竜が辿り着いた幻想郷   作:ベヘモス

67 / 212
本当はこの回のサブタイは違うものだったんですが、今更になってタイトルがかぶっている事に気付き、急遽変更する事に……。何故いままで気がつかなかったし……orz


第六十七話 竜剣と神槍

 

雪が降り始め、朝晩の冷え込みが一層厳しくなり始めた今日この頃。

俺はフランドールと遊ぶために、紅魔館にまでやって来たんだが……屋敷に着くなり、いきなり咲夜に拉致されてレミリアの元まで連行された。

咲夜に連れてかれた場所は、この屋敷にある来賓室と思われる広間だった。

部屋には調度品と思われる絵画や花を生けた花瓶があり、真ん中には長テーブルと沢山の椅子がおいてあって、その上座の席にレミリアは腰掛けている。

あまりにも突然の出来事だったから、抵抗も出来ずに強制的に連れてかれた訳だが……レミリアの機嫌を損ねる様な事したかな?

 

「いらっしゃい、リュウ。立ってないで座りなさいな」

「は、はぁ……」

 

俺はレミリアに促されるまま、彼女と対面の席に座る。

席に座ると、咲夜がちょうど良いタイミングでティーセットを乗せた台を持って姿を現す。

時を止められるとタイミングを計り易いのか等と、咲夜の方を見ながら物凄く如何でも良い事を考える。

 

「どうぞ」

「あ、どうも」

 

咲夜が俺の前に出してくれたのは、白いティーカップに入った紅い紅茶だった。

霊夢と暮らし緑茶ばっか飲んでいる俺にとっては、紅茶と言うのはあまり馴染みの無い飲み物だ。

旅をしているときはお茶を買う金もなかったし、ウィンディアのお城で出されたのが紅茶だった気がするが……今は関係がないな。

そんな事を思い出しつつ、俺は出されたお茶を一口飲むが……あまり美味しいとは感じない。

やっぱり緑茶ばっかり飲んでるから、紅茶の良し悪しってのはイマイチ分からないんだよな。

 

「……随分と渋い顔してるけど、私の咲夜が淹れたお茶が不味いとでも?」

「と言うか、紅茶自体があんまり好きじゃない」

「紅茶は遊びに来るたびに出してると思うけど?」

「折角だして貰ってるのに飲まないのも悪いだろ。出された以上はちゃんと飲むよ」

「それは良い心がけね」

 

レミリアは俺の言葉に感心したのか、一度頷いた後、優雅にティーカップを口につけた。

見た目は幼いのに、こうして紅茶を飲んでいる姿は中々に絵に為っている。

龍神や萃香も少しは見習ってもらいたいが……まぁ、アイツ等じゃ無理だろうな。

あの二人は〝優雅〟とは無縁の存在な気がするし、紅茶を飲んでいる姿自体が違和感しかない。

紅茶を飲んでいる二人の姿を想像して、思わず鳥肌が立ってしまった。

アイツ等は紅茶よりもお酒を飲んでいる方が似合ってると思うのは、大体はあの二人の自業自得だろうな。

 

「ところで、レミリア。いきなり俺を拉致して如何する心算だ?」

「拉致なんて人聞きの悪い。私は咲夜にリュウを連れてくるように命令しただけよ」

「……屋敷に着いたと思ったら、いきなり簀巻き状態にされて、ここまで引き摺られたんだが?」

「私は飽く迄も命令しただけで、方法までは指示してないわ」

 

レミリアの話を聞いて、俺は咲夜を思いっきり睨みつけると、彼女は顔色一つ変えずに俺から顔を逸らした。

俺はそんな咲夜を見て肩を落として呆れた様な溜息を付くしかなかった。

 

「……まぁいいや。それでレミリアの用事はなんだ?」

「ちょっと私と戦いなさい」

 

こんな方法で俺を拉致して何がしたいのかと思ったら、物凄く面倒な事を頼んでくるな。

しかも、今のは〝頼み〟と言うよりも〝命令〟に近かったよな気がする……。

 

「他のやつに頼めよ」

「咲夜たちじゃ手加減するから、戦っててストレスが溜まるのよ」

「フランドールが居るだろ。あの子なら喜んで戦うと思うぞ」

「あの子に頼んだら〝リュウじゃないと満足出来ないからいや〟ですって。……貴方、随分と好かれたわね」

「……その台詞に悪意を感じるのは俺だけか」

「今のはフランが言った台詞よ」

「純粋って恐い……」

 

無邪気な顔でそんな事を言ったのかと思うと、呆れて溜息しか出てこなくなる。

495年間、殆ど外に出ないで地下の部屋に閉じ篭ってたのは知ってるけど、もう少し言い様はなかったのかな……。

 

「はいはい。何時までも呆れてないで、さっさと戦うわよ」

「……やっぱり拒否権はないのな」

「当たり前でしょ。貴方には一年前の借りを返さないといけないしね」

「借り云々は兎も角、俺も試したい事があるし、丁度良いか。……でも、安全は保障しないぞ」

「構わないわ。寧ろ、その位でないと面白く無いもの」

「……この暇人が」

「悠久の時を生きる者にとって最大の敵は〝退屈〟よ。この程度の遊びくらい喜んで付き合いなさい」

「そんなので喜べる様な変わった性格じゃないっての」

 

俺は色々と文句を言いながらも、結局レミリアの暇潰しに付き合ってやることにした。

吸血鬼のレミリアなら半分人間の妖夢で試せない技が使えるし、コッチに取っても都合が良いんだが……この技って吸血鬼に使っても大丈夫なのかな?

それ以前にこれは、このまえ偶然ラーニング出来た技を使いやすい様に改良しただで、まだちゃんと成功させたことがないんだが……まぁぶっつけ本番でもなんとかなるだろ。

 

 

 

 

 

 

 

………

……

 

戦うための場所として案内されたのが、四方を紅で統一された紅魔館のホール。

中央の床には何らかの魔法陣が描かれているが、特別害は感じないので無視しても大丈夫だろう。

俺は軽く背伸びなどをして、体を解してから愛刀を取り出し、ホールの真ん中で待っているレミリアと対峙する。

 

「お嬢様、お気をつけて。……リュウ、お嬢様に怪我をさせたら承知しないわよ」

「リュウ、お姉様なんて早くやっつけてフランと遊ぼう」

「「……………」」

 

俺とレミリアは、ほぼ対極の応援を受けて、どんな顔をすれば良いのか分からず呆れてしまう。

立会人としているのが、フランドールと咲夜だけなのだから、応援がこうなるのが必然かもしれないがな。

俺は溜息を吐きながらも頭を切り替え、鞘から剣を抜いて何時でも戦えるように構える。

一方レミリアは爪を伸ばし、何時でもコッチに向かって駆け出せるように体勢を整えた。

 

「それじゃ始めましょうか」

「多分、弾幕ごっこにならないと思うが……別に良いんだろ?」

「えぇ」

「そっか。……なら、手加減抜きで行くぞ」

「そうしなさい。大怪我をしたくなかったらね!!」

 

そう言うとレミリアは、眼にも止まらない速さで俺との間合いを詰め、両手の爪で切りかかって来た。

俺は愛刀を盾にして後ろへと跳び、一度間合いを調整してからレミリアへ斬り掛かろうとする。

だが、速度ではレミリアの方が速く、離した間合いをあっさりと詰められてしまい、そのまま突撃を貰って後ろへと吹き飛ばされてしまう。

 

「チッ」

 

俺は舌打ちをしながらも体勢を整え、剣を横に薙ぎ払い斬撃を飛ばす。

レミリアはその一撃を跳び越える様にして躱し、もう一度間合いを詰めようと駆け寄ってくる。

近付いてきた彼女にタイミングを合わせて剣を振るい、レミリアを力尽くで捻じ伏せた。

其処から更に俺は、彼女を斬り上げて身体を起こしてから胸を穿ち、回転して遠心力をつけた一撃で胴を薙ぎ払う。

 

まだ追撃しようと剣を握り締めるが、レミリアは素早く後方の壁に張り付いて、俺の追撃を回避しただけではなく、その状態から俺に向かって錐揉み体当たりを仕掛けてきた。

俺は直ぐに後ろに跳ぶことでなんとか回避するが、レミリアは自身の正面の壁に張り付いてもう一撃仕掛けて来る。

今度は横に跳ぶ事で回避する事が出来たが、次は俺の正面の壁に張り付いて仕掛けきた。

 

真っ直ぐ体当たりをしてくるだけの技だから、軌道さえ読めれば回避はまだ楽な方だ。

だからと言って、何時までも避けてばかりいても埒が明かないし、次の一撃で勝負を仕掛ける。

そう決めた俺は愛刀に力を注ぎ込み、剣を逆手に構えて何時来ても良いように備えた。

 

「……覚悟ありって顔ね。良いわ、この一撃を止められるなら止めてみなさい!」

 

レミリアは、さっきよりも速度を上げて、俺に体当たりを仕掛けて来る。

一方俺は回避する素振りなど見せず、ただ彼女とのタイミングを見計らい続ける。

刻一刻とレミリアが近付いてくる中、俺は剣で迎撃するわけでもなく、彼女とぶつかる刹那の瞬間に合わせて剣を地面に突き刺す。

突き刺した剣に込められている力を解放すると、地面から剣気が勢い良く噴出し、レミリアを遠くへと吹き飛ばした。

吹き飛ばされたレミリアは壁と激突し、そのまま向こうまで突き抜け、崩れた壁から粉塵が舞い散る。

 

一歩間違えれば自爆していただろうが、なんとかタイミングを合わせる事が出来たか……。

策が成功したものの、レミリアを倒したわけでもないし、まだ油断するには早いな。

そう思いなおし剣を構えなおして、彼女が吹き飛んだほうを睨みつけていると、煙を突き破って紅い槍の様なものが勢い良く飛んで来た。

俺は徐に剣を振るい、飛んで来た槍を一撃で粉砕する。

だが、飛んで来る槍は一本だけではなく、粉砕したあとにも更に三本の槍が投げられた。

飛んでくる真ん中の一本を壊し、その間を通り抜けると……レミリアが俺の目の前にまで迫って来た。

 

レミリアは吹き飛ばされた影響でボロボロになっているが、全身に紅い霧の様な魔力を纏っている。

その状態の彼女に、二回ほど爪で薙ぎ払われた後、両手を勢い良く振り下ろされて後方へと吹き飛ばされた。

俺は直ぐ後ろの壁に激突するが、ダメージ自体は大したこともなく、戦闘に何の支障はない。

……しかし、攻撃を仕掛けてきたレミリアの様子は先ほどとは若干違っていた。

恐らくは全身に纏っている魔力の影響だろうが、彼女の身体は姿を現したときと比べて、若干回復して居るように見える。

相手を傷付けた分だけ回復する魔力か……。確かに〝吸血鬼〟の名に恥じない力だな。

そんな事を考えながらも俺は立ち上がり、剣を握り締め、戦闘続行の意志を示す。

 

「あの程度で降参したら如何しようと思ったけど、流石に無用の心配だったわね」

「あのくらいで参るようなら、フランドールの遊び相手は出来ないだろ」

「それもそうね。……なら、コレは如何かしら?」

 

レミリアが両手を前に突き出すと、手の中から一本の紅い鎖が伸びてきた。

彼女の魔力で出来ていると思われるそれは、まるで意志を持っているかの様に俺に絡みついて来る。

俺は拘束される前に鎖を破壊するが、その間にレミリアは間合いを詰めて殴り掛かって来た。

二度、三度と殴られてダメージを負った分だけ、彼女の傷が治り回復していく。

コレ以上回復される前に剣を振るって間合いを離すが、レミリアはその間合いを軽々と詰めて攻撃してきた。

俺は彼女の攻撃を捌いていくが、完全に間合いを詰められている上に、攻撃速度でも完全に負けている。

どんなに頑張って防ぎ続けようとも、僅かな隙を突かれて攻撃を重ねられるのは眼に見ていた。

 

其処で俺は、接近しているレミリアに向かって斬撃形の弾を飛ばさずに出し、彼女にムリヤリ回避させる。

レミリアはコッチの読み通りに上に跳んで回避し、今度は上空から強襲しようと襲い掛かってきた。

だが、俺はまた彼女に向けて斬撃を出し、もう一度レミリアに攻撃を回避させる。

その後も、レミリアが回避出来るような斬撃を飛ばし、彼女の動きをドンドンと制限して行く。

気が付くと、俺の正面には斬撃の壁の様なものが出来ていて、レミリアの動きを大分阻害できた。

斬撃の壁を作り、レミリアの動きを阻害出来たとしても、彼女はその小柄な身体を使い、壁の隙間を縫って俺に接近してくる。

 

「私の動きを阻害したのは褒めてあげるけど、その程度じゃ私は倒せないわよ」

「ああ、そうだろうな」

 

しかし俺も、レミリアがこの壁を掻い潜って、もう一度接近してくる事くらい分かっていた。

だからこそ、彼女が突破出来るように斬撃を周囲に設置し、接近する為のルートも計算して作り上げた。

あとはそのルートに向かって、特大の一撃をお見舞いしてやるだけだ!

 

「…まさかッ?!」

 

レミリアは俺の思惑に気が付き、急いで壁の外へと逃げ出そうとするが……少々遅かった。

 

「ハアァァァァァッ!!」

 

俺は剣にありったけの力を込め、空間をも断ち切ると言わんばかりの一撃を放つ。

回避が間に合わないと判断したレミリアは、その場で反転し、目の前に魔力の壁を作って防ごうとするが、壁は呆気なく斬り裂かれ、また壁際へと吹き飛ばされた。

しかし今度は空中で体勢を立て直し、自分の目の前に魔法陣を展開して、小さな蝙蝠の形をした弾を幾つも放ってくる。

俺に向かって蝙蝠形の弾が幾つも飛んでくるが、俺は一つたりとも掠らせることなく全て斬り裂いてみせた。

 

「相変わらず大した技量だけど……この一撃でその身体を貫いてみせる!!」

 

そう宣言するレミリアは、利き手にありったけの魔力を集束させ、深紅に染まる巨大な槍を作り出した。

その槍を見た俺は、この壁で防ぎきるのは無理だと判断し、愛刀に溢れんばかりの力を注ぎ込む。

剣は込められた力に反応して鈍く光だし、その力を使って刀身に光の刃を纏わせる。

 

「貫きなさい! 神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」

「斬り裂け、竜剣『ドラゴンブレード』!」

 

レミリアは作り上げた槍を渾身の力で投げ、俺は作り上げた刃を更に巨大にして振り下ろす。

激突した二つの力は途轍もない衝撃波を生み出し、その力は屋敷全体を震え上がらせる。

俺達がいる丁度真ん中で激突し、一見まったくの互角の様にも見えるが……徐々に俺の刃がレミリアの槍を切り裂き始めた。

 

「バカなッ! 私の『グングニル』がッ!?」

「悪いが、純粋な力なら吸血鬼(おまえ)よりも(おれ)の方が上だ」

「そんな事があって……ッ!!」

「…でりゃあぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 

俺の裂帛の気合と共に振り下ろした刃は、レミリアの槍を斬り裂いた。

行き場の無くなった魔力は、その場で弾け飛び、目の前が魔力で出来た紅い霧で覆われてしまう。

俺は伸ばしていた刃を元のサイズにまで戻し、完全にケリを着ける為にレミリアの元へと駆け出す。

紅い霧の中を駆けていると、霧の向こうから利き手に魔力を溜めたレミリアが飛び出していた。

俺達はお互いに相手を睨みつけ、渾身の力を込めて相手に最後の一撃を叩き込んだ。

 

「「…ッ!!」」

 

レミリアは爪を振るい、俺は剣で斬り抜け、お互いに背中合わせの状態でその場に立つ。

霧散していた魔力の霧も徐々に無くなって行き、周囲の状況が明らかになっていく。

立派だったホールも俺達の戦いでボロボロになり、アチコチに皹や亀裂が走っている。

そんな周りに眼を向けていると、俺の身体に爪で引き裂かれた様な傷跡が浮かび上がり、其処から全身に痛みが駆け抜け、片膝を着いてしまいそうになる。

痛みを堪えてなんとか踏み止まり、痛む身体に鞭打って後ろを振り向くと、レミリアの身体から閃光が迸り、そのまま地面に倒れ伏せた。

倒れたまま動こうとしない彼女を見て、俺は全身の力を抜くように息を吐き出し、その場に座り込んだ。

 

「か、勝った~……」

 

さっきまで激戦をしていたとは思えない声だが、今はこれ以外の言葉が思い浮かばなかった。

俺はもう一度安堵の溜息を吐いて、出来た傷を治す為に自分で回復魔法を掛ける。

傷を治す一方で、俺は横目で握り締めている剣の状態を調べる。

愛刀に刃毀れなんて出来てないが、刀身は力を込めた時に起こる発光現象がまだ続いていた。

どうやら、剣に込めた力を100%相手に叩き込めなかったらしく、技は不完全な状態で発動したようだ。

今回の戦いで使えることは分かったけど、相手に力を叩き込むのが如何にも難しいな。

コレばっかりは練習するしかないかと、自分の中で結論を出した俺は、傷の治癒も終わったので、倒れているレミリアの様子を見るために彼女の傍に近付いた。

 

「お~い、大丈夫か~」

「だ、だいじょうぶなわけないでしょ。さいごのなんなのよ……」

「元にしたのは、此処の門番が使っていた技だ」

「いりょくがおかしいわよ、アレ……」

「……俺の中ではまだ不完全なんだが」

「ばかじゃないの……」

 

レミリアは最後にそう言うと、気力が尽きたのかそのまま気絶してしまった。

流石にこのままにしておく訳にも行かないので、気を失っている彼女を抱き上げ、咲夜に介抱してもらう事にしよう。

そう思って観戦してる筈の彼女を探すのだが……姿は見えず、フランドールも居ない。

何処に行ったのかと周囲を見渡していると、何時の間にか出来上がっていた瓦礫が動き、その中から二人の姿を発見した。

 

「大丈夫ですか妹様」

「うん、平気~。それにしてもさっきの凄かった~」

「私は彼の非常識さに呆れてモノが言えません」

「非常識で悪かったなおい」

「コレだけの事をしておきながら、何を暢気な……ってお嬢様!?」

「あ~お姉様ずるーい!!」

 

俺が抱き抱えているレミリアの姿を見た二人は、それぞれ違った反応をする。

咲夜の反応は普通だとしても、フランドールの反応は何かが間違っている気がするのは、きっと俺だけじゃない筈だ。

そんな的外れな事を思いながら、咲夜にレミリアを渡そうと動き出した瞬間、顔の横を銀のナイフが通過した。

 

「……あの…咲夜さん?」

「言ったわよねリュウ。お嬢様に何かしたら承知しないって」

「いや、ちょっと待て。少しは俺の話しを聞け」

「問答無用。……死ね」

「なんでだーッ!?!?!」

 

すっかり頭に血が上った咲夜は、自分の主が居るにも拘らず、沢山のナイフを投げつけてくる。

危ないからレミリアを安全な所に置きたいんだが、今はそんな事をしている余裕もなさそうだ。

俺は仕方がなくレミリアを抱いたまま、咲夜から逃げるために紅魔館中と駆け回ることになった。

 

「あー咲夜ズルイ! フランもリュウと弾幕ごっこする!!」

「ちょっと待てフラン! 今日はきついからまた今度に―――」

「それじゃいっくよ~。禁弾『スターボウブレイク』!」

「―――いきなりソレか~ッ!!!」

 

……訂正、咲夜とフランドールから逃げるために紅魔館中を駆け回ることになった。

不幸は立て続けに来るって言うけど、幾らなんでもコレはないだろ……。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。