ウデマエXの俺はスプラの世界に転生してもウデマエXを目指す   作:木岡(もくおか)

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第30話 一人目のチームメイト

 お互いにその気持ちはあったけれど……伝えることはできていなかった。

 

 ようやくお互いに望んでいたチーム結成を叶えられたユウキとアユ子。2人はその夜、居ても立っても居られなくて……屋根の上から飛び出し、イカスツリーが立つ場所を目指した。

 

 夜の町を自転車で進み、頂きを見に行った……。スタジアムにも足を運び、いつか自分たちもその場所に立とうと誓った……。

 

 そうは言いつつも、ただお互いが元気でそこにいることを確かめ合いたかっただけなのかもしれない。

 

 

 ……その翌日から2人はチームでガチマッチを勝ち抜くための努力を始めた。プレーオフとフェスが終わるまではガチマッチもお休みなので、とりあえずやれることは家での練習だった。

 

「そう。だからスペシャルを発動する前にボムを足下に置いてから泡を作って、もう1個ボムを投げるの。これが、バブルランチャーの即割」

 

「なるほど。こうか」

 

 アユ子が試し撃ち場でバブルの即割を実践する。

 

「そう。上手い上手い。これってこの世界では見たことないけど、やっぱまだ知られてない技術なのかな?」

 

「私も知らなかった。きっと誰も知らないよ。他には?」

 

 ユウキは他の世界から来たことを打ち明けたので、色々と大っぴらに教えることができるようになった。

 

「バブルは他にもナイス玉やマルチミサイルを受け止めたり、ホコやヤグラを進めるときに無理やり壁を作るのも強い汎用性があるスペシャルだよ。俺もこの世界では人気なさそうだから使ってみようとは考えてるんだよね。まあ俺が使わなくてもそのうち誰かが……聞いてる?」

 

「聞いてる聞いてる。こうやって盾にするんでしょ」

 

 アユ子は頭上高くに大きなシャボン玉をたくさん作って遊び始めていた。ジャンプしながら空を仰いで楽しんでいる。

 

「いや、聞いてないでしょ」

 

「だってスペシャルがバブルの武器使わんし……あ、でもリッターとかではバブルの即割ってできないのか」

 

「そうだね。サブがボムの武器じゃないとできないかな」

 

 アユ子は空中を漂うバブルを見てしばらく首を傾げると突拍子もないことを言い出す……

 

「そうだ。これからナワバリバトルしに行こうよ」

 

「え。今から?」

 

「うん。やっぱこうやって体を動かしてるとバトルしたくなってくる」

 

「いきなりだね」

 

「私バトルできてなかったから早いうちにもう一度やっておきたいの。……それに、チームメンバーも集めないとだからね」

 

 チームでガチマッチに参加するにはあと2人メンバーを探す必要があった。昨日の今日なのでまだ全くあてがないが、ユウキもそこはどうしようかと思っていた。

 

「たしかイカスツリーの掲示板にもメンバー募集みたいなのいっぱいあるよね」

 

「うん。ネットとかでもガチマッチのチームメンバー募集はできるし、やってる人いっぱいいるよ。私たちも良いチームメイト探さないとね」

 

 

 家の試し撃ち場ではこう言っていたが……イカスツリーに着いたアユ子は真っ直ぐにバトルの受付をして、掲示板には目も触れなかった。

 

「さあ、さっそく行くよユウキ君」

 

 ユウキはそれからアユ子のテンションについていくのが精いっぱいで、掲示板を見る暇もなく連続でバトルに付き合わされた。どちらかと言えば、どんな人がチームメンバーを募集してるのか見に来たのだけれど……。

 

 けれど、それも良かった。アユ子が楽しくバトルしている姿を見てユウキは安心した。とりあえずナワバリなら相手にチャージャーがいても普段通りのアユ子だった。

 

 またチャージャー恐怖症で動けなくなったりしたらどうしようか心配していたけれど、そこまで深刻ではなかったみたいだ。

 

 それが嬉しくて、ユウキも後半はチームメンバー探しのことなんて忘れて楽しんでいた。最近はガチマッチと試し撃ちばかりやっていたが久しぶりにやるナワバリはやっぱり楽しい。

 

「あ、ユウキじゃん。ちょうど良かった。俺お前に言おうと思ってたことがあるんだけどさ。俺とチーム組まないか」

 

 休憩中にばったり会って話しかけてきたのは前から付き合いがあるイケメンタコボーイのカジキだった。

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