絶対☆双王~オレとボクの恋乱、学園サーガ~【更新停止中】   作:黒鋼丸

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 前回までのあらすじ
 三界と呼ばれる異界の学園に通う事となった古暮達。
 クラスで自己紹介を終え、新たなる学園生活が始まるが………


~第7話~転校日早々!?その4

 朝会を終えた古暮達は、早速 新たなる学園生活最初の授業、「世界史」ならぬ「魔界史」を受

ける……筈だったのだが。

 

「すやすや~……すぴー………」

 

 その魔界史担当である担任のディーネが器用に立ったまま眠ってしまい、教室内は自習時間、

と言うより自由時間状態となっていた。

 その事に古暮達は最初 唖然としていたがリュアナ曰く「いつもの事なので……」らしい。

 その状況に元々勉強嫌いで楽観的な勇はイビキをかいて眠り、最初は戸惑っていた優希や魁、

李雄も今ではそれを受け入れ、優希やアリッサやチマと会話を、魁と李雄は授業の事をそれぞれ魁

はユーメリアに、李雄はセシリアに教えてもらっている。

 そして真雄はと言うと……

 

「あの、真雄様?」

「………………」

 

 リュアナの声に対し、真雄は魔界史の教科書に目をやったまま一向に動かない。

 

「おいボンクラ。何とか言えこら」

 

 アンゴルモアも色々悪口を言ってみるが、全く相手にされない。

 

「……どうなってやがんだ、こりゃ?」

「あぁ、リュアナ、アンちゃん。今の真雄に何言っても無駄よ」

 

 その真雄の態度にアンゴルモアが首を傾げる中、優希が会話していたアリッサやチマと共にやっ

て来た。

 

「マオマオ教科書ギョ視しちゃってるけど、どうしたの?」

「大方三界(こっち)の事が知りたいだけだと思う」

「でも、ここまで反応0なのも異常じゃない?」

 

 チマの疑問に優希が答える中、アリッサはふとやや不安げな表情をする。

 

「……ひょっとして、アタシの先の事で不機嫌とか?」

 

 どうもアリッサは、先程 冗談のつもりで古暮兄弟が女なのではと質問し、結果、真雄を怒らせ

てしまった事をやや後悔している様だ。

 

「違う違う。真雄って意外と読書家なの。それこそ1度読み出したら周りの声が聞えない程にね」

 

 そんなアリッサに、優希は軽くフォローを入れる。

 

「へぇ、マオマオって意外と知性派な訳?」

「さすが真雄様です」

「違う違う。ただ単に知識欲が深いだけよ」

 

 そんな女子達の声が飛び交うが、やっぱり真雄は何の本能も見せない。

 

「ほぉ~、つまり何を言っても聞こえない訳だな?」

 

 そんな中、優希の言葉を聞いたアンゴルモアは、まるで悪戯を考えた子供の様に無邪気で、それ

でいて危なそうなほほ笑みを浮かべていた。

 

「アンちゃん、真雄様の邪魔をしてはいけませんよ」

 

 そんなアンゴルモアの頬笑みに真っ先に気づいたのは付き合いの長いリュアナだった。

 

「ケケッ、別に邪魔しやしねぇよ、だって何言ってもコイツにゃ聞こえねぇんだろ?」

「やめといた方が良いよアンちゃん」

 

 そんな不敵なほほ笑みを浮かべるアンゴルモアに、優希が警告して来る。

 

「幾ら真雄でもあんまり大声だと聞こえるし、例外が3つだけあるの」

「例外?」

「何それ??」

 

 その言葉に首を傾げるアリッサとチマに対し優希は口を開く。

 

「食べ物の話とケンカの話。後、真雄(自分)への悪口」

『何その都合の良い耳』

 

 優希の言葉にアリッサとチマは「なにそれ」と言った表情だ。

 

「ケッ、どんだけ都合の良い耳してんだそりゃ」

「気持ちは分かるけどマジよ。それに真雄の読書の邪魔すると、先みたいに怒るわよ」

 

 そう言いチラッと視線を真央に向ける優希。

 その視線の先には、黙々と教科書に視線を向ける真雄とそれを見守るリュアナの姿があった。

 

「えっと、リュアナ? 私の話聞いてた?」

「はい、大丈夫です。私は邪魔なんてしませんから」

 

 そう言いニコッとほほ笑むリュアナに、優希は呆れ果てた。

 

「そこまで真雄(コレ)が大事ですか。」

「はい♪」

 

 その優希の言葉にリュアナは笑顔で答え、その笑顔に流石の優希も何も言えなくなるのだった。

 

「……それじゃあ、やっぱり三界(こっち)では父さんと母さんは有名なんですか?」

「あぁ。君達の御夫婦は歴代の魔王、聖王の中でも偉大な人物として知られている」

 

 そんな中、李雄は魔王候補生にして生徒会長であるセンシアに三界の事、しいては自分達と自分

達の両親の事を聞いていた。

 

「やはり実感はわかないか?」

「あ、はい。ついこの間まで一般的な庶民だって思っていたのにそれが三界(こっち)では魔王と聖王をやっ

ていたなんて、イマイチ想像できなくて……」

 

 センシアの言葉にそう答える李雄。

 確かに、この前まで一般庶民(一般的な性格(人物)かはさておき)として暮らしていたのに

いきなり自分達の両親が王様をやっていたと言われても、ピンと来ないのだろう。

 

「ねぇねぇ、リオくんリオくん」

「ふぇ?」

 

 そこへエストとサーシャがやって来た。

 

「エストさんにサーシャさん。何か?」

「あのねあのね、リオくんてマリア様がお母さんなんだよね」

「……えぇ、そうですよ」

 

 そのエストの質問に対し、李雄はやや間を開けて答えた。

 やはりまだ自分の親達が王として有名な事に、イマイチ自覚が持てない、と言うか如何すれば良

いのか分からない様だ。

 

「ねぇねぇ、家でのマリア様ってどんな風なの? やっぱり、お料理とかもおいしいの?」

「え!? いや、それは………」

 

 そのエストの質問に、李雄はかなり答え辛そうな表情になった。

 ぶっちゃけた話、マリアの家事スキルは最悪で、特に料理に至っては何度三途の川を見る羽目に

なったか数え切れない程だ。

 そのかいあって、李雄と優希は家事がほぼ万能になった訳だが。

 だが、その真実を果たしてエストに話して良いのだろうか?

 そんな不安が李雄にはあった。

 目の前にいるエストは、尊敬の眼差しでこちらを見ている。

 いや、正確には李雄ではなく李雄の母であるマリアの事で目を輝かしているのだろう。

 そんなエストに、果たして真実を話して良いのだろうか。

 現実に失望してしまうのではないのだろうか。

 そんな不安が李雄にはあったのだ。

 

「え、えぇと、その………」

「えぇいまどろっこしいにゃ!!」

 

 そんなおどおどした李雄の態度に、サーシャがキレた(のか?)。

 

「エスト様の質問にさっさと答えんか!! それともにゃにか、やはり貴様らの様な輩がマリア様と

ベルトラス様のご子息などと言うのは戯言か!!!」

「え、えっと、サーシャさん?」

 

 そのサーシャの怒鳴り声にも等しい勘違いな言葉に李雄はオドオドするばかりだった。

 それと同時に、どうもこのサーシャと言う少女はエストの為ならどんな手を尽くし、誰であろう

と斬り伏せてしまう。

 猫と言うより犬の様な忠誠心の持ち主の様だと、李雄はサーシャの人間性(人間じゃないけど)を

理解した。

 

「おいサーシャ。少し落ち着いたらどうだ?」

「サーシャ、どうして怒ってるの?」

 

 そんなサーシャの態度に困った表情をする李雄に救いの手を差し伸べたのは、注意するセンシア

とサーシャの行動に首を傾げるエストだった。

 

「コグレ達がベルトラス様とマリア様のご子息なのは間違いない。

私の父はベルトラス様達と友人で、常に連絡を取り合っていたからな」

「うぐ」

 

 生徒会長であるセンシアにそこまで言われては、流石のサーシャも黙り込んでしまった。

 

「う~ん、良く分からないけど、サーシャ怒っちゃたのにはちゃんとした理由があるんだよね?」

「は、はい! 流石はエスト様!! 良く見ていらっしゃる!!!」

「だからリオくん、サーシャの事許してあげてね?」

「あ、はい、勿論です」

「え、エスト様〰〰…………」

 

 そこへエストがサーシャの事を笑顔で宥め(?)、その言葉にサーシャは何もできなくなり、

李雄も何とか助かったのであった。

 

「それでそれで、マリア様の料理って美味しいの!!?」

 

 それと同時に、エストは再び目を輝かして聞いて来る。

 

「あ、え、え~と……あの、聞いたら多分、ショックを受けるかもしれないんですが……」

「マジィそ、マリア(オバちゃん)の料理」

 

 そんな言いにくそうな李雄に代わって答えたのは、先程まで居眠りをしていた勇だった。

 いつどこで聞いたのか、食いしん坊の勇は、料理というキーワードで目を覚まし、李雄達の所へ

やって来ていたようだ。

 

「え~、マリア様の料理って美味しくないの?」

「ウガ。何度か食ったけど、ものすんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Zzz……――――っっげぇマズいダ」

「勇、溜め長すぎ。それに一瞬 寝てたよね?」

 

 その勇のボケ(本人はいたって真面目)に即座にツッコミを入れる李雄。

 

「マリア様、ゴハン作るの苦手なの?」

「え、えぇ、まぁ………」

「ウガ、ありゃ不味かったダ」

 

 エストの質問に李雄は言い難そうに、勇はあっさりと答える。

 

「そっかぁ~、私作った事ないんだぁ~、えへへ♪」

「………ほえ?」

 

 そのエストの態度に、李雄は軽く首を傾げてしまった。

 てっきり、料理の出来ない(マリア)の事に何らかのリアクションを見せると思っていたのだが、

それらしき反応が全くない。

 

「ふむ、まぁ誰にでも長所・短所はあるだろうな」

「マリア様の料理がマズイなどと……何て罰当たりにゃ!!」

 

 そう、寧ろセンシアやサーシャの様な反応の方が正しいだろう(サーシャの反応はやりすぎの様

な気もあるが)。

 

「でもホントにマズイダ」

「黙れ! 貴様には聞いてにゃい!!」

「オメェうるせぇなぁ、ぶん殴っていいダか?」

「にゃにおうっ!!!」

 

 そんな中、他人に対して人一倍気を使う李雄とは正反対、他人へのプライバシー0の勇の言動に

サーシャがついにキレたのか、2人はギャーギャーと口げんかを始め出す。

 と言うか勇は拳を、サーシャは二刀の小太刀を抜き放った。

 

「おいおい、よせ勇!」

 

 その姿にユーメリアにこの世界の事を聞いていた魁が反応し止めに入ろうとする。

 

「ウガ、ケンカふっ掛けてきたのコイツ」

「黙れ蛮族! 貴様にゃど一瞬で切り裂いてくれる!!!」

 

 そう言い互いに拳と刀を構えだし、その様に辺りの皆も気付きザワめき出した時だった――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お静かにぃっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 突如としてクラスに委員長ことユーメリアの怒鳴り声が響いた。

 

「……いいんちょうが、いちばん、うるさい………」

「お黙りなさい!!」

 

 グーデンベルク3姉妹の末っ子、ネムがある意味 最もな事を言う中、ユーメリアはそれを一括し

視線を騒ぎの中心とも言える、勇とサーシャに向ける。

 

「アナタ達、今は授業中ですよ!!!!! お静かになさいっ!!!!!!!」

「委員長!! しかしコイツが……」

「うっせえなぁ、デコメガネ」

「誰がデコメガネですかっ!!!!!!!」

「オメェ」

 

 ユーメリアの怒鳴りに対し、勇は全く相手にしないかのように指さす。

 

「おいコラ勇。人に指を指すなと言っただろ!」

「え〰〰〰〰〰〰」

「え~じゃない。謝れ!」

 

 そう言い魁は勇を叱り付けるが、勇に効果は無い。

 

「ヤダ、めんどい」

「なら今日の晩飯抜きな」

「ゴメンなさい!」

 

 その魁の飯抜き宣言に勇は即座に土下座した。

 魁に。

 

「あのな、俺じゃなくてサーシャさんとユーメリアさんに謝れと言ったんだ。ちなみに何で謝るの

かわかってるか?」

「ウガ、知らんっ!!!!!!!!」

「堂々と言うなっ!!!」

 

 そう言い勇の言葉にツッコミを入れる魁。

 その様はさながら漫才コンビの様だ。

 

「アハハハハハハハ! 2人共 漫才コンビみたい!!!!」

「うんうん、カイカイとイーイー、漫才コンビにでもなったら?」

「はうっ! カイさんとイサムさんの漫才コンビですか!!」

「あらあら、それは楽しそうですね」

「なりませんよ。と言うかカイカイはまだ分かりますがイーイーって………」

 

 そのアリッサ達の言葉に魁は頭を抱えた。

 どうもこのクラスの大半は大らかで、ある程度の事は受け入られるらしい。

 故にこの場で魁の味方は付き合いの長い李雄や優希、気真面目な委員長ユーメリア、そしてまと

もなセンシア位の様だ。

 

「あぁ……」

 

 そんなクラスの状況に、真雄の近くにいるリュアナはどうすればと言った感じだった。

 元々 人の輪に溶け込むのが苦手な身。

 こう言う騒がしい事に離れていない様だ。

 

「………ん?」

 

 その時だった。

 先程まで全く他の事を気にせず本に目を向けていた真雄が、何かに気づいた様に不意に席を立ち

窓の方へと歩き出したのだ。

 

「え? 真雄様?」

「兄さん?」

 

 この真雄の行動にリュアナと李雄は即座に気づきその行動を目で追う。

 やがて真雄は窓の前までやって来ると、そこからグランドの方へと視線を向ける。

 

「ありゃぁ………おいリュアナ」

「は、はい!」

 

 不意に真雄に呼ばれ、リュアナはやや驚きながら真雄の下へと駆け出す。

 

「あの、何か?」

「アレ、誰だ?」

 

 そう言いグランドに、正確にはグランドにいる人物を指さす真雄。

 その指の先が示す先には、2人の人物が見える。

 しかも、その内の1人は知る人物だ。

 

「アレは……エヴァンさん?」

 

 そう、ここのクラスメイト、竜人族のエヴァンである。

 

「あ、本当だ」

「ウガ、ドラゴン女!」

「だからお前は人の名前を覚えろ!」

 

 そんな真雄とリュアナのやり取りに気づいた他の面子も、窓からグランドに視線を向ける。

 

「アレがエヴァンなのは分かる。俺が聞いてんのはもう1人の方だ」

「え、あ、そうですよね! すみません……」

「謝る暇があんなら早く答えろ」

 

 そう言いリュアナの気真面目さに呆れながら、真雄はもう1人の方を指さす。

 そのもう1人の人物は、まず第一印象はデカイ事だった。

 体長2㍍は余裕であるガタイの良い体……というか全身がレンガで出来ている様に見える。

 服は古めかしい学ランを着、靴ではなく下駄を履き、さらには学ランと合いそうな帽子まで被っ

ているその様は、まるで一昔前の番長の様だ。

 

「あ、はい。あの人はストーンゴーレムの“番長(ばんちょう)”さんです。」

「番長?」

「ゴーレム?」

 

 そのリュアナの言葉に、真雄は首を傾げ、魁はやっぱり種族に反応した。

 ゴーレムは、元々ユダヤ教の伝承に登場する泥で出来た自動人形の事である。

 魔術などで生み出され、主人の命令に忠実に従うが、その運用におけるルールを破ると暴れ出す

と言う欠点がある。

 その製造方法は様々だが、特に有名なのは『ラビ』と呼ばれる物だ。

 神聖な儀式で清めた泥で人形を作り、その額に『真理(emeth)』の文字を刻む事で完成するが、

『emeth』の『e』を消すと『死(meth)』になり、崩れ去るという弱点がある。

 本来ゴーレムは泥人形だが、ファンタジーなどの過程で石や青銅、鋼鉄、更には骨で出来た物ま

で存在する。

 他の種族と同様、三界においては種族の1つに過ぎない様で、あの番長がストーンゴーレムと呼

ばれている所を見ると、他にもいろんなゴーレムがいる様だ。

 

「おいリュアナ、番長って名前なのか? それとも異名か?」

「え、えぇっと……良く分かりません。ただ、先生方も番長さんと呼んでいる様ですから……」

「あ、んじゃぁそれが名前って事で良いや」

 

 そう言い真雄は視線を再びエヴァンと番長に向ける。

 

「ん~、どうもケンカの匂いがするな」

「ケンカの匂い、ですか?」

 

 その真雄の言葉に首を傾げるリュアナ。

 

「匂いっつーか、感じだな。長年の勘でそんな気がする」

「アンタ相変わらずどうでも良い事に気づくわね」

 

 番長とエヴァンからケンカの気配を感じる真雄に対し優希は呆れ気味に言い放つ。

 

「けっ、人の趣味にケチつけんじゃねぇよ」

「しかしあの番長って奴はストーンゴーレム。って事は他にも色々なゴーレムでもいるのか?」

 

 真雄が優希を睨む中、魁はそんな事を詮索していた。

 

「はい。例えばこの学園にいらっしゃるヴァン先生はアイアンゴーレムですし……」

「ウガ、アイアイゴーレム? アイアイって歌で有名なあの猿………」

「アイアイじゃなくてアイアン。鉄のゴーレムって事だ」

 

 そこへ勇を始めとし、他の面子もやって来た。

 

「あぁ、エヴァンさんまた番長とやってんだぁ」

「飽きないわねぇ」

「ストーンゴーレム、一度 解剖してみたいわね……」

「またとは、もう何度もやってるんですか?」

 

 アリッサの言葉に首を傾げる魁。

 

「はい。番長さんは学園最強と名高いエヴァンさんに何度も戦いを挑んであるんです」

「ほぉ、あのエヴァンってのは強いって聞いてるが、番長って奴の方は強いのか?」

 

 そのフィルの言葉に興味を感じる真雄。

 

「えぇっと……」

「多分、お強いとは思うのですが………」

 

 だが真雄の問いに対し、フィルと近くにいたセシリーはどこか言い難そうな表情をしている。

 

「彼は強いさ」

 

 そんなフィルとセシリーに代わり答えたのはセンシアだった。

 

「ただ、エヴァン(彼女)が強すぎてただ一度も勝てた事は無いがな」

「ひゅ~♪ そいつはすごそうだな」

 

 そのセンシアの言葉に真雄はさらに強い興味を感じた。

 何せあの2人、どう見ても体格差的には番長の方が有利である。

 にも拘らず、エヴァンは勝ち続けているとは、それはセンシアの言う様にエヴァンが強すぎるの

か、はたまたあの番長が見かけ倒しなのか、ケンカ、戦闘に強い興味を持つ真雄は、まるでトラン

ペットを眺める少年の様に目を輝かしている。

 

「うわぁお、マオっちすんごく楽しそうな顔」

「ほんとケンカ好きな訳ね」

「おうよ!」

 

 そのアリッサとチマの言葉に、笑顔で返す真雄なのであった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 神立トリニアス学園、グランド。

 そこに対峙する2人の生徒の姿があった。

 

「エヴァン! 今日こそ勝つ!!」

 

 その1人は、天を突く様な巨体に古めかしい学ラン、黒いボサボサの髪の上に帽子をかぶった、

全身が岩で出来たストーンゴーレム、番長。

 果たしてそれが名前なのか異名なのかは、本人のみぞ知る事だ。

 

「ふぅ」

 

 対するは長い赤い髪に、竜の角を生やした竜人族、エヴァン。

 勝とうと意気込む番長に対し、その表情はどこか暗い。

 

「勝負だ!」

「……仕方ない」

 

 だが、その表情も一瞬の事。

 番長の闘気におされたのか、エヴァンは構えをとり、その表情は武人の言葉が似合う凛々しい物

になっていた。

 

「いくよ」

「ウオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!」

 

 そのエヴァンの構えに対し番長は勢い良く踏み込み、その大木の様に巨大な腕を振るう。

 

「っ!」

 

 その攻撃を、エヴァンは紙一重で避ける。

 同時に、ゴオォッという風鳴りが鳴り響く。

 番長の鉄拳は、その巨体を裏切らぬ豪快な物の様だ。

 

「ウオオオオオオオリヤアアアアアアアアアァァァァッ!!!!」

 

 初手を避けられた番長だが、それを気にしないかの様に更に豪快な拳を2発、3発放つ。

 だが、どの攻撃もエヴァンは紙一重で避けてしまい、番長の攻撃は決まらない。

 

「ぐぬおぉっ!」

「っ!!」

 

 流石に決まらない事に痺れを切らせたのか、番長は大きく振りかざしながら拳を放つ。

 威力は高そうだ。

 だが、最大の攻撃と言うのは、時に大きな隙にもなりやすい。

 

「ハッ!!」

 

 エヴァンは番長の拳に対しそれを手で受け流し大柄な番長の懐へと入り、そのまま番長の腹に

カウンターの拳を放つ。

 

「ガ…ハッ…」

 

 その拳は、体格で圧倒している筈の番長をフラ付かせた。

 

「ぐ……ぬおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

 

 だが番長にも意地があるのか、はたまた体が岩で出来る故に拳が左程 効いてないのか、どちら

にせよ番長は倒れない。

 それどころか、懐に飛び込んだエヴァンを捕まえようと腕を伸ばして来る。

 

「……は?」

 

 だが、その腕がエヴァンと捕える事は無かった。

 何故なら、先程までそこにいたエヴァンの姿が消えたのだ。

 

「ど、どこだ!? ………!!!??」

 

 そしてエヴァンを探そうとした番長は気づいた。

 自分の頭上に、1つの影がある事に。

 そしてその影の正体が、自分が腕を振り下げるよりも早く上空へと跳び上がったエヴァンだと気

づいた時、全てが遅すぎた。

 

「ハッ!!!」

 

 空中に跳んだエヴァンは重力により落ちて来る落下速度を利用し足を振り下ろす。

 いわゆる、かかと落としを繰り出した。

 

「ぐわあぁっ!!!」

 

 腕を振り下げていた番長は対応に遅れ、結果かかと落としを頭にもろに喰らってしまう。

 

「ぐ……はっ……」

 

 勝負ありだった。

 番長はグラリとよろめき、その場に倒れてしまった。

 勝負はエヴァンの勝ち。

 それも番長は一撃も与える事なく。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「ひゅぅ、すげぇな」

 

 そんな戦いに率直な感想を誰よりも早くもらしたのは真雄だった。

 

「すごーい! あんな(おっ)きいヒトに勝っちゃうなんて」

「ね、エヴァンさんの勝ちでしょ?」

 

 それに続き優希が声を上げ、同時にクラスの面子からも声が上がる。

 

「やっぱエヴァンさんの圧勝ね。あたしの思ったトーリ!!」

「ほぉ、これは驚いたな」

「ウガ、アイツ強い!!」

「流石エヴァンさんです!」

「確かにあのエヴァンは強えみたいだが、あの番長って奴、戦い方が悪いな」

 

 そんな中、真雄は的確に今の戦いを分析し出していた。

 

「あの番長って奴、体の動かし方が殆ど素人臭いな」

「素人、ですか?」

「あぁ。ケンカで負けってモンを知らない若造や、力だけで戦って来た奴が良く見せる動きだ。

一直線でパワー押し、重心移動や技も何もあったもんじゃねぇ。ありゃ武術ってモンを学んだ事の

ねぇ、パワーだけが取り柄の典型的なタイプだな」

「だがそれでも、番長()は確実に強くなって来ている」

 

 そんな真雄の指摘に対し声を出したのはセンシアだった。

 

「何、そうなのか?」

「あぁ。以前の彼ならエヴァンの一撃で沈んでいただろうからな。」

「いや、それって強くなったと言うより、やられまくって丈夫になっただけじゃね?」

 

 センシアの言葉に思わずツッコミを放つ真雄だったが

センシアは特に気にしたそぶりを見せず、視線を真雄へと向ける。

 

「だがあの僅かな時間でそこまで見抜くとは。流石はベルトラス様とマリア様のご子息だな」

「別に俺はケンカでの経験で知ってるだけだ。それとよセンシア、俺をあのバカ夫婦と比べんじゃ

ねぇ、不愉快だ」

 

 そう言い先程までの興奮した表情とは一転、忌々しそうな表情へとなる真雄。

 

「……そうか、すまん」

「……意外だな。オメェさんなら、両親は大切にしろ、とか注意するかと思ったぜ」

 

 そう言い素直に謝罪するセンシアに真雄は軽く驚いた。

 実際、センシアの様に気高く、それでいて優しい人物ならそれ位 言いそうではある。

 

「誰にでも、家庭の事情と言う物はあるさ」

「あん?」

 

 そのセンシアの悲しげな、どこか冷めた様な表情に首を傾げる真雄だったがそれも一瞬の事。

 すぐにどうでも良くなり、机に立てかけていた木刀を持つと、そのまま教室を出ようと扉に手を

かける。

 

「真雄様?」

「ちょっと真雄! 何処行くのよ!」

「先の闘い見たら火照っちまった。あのエヴァンってのにケンカ売って来る」

 

 リュアナと優希の言葉に対しそれだけ言うと、扉をガラガラと開け教室を出ようとする。

 

「無駄だよ兄さん」

 

 そんな真雄を呼び止めたのは李雄だった。

 

「あん、何でだ?」

「エヴァンさん、もうどこかに行っちゃったよ」

 

 そう言い視線をグランドに向ける李雄。

 そこには、倒れていた番長がフラフラと立ち上がり、そのままどこかへと立ち去る姿があったが

エヴァンの姿は消えていた。

 

「んだよ、詰まんねぇの」

 

 そう言いながら真雄が残念そうに席へと戻る中、李雄は先程から校門の方を眺めていた。

 

(それにしても、先のエヴァンさんの表情は、一体………)

 

 実は李雄は、エヴァンが去る瞬間をちゃんと目撃していたのだが、その時エヴァンの見せた勝っ

たのに喜んでいない、むしろ悲しそうな表情に疑問を浮かべていた。

 だが結局、その謎は解けぬまま、時間は過ぎて行くのだった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「ふい~、終わった終わった。」

 

 それから数時間の時が経ち、昼休みの時間がやって来た。

 

「お~い李雄、優希、リュアナ、メシ」

「あっ、ちょっと待ってね兄さん」

「アンタねぇ、他に言う事ない訳?」

「はい、ただいまお持ちしますね、真雄様」

 

 真雄の呼びかけ(というか命令?)に、李雄、優希、リュアナが、それぞれ作ってきた弁当箱を出

す。

 

「はい、魁に勇。」

「すまないな」

「ウガガァッ♪」

 

 特に李雄は李雄(自分)・真雄・魁・勇と4人分作ってきたようだ。

 弁当の中身は、卵焼きに炊き込みご飯のオニギリ、きんぴらごぼうにホウレン草炒め、肉じゃが

鳥の唐揚げと、どれも手の込んだ美味しそうな物ばかりだ。

 

「ウガ、うまそうダァ~♪」

「うむ、お前の料理はまさに芸術だな」

「ありがと。作ったこっちとしても嬉しいよ」

「アンタ本当に作る物に拘るわね」

「ホォ、こりゃすげぇな」

 

 その李雄の作った料理に、作って貰った魁と勇は勿論、共に作った優希、更には口の悪いアンゴ

ルモアでさえ絶賛した。

 

「わぁお、これリオっちが作ったの?」

「うわ、マジ!? ユーキやリュアナのも凄いけどリオリオのもすごい!」

 

 そこへ弁当の匂いと絶賛する声に導かれたのか、アリッサとチマがやって来た。

 

「良かったら、少し食べてみますか?」

「おっ、気前良いねリオっち。そんじゃ、卵焼きもーらい♪」

「そんじゃ私、唐揚げ貰いーっ♪」

 

 その李雄の言葉に、2人は遠慮する事なくそれぞれおかずを頂く。

 

「……ん〰〰〰〰、めっちゃ美味しい! 頬っぺたが落っこちそう!!」

「マジ美味い……リオリオ、アンタ益々女みたね!!」

「は、はぁ、それはどうも……」

 

 そのアリッサとチマの、悪気は無いのだろうけど、心の傷つく言葉を含んだ感想に微妙な表情を

する李雄。

 

「御2人とも、もう少し静かに出来ないのですか」

 

 そこへやって来たのは、ユーメリアだった。

 

「え〰〰〰、良いじゃんユメりん」

「今昼休憩なんだし。」

「だからと言って騒がしくして良い訳ではありません!」

 

 そう言いアリッサとチマを一括したユーメリアはいきなり方向を転換、李雄の所へやって来た。

 

「あの、何か?」

「……コグレさん」

「あっ、李雄でお願いします。兄さんと区別したいので。」

「ではリオさん。このお弁当はアナタが?」

「あ、はい。やっぱり変ですかね、男がお弁当作るの……」

「素晴らしいですわ!!」

 

 不意に放ったユーメリアの言葉に、李雄はポカンとなってしまう。

 

「最近の男性は女性にばかり家事や料理を押しつけると言うのに、アナタは自ら進んで料理を作り

になるなんて」

「いや、そんな大げさな……」

 

 そのユーメリアの褒め方に、李雄はやや引いていた。

 実の所、李雄が進んで料理をする様になったきっかけは母の作る殺人的料理を口にしたくないと

いう、親不孝的な理由な訳なのでそこまで褒められる理由ではないのだ。

 そんな些細な事を気にするのが、李雄らしいと言えばらしいのだが。

 

「だが実際、本当においしいぞ李雄」

 

 そこへユーメリアに同意する様に声を上げたのは魁だった。

 

「お前は少し自分に対してネガティブというか後ろ向きな所がある。もう少し自分に自信を持って

も良いんだぞ」

「あ、うん」

「何かカイっちの方がお兄さんぽい様な気がする」

 

 そんな李雄と魁のやり取りを見ていたアリッサが、不意にそんな事を呟いた。

 

「まぁ、それは言えてるかも。魁って優しいし」

「さり気にイケメン台詞とか吐くし」

「あはははは、褒めても何も出ませんよ」

 

 そう言いアリッサ及び優希とチマに優しいほほ笑みを向ける魁。

 そのほほ笑みは、まさに紳士だった。

 

「うわぉ、カイっちてばマジ紳士」

「ホント、どっかのバカ兄にも見習ってほしいわ」

 

 そう言い優希は、その真雄(バカ兄)に視線を向ける。

 

「ねぇねぇマオくん、その卵焼きちょうだ~い♪」

「ん? なら代わりにオメェの鯖よこせや」

 

 真雄はエストと弁当のおかず交換の最中だった。

 

「でも真雄くん。何でお弁当3つもあるの?」

 

 そこへ不意にエストがそんな事を聞いて来る。

 そう、真雄の弁当は李雄、優希、リュアナの作った弁当、計3つあるのだ。

 魁や優希、リュアナに李雄が1つずつなのに対し真雄と勇だけは3つある事に、のんびりとしたエ

ストも不思議に思ったのか、或いは食べ物に目がない故に聞いたのかは分からないが、そんな質問

をぶつけて来た。

 

「あぁ、俺は当1つじゃ食い足りねぇから李雄、優希、リュアナがそれぞれ作った奴 食ってんだ」

「わぁ良いなぁ、そんなにお弁当あって♪」

「そう言う事でしたらエスト様、サーシャめがより多くお作りいたします!」

 

 そんな2人の会話を聞いて、サーシャが跳び込んで来た。

 

「え、良いのサーシャ?」

「はい勿論です! エスト様の為ならば例え火の中 水の中!! エスト様を尋ねて三千里!! どの

様な事でもやり遂げて見せましょう!!!」

「ひゅぅ~、大した忠誠心だな」

 

 そんなエストとサーシャの会話を見ていた真雄は、不意にそんな事を呟きながらほほ笑んだ。

 

「何だ貴様、見せものではないぞ!」

「褒めてんだぜ? 猫とは思えん犬の様な忠誠心だな。」

「誇り高きねこまたの(にゃぁ)を主に尻尾を振るだけの犬と一緒にするにゃーっ!!!」

「ほぉ、やっぱ猫と犬は仲が悪いのか。人間界とそこは変わらんな」

「それ褒めてるのか!!?」

「褒めてるとも」

 

 そう言い怒り狂うサーシャに対し不敵にほほ笑む真雄の姿は、どう見ても褒めてると言うより

からかってる様にしか見えない。

 

「わぁお、マオっちてばサーシャを手玉に取ってる」

「あのエスちんの事になるとうるさいサーシャを自分はノーダメージであしらうなんて、マオマオ

やるわね」

「そこ聞こえてるにゃ!!!」

 

 その様子を見ていたアリッサとチマの言葉にさらに怒りの炎を燃やすサーシャ。

 

「ふふふ、賑やかな事だな」

 

 そんな様子を机でディナーをしていたセンシアが微笑ましく見ていた。

 

「…………あの、センシアさん」

「ん、どうしたコグレ?」

「あっ、ボクの事は名前でお願いします」

「あぁ、そうだったな。それで、どうかしたかコグレ リオ?」

 

 流石にフルネームで呼ばれるとは思いもしなかったが、センシアの性格上なのだろう。

 そう自分を納得させ李雄は質問した。

 

「それって、昼食ですよね?」

「そうだが? 何かおかしいのか?」

 

 そう言い李雄の言葉に首を傾げるセンシア。

 だが実際、李雄が聞きたくなるのも無理は無かった。

 その原因は、センシアの文字通りのディナーにあった。

 机に赤いテーブルかけを引き、その上にはピカピカに輝く白銀の皿、バスケットに入れられた美

味しそうなサンドイッチ、更には立派なワイングラスには美しい赤い飲み物が入っている。

 

「えっと……つかぬ事をお聞きするのですが、その飲み物は………」

「ん? あぁ、これは酒ではないよ。ちゃんとしたジュースだ」

「あ、あぁ、ですよね……」

「いや、それ以前に色々とツッコむべき所があるだろ」

 

 そんな李雄とセンシアの会話にツッコミを入れたのは魁だった。

 

「すっげぇなオメェの昼メシ」

「センシアさんのお昼、すっごい豪華……なんかお姫様みたい……」

「みたいじゃなくて、実際に姫様なんだけどな」

 

 そんな勇と優希の言葉に言い返したのはアンゴルモアだった。

 

「どういう事、アンちゃん?」

「センシアの親父はな、現魔王やってんだよ」

「ウガ、そんじゃセンシアってお姫様なのか?」

「センシアの雰囲気からして、姫っつーより女王の方がしっくりきそうだな」

 

 そんなアンゴルモアの説明に優希と勇が反応す中、真雄が不意にそんな事を呟いた。

 

「女王? 何だ、それは?」

「あぁ、三界(こっち)じゃ男だろが女だろうが王は王な訳な」

 

 そう言いセンシアの疑問に納得を感じた真雄は3つの弁当全てを空にすると、それをそれぞれ

李雄、優希、リュアナに渡す。

 

「ご馳走さん。李雄、優希、腕を上げたじゃねぇか。それにリュアナ、お前のも中々だったぜ」

「お粗末さま」

「まっ、それを言われると嬉しくはあるわね」

「は、はい! ありがとうございます!!」

 

 その真雄の言葉に、李雄達はそれぞれの反応を示す。

 

「ん?」

 

 その時、真雄は教室の外が妙に騒がしい事に気づく。

 そりゃ昼休憩は普通 騒がしい物だが、このクラスの前だけが騒がしい気がするのだ。

 

「何だ?」

 

 そう思い真雄はクラスから廊下の見える窓から外を見る。

 そこには、幾人もの生徒達が真雄達のクラスを、と言うか古暮達転校生達に向けられている。

 

「おっ、アイツじゃねぇか?」

「あぁ、ベルトラス様とマリア様の息子でだって言う………」

「アレが新しい魔王候補生と聖王候補生か………」

「見て、あの2人よ」

「きゃー、ホントにかわいぃ。それに綺麗♪」

「双子兄弟丼ぶり……次のネタはこれで決まりね!!!」

 

 いや、さらに正確に言うとその視線は古暮兄弟に向けられている。

 しかも何故か古暮達が候補生である事と、ベルトラスとマリアの息子である事もバレてしまって

いる様だ。

 

「おいおい、どうなってやがんだ?」

「あぁ、あたし達がメールしたの」

 

 その真雄の疑問に答えたのはアリッサとチマだった。

 

「他のクラスの子がさ、アンタ達の事知りたがってたからメールで教えて上げたの」

「特にコグレっち兄弟に興味津々のヒトは多いよ~。何たって超美男子兄弟なんだし♪」

「テメェらな………」

 

 そのアリッサとチマの言葉に、真雄は怒りではなく呆れを感じるのだった。

 とその時。

 

「ん?」

 

 不意にガラガラッと教室の扉が開かれた。

 

 

 

                  『~第7話~転校日早々!?その4 《終》』

 

 




 どうも、黒鋼丸です。
 今回の話により原作キャラの1人、番長が登場!
 原作よりは主人公達とつながりを強くさせるつもりです。
 更に次回は更なるオリキャラ登場の予感が………。
 次回もよろしくお願いします。
 ではでは〰〰〰。
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