RAIL WARS ! ~車掌になりたい少年の話~   作:元町湊

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 皆様、お久しぶりです。
 たいへん長らくお待たせ致しました(待っている人が居るかどうかは別として)。
 RAIL WARS ! ~車掌になりたい少年の話~、発車いたします。


第三章 安中榛名高度研修
29両目


 北斗星の事件から一週間くらい、俺達は各々の学校に戻されていた。

 そんなある日。

 

 プルルルルルルルルルル。プルルルルルルルルルル。

 

 滅多にならないうちの電話が鳴った。

 電話番号を見ると電話の主は、海外にいる親父のようだった。

 

 

「もしもし」

 

『おう宗吾か。元気にしてるか?』

 

「うん、まあね」

 

『そうかそうか、それはよかった。それより、今回電話した件だが』

 

「あーうん。どうしたの?」

 

『いやな?夏休み中はそっちに帰れることになったんだ。だから、その連絡』

 

「あー分かった」

 

『詳しい日程が決まったらまた連絡するから』

 

「うん」

 

『じゃあ、またな』

 

「はいよー、じゃあね。仕事頑張って」

 

 

 電話が切れた。

 そうか、親父が帰ってくるのか。会うのは久しぶりだな。

 

 うちの親父は一年の内に1ヶ月も日本に居ないような人だ。

 まあ、それだけ頑張っているということだが、たまにはゆっくり休んで欲しい。

 

 そんなことを考えながら夕飯を作るためにキッチンに向かっていると、また電話が鳴った。

 

 

「もしもし」

 

『あ、そー君?』

 

「あ、飯田さん。どうしましたか?」

 

『明日っから研修再開のお知らせ』

 

「分かりました。異動は無いんですね?」

 

『無いよ~。またよろしくね~』

 

「こちらこそ」

 

 

 といって電話を切る。

 國鉄からの連絡はいつも急だ。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 次の日、つまり研修再開の日、仕事も無く、いつもより遅めの電車で行こうとしていた俺は、飯田さんに遅刻の電話をしていた。

 その理由は、いつも使っている総武快速線で人身事故があり、快速線、緩行線共に運転見合わせだからだ。

 しかも、発生したばっかりで、1時間は止まっていると思う。

 こればっかりはどうしようもないから、気をつけて来てね~、と飯田さんから返事を貰った。

 

 1時間半後、快速線、緩行線共に運転再開となり、まず快速線の1番列車が市川駅に到着した。

 113系15両で、当然の如く車内は満員。乗る余地は無い。

 というわけで1本見逃し。

 続いて2本目の電車は、217系11両だった。

 やはりこの電車も満員で、乗れる余地は無かった。

 続いて3本目の電車は、珍しいことに113系5両と、217系10両の混結だった。

 ここに来てやっと乗れるような余裕があったので、迷わず乗る。

 結局俺は、市川駅を1時間45分遅れて出発した。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

『まもなく、終点の東京です。中央線、山手線、京浜東北線、東海道線、東北本線と、各新幹線はお乗換えです。 本日は錦糸町駅での人身事故のため、列車大幅に遅れましたことをお詫び申し上げます。横須賀線の品川、横浜、鎌倉方面へお越しのお客様は、降りましたホームの向かい側に停車中の電車をご利用ください』

 

 結局、俺は東京駅に2時間遅れで到着した。

 引き続き西を目指す人もそうでない人も、いっせいに電車を降り、各々の目的地に向かう。

 俺も走って事務所へと向かう。

 

 今は10時半くらい。もうとっくに仕事が始まっている時間だ。

 俺は急いで事務所に入り、警四の活動場所の扉を開けた。

 すると、中には高山と岩泉と飯田さんがいたが、何処かいつもと空気が違うような感じがした。

 

 

「飯田さん、おはようございます」

 

「あ、そー君。お疲れ様」

 

「で、どうしたんですか?この空気」

 

 

 俺が小声で訊くと、飯田さんは、

 

 

「高山君と桜井さんが喧嘩して、ね」

 

「あー、はい。もう分かりました」

 

 

 まあ、所詮いつもの喧嘩だ。気にすることは無いだろう。

 

 

「あ、そうだ、そー君。これ行く?」

 

 

 と言って飯田さんが指差した先には“鉄道公安隊高度教育研修”の文字が。

 

 

「どんな事やるんですか?」

 

「簡単に言っちゃえば、公安隊員のスキルアップの為の訓練?講習?みたいなもの」

 

「仮に行くとして、何をするんですか?」

 

「うーん、私じゃちょっと分かんないかなー」

 

 

 どうしよっかなぁ。公安隊員の為のだから行かなくていいっちゃあいいんだけど……。

 

 

「みんなは行くんですか?」

 

「みたいだよ?」

 

「分かりました。では、俺も参加します」

 

「ん、了解っ。上の人には私から言っておくから」

 

「ありがとうございます……あ、あと、それはいつからですか?」

 

「んー、明日か明後日、とは言われてるけど……今日の終礼までには決まるみたいだから、そのときにね」

 

「はい、分かりました」

 

「じゃあ、そー君は地下の巡回、よろしくね?」

 

「分かりました。では行ってきます」

 

 

 と、巡回に出るために警四の部屋から出たところでまだ公安隊の制服に着替えてない事を思い出し、更衣室で着替えてから改めて巡回に向かった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 何事も無く巡回を終え、昼休みを過ごし、午後の巡回も終えて終礼の時間。そんな時間になっても高山と桜井の間にはまだ何かあるようだった。

 終礼で研修についての詳しい説明があり、日は明日、集合場所は東京駅の20番線に7時半に集合、場所は新幹線の停まる秘境駅と呼ばれる安中榛名駅の近くでやるらしい。

 研修内容については向こうで説明されるとのこと。おそらく全員違うものになるらしい。

 

 しかし、終礼が終わってもこの様子とは……

 

 俺は高山と桜井を見た。

 2人は目も合わせようとせず、また、その間の空気も最悪だった。

 

 こんなんで研修大丈夫なのか?

 ちょっとどころか大分心配だ。

 




 次回はなるべく早くに投稿したいと思っています。

 誤字脱字に気付きましたらご報告くださいますようお願いします。

 ではまた次回。
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