目覚めたら某有名ゲームの悪役だったけど、正直言って困るんだが   作:プルスサウンド

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ウェスカー氏、小説版UCだと蘇生してから絶好調って感じだったので、アレクシアさんから逃げてるのを思い出して笑いましたわ。
(黒歴史から目をそらしながら)

しかし小説版はかなり強めの設定だったのでびっくりしましたね。
超パワー、超回復、超恒常性、精神力で生物兵器を操作、強い意思があれば適合と進化の度合いに反映できる設定などなど……にじそうさくこわれる

後付け設定とはいえ、こんなやべぇ存在を作る試作ウイルスってホントに普通のTの試作なのか?
もしかしたらバーキン氏からの提供だからG系の試作だったり、始祖系でウェスカー計画用の専用な試作(建前)だったりすんのかねぇ…

なお、マダオおじさんは「パワーと持久力と回復力と優れた五感ならあります(痛いものは痛い)」って感じです。
つまり純粋な人間…人間?のクリス・レッドフィールドとかジル・バレンタインって怖いなぁ…とづまりすとこ。




わからせ(られる)おじさん(健全)

 

 

 

 二人でネメシスをシバき倒し、爆発炎上するビルの屋上からジルさんを抱えて飛び降りた。

 とっさの判断だったから断りもなく抱えてしまったが、向こうはあまり気にしていない様子。良かった…(粉蜜柑)

 

 しっかし死ぬかと思ったわ火炎ネメシス戦。

 いくらリジェネ体質でも痛いもんは痛いんじゃい。

 

 ジルさんの丸焼きを作るわけにはいかないから我慢したけどさぁ…アツゥイ→治る→アツゥイ→治る→アツゥイ→治る…みたいなのはもう嫌だ。

 

 スコップで火を払っていたが、どうしても完璧には防げない。おかげで長袖のワイシャツがワイルドな七分袖(しちぶそで)になってしまったし。踏んだり蹴ったりだな。

 なお、ジルさんはこちらが火傷していないことに驚いていたが、実はしてないんじゃなくて治っちゃってるんですよねぇ、とは言えなんだ。

 

 本当に今の戦闘で死んでいて欲しいが、おそらくまだアレは生きているだろうな。

 だってボスだからね。悲しいね。

 

 何だかストレスのせいか胃がムカムカしてきたぞ。

 断じて胸焼けとか胃もたれではない。はず。

 

 

 

 地下鉄に向かう道すがら、弾薬を補給したいジルさんの発案でガンショップへ寄ることに。と言ってもこんな状況なので店内は荒らされていたし、棚は見事にすっからかんだ。

 僅かに残った商品なんて、自分には使いみちなど分からない物ばかり。しかし彼女には分かるようで、良くわからん白いお粉や謎の部品を何のためらいもなく回収していた。強化パーツってヤツかしら。

 

「誰だ!!!」

 

 そこにショットガンを構えた男が登場。

 こちらも反射で大斧を構える。

 

「何だジルと……ウェスカー?」

 

 はい、まーたウェスカー氏の知り合いが入りましたァ!!!!!

 

 彼の名前はロバート・ケンド氏というらしい。

 なんとスターズの関係者なのだとか。

 ……ああ!ここバイオ2のガンショップかい!

 

 でも店舗の形ってこんなんだったかなぁ?

 ま、何でもゲームと同じと考えるのも良くないか。

 

「あー、私はアルフレッドです。人違いなんでウェスカーさんじゃないんですよ」

 

 ロバート氏にはかなり驚かれたが、ジルさんの説明により「郊外に住んでたウェスカーのパチモン」だと納得してもらえたのは幸いだ。

 そんで彼女はロバート氏に「お前が必要だガンスミス。私と共に来い!」とお誘いをかけていたのだが、何やら都合が悪いようで断られてしまった様子。

 

 他に手はあるから心配するな、大丈夫だ、君たちも無茶はするなよ…そう言ってバックヤードに引っ込むロバート氏からは、何やらただならぬ雰囲気が漂っていた。

 思わずジルさんと顔を見合わせて、ついドアに近付いてしまう。

 

 

 

「パ…パ…」

「大丈夫だからな…大丈夫、心配ない」

「……う、ん」

「いい子だ…」

 

 

 

 あー、そーゆーことね。

 完全に理解した(わかった)

 

 

 

「……行きましょう」

「ジルさんちょっと待っててもらえる?」

「どうしたの?」

「えーと、少し用を足したくてそこの路地に」

「警官の前で良い度胸ね。緊急時だし見逃してあげるわ」

「ありがたや」

 

 ……

 

 Foo~~~↑さっぱりしたわ。

 

「お待たせ~」

「水、飲む?」

「自分の水ボトル持ってるから大丈夫やで」

「……あの子は無事よ。きっと」

「ありがとう」

 

 ちなみにジルさんがワクチン開発者(捕獲予定)の話でロバート氏を釣り上げようとしていたが、確実性の無さが原因か、もはや手遅れなのか、彼は出てこなかったらしい。

 

 あー、ロバートさん家のこと考えてると、まーた胃がムカムカしておトイレ行きたくなってしまう……あかんな。

 はよアリエルのとこ戻ろ。

 

 

 

 

 

 「…スタァズ…」

 

「…頼むから死んでくれ」

 

 で、帰ろうとしたら今度はロケラン装備で戻って来やがったネメシス。復帰が早い。

 ちょうど連絡を取っていたカルロス氏も、殺したんじゃなかったのか、と無線越しに引きつった声を上げている。

 

 ジルさんと共に照準を示すレーザーを避けながら逃げるが、度重なる襲撃に彼女の顔色は悪かったし、もちろん自分の顔色も良くない自信がある。

 早く駅に戻らなければならないのに邪魔なヤツだ。こんなもん連れたまま帰ればMPKどころの騒ぎではない。クソ。

 

「あのランチャー、アイツ自身に撃ち込んだら死ぬかなぁ」

「ちょっ!」

「先に行っててくれ」

「バカ言わないで!」

 

 追跡されるのはもう嫌だった。

 

 後から指摘されたが、この時の自分は自棄になっていた。そして同時に慢心してもいたのだろう。

 これまでウェスカーという超人の肉体性能に寄り掛かるだけで、ろくな失敗を犯さずに事を運んできてしまったのだから、いつかはこうなるのも当然だったのだ。

 つまり、やっちまったわけだ。

 

 自分はワクチンを得てアリエルを逃がすまで、消耗は避けねばならなかったのに、何をとち狂ったのか転身し、ネメシスに立ち向かっていた。

 

 「スタァズ!」

「死ね」

 

 正面から機械部分に大斧を叩き付ける。横殴りにされて瓦礫に頭から突っ込む。ゴリ押しの結果は出血で精算。

 しかし自分と痛みが切り分けられる感覚は、いともたやすく肉体を立たせた。不可思議にも身体が思い通りに動く。現実感の遠いままに。

 

 弾をバラまく音がした。彼女は逃げなかったようだ。

 否、この時は認識していなかったが、彼女は自棄になっている間抜けをカバーしてくれていた。

 

「もう!勘弁してよ!」

 

 銃撃に気を取られているヤツの後ろから、うなじに刃を叩き付ける。首を痛めたのか鈍る動き。どうかこのまま死んでくれ。

 もう一度うなじに攻撃を。

 死んでくれ。死んでくれ。死んでくれ。

 

 「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」

 

 触手が脇腹をえぐる感触。太い針が捩じ込まれ、そこから液体が流れ込む。言い表せぬ違和感が血流に乗り、やがて溶けるように消え失せた。

 コイツは何がしたかったのだろうか。

 分からないが、どうでも良い。

 斧を叩き付ける。

 

 ヤツが衝撃で取り落としたランチャーを奪い、頭に撃ち込む。ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ……と弾切れまで至近で撃ち尽くした。

 それでもまだ生きている気がする。

 ほら、痙攣しているのだコイツ。

 立ち上がろうと手足が動き出す。

 なんてしぶとい。

 

「駅に戻るわよ」

 

 カルロス氏から秘策があるとご一報。

 もう火力の高い武器は無いし、それに賭けてみよう。

 

 渋い顔をしている彼女を追いかけ地下鉄へ。

 なお、カルロス氏の秘策は路上に停車してあるタンクローリーを使った、大規模爆発による攻撃だった。ざまあみろ。

 

 燃え上がる路上を眺めていると、ようやく肩の力が抜けた気がした。

 ああ、疲れた。

 

 

 

 

 

「カルロス、助かったわ」

「いや、こちらこそ君たちには助けられてるからな」

「改めて言わせて。最初に酷いこと言っちゃってごめんなさい……本当にありがとう」

 

 安心した顔で迎え入れてくれたカルロス氏と合流し、電車に向かう。

 その道すがら、渋い顔に戻ったジルさんが口を開いた。

 

「アルフレッド。少し良いかしら」

「何かな?」

「……貴方が素人だってのを無意識に忘れていた私も私だけど、こんな状況だから言わせてもらうわね」

「何でしょう」

「勇気と自棄は違うと覚えて欲しいの。自棄になるのは止めて。貴方だけでなく、共に行動する人間を危険に晒すことになるわ。今回は貴方のカミカゼで私が危険に晒された」

「あ……すみません」

 

 彼女は逃げずに銃撃し、自分はそれを利用して攻撃を成功させた。最終的にはカルロス氏の案に助けられてもいる。

 つまり自分だけではもっと無様な結果だったはずだ。

 

「貴方には何度も助けられたし、能力を疑うわけじゃないの。でもね、こういう状況じゃあ自棄になったヤツから死んでいくわ。下手したら周りを巻き込んでね。貴方が異常に死ににくいから、今回は助かっただけなのよ」

「はい…」

「もしアリエルを背負っていたら、貴方はあんな事する?」

「しない、な」

「その慎重さを忘れないようにしてね」

 

 ごもっともです。耳が痛い。

 

「……ご迷惑をお掛けしました」

「いいえ。私も色々と助けられたもの。ありがとう」

「こちらこそ、ありがとう」

 

 

 

 

 

 人としての完成度が違うって、こういうことなのかもしれないな。

 

 

 

 




 
・今日のおじさん(素人)
ぶっちゃけ斧は銃より使いやすい気がしてきた人。
濃厚なTをブッスリ♂されたが、そりゃ効きませんわな。

今までで一番ダメージを食らったのが、ダントツでケンド親子の会話だったりする。
ジルさんより弱いので、お先にけろけろけろっぴするし、焦りや度重なる戦闘で判断力も下がる。正規の訓練を受けたわけでもないから仕方ないね。
まるで駄メンタルなおっさん、略してマダオである。



・ジルさん(プロ)
壁が居るから生傷は原作より少ない。
精神的に頼れる相棒(カルロス)
肉体的に頼れる仲間(目が死んでる)
だいたいそんな感じ



・カルロス氏(プロ)
ジルさん→頼りになるスーパーガール。尊敬すら感じる。
おじさん→やけに能力は高いけど一般人だから、一人で何かやらせるのは良くない。ここぞの時の根性あると思うぞ。


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