swordian saga second   作:佐谷莢

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 古都ダリルシェイド旧ジルクリスト邸~ダリルシェイド地下水路。
 ここで本来の主人公とその仲間達と出会います。
 カイル・デュナミス、ロニ・デュナミス。そして、ジューダス。
 ジューダスの綴りはjudas、旧約聖書にも登場する裏切り者と名高いユダと同じ綴り。
 この名前はストーリー上、カイルが名を名乗ろうとしない「彼」の呼び名としてつけたものですが、何故カイルはこの名を出したのか。
 それは、このTales of Destiny2のシナリオライターさんのみぞ知る。
 ……どんなに考察してもさっぱりわからんのです。誰かおしえてくれなさい(笑)


第一戦——遭遇、そして黒歴史~誰だ隻眼の歌姫とか言い出した奴は!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 見回りならばやり過ごせばいいだけだが、それにしてはどうも様子がおかしい。

 異音の正体は、フィオレの視線の先にある分厚い扉の向こうからだった。

 ここと同じく、貯蔵庫か何かだとばかり思っていたが、どうも違うらしい。

 だからといって、確かめる気にもなれない。そのまま静観していると、異音が唐突に変化を示した。

 鋭い鞘走りが聞こえたかと思うと、分厚い木製の扉が寸断された木端と化す。

 どうでもいいが、この音で人を呼んだりしないだろうか。

 

「……す……すげえ……」

「何をぐずぐずしている。行くぞ」

 

 フィオレの心配を余所に、扉の向こうから現れたのは人。

 複数の、いずれも性別は男性に類するもののようだった。

 武器がどうとか抜かしている辺り、武装解除でもされていたのだろうか。どうも話の内容から察するに脱獄者であるらしい。

 なら、如何にして扉を破ったのだろうか。

 転がっている木片の断片を見る限り、刃物を用いたとしか思えないのだが……

 

「武器を持っていてすぐにでも脱出できたのに、どうして逃げなかったんだよ?」

「すぐにでも脱出できるから、急いだりしなかったんだ。そんなこともわからないのか」

 

 彼らの内一人、とても聞き覚えのある声の持ち主は妙に挑戦的……というか、ひどい皮肉屋だった。

 ロニ、と呼ばれた若者が食ってかかろうとするのを、カイル、なる少年になだめられている。

 ロニとカイルは元から顔見知り、仲間であるようだがジューダスと呼ばれた男──あだ名か何か知らないが、随分な名である──とは、知り合ったばかりらしい。

 そんなことはどうでもいいとして、とにかくさっさと立ち去ってくれないかと願っていたフィオレは、ぎくりと肩を震わせた。

 

「よし。じゃあ、脱出だ!」

「待て。……そこに潜んでいるのは誰だ、姿を見せろ」

 

 ジューダスの誰何に、他二人から驚いたような気配が伝わってくる。

 それはフィオレとて同じだ。これでも、気配はできる限り隠していた。

 ただ、絶え間なく流れる血潮の匂いだけは隠し切れていないが……

 ともかく、相手の声は確信に満ちている。誤魔化しは逆効果だろう。

 吐息をついて、フィオレも声を放った。

 

「──扉を力尽くで破り、それでいて武装を取り返し、あまつさえ脱出しようとする。あなた達こそ、何者ですか」

 

 けして広くはない地下室に響く、第四の声。

 姿もなく発せられたそれに、再び誰何の声が上がった。

 

「だ、誰だ!?」

「ま、まさか、オバケじゃないだろうな!?」

 

 カイル、ロニと呼ばれた二人──後者の声が震えているような気がするのは気のせいか。

 慌てふためく二人を余所に、抜刀していたジューダスは音を立てて剣を納めている。

 

「その言いぐさ、この詰め所の人間ではないらしいな」

「じゃ、じゃあやっぱり幽霊……!」

「この詰め所の人間なら、明らかに脱獄している僕たちにそんな言葉を寄越すわけがないだろう。だが、隣の倉庫が閉められている以上脱獄者でもなさそうだな」

 

 詰め所ということは、やはりここは先ほど見かけた警邏隊の詰め所なのか。

 脱獄という単語が出てきた以上、彼らは犯罪者か何かかということになる。

 つまり。関わるとロクなことがないということか。

 

「ご名答。変な人に追われていたので、少々避難を」

 

 敵意がなくなったところで、フィオレの緊張もなくなる。

 再び姿を現すよう促されるものの、早々応じるような軽率な真似はしない。

 

「それで、脱出してくださらないのですか? 何分こっそり入ってきたものでして、騒ぎを起こしてくださるなら大歓迎ですが」

「僕達をダシにしようとしても無駄だ。脱出こそすれ、騒ぎは起こさない」

 

 その言葉に、フィオレは正直がっかりした。

 それならばもう、彼らと会話を交わす意味もない。誰かが地下へ降りてくる前に、さっさと行動を移すべきだ。

 

「袖の下でも渡すのですか? ともあれそれなら、もうあなた方に用事はない」

 

 それにこれ以上休んでいても、失血は止まらないのだ。これ以上気力が失せる前に、フィオレはその場に立ち上がった。

 唐突に現れた人影に驚いたのだろうか。一際背の高い影がびくっ、と震えた。

 短く刈った銀髪を立てるように整えた、長身の青年である。

 柄の長い槍斧をその手に携えており、真面目にしていれば少々見られる顔なのだが漂う雰囲気がそこはかとなく軽い。

 

「き、君は……?」

 

 青年の傍に立ち、つぶらな瞳をまん丸にしてフィオレを凝視しているのはどこかで見たような髪と瞳の少年だった。

 声音からして彼がカイル、か。

 ツンツンと跳ねた金髪に、澄んだ空色の瞳は無邪気さと好奇心を内包している。別人であることは明らかでありながら、誰かさんを思い出さずにはいられない。

 最後に視認した一人は、いささか変わった扮装をしていた。

 ほっそりとした体躯を上下闇色の装束に包み、触ってみたくなるほど滑らかな光沢を備えたマントをたなびかせる姿だけなら、変わった扮装とは呼べない。

 ただ、首からその上。金髪の少年と同じく、妙に見覚えのあるその顔は、大型爬虫類の頭蓋骨を模した仮面で覆われていた。

 年の頃は金髪の少年とそう変わらないだろう。

 頭部防御用と称するには、明らかに穴だらけの仮面の奥はなかなかすっきりした顔立ちなのだが。白骨仮面が異常な雰囲気を醸し出していた。

 ただし、フィオレは彼らを一瞥しただけですぐに興味を失くしている。

 彼らの内二人に見覚えがあろうと、フィオレの現状は変わらない。

 よもや追いつかれることもないだろうが、それでも逃げるにこしたことはないのだ。

 

「な、なんだ。人間かよ……」

 

 青年──声音からしてロニのボヤきか。それを無視して地下室の隅へと移動する。

 決定的な瞬間こそ視損ねたが、ここに隠し通路のようなものがあるのは間違いないのだ。

 そこへ。

 

「何をやっているんだ」

「そちらこそ。脱出しないので?」

 

 まずは怪しげな仕掛けがないかと探る。

 大っぴらに明かりが灯せないためはっきりとしないが、よくよく見ると壁の一部に細工があった。

 色が微妙に違うこともさながら、叩いてみて明らかに音が違う。向こう側に空間があるのだ。

 

「僕は今、お前が撫で回している壁に用事があるんだが」

「ねえ君! ここに何かあるの?」

「隠し通路みたいなものがあるようです。下水道か何かではないかと」

 

 仕掛けを探る片手間、金髪の少年の問いに答える。

 すると、突如として鞘走りが聞こえ、真後ろに剣呑な気配が漂った。

 

「ジューダス!?」

「……何故それを知っている」

 

 この反応。どうも、この仮面の少年は元から通路の存在を知っていたらしい。

 それこそ何故、と問いかけたいところだが……警戒している状態で声を押し殺すクセまで彼と酷似しているため、問い詰める気になれない。

 くるり、とフィオレが振り向いた先。

 そこにあったのは冴え冴えとした白刃と、警戒心もあらわに片手剣を突き出す仮面の少年だった。

 

「……ここの壁だけ様子が異なり、叩いた時の音も違う。そして壁の向こうから水の音がする。以上のことから推測したまでです」

 

 納得したなら剣を納めろと言い放ち、再び壁と向かい合う。

 ふと、色の違う壁の脇に人差し指と親指で作った円サイズの穴があることに気付いた。

 もしやこの奥にスイッチが、と指を押し込むも、何もない。何か細長い棒のようなものがないかと周囲を見やって。

 

「そういえば、ソーサラーリングはレンズと引き換えに熱と衝撃を発生させるんでしたっけ」

 

 取り出したソーサラーリングの照準を親指と人差し指で固定し、穴に押しつけて放つ。

 明らかな手応えと共に、色違いの扉は音もなくフィオレの目前に道を示した。

 

「すごい、本当に隠し通路があったよ!?  うわあ~、ドキドキしてきた!」

「お静かに。騒ぐなら私がいなくなってからにしてください」

 

 妙に興奮気味の少年を黙らせ、通路に身を投じる。すぐ先は梯子が取り付けられており、暗黒の世界が広がっていた。

 さてそれでは降りようかと、身を沈めかけたところで。

 

「ねえ、待ってよ君……わぁっ!?」

「──前方不注意です。見えないなら、慎重に進みましょうね」

 

 勢い余って水路へ転がり落ちそうになった少年の腕を掴み、どうにか飛び込みは止める。

 水音で人を呼んでも馬鹿らしい。

 梯子があるからそれで降りて来いと指示、フィオレはさっさと梯子に足をかけた。

 遅ればせながら、彼の仲間の声が飛ぶ。

 

「おいカイル、無事か!?」

「ああ! 入ってすぐのところに梯子があるんだ、気をつけて!」

 

 そんな梯子を下りた先に広がるのは、すでに下水道として機能していない清らかな水がたゆたう水路、その両脇に続く整備用の道だった。

 暗闇に眼を慣れさせる最中、あの日シルフィスティアを通じて見た光景を必死になって思い出す。

 

「うわ、まっくら……」

「この水路を辿っていけば、地上に辿りつけるはずだ」

「ホントにこの先が出口なのか? 何にも見えねえじゃねえか」

「慌てるな。そこの燭台に……」

 

 どうも、彼らもまた地下水路を使って脱出する気らしい。

 話し振りからしてあの仮面の少年が道を知っているようだし、放っておいても白骨死体に化けることはないだろう。

 最大限夜目を活用し、道順を思い出しつつ歩みを再開する。

 と、そこへ。

 

「あ! ねえ、待ってってば……「おい、そこの女。止まれ」

 

 断ったら断ったで面倒なことになりそうだ。

 首をねじって真後ろを見やる。古臭い燭台に明かりを灯し、より姿がはっきりした三人の姿がそこにあった。

 

「何か御用ですか」

「偶然見つけた口ぶりの割に、さっさと進み始めたが。道はわかるのか」

「──どこに通じているのか存じ上げませんが、風の吹いてくる方向は出口に繋がっているのでは、と愚考します」

 

 再び仮面の少年を黙らせるも、今度は金髪の少年が口を出してきた。

 仮面の少年と違って、その口調には何の裏も感じられない。

 

「えっと、結局目指すところは一緒なんだよね? だったら一緒に行こうよ。一人より二人、二人より四人ってよく言うだろ?」

 

 ──旅は大勢の方が楽しい、か。

 確か会ったばかりのマリーが酒かっくらいながら、そんなことを言っていた気がする。

 

「同道の申し入れでしたら、特にお断りする理由はありません。ですが、こちらは先ほど告げた事情で先を急いでいます。では、お先に」

 

 断る理由こそないが、こんなところでちんたら問答していられるほどフィオレに心の余裕はない。

 郷愁に囚われることなく、つっけんどんに受け答え、足を進める。

 しかし少年は、嬉しそうに駆け寄ってきたかと思うと手を差し出してこうのたまった。

 

「じゃあ、ヨロシク! オレ、カイルっていうんだ。あっちの背が高いのはロニで、仮面被ってるのがジューダス!」

「……では、私のことはフィオレ、とお呼びください」

 

 もうひとつの名を使おうかと一瞬考え、あれは他人の名だと考え直して握手に応じる。

 しかし、ここで思わぬ一言を聞かされた。

 

「フィオレ……?」

「フィオレ、ねえ。やっぱ多いな、その名前」

 

 ジューダスが何か呟いたような気がしたが、ロニの言葉が妙にひっかかる。

 

「やっぱり、とは?」

「いやほら、知ってるだろ? 泡沫の英雄、隻眼の歌姫のことだよ。あの人の名にちなんだ女の多いこと多いこと……まあ、あやかりたい気持ちがわからんわけじゃないけどな。むしろ、あやかりたいよな」

 

 図らずもあの巨漢が口にしていた単語が、この青年のみならず世間的に通じる単語であることを知ってしまい、フィオレは憂鬱になった。

 

「そうですか」

「ロニ、フィオレシアのファンだもんねー。実際に会ったことがあるんだっけ?」

「おうとも。あの人は噴水のふちに腰かけて、きらきら光る蝶と無邪気に戯れていた……あの女神の如き美しさと言ったら」

 

 バシャーンッ! 

 

 唐突に水音が響き、ロニのうっとりとした口上を遮る。

 彼らの視線の先では、濡れ鼠になったフィオレが帽子を押さえながら整備用通路へ這い上がっている真っ最中だった。

 

「おいおい、俺の話に聞き入りすぎて足でも踏み外したのか?」

「……その解釈で結構ですよ」

 

 ぶすくれた態度を隠そうともせず、ずぶ濡れになった服の裾、彼らに背を向けていることをいいことに帽子の水気も払っておく。

 体を張って聞きたくもない言葉から逃れたことを彼が悟ったはずもなかろうが、早足で進むだけというのは退屈だったのだろう。

 沈黙がいくらも続かないうち、カイルが口を開いた。

 

「えっと、急いでるんだっけ? 変な奴に追われてるとか何とか……」

「それ、なんかやらかして警邏隊に追われてるとかいうオチじゃねーだろうな?」

「警邏隊の人間には見えませんでした。でも、その警邏隊に捕まり拘束されていた人間に、ならず者呼ばわりされる謂れはありません」

 

 先ほどの話を切られてご立腹なのか、警戒しているのか。

 つっかかるようなロニの言葉にフィオレは淡々と返した。

 彼らが何をしたのか知らないが、脱獄がどうこう言っていた時点で警邏隊の拘束を受けたのは間違いない。

 詰め所に不法侵入したフィオレが言えることではもちろんないのだが、現在気が急いているため、そんな思考には至らない。

 しかし、そんなフィオレの態度に好感を覚えるわけがなく。

 ロニは盛大な舌打ちを打って、こそこそとカイルに話しかけていた。

 

「んだよ、おい。ブアイソな奴だな……」

「あれ、珍しいね。ロニが女の子に興味示さないなんて」

「俺は女なら何でもいいわけじゃないんだよ! あんな暗がりに隠れて幽霊に見間違えそうな陰気な女、頼まれたってごめんだっての」

 

 ……とりあえず、この青年のお眼鏡にかなわなかったことを喜ぶべきか。

 好き勝手を抜かす彼らに取りあうことなく、だからといって放置する気にもなれず。

 

「大変光栄なことでございます」

 

 この一言で彼を黙らせ、水に濡らした手を掲げて風の吹く方角を探る。

 これまで幾度か分岐を選択して進んでいるが、ジューダスが何も言い出さない辺り問題はないのだろう。

 まるでクモの巣上を歩いているかのように複雑な道を進み。

 フィオレを先頭にやがて一同が辿りついたのは、整備用通路の出入り口であろう重たそうな扉だった。

 しかし、その扉を前にフィオレは足を止めてしまっている。

 その視線の先にあるものとは。

 

「なんだこれ……クモの巣?」

「ばっかお前、クモの巣があんなギトギトの油まみれっぽく変色するかよ」

「レンズを呑んで突然変異起こしたクモならありそうですけどね」

「……これを手で取り払うのは不可能だな」

 

 扉の手前付近は、未知なる物質ですっかり覆われてしまっている。

 クモの糸を何千億倍にもして、特殊な薬品で変色させればこんな風になるかもしれない。

 

「ちょっくらどいてみな」

 

 斧槍を振り上げたロニが行く手を阻む綱に刃を叩きつけるも、粘性が高いのか音も立てず弾かれた。

 切れないなら燃やす、あるいは溶かせないかとソーサラーリングの照準を合わせる。

 しかし、リングから放たれた熱線は小さな穴を空けただけだ。穴が塞がることはなくとも、針の穴と称してもおかしくない代物である。

 

「残念。可燃性ではありませんでしたか」

「熱に弱いとわかっただけで十分だ。何か燃えるものを長時間押し当てていれば……」

 

 何か燃えるもの。その言葉に、フィオレはおもむろにジューダスを見つめた。

 

「……なんだ」

「そのマント、よく燃えそうだなぁと思って」

 

 途端、彼は己の背中を守るようにしながらじりじりと後退していく。

 こちらを罵倒する台詞こそないが、その反応はやはり彼を彷彿とさせた。

 

「そんなことを言うなら、お前の帽子も燃料のうちだ」

「私は先ほど水路に転げ落ちておりますので。従って帽子も湿っています」

 

 与太を言い合うのはこの辺でいいかと。フィオレは荷袋から小型のボトルを取り出すと、中身をまんべんなく振りかけた。

 じわじわと、異臭が地下水道内に蔓延する。

 

「……フィオレ、それ何?」

「アルコールです。あいにく余計な油の持ち合わせがなくて」

 

 酒と聞いて興味を示すロニに、中身を一滴彼の手の甲に垂らす。軽く匂いを嗅いだ彼は、まともに顔をしかめた。

 

「すっげぇ強いな……お前こんなの飲むのか?」

「気付けに使えますから」

 

 十分距離を取った上で、再びソーサラーリングを作動させる。

 瞬間。

 扉周辺を覆っていた毒々しい色の綱は、いともあっさり炎上した。

 その勢いたるや、フィオレの後ろに下がったカイルやロニすら声を上げたほどである。

 

「うわあ!」

「おい、大丈夫かよこれ。火事になったりしないだろうな……」

「ここが地下水道であることをお忘れですか」

 

 その点に関してはぬかりない。地下水道のような、水が豊富な場所でなければこんな無茶はしない。

 追われている、という焦りがあったとしてもだ。

 やがて焼け落ちた網が次々と水路へ落ち、問題なく鎮火されている。少し息苦しいが、扉を開ければまったく問題はないだろう。

 その光景を見ながら、フィオレは小さく肩をすくめた。

 

「やれやれ。こんなことをしてるほど、私は暇じゃないのに」

「フィオレ?」

「御三方、敵襲です。備えてください」

 

 唐突にそれを告げられ、戸惑う二人を放っておいて。フィオレはスペルタクルズを取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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