RAIL WARS ! ~車掌になりたい少年の話~ 作:元町湊
書きたかったので書きました。後悔はしていない。
さて、第一話です。と言っても、原作に入るのは三話ぐらいからですがね。
1両目
鉄道公安隊。それは、國鉄に所属する組織であり、主に國鉄の管内・敷地内で起こった事件・事案の鎮圧・解決を仕事としている。それ以外にも、落し物の管理や、迷子の保護などいろいろとやることはある。
ついでに説明すると、國鉄というのは日本最大の国有企業であり、いくら赤字でも税金が投入され、潰れないし、リストラされないという企業だ。そこへ就職するのは東大より難しいとされている。
ピリリリリリ…
「…ん、朝か。起きなきゃ」
そう言いながら、俺、臼井宗吾は起き上がった。
今は朝の6時30分になったところだ。未だ鳴り響いている目覚まし時計を止め、朝ごはんをとるためにリビングへと向かう。
リビングに着き、テレビをつける。そしてソファーに座り、一息つこうとしたところでテーブルの上においてあるメモとご飯に気がついた。
そのメモには次のように書かれていた。
“すまないが、今日は朝から会議があるので先に行く。朝ごはんはもう作ってあるから、それを食べるように。 五能”
朝から会議ですか。それはご苦労なことで。
と、思ってから時間を見る。現在、6時45分。
やばい!そう思って、用意された朝食を急いで食べる。
何がやばいのか。それは、今日から学校がいつもと違う場所で行われるからだ。
昨日、午後の最後の授業が終わったころ、俺は放送で呼び出された。
ちなみに、俺が通ってる学校は船橋交通高校というところで、ごく最近できたばっかりの高校だ。どれだけ最近かと言うと、高校二年生の俺がそこの第一期生に当たるぐらい最近だ。この学校には普通科のほかに、鉄道運輸科、鉄道車輌整備科、航空運輸科、航空機整備科などなど、交通に関することを勉強できる学校だ。俺はその中でも、鉄道運輸科に所属している。なぜなら、目指している職業が國鉄の車掌だから。
國鉄に入るには、こういった専門学科のある交通学校や鉄道学校に通ったほうが、普通の学校に行き、普通に入社試験を受けるよりも格段と受かりやすくなる。
別に、普通の学校でも入れる奴は入るのだが、普通の学校には、國鉄の“学生鉄道OJT”という制度の参加枠があまりまわってこないので、その分不利になる。
この“学生鉄道OJT”というのは高校二年生からできるようになるもので、簡単に言うと、希望する鉄道企業へ研修に行き、気に入ってもらったらその企業へ就職させてもらう。といった制度である。研修の期間は企業によってさまざまで、1年とするところもあれば、半年とするところもある。
で、話を戻すと、俺が職員室に呼び出されたのは、希望していた國鉄への学生鉄道OJTへ行けることになったからだった。
國鉄へのOJTは参加希望が多いので、いけるか不安だった。
俺としてはうれしいこと極まりないのだが、担任の韮崎先生はあまりいい顔をしていない。
「先生、どうしたんですか?」
と、俺が聞くと、しばらく沈黙した後、こう切り出した。
「…非常に言いにくいことなんだが、落ち着いて聞いてくれ」
「何ですか?」
「実は、君の研修先は國鉄の運輸課ではなく、鉄道公安隊なんだ」
「…え?」
「だが、君だけじゃない。他のところへ希望を出した人たちもみんな公安隊への研修なんだ。だから、しょうがないと思って、受け入れてくれ」
まさかの鉄道公安隊…だと…?
まあ、みんなそうならしょうがないか?
「…先生、念のため聞いておきますけど、その研修が終わって気に入られても、私は運輸課へ行けるんですよね?」
「ああ、それだけは大丈夫。OBの人もそう言っていたからな…。たぶん…」
それならいいか…。
「わかりました。それならいいです」
「お、そうか。…じゃあ、これが國鉄から預かった書類だ。家に持ち帰ってきちんと読んでおいてくれ」
「わかりました。失礼します」
俺はそう言って職員室をでる。
職員室を出て、帰るために校門へ向かっていると後ろから、俺を呼ぶ声がした。
後ろを振り返ってみると、そこには近くに住んでいる幼馴染の一ノ宮千歳が居た。
千歳は、鉄道車輌整備科に所属している。
「はあーい、そー君!さっき呼び出されてたみたいだけど、何かしたの?ねえねえ」
と、話しながら近寄ってきた。近い、離れろ。
「ん?ああ。学生鉄道OJTのことでな。あと近いから離れろ」
「嫌だ。で、どこに行くことになったの?」
こ、こいつ…。
ついには、抱きつかれてしまった。
「離れるまで話さないぞ」
と、俺が言うと、
「しょうがないなあ。まったく、そー君は照れ屋さんなんだからー」
と言って、からかいながら千歳は離れてくれた。
千歳は俺から離れるとすぐに、
「で、研修先はどこなの?」
と聞いてきた。俺は約束どおり答える。
「…鉄道公安隊だよ」
「ああ~やっぱりか…。いやね?クラスの男子が國鉄に希望出して、行き先が鉄道公安隊だったもんだから、絶望してたのよ。そー君は…そこまででもなさそうだね」
まあ、先生から車掌になれるって聞きましたし…。
「まあ、先生から車掌になれるって聞いたし、そこまででもないな。で、おまえは?」
「ん?私?私は…ほら、希望通り綾瀬工場に行ける事になったよ!」
綾瀬工場とは、営団が所有する工場の中で最大のもので、千代田線の車両の列車検査、交検を主に行う。
そしてそのほかに、第三軌条である丸ノ内、銀座線を除く全ての路線の車両の重検、全検もここで行われる。
「まあ、おめっとさん。がんばってね」
「うん、ありがと。そっちもね?」
「ああ、将来のためだ。がんばるさ」
気づくといつの間にか駅まで来ていたので、國鉄のICカード“KOKUKA”を出し、俺たちは改札を抜けてホームへと向かった。
・主人公とかの紹介。
主人公:臼井宗吾
親は二人とも高校一年のときに海外へ赴任。どうしても残りたかった宗吾は一人で日本に残る。
五能隊長とは親戚で、ちょくちょく遊びに来る。
・オリキャラ:一ノ宮千歳
親は宗吾と同じく海外赴任。両家は仲がよく、子供二人の趣味も同じようなものであったから、大丈夫と判断し海外へ。
五能隊長とも仲がいい。
オリキャラの名前は駅名から取っています。
・臼井宗吾→うすい(京成本線)+宗吾参道(京成本線)
・一ノ宮千歳→上総一ノ宮(外房線)+千歳(内房線/千歳線)
これからよろしくお願いします。