大神の元眷族、再び迷宮へと潜る   作:袖釣り

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酷烈

その翌日、俺はベルと共にダンジョンの一階層にいた。

 

「ベル、今日のお前のやるべき事を伝える」

 

「はい、よろしくお願いします!!」

 

昨日の事を余り引き摺っていないようで安心したが、油断は出来ない。

 

だからこそ、余計なことを考えさせないためにも指示を飛ばす。

 

「じゃあ、今日からは一階層から十二階層まで往復十回を五回な」

 

「・・・・・・へ?ぶへっ!!」

 

「ちゃんと聞いとけよ」

 

俺の言ったことに対して気の抜けた声を出したので蹴りを入れる。

 

「もう一度だけ言うぞ、今日からは一階層から十二階層まで往復十回を五回やれ」

 

つまり、上層の上から下まで五十回往復しろと言っている。

 

「本当に・・・!?」

 

「俺が冗談を言っているように見えるか?」

 

「いいえ、とんでもないです!?」

 

疑問符を浮かべるベルに対して俺が凄みながらそう言うと首が千切れんばかりに横に振っている。

 

「じゃあ、始めろ」

 

「はい、行ってきますぅううううううううううっ!!!」

 

どこか悲鳴のように聞こえる声でそう言いながらダンジョンへと進んでいくのだった。

 

こうして、俺による酷烈訓練(スパルタトレーニング)が開始されるのだった。

 

「ハァアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

ベルは猛り声を上げながら一匹のゴブリンを斬り捨てる。

 

「一匹ぐらい倒したぐらいで気を緩めるな。その気の緩みが死を招く」

 

「はい!!」

 

「所で、お前の手足は飾りか?迎撃方法がナイフだけで対応しきれるのか?考えろ、思考を止めるな。止まった時がお前の命の終わりと思え」

 

「は、はい!!」

 

そうして、ベルは襤褸布になりながらも上層を五十回往復してみせた。

 

「な、なな、なぁんだいこの数値(ステイタス)はぁ!!」

 

「煩いぞ、もう夜なんだぞ。近所迷惑も考えてから叫べ」

 

ヘスティアの叫びに俺はそう言った。

 

「辛辣っ!?だけど、この数値を見たら君だって叫ばずには居られないよ」

 

そう言ってベルのステイタスが書き写された羊皮紙を受け取り確認する。

 

ベル・クラネル

 

Lv.1

 

力SSS9876

耐久SSS9073

器用SSS9911

敏捷SSS11991

魔力I0

 

憧憬一途(リアリス・フレーゼ)

・早熟する

懸想(おもい)が続く限り効果持続

懸想(おもい)の丈により効果向上

 

確かに魔力以外のステイタスは異常だな、敏捷においては上限突破してやがる。

 

「今日、ベル君に何をさせたんだい?」

 

ジト目でそう言って迫ってくるヘスティアに対して俺はこう言った。

 

「ダンジョン上層部全階層踏破を五十回だけさせた」

 

「その結果がこれだけの【ステイタス】を獲得したわけだけど無茶させすぎじゃ無いのかい?」

 

「むしろ甘いくらいだ。もし、ゼウスとヘラ(俺達)の派閥が健在だったらもっと酷い目に遭っていただろうよ」

 

「えー・・・」

 

ヘスティアの言葉に俺がそう返すとドン引きしていた。

 

「ベルにがもっともっと強くなって貰わなくては困る。あの子にはこれからあらゆる理不尽に遭うことになるからこそそれを乗り越えるための強さを手に入れる必要がある。それに・・・」

 

「それに?」

 

「いや、こいつは俺の問題か・・・」

 

俺はそう言って外に出て空を眺めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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