仕様もない
「なんで攻撃が当たらない…っ!」
いま現在行われているバトルは、まさに『異常』であった。
「エレブー、真っ直ぐかみなりパンチ」
「そんな見え見えの攻撃、かわせ!」
「ギッグュ…ドゥゥウゥ…ッ!」
向かってくる拳に対し回避を指示する男であったが、ダイケンキはそれに応えることが出来ず拳を受け、吹き飛ばされてしまう。
ハイドロポンプやれいとうビームなどの高火力な遠距離攻撃、シェルブレードにメガホーンといった近距離技を持つ正しく全距離に攻撃手段を持つダイケンキが、拳に雷を宿し、ただゆっくりと近付くエレブー相手に避けることも、技を相殺することも、なんなら横に僅かに逸れることすら出来なかった。
この事実に男はショックを受ける。
しかしこの男、機械に弱くネットの情報などを一切利用していない。そのため、男はダイケンキの致命的な弱点を知らなかった。
ダイケンキの弱点、それは『エレブー』『くさ』
そう、エレブーと対峙するとダイケンキ側にデバフがかかり、全ステータスの実数値が軒並み-40されてしまうという致命的な相性があった。
その相性を知らぬ男は、それはもう焦っていた。
みずタイプのダイケンキに相性で負けるエレキブルならともかく、その一つ進化前の種族値が大幅に下回るエレブーに負けたとなれば、男は村中で笑い者にされるだろう。
故に忘れていたのだ。エレブーというポケモンの本来の『型』を
「エレブー、かみなり。」
「なっ?!ダイケンキッ!」
男は、何度も見て受けたかみなりパンチの対策しか考えていなかった。エレブーというポケモンはその豊満な特攻と豊富な特殊技を操る特殊アタッカー。特殊技を持っていないほうがおかしいし、物理技を使う機会がそもそも少ない。
(だいたいシンジのエレキブルが悪い)
速さの実数値が-40されているダイケンキに回避など出来るわけもなく、この対面だと実質確定命中のかみなりがダイケンキに降り注ぐ。
鈍足重量級ほどの耐久を持たないダイケンキではこれを耐えきれず、ノックアウト。勝負は決まった。
かくして男は村中で笑い者になった
訳ではなく、村民達からは暖かい目で見られ、子供達からも親しみを持たれるようになった。
困惑する男に、一人近付く村長。
その手には一台のスマホ。
「これを見てみぃ」
そう言われ、男が手に取ったスマホの画面に移る
『ダイケンキ 弱点』の検索結果
そこには、まるで「これが真実であり正しいのだ」と言わんばかりに堂々と記載された弱点
『エレブー』『くさ』
「ふざけんな!!!れ!れれ!れ!」
Googleネタっていうのは結構前にGoogleChromeで『ダイケンキ 弱点』と検索するとプラットフォームに出てくるダイケンキの弱点欄に【エレブー】と記載されていたってだけのネタ。他にも特定のポケモンが“弱点”になっていたポケモンはそこそこいたが、いまはなくなっている。
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