魔理沙Side
怒っている目玉付きと眼が合った瞬間、わたしは此処に居たら不味いような気がした。
虫の知らせのような勘に従って、直ぐにその場から離れようと後ろに跳ぶと、ついさっきまで居た所に突如小さな火が燈った。
パチュリーの魔法と比べると、まるで篝火の様な小さな炎だってのに、伝わってくる熱量は『ロイヤルフレア』を思わせるくらいに熱い。
ギリギリの所で下がれたから直撃はしてないけど、熱せられた空気だけで肺が焼けそうになる。
なんとかアリスの所まで下がったものの、一息つく間もなく、目玉付きが廊下を圧迫する位に大きく膨らんで突撃して来た。
まさか膨らむなんて思いもしてなかったから、目玉付きの攻撃の対処が遅れてしまい、わたし達は二人して目玉付きに押し潰されてしまう。
物凄い圧迫感に襲われ、このままぺしゃんこに為るんじゃないのかと思ったら、人間の身体と言うのは意外と丈夫らしい。
膨らんだ目玉付きに押し潰されたにも拘らず、わたしはまだ生きていて、全身から痛みが走るものの身体は言う事を聞いてくれた。
目玉付きが元のサイズに戻った所を見計らって、痛む身体に鞭打って、戦い易いようにアリスを連れてスライム達と距離を取った。
「……アリス、生きてるか」
「な、なんとかね。……それよりも、アレは一体如何言う事」
「実はリュウの話を半分くらいしか聞いて無いから、わたしも良く分からないんだ」
「話くらいちゃんと聞いてきなさいよ」
「すまん」
アリスに謝罪をしつつ、わたしは八卦炉を取り出して、前方のスライム達に狙いを付ける。
炉に魔力の火を燈し、その種火に更に魔力を集束させて行くけど、わたしの魔法が完成する前に目玉のない黄金スライムが篝火を放ってきた。
篝火から逃げるために後ろに下がると、集中力が途切れたのか、集めていた魔力が半分ほど霧散してしまう。
慌てて術式を再攻勢して、失った分の魔力を掻き集めようとするけど、スライム達の攻撃の所為でイマイチ上手く集まらない。
マスパを捨てて、別の魔法で攻撃した方がよさそうだけど……威力の高い魔法で攻めようとすると、どの道魔力を掻き集めないといけない。
こんな事に為るなんて思いもしなかったし、実験の時に触媒を殆ど使ったから、マスパで攻撃するのが一番手っ取り早い気がするんだけど……如何すっかな。
「……魔理沙。貴女の魔法が完成するまでにどの位の時間が要るの」
「えっ? そうだな……15…いや、10秒あればアイツ等を倒すだけの魔力が集まる筈だ」
「なら、その時間は私が稼ぐわ。それまでに完成させなさい」
「分かった。頼んだぞ、アリス!」
それだけ言うと、わたしは魔力を集束させる為にアリスの後ろに下がる。
わたしが下がると、アリスは隠し持っていた人形達を展開し、スライム達へ攻撃を始めた。
ある人形はスライム達に近付き、剣や
またある人形は、少し離れたところから弾幕を放って、小さいけど着実にダメージを蓄積くさせていく。
アリスが頑張っている間に、わたしは失った魔力を再度掻き集め始める。
誰にも邪魔される事なく魔力を集めていたら、突然アリスとスライム達の間で紅い閃光が走った。
何事かと思い、ソッチの方に眼を向けてみると……人形達が紅い稲妻に打たれて、次々に壊されていく光景が眼に入る。
アリスはその光景を見て、悔しそうに奥歯を噛み締めるけど、直ぐに頭を切り替えて新しい人形を配置していく。
新しく配置された人形達も、さっき壊された人形達以上に奮戦してくれる。
二十体もの人形を展開して攻撃してるけど、スライム達の方はまだ余裕があるような感じだった。
どうやら、白く濁ったスライムが二体の負った傷を治しているらしく、高威力の技で一気に片を付けないと駄目みたいだ。
アリスもその事には気が付いているだろうけど、コイツは元から高威力のスペカを殆ど持っていない。
人形の数を頼りに手数で押し切るタイプだから、仕方がない事なんだろうけど……今アリスと一緒に居るのはこのわたしだ。
アリスに火力が足りないって言うのなら、わたしがその火力を補ってやるぜ!!
「人形を引っ込めろ、アリス!」
「合図が遅いわよ魔理沙」
掛け声に反応して人形を引っ込めたのとほぼ同時に、アリスの前に出て八卦炉を前方に向けた。
既に魔力の集束が終わっている八卦炉は、魔力を光と熱に換えて煌々と輝いている。
其処から更に術式を展開しようとしたとき、目玉付きの奴がまた何かを使おうと、その身体を揺らし始めた。
何が来るのか分からないけど、そんなのお構い無しにわたしの魔法で押し切ろうとしたら―――
「咒詛『蓬莱人形』」
―――わたしの後ろから六つのレーザーが照射され、目玉付きの動きを抑制した。
「あ! わたしの見せ場が!!」
「なんでも良いから早くやりなさいよ」
「ぐぬぬ……。なら見てろよ! 魔砲『ファイナルスパーク』!!」
八卦炉に集めた魔力を解放すると、魔力は極太の光の砲撃となってスライム達に襲い掛かった。
放たれた砲撃は如何なる障害もモノともせず、狭い廊下を光で埋め尽くして、前方にいるスライム達を飲み込んだ。
眩い光は少しの間続き……込めた魔力を解放し尽くすと、廊下にはわたしの砲撃の熱で焦げた壁と廊下が残っていた。
「おっしゃ! わたし達の勝ちだ!」
「……相変わらずのバ火力ね。これじゃ咲夜に怒られるじゃない」
「今はそんな事気にしないで、わたし達の勝利を喜べよ」
「アレが孔を飲み込んだスライムだと分かるまでは喜べないわ」
わたしは何時も通りのアリスに呆れながら、他の場所の様子を見るために行こうとした。
アリスもそれに続こうとしたその時、突然わたし達の頭上に幾つモノ紅い光が降り注いだ。
あまりにも突然の出来事に障壁すら張る間もなく、紅い光に身体を打ち抜かれてしまう。
その時に感じたのは、今まで体験した事の無い様な痛みと、その後に残った全身の痺れだけだった。
痺れを感じて光の正体が雷撃だと理解したけど、わたしの身体は既に指一つ動かせなくなっていた。
身体中が弛緩してしまっているのか、強力な雷撃を受けて瀕死に陥っているのか分からない。
そんな今のわたしが唯一理解している事は、どの道このままだと本当に死んでしまうと言う事だけだ。
視界がぼやける中、わたしの眼に映し出されるのは、わたし達を押し潰そうとする何かの影。
障壁を張るどころか、指一つ動かす事の出来ない状態のわたしに、押し迫ってくる影を如何にかする方法はない。
此処で万事休すか……思えば短い人生だったなぁ……。
死を覚悟したわたしの脳裏に走馬灯が流れ、親不孝ばかりしていた事を思い返していた。
せめて親父より長生きをしたかった……そんな事を思い影に押し潰されるのを待っていたら―――
「全く。何勝手に死にそうに為ってるのよ」
―――呆れたように呟く声が聞こえ、気が付いたらわたし達を守る様に結界が張られていた。
意識が少しずつ遠のいていく中、僅かに残った気力を振り絞って声の主を探すと……わたし達の直ぐ傍に、紅白の巫女と青髪の剣士の姿が在った。
魔理沙Side out
リュウSide
やっとの思いで魔理沙を探し当てたと思ったら、既に本気モードのグミオウと戦っていたとはな。
せめて、こうなる前に合流したかったが……流石に無理があったか。
「ちょっと魔理沙、何寝ようとしてるのよ。何時ものアンタらしくないわよ」
「止めとけ霊夢。二人共瀕死なんだ、無理させると余計に悪化させるぞ」
「それは分かるけど……放っておいても、結果的には同じじゃないの」
「二人は後で俺が蘇生する。……でもその前にアイツを潰す」
俺は怒り狂っているグミオウを見据えながらそう告げる。
アイツも好物を盗まれ、お供が殺されて怒ってるみたいだが、俺も友人を此処までされて黙ってる程冷血じゃない。
八雲に封印されそうになった時ほどじゃないけど、此処まで腹が立ったのは本当に久し振りだ。
……だから、一切の手加減も容赦もせず、確実にその息の根を止めてやる。
「…はぁ。アレを潰すのは良いけど、あまり時間を掛けてられないわよ」
「なら、即行で終わらせてやる」
そう言って俺は剣を仕舞い、懐から
今回俺が取り出したのは『カイザー』のカード。他の竜でも勝てるだろうが、直ぐに終わらせるのならこの竜が一番手っ取り早い。
「……皇帝『カイザー』」
カードを宣言すると、俺は赤いオーラに包まれ、その中で竜人の姿へと変身する。
人の時では出せない力が全身から漲り、余計な感情は更に抑圧されて、戦闘向きの思考となる。
グミオウは俺が変身した事で臆したのか、この姿を眼にした途端、少しずつ後ろへと下がり始める。
元々臆病な性格なのだから仕方のない事だろうが、今の俺は逃がしてやる気など一切ないぞ。
「リュウ。私は何時も通りサポートに徹するから、好きな様に暴れなさい」
「言われなくてもその心算だ」
その一言を合図に、俺はグミオウまで一瞬にして詰め寄り、そのまま殴り飛ばす。
殴られた勢いのまま遠くまで吹き飛ぶが、俺はグミオウを一瞬にして追い越し、背中から思いっきり蹴り抜いた。
今度は霊夢の方へと飛んでいくが、再度追い抜き、今度は上方向へと向かって蹴り上げる。
上に蹴り上げられたグミオウは、空気を吸い込んで身体を膨張させ、落下しながら俺を押し潰そうとしてくる。
タイミング的に普通は避けられないが、『カイザー』の速度があれば余裕で避けられる。……だが、俺はあえて逃げないでその場に留まった。
巨大に為ったグミオウが少しずつ迫る中、俺は近付いてくるその巨体に合わせて奴の肉体を殴り、中に詰まっている空気を一気に押し出す。
空気の抜けたグミオウは、巨体から一気に萎んでいき、俺に殴られた勢いでもう一度上へと浮き上がった。
俺に打ち上げられた所を狙って、霊夢はグミオウ向かってに無数の弾幕を放ち、奴をその場にとどめておく。
弾幕を受けて空中で静止しているところに近付き、体重を乗せて肘を叩き込んでグミオウを地面に叩き落し、床と激突して跳ね上がったところを霊夢がスペカで追撃した。
「霊符『夢想妙珠』」
無数の光弾が襲い掛かり、着弾した反動でグミオウを遠くへと吹き飛ばす。
間合いが離れた事で反撃の糸口を掴んだ心算なのか、グミオウは地面に着地したと同時に俺達に向かって『バルハラー』を唱えてきた。
赤い稲妻が俺達に迫ってくるが、霊夢は結界を張って確りと防ぎ、俺は愛刀を取り出して一振りで稲妻を斬り払う。
攻撃を防がれたグミオウは、酷く驚いたようなまなざしを向けてくるが、俺はそんな事お構い無しにアイツとの間合いを詰めていく。
グミオウは俺の接近に合わせて体当たりを仕掛けてくるが、目の前に出現した霊夢が張った防壁に阻まれる。
防壁に阻まれてグミオウは後ろに跳ね返るが、その反動で遠くに行かれるよりも早く愛刀を叩き込んで、障壁を破壊しながらグミオウを地面に叩き付けた。
叩きつけられたグミオウはボールの様に跳ね上がり、その動きに合わせて今度は霊夢の方に向かって全力で蹴り飛ばす。
蹴られたグミオウは風を切ってかなりの速度で飛んでいくが、霊夢は素早く八枚の札を投げて八角形の結界を展開する。
「神技『八方鬼縛陣』」
結界の中に閉じ込められたグミオウは、そのまま抵抗することも出来ず、結界の中に生じた霊力の光に飲み込まれた。
発生した霊力の光は少しの間続き、その光が止んで結界も消滅すると廊下に半死半生のグミオウが横たわっていた。
動かなくなったグミオウにトドメを差してやろうすると、霊夢が不満そうな声で話しかけてきた。
「…ちょっとリュウ。あの状況でコッチに蹴り飛ばしてくるんじゃないわよ。お陰で若干反応が遅れたじゃない」
「お前なら対処できると思ったからやった。反省はしていない」
「そりゃ確かに対処は出来るけど、少しくらい合図を出してからやりなさいよね」
そんな霊夢の不満を聞き流していると、眼を覚ましたグミオウが血走った眼で俺達に『ドメガ』を唱えてきた。
自分が巻き込まれるのもお構い無しに使ったらしく、自分を中心にして炎が収束して一気に弾けて大爆発を巻き起こす。
炎の熱と爆発の衝撃が一気に広がり、その威力はこの廊下自体を吹き飛ばしてしまいそうなくらいだ。
しかし、グミオウが起こした爆発は俺の身体を少し焼けた程度で、『カイザー』に変身した俺を倒すほどの破壊力は無く、霊夢に至っては自分の前に張った障壁で爆発を完全に防ぎきり、後ろに居る魔理沙とアリスも守り切ってみせた。
自爆覚悟で放った魔法でも倒せなかった事に驚いているのか、グミオウは信じがたい物を見るような眼で俺達の事を見てくる。
そんな様子のグミオウに対して、俺は空いている掌の上に炎を纏う紅い玉と風を纏う碧の玉を生み出しながら語りかける。
「さっきのはまずまずの火力だったが、その程度じゃ俺達は殺せない。俺達を殺したかったらこの位の芸当はやってみせろ」
グミオウにそう言い放ちながら、掌の上に浮んでいる〝炎〟と〝風〟の二つの玉を混ぜ合わせ煌々と輝く光の玉を創った。
〝風〟を受けた〝炎〟は〝爆炎〟となり、グミオウが放ったのと同じ魔法が出来上がるが、その炎にもう一度〝風〟を加える事で出来上がった〝爆炎〟を更に昇華する。
二つの属性を組み合わせる事で生まれる『重属魔法』に、俺の竜の力を組み合わせる事で生まれる『真重属魔法』。
この世界では使う事は無いと思っていた魔法だが、アレを消すために久し振りに使ってみるのも悪くは無いだろう。
そんな事を思いながら力を解放しようとした途端、俺の手の内に創られた力に恐れをなしたのか、グミオウはこの場から一目散に逃げ始めた。
俺が逃がすまいと駆け出すよりも早く、霊夢が即座に張った結界の中にグミオウを閉じ込めた。
逃げ場をなくしたグミオウは、結界を壊そうと魔法を唱えたり、膨らんだりするが……どれも効果はなく、結界に皹一つ入れることが出来なかった。
結界を壊せなかったグミオウは、最後の手段の心算なのか、虚空に大きな孔を作り出して隕石を出現させてくる。
直径5mは有りそうな隕石が迫る中、俺は腕を振り上げ、手の内に創っていた力を解放した。
「破壊『テラブレイク』」
名を告げると、結界の中に五つの光弾が出現し、それらは隕石が出現している孔へと昇って行く。
その直後、光弾の雨が隕石を打ち砕き、そのままグミオウの周辺に降り注いだ。
絶え間なく降り注ぐ光弾は、地面にぶつかった瞬間に爆発し、絨毯爆撃の様な形でグミオウに襲い掛かる。
俺は爆発の熱を肌で感じながら、降り注ぐ光弾の雨が止むのを待ち続けた。
少しの間続いた光弾は、虚空から出現した隕石を完全に破壊し、グミオウも滅ぼしていた。
降り注いだ光弾の後には残っていたのは、今まで戦闘が行われていたという証の屋敷の傷だけだった。
………
……
…
グミオウを倒した後、傷付いた魔理沙とアリスに回復魔法を施し、霊夢と未だ残っているグミ達を掃討し始めた。
屋敷の中に巣食っていたグミ達を粗方片付けると、咲夜からレミリアが呼んでいると告げてきた。
一体何事だろうと二人で首を傾げながら部屋に入ると、中には正座をさせられている魔理沙・アリス・パチュリーの三人と、眼が笑っていない笑顔を浮かべるレミリアの姿が在った。
「お嬢様、リュウと霊夢をお連れしました」
「ご苦労様、咲夜。貴女は下がっていなさい」
咲夜を労ってから彼女を下がらせると、レミリアは大きな溜息を吐いてから俺達の方に顔を向けてきた。
「…さて、霊夢。今回の事件の主犯の三人が此処に居るわけだけど、如何したら良いのかしら」
「そんな事私に聞くんじゃ無いわよ。闇雲に召喚していたスライムは倒したし、残っている連中をさっさと片付けてのんびりしたいのよ」
「人里の方もまだ残っているだろうからな。此処に残っていた連中は大体片付いたし、今度はアッチに行かないと」
此処に来る前に里の様子は見てきたが、アッチにもグミが大量発生していた上に、去る時に輝夜と妹紅の喧嘩を止めずに来たから下手すると向こうの方が大変かもしれないな。
「それなら、この三人の処遇は私に任せてもらえないかしら?」
「ん? 私は別に構わないけど」
霊夢はそう言った後、確認を取るかのように俺の方を見てくるが、俺もこの三人の処遇について口出しする気はなく、黙ったまま頷いてレミリアの要望を承諾した。
俺達の承諾を受けてレミリアは満足げな笑みを見せるが、処罰の対象となっている魔理沙が抗議してきた。
「ちょっと待て霊夢! 幾らなんでもレミリアに一任するなんてあんまりだろ!」
「うっさいわよ魔理沙。今回の件はほぼ十割アンタ等が悪いんだから、甘んじて受けなさいよ」
「確かに今回の事は悪いと思ってるし、反省もしているさ。でもな、レミリアに全部任せるってのが凄く不安なんだよ!」
魔理沙の言い分に他の二人も同じ思いなのか、口には出さないがそうだと言わんばかりに大きく頷く。
確かにレミリアに一任する事に不安があるのは分かるが、なんだかんだで今回の事件で一番被害に遭ったのはこの屋敷だからな。その屋敷の主に任せても問題は無いだろう。
「そんなに心配しなくても大丈夫よ魔理沙。暫くの間この屋敷で働いてもらうだけだから」
「そ、そうなのか? それなら安心……しても良いんだろうか?」
「えぇ大丈夫よ。ただフランと遊んでもらったり、フランと遊んでもらったり、フランと遊んでもらうだけだから」
「遠まわしに死刑宣告をしてねぇかそれ!?」
「別にそれだけって訳じゃないけど、大まかな仕事はコレね。…あ、勿論パチェにも働いてもらうからその心算で」
「むきゅー……」
友人が処罰を決めるなら自分は大丈夫とでも思っていたのか、パチュリーは酷く残念そうにガックリと肩を落とした。
これだけの騒ぎを起こしておいて、一人だけお咎め無しってのも流石に問題が有るだろうし、此処はちゃんと罰を受けてもらわないとな。
「はぁ…。早く帰って上海の改良に取り掛かりたいのに、何でこんな事になったのかしら」
「あの二人を止めきれなかったってのが最大の要因だと思うぞ」
「こんな事になるなら手伝わないで家に篭っていればよかったわ」
「ご愁傷様」
若干おどけながらアリスを慰めてやると、彼女は恨めしそうに俺の事を睨んできた。
「せめて執行猶予くらいつけてくれよ!」
「勿論そんなのは却下よ」
未だに続く魔理沙とレミリアの言い合いに耳を傾けながら、次の戦いの英気を養うのだった。
素の状態のリュウなら兎も角、変身した上に霊夢と一緒なら大抵の敵はこうなりますよ。
この二人なら『ペイルライダー』も殺せると思う。
……ちなみにこの『ペイルライダー』ってのはBOFⅣ最強のモンスターの事です。攻略本曰く、ラスボスすら凌ぐ強さを持っているとか。