栄光の影に隠れた涙   作:こーたろ

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第6R 悪夢の天皇賞

 

 

 10月27日。

 東京レース場は大歓声に包まれていた。

 

 地面には激しく打ちつける雨。それでもお構いなしとばかりに、歓声は飛び交っている。

 

 

 波乱の天皇賞秋が幕を開けるのだ。

 

 

 ファンファーレが鳴り響く。

 雨のレース場であっても、このレースを目に焼き付けようと会場に足を運んだファンの数は普段のG1トゥインクルシリーズとなんら変わりない。

 

 

 『さあ!ついに18人のウマ娘がゲートに入りました!!!長距離の覇者メジロマックイーンが強さを見せつけ、天皇賞春秋連覇を成し遂げるのか!はたまた別のウマ娘がそれに待ったをかけるのか!!!』

 

 『注目のレース、始まりますよ』

 

 

 プレクラスニーが、目を閉じる。

 

 様々な想いが、胸を渦巻く。

 が。

 

 

 

 

 (勝ちたい)

 

 

 今はただ、それだけでいい。

 

 あの頃夢見たG1のウイニングライブ、そのセンターへ。

 

 

 今はただ、その夢をひたすらに追うだけでいい。

 

 

 

 プレクラスニーの表情が、一際真剣なものへと変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな天皇賞秋のレース会場。

 観客席最後方に、一列に並ぶウマ娘たちの姿があった。

 

 全員が姿勢よく並び、凛々しく立ち振る舞うその姿からは、圧倒的王者の風格を感じさせる。

 トレセン学園の誇る強豪チーム、リギルのメンバーだ。

 

 

 「あれが、プレクラスニーか。どう思う。ルドルフ」

 

 その一番左、スーツに身を包んだいかにも仕事できる女性といった風のトレーナーが、隣にいるウマ娘に声をかけた。

 ルドルフ、と呼ばれた彼女こそ、言わずと知れた無敗の三冠ウマ娘、シンボリルドルフ。

 

 トレセン学園の生徒会長も務める伝説のウマ娘だ。

 

 

 「彼女は本来、リギルの入部テストを受けるはずでした。もし仮に入部テストを受けていたら……合格していたかもしれませんね」

 

 「……ほう」

 

 シンボリルドルフは安易な考えを述べるウマ娘ではない。

 そのシンボリルドルフがリギルに入れていたと断言したことに、隣にいたマルゼンスキーも驚きを隠せない。

 

 

 「彼女は決して、才能に恵まれているわけではありません。タイキのような短距離の特性も、スズカのような逃げ足も、ましてやテイオーのような天賦の才も。……しかし彼女には、強い意志と、それをかなえるだけの努力ができます。ああいったウマ娘は、ウチに欲しかったなと強く思いますよ」

 

 「……なるほどな。確かに彼女は入学時の体力テストは決していい数値ではなかった……が、今となっては同年代のトップレベルに迫る数値を有している。これが努力によって得られたものだとするのなら、確かにお前の意見は正しいのかもしれないな」

 

 

 トレセン学園に入ってくるようなウマ娘は、すべからく努力を怠らない。

 それは当たり前なのだ。しかしその中で埋もれず、最後まで努力を貫き通すためには、意志がいる。

 

 夢をかなえたいという意志が。

 

 シンボリルドルフは一度プレクラスニーが入学してきた時に言葉を交わしている。

 その時の言葉は、シンボリルドルフにとっても印象に残る言葉だった。

 

 

 

 『私にレースの才能は無いかもしれません。……けれど、G1レースのウイニングライブで、センターで踊るシンボリルドルフ会長を見てから、私の夢は一つです。この学園で、私は必ず、G1ウマ娘になる。どれだけの努力が必要であっても、私は必ずシンボリルドルフ会長と同じ舞台で歌ってみせます』

 

 

 

 

 あの時の真剣な表情が、今のまさにレースを走ろうとしているプレクラスニーと重なった。

 

 シンボリルドルフから、笑みがこぼれた。

 

 

 

 「……さあ、やってみろプレクラスニー。お前の夢はもうすぐそこだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全員が、ゲートに入る。

 

 天皇賞秋が、ついに始まるのだ。

 

 

 (……あれ)

 

 

 そんなまさにレースが始まろうかという瞬間。

 ナイスネイチャは、自分の靴紐がほどけて……一本切れてしまっていることに気が付いた。

 

 ネイチャがかがんで、靴紐を直す。

 

 

 (……?!)

 

 

 その瞬間、言いもしれぬ寒気が、ネイチャを襲った。

 

 

 鳴り響いた甲高いピストルの音が、やけにうるさく感じる。

 心臓の鼓動が早くなり、ネイチャはぎゅっ、とジャージの胸のあたりを抑えつけた。

 

 

 (……クラスニー……どうか無事で……!)

 

 嫌な予感を振り払うように、ナイスネイチャが祈る。

 

 どうかこの嫌な予感は、気のせいでありますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『さあスタートしました!!!おおっと?!メジロマックイーンスタートから一気にしかけてきたああ?!!?!』

 

 『メジロマックイーン、勝負に出ましたね。このコースはスタート直後にコーナーがありますから、外枠のメジロマックイーンは、多少無理でも内側に切り込むことにしたのでしょう』

 

 『確かに、後方集団に飲み込まれてしまえば、優秀なウマ娘たちがそろう天皇賞では厳しい戦いになりますからね!これは一気にしかけてきたぞー!!』

 

 

 

 レース開始直後のことだった。

 

 10番の位置からスタートしたプレクラスニーはスタートも問題なく成功。

 しかし予想外だったのは、更に外にいたはずのメジロマックイーンがものすごい勢いで内側に入りこんできたことだった。

 

 

 (マックイーン……!まずい!このままだと主導権を握られちゃう!)

 

 トレーナーの指示。

 マックイーンよりも前でレースを行うこと。

 

 しかしマックイーンの開始直後のスピードが並大抵ではなく、あっという間にマックイーンに最も内側のコースをとられてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 「きゃあああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 プレクラスニーの後方で、ウマ娘の悲鳴が上がる。

 バランスを崩したのだろうか。しかしこれもレース中にはよく起こること。

 今は目の前のマックイーンを追わなければと意識を集中し、クラスニーは加速する。

 

 

 (絶対に……絶対に今日だけは譲らない……ッ!)

 

 プレクラスニーが第二コーナーを終えた所で最初の勝負に出る。

 前に出たメジロマックイーンをかわすように、上手く遠心力を使って外側から前に出たのだ。

 

 

 (クラスニー……!やりますわね……!)

 

 クラスニーの前でレースを展開しようとしたマックイーンだったが、ここはおとなしく3番手にまで順位を落とす。

 先頭は譲る形になったが、別にこれはマックイーンにとって想定外ではなかった。

 

 後方集団からのスタートにならなければ、分はマックイーンにある、というのがスピカのトレーナーの見立て。

 

 仮にプレクラスニーよりも後ろだったとしても、この位置からならば何も問題はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よしっ!良い位置だ!」

 

 「マックイーンさーん!!」

 

 「いけえマックイーン!!!」

 

 スピカの面々が、マックイーンに声援を送る。

 先頭でのレース展開とはならなかったが、スタート直後の作戦が決まり、不利な外枠スタートを上手くひっくり返すことができた。

 

 

 「流石マックイーンだなあ!あいつスタート勝負もできんのかよ!」

 

 ゴールドシップが手にしたルービックキューブを高速でいじりながら、マックイーンを賞賛する。

 基本的にスタミナが武器で後半勝負になりやすいマックイーンだが、序盤にああいった勝負もできる。

 

 まさに、死角がないと言って差し支えないだろう。

 

 

 「よっし!ここからならマックイーンの有利よ!」

 

 「いけえマックイーン!!」

 

 スカーレットとウオッカも、マックイーンの勝利を信じて疑わない。

 レースは後半の第4コーナー。依然として先頭はプレクラスニーだが、その後ろにぴったりとマックイーンが張り付いている。

 レースは間違いなく、マックイーンのペースで進んでいるように見えた。

 

 

 「よしっ!いけそうですね、トレーナーさん!……トレーナーさん?」

 

 スペシャルウィークもマックイーンの有利展開であることは疑わず、隣にいるトレーナーへと声をかける。

 

 しかしそのトレーナーの様子がどこかおかしい。

 いつもくわえている棒付きの飴が落ちそうなほどに、放心して電光掲示板を眺めている。

 

 

 

 その様子は、去年サイレンススズカが怪我をしてしまった時と同じようで。

 

 スペシャルウィークに、悪寒が走った。

 

 

 

 

 

 「うそ……だろ」

 

 「トレーナーさん?どうしたんですか?トレーナーさん?!」

 

 必死に声をかけるスペシャルウィークの声も届かない。

 

 

 

 

 

 

 スピカのトレーナーが見つめる先。

 

 

 

 

 

 電光掲示板には、不吉な青いランプが灯っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『さあレースは後半に入ります!!先頭はプレクラスニー!やはり前評判通り強かった!今先頭でコーナーを曲がります!!しかし!!しかしその後ろにピッタリとくっついてくるのがメジロマックイーン!メジロマックイーンが来たぞ!!!!!』

 

 『さあ最後の直線ですよ』

 

 

 雨に負けじと大歓声が会場を包む。

 先頭を走るプレクラスニーは、真後ろにマックイーンの気配を感じていた。

 

 

 (離せない……!!こんなに全力で走ってるのに……全然距離が開かない……いや、それどころか……!)

 

 (捉えましたよ……クラスニー!)

 

 

 残り400m。ついに先ほどまで後ろを走っていたマックイーンが、クラスニーの隣に躍り出る。

 

 プレクラスニーはスタート時から先頭で走り切っているため、そこまでの足は残っていない。

 しかしマックイーンは違った。奇しくも毎日王冠の時のクラスニーのように、マックイーンはスタート時のみに脚をつかっている。

 

 ここから強いのが、長距離の覇者たる所以。

 メジロマックイーンの本領だ。

 

 ぐんぐん伸びる。

 クラスニーはついにマックイーンに横に並ばれてしまった。

 

 

 

 抜かれたら終わる。

 漠然とした意識が、プレクラスニーの中にあった。

 

 マックイーンの後半の強さは異常。

 ここで逃げ切ることができなければ、自分の勝利はないだろう。

 

 最後の力を振り絞って、プレクラスニーが前に進む。

 

 

 前へ……もっと前へ!

 

 

 (勝つんだ……!ネイチャと、お母さんと約束した!私は、G1の舞台でセンターを掴み取るって……!)

 

 

 

 

 「約束したんだあああああああああああ!!!!!」

 

 

 気力も、体力も、とうに限界。

 

 今は根性だけが、クラスニーを支えている。

 

 

 声が、聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「クラスニーーーー!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネイチャの声が雨の中響き渡る。

 

 信じて待ってくれる人がいるから。

 

 

 負けるわけには、いかないんだ。

 

 

 自分とマックイーンだけがこの世界に残されたかのような感覚。

 

 隣にいるライバルと、ただ、ただ競い合う。

 

 足の感覚など、とうの昔から無くなっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 残り300m。

 

 しかし最後のクラスニーの根性ともいえる走りも。

 

 

 

 マックイーンの強さにはかなわない。

 

 ついに、ついにマックイーンが前に出た。

 

 2人だけの時間も、ついに終わり。

 

 

 

 「また……また挑んできてくださいまし!クラスニー!」

 

 

 

 あり得ない速度で加速したマックイーンが、大きく前に出た。

 

 

 マックイーンの背中が遠ざかる。

 

 夢が、遠ざかっていく。

 

 

 視界が、涙で歪んでいく。

 

 

 

 

 

 

 (やっぱり……やっぱり強いよ、マックイーン。でも……でも次は負けないから……!)

 

 

 

 一着を逃したことで、クラスニーの速度が落ちる。

 

 離れていた後続が追ってきている気配を感じて、疲労が押し寄せる身体にクラスニーはもう一度鞭を打った。

 

 

 (でも……マックイーンと一緒に歌う場所だけは……譲らないよ!!!)

 

 

 

 夢は遠ざかっていく。

 

 黒い勝負服に身を包んだ長距離の覇者は、やはり強かった。

 

 

 けど、自分の夢は、決して無理な夢ではない。

 

 

 そう思えただけでも、クラスニーにとってこの天皇賞は意味のあるものになったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう、この時までは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『うおわああああ!!!メジロマックイーン更に加速した!!!どこまで強いのかこのウマ娘は!!メジロマックイーン前に抜け出して1バ身……いや2バ身のリード!!いや、まだ伸びる!メジロマックイーンこれは楽勝!!圧倒的な強さを見せつけています!!』

 

 『恐ろしい強さですね……!プレクラスニーは2着で粘れるでしょうか!』

 

 『なんという強さだメジロマックイーン!!2着を6……いや7バ身離して、今ゴールイン!!見事、天皇賞春秋連覇を成し遂げました!!!!』

 

 

 会場が大歓声に包まれる。

 

 

 メジロマックイーンのファンが歓声を上げ、紙吹雪が宙を舞う。

 天皇賞春秋の二冠達成。

 ウマ娘界に新たな伝説が生まれた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 『そして2着は守り切りましたプレクラスニー!!彼女も素晴らしい走りを見せてくれました!!』

 

 『最後は離されてしまいましたが、とても良い走りでしたね。今後に期待できそうです』

 

 

 

 

 ゴール地点の少し先。

 なんとか2着を守り切ったクラスニーは、芝のコースにあおむけで転がっていた。

 酸素を求めて口を開き、呼吸を整える。

 

 マックイーンには、勝てなかった。

 彼女はやはり、強い。

 

 しかしそれでも、夢が無理なものではないと気付けたこと。

 そしてなにより、マックイーンと真剣勝負ができたことに、クラスニーはある種の充足感を得ていた。

 

 

 (速かった……なあ。マックイーン)

 

 降りしきる雨に、曇天に、クラスニーが手を伸ばす。

 

 自分の状態に問題はなかった。

 それでも、マックイーンには及ばなかったのだ。

 

 何故だかそれが少し、気持ちよかったのかもしれない。

 

 次の目標ができる。

 G1初勝利をカノープスに持ち帰ることはできなかったけれど、その夢はまだここからつながっていくから。

 

 

 

 

 「クラスニー!!」

 

 雨と曇天だけが映っていたクラスニーの視界に、よく知る親友の姿が映る。

 

 

 「ネイチャ……ごめん、ネイチャ、私、勝てなかったや」

 

 「ううん……本当にすごかったわよ……!」

 

 

 伸ばしていた手を、ネイチャが両手で握りしめる。

 

 ネイチャが本気で応援してくれていたことが心からわかったクラスニーは、思わず笑顔がこぼれた。

 最後の直線で、ネイチャの声が聞こえていなかったら、自分は2着にもなれていなかっただろう。

 

 それだけこの親友の存在は、クラスニーにとって大きかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな、時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お、おいなんだよあれ」

 

 「え?待ってどういうこと?!」

 

 「なに?!何が起きてるの?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 悪夢は、遅れてやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『なんということでしょう……!レース中盤から既に点いていた審議の青いランプですが……今、審議が終わりました!確定の着順が電光掲示板に表示されています……!とんでもないことになりました……!』

 

 『そんな……こんなことは歴史上ありませんよ……』

 

 

 

 

 

 異様な空気が、会場を包む。

 

 会場は大混乱に陥っていた。

 

 

 

 

 チームスピカの面々が、あまりのことに口を抑える。

 スピカのトレーナーは、呆然と立ち尽くすことしかできなかった。

 

 それは、カノープスのメンバーも同じ。

 

 何が起こっているのかわからないといった様子で左右を見渡すツインターボと。

 信じられないといった様子で目を見開くイクノディクタス。

 

 そして同じく、混乱したまま電光掲示板を見つめることしかできないトレーナー。

 

 

 

 

 

 「これは……!」

 

 チームリギルのトレーナー、東条ハナも青ざめた表情で電光掲示板を見つめる。

 しかしすぐに我を取り戻すと、ハナは携帯を取り出し、電話をかけた。

 

 

 「ルドルフ。私は理事長の元にいってくる。全員その場で待機させておけ……!」

 

 「……!はい!」

 

 足早にその場を後にするハナ。

 リギルのメンバーも、誰もが何が起こったかわからないといった表情で電光掲示板を見つめていた。

 

 

 「ルドルフ……これって……」

 

 「ああ……おそらくはスタートだろうが……それよりも心配なのは……」

 

 

 ルドルフとマルゼンスキーが、今会場中が注目している電光掲示板へと目を向ける。

 

 

 

 

 

 確かに、マックイーンが一着で駆け抜けた。

 二着のプレクラスニーにおよそ7バ身もの差をつけた圧勝。

 

 それは誰の目にも明らか。

 

 

 しかし。

 

 

 それなのに。

 

 

 

 

 

 マックイーンを示す番号である13番は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 電光掲示板から()()()いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大雨が、地面を叩く。

 

 

 

 

 

 電光掲示板を前に茫然と立ち尽くす二人のウマ娘。

 

 

 銀髪を濡らす二人が、ただただそこに立っていることしかできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1位には、プレクラスニーの番号、10番が無機質に示されていた。

 

 

 

 

 

 

 

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