、英訳を書くときのペンの持ち方だとか。(さすがに筆跡は異なっていたが)

 

 しかし逆に、無意識の仕草でありながらウェスカーらしくないものがあり、それが異常に目についた。

 

 例えば彼は目を合わせたがらない。明らかに、反射的に目をそらしている。それでもじっと見詰めると居心地が悪そうにして、何か問題があったのかと聞いてくる。

 隠し事があるというより、視線自体が苦手な様子だ。

 

 例えば人に会うと頭をちょっと下げる。カルロスたちが不思議そうにしているのを見て、本人も気付いたのか「あ、つい癖で」と言っていた。どんな癖だ。

 無線機でカルロスと話してる時もやっていた。だからどんな癖なんだそれは。

 

 例えば言い回しが少し遠回り。変なところで弱気。

 少女に対する危険にはむしろ攻撃性が高まるのに、他のことに対しては変な謝り癖がついてるみたいで、この人はどんな環境で生きてきたのかと思わせた。

 

 冗談抜きで、移動中に少しぶつかるだけでとっさに謝る癖がつくだなんて、本当にどんな環境なのだろうか。

 ウェスカーの顔でそれをやられると正直ちょっと不気味で、慣れるまで違和感が凄かった。

 

 まるでウェスカーと別人の脳味噌を引っ張りだし、ミキサーにかけて頭蓋に戻したみたいだ。

 

 

 

 結局、ジルはどうしても彼をウェスカー本人とは思えなかった。

 

 彼と比べれば余りにも穏和、悪く言えば消極的、態度が大人し過ぎる。

 それどころか普通の人より他人との距離感が遠く、身体的接触を好まない。内気でネガティブだが、コミュニケーションでは表面的にそれを隠そうとしている節がある。

 つまり気質が違いすぎたのだ。誤魔化しきれるものではないほどに。

 

 少し気になるのは、その気質にしてはグロテスクに対して耐性が高いところか。

 あとは異常な身体能力だが、こればかりは生まれつきと言われてしまえば、それ以上は理由を問うことができない。

 

 以上を加味してジルが出した結論は「ウェスカーではないが、詳しい身元調査が必要な人物」というものだった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 準備ができたので駅に戻ってきた。

 カルロス氏いわく、30分か40分くらいで電車の整備も終わるらしい。ゆっくり休めているおかげか、アリエルの様子も落ち着いているとのこと。

 良かった……。

 

 そこにニコライ某が何やらぐちゃぐちゃ嫌みを言ってきたが、うるせー知らねー、である。

 こちとらきちんと仕事はこなしてきた(主にジルさんが)んだから、とやかく言われる筋合いはないね!

 

 とか思ってたら、まーたストーカーがやってきた。

 クソが。

 

 まだ電車の整備が終わっていないのに、このまま閉じこもるのは無理があるし、他の人を危険にさらす。だからターゲットにされてる私が囮になる。

 みたいなことを言ってシャッターが閉じる前に飛び出すジルさん。

 

 これ自分もネメシスに目をつけられてるっぽいし、同行しなきゃヤバい状態やん。

 

 そんなわけで再びカルロス氏にアリエルを頼み、彼女についてった。

 二人とも止めろ!戻ってこい!と言われたが、壁破壊するようなヤツをアリエルの近くに置けないのですまんの!無視だ!

 

 逃亡で下水道を通るのはゲームだけにしたいくらい気持ち悪かったが仕方ない。何かキモすぎてげんなりするデザインの敵に、ジルさんがうげー…と呻いていたが、その気持ち良く分かります。

 

 しばらく逃げ回りながら、無線が届く位置でカルロス氏と連絡を取ると、とうとう朗報が届いた。

 

『やっと繋がった!ジル、無事か?アルフは?』

「私たちは大丈夫よ。ヤツは撒いたわ」

『良し!地下鉄の準備は出来たから、二人が戻って来たら出発だ!』

 

 よっしゃ!じゃあそこのマンホールから出ようか!

 蓋を開けるから自分が先に上がるやで。

 

 

 

 「 ス タ ァ ァ ァ ズ ! 」

 

 

 

「お"ぁ"あ"あ"あ"あ"あ"ん"!?」

「アルフ!!!」

 

 そうは問屋が卸さないと出待ちしていたネメシスさんに、ガッチリとアイアンクローされて放り投げられたりもしたけれど、私は元気です。

 嘘。すげぇ痛かったです。

 

 でもこれゲームだと、たぶんジルさんやカルロス氏がされるんだよな?

 普通に首の骨が折れて死ぬと思うんですが……。

 

 「スタァズ!!!」

 

「なんかゴツい装備してるんだけどコイツ!」

「火炎放射器!?」

 

 ジルさんは「武装する知能があるの!?」と驚いていたが、それよりもこれだけしっかりした専用武器を用意してもらえるだけのバックアップがついてるのが怖いんですよねぇ。

 絶対これ監視されてんだろなぁ。つら。

 

 自分はラクーンシティから離脱せずに、アリエルはジルさんに託した方が安全かもしれない。

 それが無理ならいっそ出頭して自身を代金にするか。いや、暗黒メガコーポの魔の手がどこまで伸びるか分からないし怖いな。

 

「ちょっと、かなり酷い顔してるけど大丈夫?」

「ああ、あの怪物の不死身ぶりに嫌気がさしてただけだよ。コイツもうヘラクレスって呼ぼうかな」

「不死身の怪物ならヒュドラの方でしょ」

 

 せやな。良く考えたらヘラクレスって基本的にバーサーカーじゃないわ。

 

 さて、火炎放射器なんてバカ装備を背負ったクソ野郎から逃げているうちに、工事中のビルまで追い詰められてしまった。

 

 なんせ自分が接近戦しようにも火を撒き散らされるし、じゃあ逃げようとすればやっぱり進路に火を撒き散らされるので、今までのようには行かなかったのだ。

 さすがに火の中をくぐってジルさんが上手に焼けましたー!とか洒落にならんし。

 

「背負ってる燃料タンクを破壊するしかないわ!」

「じゃあタンク役やるわ」

「は?」

 

 ちゃんと壁役って言い直した。

 

 

 

 

 




 
・今日のおじさん
海外赴任して文化的な差に困った日本人みたいになっている。実は近所付き合いのため、素を出さぬよう矯正を頑張っていた。
今は素を出した方がウェスカーらしくなくなると思ったら、余計に癖も出てる感じ。

そら不死身のバーサーカーって言ったらヘラクレスやろ(ミーム汚染済み)

全体的にネガティブな日本人の中でも陰の者だからね。内向的な人扱いも仕方ないね。


・ジルさん(惜しいで賞)
1998年の人間だから日系人は見かけるし知ってるが、日本人の気質はそこまで知らんねんな。別に日本に関わりのあるビジネスマンとかでもないし。

精神的に少し弱っているため、実は威圧感が少ないおじさんとの相性は悪くない。新生カルロスも頼れる男だから安心。

休憩中に漢字を書いて見せろと言ったら「汁」と書かれた後に、そっと目をそらされた人。
なぜ「汁(スープ)」と書いたのかは知らない。

「 二月十四日 汁 」



・監視員ニコライ某
実は指紋採取しようにも、おじさんが滑り止め手袋(手汗・血すべり対策)してたから無理だった。舌打ちした。

ぜってーあの男BOWだろタイラントをより人間に近付けた個体とか言われても驚かねーわ!!!




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